『ゆめ色クッキング』の“まるごとりんごケーキ”を再現!

 近所に、もう十何年以上も真っ黒なかわいい犬(柴犬系の雑種のように思います)を飼っているお家があるんですが、最近久々にその犬をよく見ると、真っ黒だった毛並みがうっすら白っぽくなったのに気付いて驚きました。人間もそうですが、犬にもやはり白髪というのは存在するんだな~と当たり前の事に感心した出来事でした。
 どうも、子犬の「何して遊ぶ?」と言いたげなあどけなさも愛らしいですが、老犬の「しょうがない、遊んでやるか」という大人っぽさもいとおしいと思う管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『ゆめ色クッキング』にて主人公・芹香ちゃんが南野さんの部屋でりんごをもらったお礼として作った“まるごとりんごケーキ”です!
まるごとりんごケーキ図
 ひょんな事で知り合った雑誌編集者・南野さんから、グルメ雑誌に載せる1/4ページのお料理コラムを書かないかと誘われて以来、毎月コツコツ執筆していた高校二年生の主人公・後藤芹香ちゃん(最初のお話はこちら)。最初は軽い気持ちで書いていたのですが、何ヶ月か経過した後に南野さんから芹香ちゃんの文章が読者から好評を得ているという嬉しい事実を伝えられた上、来月からは思い切って丸々1ページ写真入りのお料理コラムを書いてみないかという申し出をされ、芹香ちゃんは俄然やる気を出してその話を受ける事にします。この頃から芹香ちゃんは女子高生料理研究家として徐々に有名になっていき、卒業後も料理研究家として第一線で活躍していきますので、人の縁は不思議な物だと思います。
 このお話をされた時、芹香ちゃんは編集部の一角で南野さんの実家から送られてきた紅玉という品種のりんごを差し入れとして出され「紅玉はね、一番お菓子作りに合うりんごなの。ちょっと酸っぱいけど、私大好き」と言って喜んだ為、南野さんは実家から沢山送られて駄目にしてしまいそうだからという理由でおすそ分けを提案します。最初は遠慮した芹香ちゃんですが、新しい仕事とりんごのお礼をかねて面白いりんごのケーキを南野さんの家でご馳走するというアイディアを思いつき、後日半ば強引に南野さんのアパートへ遊びに行く事にします。
 実はその際、南野さんはしどろもどろになりながら「その…仮にも一人暮らしの男の部屋にだね、女の子一人で…っていうのは…」と照れまくっていましたが、芹香ちゃんは「えーーー、変なの南野さんって!前にもおかゆ作りにいったじゃない(´∀`)!中年のおじさんみたい☆」と非常にあっけらかんとした様子で、南野さんの事を全く男性として意識していないアピールを炸裂させていました;。後々結婚までしてしまうお二人ですが、この時点では芹香ちゃんはどうやら南野さんを半分お兄さん、半分お父さん(?!)として見ていた節がありますので、既に芹香ちゃんに対してほのかな恋心を持っていた南野さんが少々気の毒になってしまいましたorz。それにしても、まだ26歳だというのに好きな女の子からお父さん扱いされてしまった南野さんはショックだったろうな~と同情してしまいします(当管理人と同い年なので、感情移入しまくりです^^;)。
南野さんの田舎から送られてきたりんご・紅玉を食べて喜ぶ芹香ちゃん
 この時、芹香ちゃんが南野さんのアパートへ道具を運び込んでルンルン歌いながら焼き上げたのが、この“まるごとりんごケーキ”!何と、砂糖やバターで軽く焼いたりんごを丸ごと三個もバターケーキの生地に沈めて一気に焼いて仕上げるというなかなか大胆なケーキで、表面にアプリコットジャムを塗るのがポイントだとのことでした。調べた所、どうやら原型のケーキはイギリスにあるようです。当管理人はりんごなどの果実を豪快に生地に入れて焼いた素朴なケーキが大好きなんですが、さすがにりんごを丸ごと入れたケーキは食べたことがなかったのでびっくりしました。りんごの旨味を丸ごと封じ込めたケーキ…考えただけでおなかがすいてきます(´Д`*)。
 ちなみに、芹香ちゃんはこのケーキを焼く時に小さい頃からお母さんから教わった「ケーキを焼く前にはおいしくなれとお願いしながら焼くと、必ずおいしくなる」というアドバイスを南野さんの家でも実行しています。早くも「手伝う事はありませんから、向こうで本でも読んでいてください!」と台所から追い出されてしまった南野さんは、そろ~っとその風景を覗き見て微笑ましく思うのですが…確かにこの構図は「ケーキを焼くまでに成長した少女を見守るお兄さん」ぽいので、芹香ちゃんの気持ちも分からなくもないですね;。
台所で歌いながらケーキを焼く芹香ちゃんを微笑ましく思う南野さん
 その後、芹香ちゃんは委員会の仕事などが重なって疲れていたのもあり、焼けたケーキの荒熱を取っている最中にぐっすり眠ってしまいます。芹香ちゃんを気遣った南野さんは芹香ちゃんをそのまま寝かせておき、その間にちょうどいい具合に熱が取れた“まるごとりんごケーキ”を食べ、「おもしれー」「甘酸っぱくてうまいや」と喜んでいました。毎年実家からりんごが届くたび生のままかじる事がデフォだった南野さんも、ようやく焼いたりんごの美味しさに目覚めたようだったので、芹香ちゃんの苦労が報われてよかったと思う一コマです。ただ、製作者である芹香ちゃんは夢の中で「ケーキを食べ続ける南野さんの為にケーキを延々と焼き続ける」という悪夢と格闘するのに必死の状態だった為直にその感想を聞くことは出来ず、ちょっと残念な結果に終わっていました;。
結局進展は何もなし!それどころか芹香ちゃんは夢の中でうなされてました;
 りんごの旬は本来なら秋ですので再現を迷ったのですが、久々にこのお話を読み返している内にどうしても食べてみたくて仕方がなくなった為、作ってみることにしました。早速、巻末レシピになるべく忠実にそって作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、りんごの下準備。りんごの表面を流水で洗った後、中央のヘタや芯部分をりんごの芯抜き器でぐるりとくり抜いて取り除き、皮を全部むきます。芯を取るのは小さめのナイフなどでも可能ですが、りんごの芯抜き器を使うとあっという間に終わる上怪我をする危険性も減るので、そちらの方がお勧めです(100円ショップで売っています^^)。
 ※お菓子作りに使うりんごの品種は紅玉が一押しですが、無い場合はふじ、ジョナゴールド、国光などが火を通すのに向いています。
まるごとりんごケーキ1
まるごとりんごケーキ2
まるごとりんごケーキ3
 このりんごを、中火で熱して砂糖とバターを少し溶かし炒めたフライパンへ入れ、コロコロ転がしながら焼きます。火を通していくうちに砂糖とバターが茶色く焦げてキャラメル状になっていきますので、それをりんごにまんべんなく絡めながら香ばしく炒めるのがコツです。これで、ケーキに入れるりんごは用意OKです!
 りんごを炒めている時、パン屋さんでよく漂ってくるりんごパイみたいな香りがぷ~んとしてくる為、りんご好きには堪えられない作業でした。りんごの甘酸っぱい香りとキャラメルの香ばしい香りが殺人的に素晴らしく、一気に幸せな気持ちになります(^^)。
まるごとりんごケーキ4
まるごとりんごケーキ5
まるごとりんごケーキ6
 次は、生地作り。ボウルへ小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖をふるいにかけながら振りいれ、よく溶きほぐした卵液を加えながら泡だて器でグルグル混ぜます。そこへ室温に戻した牛乳とバニラエッセンスを投入してさらに混ぜ合わせ、最期に溶かしバターを入れてよく混ぜます(ややゆるめに感じました)。これで、生地も準備万端です。
まるごとりんごケーキ7
まるごとりんごケーキ8
まるごとりんごケーキ9
 ここまできたら、後は焼き作業。薄く油(又はバター)をぬったケーキ型へ先程のケーキ生地を流し込み、その上に荒熱を取っておいた焼きりんごを並べ入れます。このケーキ型を、180度くらいのオーブンで約一時間前後かけて焼き上げます。途中、焦げかけたらアルミホイルを上を覆うなどして調節します。
 ※これは原作にはない箇所ですが、焼きリンゴの周辺や中央の開いた穴にフライパンに残っているリンゴ風味のキャラメルソースを少々垂らすと風味・味・香り共にぐっと深みが出ます。
まるごとりんごケーキ10
まるごとりんごケーキ11
 ケーキが焼けたらオーブンから取り出し、生地が冷めてから型から外して表面に刷毛でアプリコットジャムをペタペタ塗ります。この行程を経ると、ケーキの照りと香りが数段アップします。
まるごとりんごケーキ12
まるごとりんごケーキ13
 アプリコットジャムを塗り終えたケーキを大皿へ乗せてテーブルに運び、傍らに紅茶を添えれば“まるごとりんごケーキ”の完成です!
まるごとりんごケーキ14
 作中に出てくる完成図を見て大体予想はしていましたが、分かっていてもりんごが丸ごと三個ケーキの中にデンと埋まっているのはやはりかなりの衝撃です;。中を切り分けてみると、どっしりしたバターケーキ風の生地としっとり蒸し焼き状になったりんごが迫力満点な感じで、甘い物好きには堪えられない食べ応えのありそうなケーキというイメージでした。表面に塗られたアプリコットジャムとりんごの甘酸っぱい芳香が食欲をそそります。
まるごとりんごケーキ15
まるごとりんごケーキ16
 それでは、一人分に切り分けていざ実食!いっただっきまーす!
まるごとりんごケーキ17

 さて、味の感想ですが…りんごの旨味を豪快にギュッと包み込んだ傑作ケーキ!丸ごとだからこそ堪能出来る醍醐味が素晴らしいです。
 表面はおろしりんごに似たふんわり柔らかな口当たりなんですが、中は生のようで生ではない不思議な食感でシャクシャクサクとフレッシュなので、対照的で面白いです。味自体はキャラメリゼにしたりんごソテーと煮りんごを足して二で割った感じですが、それにしてしてはりんごの自然な甘酸っぱさがそのまま残っていて素直に楽しめる上にまるで生りんごみたいなジューシーな果汁がジュワッと溢れ出てくる為、思わず「カラメル煮風レアりんご」という例えが頭に浮かぶ程でした。
 香ばしく焦げてほろ苦いカラメル風味が染み込んでいるりんごも美味ですが、そのりんごの周囲にくっついているケーキ生地がまた絶品で、特にりんごの穴が開いた中心部分に入って半ば蒸し焼きにされた生地は、りんごの香りがついたプリンケーキと呼びたくなるようなとろけるシュワシュワ感となめらかな甘さがおいしかったです。
 ケーキはカップケーキや焼きドーナツの味とそっくりで、卵たっぷりな生地の特徴である素朴なコク、控え目な甘味、しっとりかつどっしりとした重厚な食べ味を兼ね備えていて、りんごとぴったりの相性でした。バターたっぷりのリッチな旨さがたまらない、シンプルながらも飽きのこない王道的一品ってイメージです。表面に塗られたアプリコットジャムのあっさり癖のない落ち着いた酸味が爽やかな後口をプラスしているのもいいですし、バニラの品のいい甘やかな香りが贅沢な気分にさせてくれました。

 作る前は生地がべチャッとしないか、ちゃんと膨らむのかどうかと心配でハラハラしていましたが、実際に焼いてみると思った以上にふっくら焼けて水っぽい仕上がりにならなかったのでほっとしました(^^;)。見た目にかなりのインパクトがあるので目で楽しめますし、その上香りもアップルパイに匹敵するほどいい香りなので鼻で楽しむ事も出来、まさに一石二鳥の絶品ケーキです。そのままでもおいしいですが、ゆるめに泡立てた生クリームを添えてもおいしそうです。

●出典)『ゆめ色クッキング』 くりた陸/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.03.24 Sat 21:20  |  

こんばんは。

贅沢さをも感じる豪快なケーキですね。
リンゴの風味が画面からも伝わってきそうです。

  • #-
  • あおまるねこ
  • URL

2012.03.24 Sat 23:36  |  あんこさん!!!

ずっとずっと前にリクエストしたときから待ってました!!♡
ゆめ色クッキング!!
あんこさん最高!!!泣
わくわくしました。
あのケーキの魔法、わたしも毎回まねしてます。笑
あああああ早くジンジャークッキーとフルーツ3年つけてるケーキまでいかないかな。笑 7巻まで楽しみすぎます。
2、3巻のいちごのダイエットレアチーズケーキみたいのも
あんこさん作ったら絶対かわいいでしょうね☆
あとは、年輪おいものケーキも☆お餅入りの春巻きもwww
楽しみです♡

  • #-
  • ai
  • URL

2012.03.25 Sun 04:15  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2013.02.21 Thu 18:14  |  すごいですね。

初コメントです。

私も姉が持っていた「夢色クッキング」を見ながらよく作ってました。

ドーナツはよく作ってましたね(笑)

りんごのケーキは作りたくても作れなかったなぁ…

だからすごーいと感動してます。

また遊びに来ます。

  • #-
  • ルナ
  • URL

2013.02.27 Wed 21:15  |  お久しぶりですm(_ _)m

ゆめ色クッキングは当時色々作りましたネ(^O^)
パスタ入りミネストローネやもちチーズ春巻、まるごとリンゴケーキ…(´q`)
もちチーズ春巻は宴会にてよく作りました(^O^)

  • #/2CD/BNk
  • 桜海
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『夢色パティシエール』


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