『クッキングパパ』の“おにぎりコロッケ”を再現!

 昔から一度食べてみたいと思いつつ、何故か食べれていない料理があります。それはコロッケそばで、何故か九州の方ではあまり売られていない為(ごぼう天そばや丸天そばだったらどこにでもあるのですが…)、「あれは揚げたてを上に乗せるのがメジャーなのか…それとも、冷えたのを乗せて汁で温めながら食べるのが正解なのか…」など、ずっともやもやしています。一度、家で出来合いのコロッケとそばを組み合わせて作ってみた事はあるのですが、何分食べたことがない為これが正しいのかどうかも分からず、いつかお店で見かけて注文できたらいいのにな~と夢見ています。
 どうも、あるうどん屋でいなり寿司やかしわ飯の代わりに蒸籠蒸しの鰻飯が置いてあるのを見て驚愕した事がある管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が夢子さんにお願いされて作ってきた“おにぎりコロッケ”です!
おにぎりコロッケ図
 それは、金丸産業がまだ隔週休二日制だったある土曜の夜の事。時間がかかりそうな仕事を抱えていた荒岩主任は夜遅くまで残る事を覚悟していたのですが、たまたま一緒に残業してくれていた夢子さんが手際よく片付けていってくれた為、予想以上に早く仕事を終わらせる事ができます(さすが、一巻で「営業二課のコンピュータ」とけいこちゃんから言われただけの事はあります^^)。それまでにも何かと夢子さんに助けてもらって仕事を早く切り上げられていた荒岩主任は、あらかじめまこと君に残業で帰りが遅くなると連絡していたのもあって夢子さんに「お礼に夕食をご馳走しよう」とお誘いしますが、心優しい夢子さんはまこと君を気遣い「いいです!家でまこと君が待ってるでしょう。早く帰ってあげてください」と少し寂しそうに辞退します。実を言いますとこの頃、夢子さんは荒岩主任に擬似恋愛と憧れが入り混じったような複雑な感情を抱いていた時期だった為、とても嬉しかったであろう事が推測できるのですが、最終的には周囲に気を使って遠慮しちゃう所が歯がゆいながらも夢ちゃんらしいシーンだな~と思います(´・ω・`)。
 ただ、さすがの夢子さんもお誘いを受けた事からちょっと大胆になったのか、この時日頃から密かに願っていた「主任さんのお弁当を食べてみたいな~」という願望を勇気を出して荒岩主任に打ち明けています。考えてみればこのお話が載っている11巻当時、夢子さんは荒岩主任から“スペシャルモーニングトースト”や“デコレーションケーキ”などといった料理を作ってもらった事は時折あったものの、お弁当だけはまだ作ってもらったことがなかったので、余計気になっていたのだろうと思います(実際、初期の荒岩主任が作ったお弁当の数々は地味な絵柄ながらも妙に美味しそうなものばかりなので、夢子さんの気持ちはよ~く分かります!)。当然、このささやかなお願いを荒岩主任は快く引き受け、早速来週の月曜日に夢子さんの為にお弁当を作って持っていくことを約束します。
荒岩主任のお弁当が食べたいと思い切っておねだりする夢子さん
 その後、帰宅して夕食を作りながら荒岩主任は「若い女性が好む弁当か、どんなメニューにしようか」とお弁当作りの構想を練るのですが、タイミング悪く翌日の日曜日にまこと君が所属する少年サッカーチームが地区予選を出場する事もあって差し入れ作りや応援などでバタバタしてしまい、結局日曜日の深夜までその事をすっかり忘れて何の用意もしないという大失態をおかしてしまいます;。不幸中の幸いで、何とか真夜中に夢子さんとの約束を思い出せた荒岩主任は飛び起きるのですが、何の買出しもしていない・材料も揃っていない・お店も開いていないというないない尽くしの状態だった為、一体どんなお弁当を作るべきか荒岩主任は途方に暮れてしまいます。現代でしたらコンビニでお肉や野菜を買い出す事もそう難しくないですが、このエピソードが掲載された1980年代後半はスーパーが閉店したら生鮮品を買う手段はほぼ断たれたと言っても過言ではなかった為、当管理人が小学生だった頃に始めて読んだ時は荒岩主任の慌てぶりが目に見えるようでハラハラしたのを覚えています。
 そんな時、荒岩主任が少年サッカーチームに差し入れしたものの大量に余ってしまった残り物のおにぎりを使って用意したのが、この“おにぎりコロッケ”!作り方はほぼトマト味のライスコロッケと同じなのですが、細切れにしたカシューナッツやチーズを混ぜ込んだり、お肉はささみだけにしてさっぱりめに仕上げたりと、少しでも夢子さんに喜んでもらえるよう工夫して作ってあるらしい所が随所に見えて微笑ましいレシピです。ライスコロッケは通常小さいサイズにまとめてあげることが多いんですが、この“おにぎりコロッケ”は結構大きめなおにぎりサイズにまとめてあげるとのことで、結構ボリュームたっぷりそうなイメージの一品でした。
 そして月曜日、荒岩主任は心なしか少し残念そうな表情をしながら夢子さんに“おにぎりコロッケ”弁当を渡すのですが(多分、量好きな荒岩主任としては手の込んだお弁当をあげれなかった&残ったおにぎりで作ったのが申し訳なかったんだろうな~と思います;)、夢子さんはそんなことはおかまいなしに大喜びし、「おいしいです、主任さん」とにっこり笑顔になっていました。
残り物のおにぎりで、何とかベストを尽くそうとします!
 今までライスコロッケを食べたことは数えられる程度しかなかった為、イマイチ味の想像がつかずずっと躊躇していたのですが(学生時代に「カプリチョーザ」のライスコロッケを食べて以来一度もお目にかかっていませんorz)、久々に食べてみたいと思い再現してみる事にしました。早速作中のレシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、中身のチキンライス作り。玉ねぎはみじん切り、マッシュルームは薄くスライスし、鶏のささみは白い筋を取って小さめに切り、プロセスチーズはダイス状に切り、缶入りグリーンピースは水気をきっておき、カシューナッツはやや細かく砕きます。
おにぎりコロッケ1
 中火で熱したフライパンに油を入れてなじませたらバターを溶かし、玉ねぎを投入して透き通るまで炒めたらマッシュルーム、鶏のささみを加えてよく混ぜながら炒め合わせます。やがて全体がしんなりしきたら冷ご飯を入れて切るようにほぐしながら混ぜ(あまったおにぎりでもOKですが、その時は塩味を少々控えめにします)、塩とこしょうで味付けします。
おにぎりコロッケ2
おにぎりコロッケ3
おにぎりコロッケ4
 冷ご飯と具が混ざってきたらケチャップを加えて強火にし、ご飯全体にケチャップ味をまんべんなく広げながらそこへグリーンピース、カシューナッツ、プロセスチーズを投入して、さらに混ぜ合わせます。これで、チキンライスの出来上がりです。
 ※ケチャップが多すぎるとベタッとして口当たりが悪くなるので、最初は少なめに入れて後から徐々に足していくのをお勧めします。
おにぎりコロッケ5
おにぎりコロッケ6
おにぎりコロッケ7
 次は、揚げ作業。チキンライスはなるべく温かい内に手でやや固めに握っておき(冷えた後だと、何故かまとまりにくいです)、小麦粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつけ、170~180度に熱した揚げ油で数分間カラッと揚げます。表面がキツネ色になってきたらキッチンペーパーに引き上げ、油をきります。
おにぎりコロッケ8
おにぎりコロッケ9
おにぎりコロッケ10
 油がきれたのを確認したらペーパーをひいたバスケットの中に入れ、傍らに茹でたブロッコリーとマッシュポテトを添えれば“おにぎりコロッケ”の完成です!
おにぎりコロッケ12
 それまでライスコロッケというのは、小さい球状のライスコロッケがトマトソースをかけられてお皿にちょこんと盛られているという認識を持っていたのですが、こぶし大はあろうかという特大おにぎりサイズのライスコロッケがお弁当箱の真ん中でデンと構えているのを見るのは生まれて初めてだった為、少々戸惑いました;。キツネ色に上がった衣をスプーンでサクッと突き入れると、中からケチャップライス特有の甘酸っぱい香りがふわっと漂い、思わず食欲がわいてきます。
おにぎりコロッケ13
おにぎりコロッケ14
 それでは、揚げたての内にいざ実食!いただきまーすっ!
おにぎりコロッケ15

 さて、味の感想はと言いますと…ボリュームがあって旨し!残り物の冷や飯で即興で作ったとは思えない程よく出来ています!
 チキンライスが入っているせいかどことなくオムライスを思い出してしまう洋食風ライスコロッケで、初めて食べるはずなのに何だか懐かしい気持ちになります。ささみを使った為ややあっさりした味わいのチキンライスになっていますが、所々に紛れ込んでいるチーズが熱でトロ~ッととろけて絡んで濃厚なコクをプラスしているので、ちょうどいいバランスで頂けました。スプーンで食べてもいいですが、田中君のようにかぶりついた方が香ばしく揚がったサクサクの衣を噛み破るあの快感を楽しめますし、食べる直前までどの具が出てくるか分からない為ワクワクします(具沢山な為、食べるた途端溢れんばかりでゴロゴロ飛び出してくるのが迫力満点です)。
 クルミに似てカリカリポリポリした食感のカシューナッツは、硬いようですぐに砕けるソフトな口当たりと、噛むごとに段々ねっとりしてくる甘みを帯びた油分がいいアクセントになっており、おかげで普通のものとはひと味違うチキンライスに仕上がっています。また、プチプチ感がたまらないグリーンピース、シコシコした歯触りのマッシュルームも定番の具という感じで、時折バターの豊潤な風味がふわりと漂う甘酸っぱいチキンライスと相性ばっちりでした。不思議な事に、あんなに力を込めて握ったにも関わらず口の中でハラハラほどけて衣と一体になっていくベストな出来栄えで、ご飯粒がべとつかずふっくらしたままで食べやすかったです。

 揚げたてが最高なのはもちろん、冷めてからも味がしっかりしていて美味しくいただけました。冷蔵庫の余りものだけで作ったとはおもえないくらい凝った味で、一個だけでおなか一杯になるほどボリュームがあります。ケチャップ味ではなく、ホワイトソースとチーズでドリア風に仕立ててもまた違った美味しさになりそうです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.04.17 Tue 15:59  |  関東圏のコロッケそば

コロッケそばは、基本的には立ち食い蕎麦屋さんのメニューなので大概は揚げ置きのふにゃっとしたコロッケです(^-^;と言うと、まずそうに感じられるかもしれませんが、熱いつゆに溶かしながらいただくとなかなか乙なものです。
自前で揚げているお店の場合は、運良く揚げ立てに当たる時もあるので、そうそう時はラッキーですね(*^-')b
また、銀座の「よし田」という老舗の蕎麦屋の名物はコロッケそばなのですが、こちらは一般的なコロッケとは似て非なる別の揚げ物で、こちらではもちろん揚げ立てが載って来ます。

  • #-
  • りこ
  • URL

2012.04.21 Sat 03:37  |  連続コメント4

あんこさん、こんばんは。
ふう~。やっと、ここまで辿り着きました!

「コロッケそば(&うどん)」。関東の僕の住んでいる辺りでは普通に
立ちそば屋さんにありますよ。そのお店で揚げている所はそんなに
多くないんじゃないでしょうか。別の所で揚げた出来合いのコロッケ
をそばやうどんに乗せる感じですね。自家製にしても注文を受けて
から揚げる店、というのは聞きませんね。

とはいえ常温で置いてあるので、冷たいという訳ではなく、おつゆに
コロッケをひたして、コロッケをかじってはそばを食べる、コロッケに
だんだんとおつゆがしみて柔らかくなり次第におつゆに溶けてゆき、
コロッケが溶けてコクと香ばしさが出たおつゆでそばを楽しむ…。
そんな感じの食べ物ですね。

私見ですが、このコロッケそばには関東風の甘辛くカツオの出汁が
効いたおつゆが合うように思います。九州風の昆布&塩味のおつゆ
でも美味しいと思いますが、コロッケは丸天やちくわのように甘辛く
味付けされていないので、塩味だと少しあっさりしてしまうかな、と。
何ていうか、揚げてしばらく経ったエビ天を甘辛い出汁で煮て卵で
閉じて食べるイメージ?

是非一度お試しください。では~。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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