『華中華』の“焦がし醤油の砂肝チャーハン”を再現!

 昨日、前々から探していた『てぬのほそみち』と『せやしだし巻京そだち』が見つかったので、「再現料理を予定中の漫画」欄に加えました。
 『てぬのほそみち』には須藤真澄先生流手抜きレシピがユーモアたっぷりに紹介されているのが面白く(丸いフランスパンを豪快に使うサンドイッチ、手で作るバナナケーキ、緑茶ぴったりな田舎饅頭など盛りだくさん!)、『せやしだし巻京そだち』では京都の商家ご出身である小林明子先生の幼少時の思い出話が四季に分けて書かれているのが興味深いので、読んでいた時のワクワク感をうまく説明できるよう頑張ろうと思います。

 どうも、秋に京都へ旅行する際に再現用の京野菜も購入しようとあれこれ計画を立てている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがある夕食の席で思いついた三百円チャーハン第八弾・“焦がし醤油の砂肝チャーハン”です!
焦がし醤油の砂肝チャーハン図
 ある夏の夜、ハナちゃんは週末にしか会えないはずの夫・康彦さんが「逢いたくて我慢できなかった」と言って焼き鳥とビールを手土産に訪ねてきてくれた事に大喜びし、寮の部屋で久々に夫婦水入らずの時間を過ごします。
 普段、一緒に過ごせたとしても三浦半島の実家でお義父さんやお義母さんを含めた四人でいる事が多いので、完全な二人っきりは相当嬉しかったろうな~と思いました(ただ、寮と満点大飯店周辺は二人でいる所を決して見つかってはいけないので、まるで忍者の隠密活動か『メタルギア』のスネークかの如く、人目につかぬよう隠れながら行動をしなければなりませんが…;)。
 実は、ハナちゃんはこれまで焼き鳥を食べた事がほとんどなかったようで、焼き鳥の砂肝を食べるのは今回が初めてだったそうなんですが、砂肝のコリコリした食感をすごく気に入り、早速チャーハンの食材として使う事を思いついていました。
 こういう新しい組み合わせに対して敏感に反応出来る勘と、間髪入れずに実行する行動力を併せ持つハナちゃんのような人は、どの世界にいてもそれなりに成功するんだろうな~と思います。
初めて砂肝を食べたハナちゃんは、チャーハンの具にする事を思いつきます
 そして翌日、ハナちゃんは上海亭で昨晩から色々考えていた新しいチャーハンをお客さんに出そうと早くから色々と準備するのですが、何と開店直前になって満点大飯店のマダム・奈可子さんと、オーナーの計太郎さんが店内へ入って来るというアクシデントが起こります。
 何故奈可子さん達がわざわざライバル店へ堂々とやってきたかと言うと、理由はズバリ「上海亭で今まで出されてきた六十種類以上のチャーハンレシピを、満点大飯店でも出せるよう教えて欲しい。勿論、それなりのお金は出します」という商談をする為
 何でも、奈可子さんは上海亭の独創性溢れるチャーハンと、そのチャーハンの虜となりリピーターとなるお客さん達の数に前々から注目していたそうで、それらのチャーハンとお客さんを満点大飯店にごっそり取り込めたらと考えてアポなしの強引な話し合いをしに来たようでした(料理長の島野さんからお願いされたのも大きかった模様)。

―やんわりかつ強気に押してくる奈可子さんに、簡単に引き下がる様子はなし。
 お客さんもお腹ペコペコで待ちきれずに店内へ入ってきたから、そう長い時間はかけられない。
 かと言って、上海亭でハナちゃんがチャーハンを作っている事を満点大飯店側に知られたら「副業禁止の決まりを違反したからクビ!」といわれる事は必至なので目の前で相談は出来ない。
 第一、個人的にハナちゃんが一生懸命考え出してきたチャーハンレシピを、お二人を追い返す為という理由だけでお金で売り渡すような事は出来ない。―


 以上のようにかなり厳しい立場に立されたおじいさんは、それでものらりくらりと言い逃れをしようとするのですが、焦れた奈可子さんと計太郎さんは「確かお宅にはおばあさんもいらっしゃいましたね?その方にもお話を聞いてもらいます」と厨房へ踏み込もうと足早に歩き出します。
 実を言いますと、ハナちゃんは一連の話を聞いていた為逃げようとすれば勝手口から逃げられたのですが、ここで逃げ出せたら新しいチャーハンを楽しみに待っているお客さん達を裏切る事になると覚悟を決め、「見つかった時は見つかったで仕方ありません。それより今は、お客様の方が大事です!」とその場に踏みとどまっていました。
 ハナちゃんらしい結論だとは思いますが、見ているこちらとしてはハラハラもので、「もうこうなったら臨時休業にして出直そう!砂肝の漬かり具合を気にする余裕があるなら早く逃げてー!」と初見時はやきもきしたのを覚えています;。
 しかし、とっさにおじいさんが機転を利かせて「いや!お話をして頂く相手を間違えていますよ…満点さん」「私ども、上海亭のチャーハンはお客様の物だと考えております。だから、お客様にどうお考えか聞いて頂きたいんです」と言った為間一髪厨房のハナちゃんは見つからず、尚且つ今の上海亭に愛着のあるお客様達からレシピの買い上げを猛反対され、何とか無事上海亭のレシピを守りつつ満点大飯店のお二人を追い出す事に成功したのでした(^^;)。
 ちょっと気の毒ではありましたが、せっかくのアピールタイムの際に空気の読めない計太郎さんが「うちの超一流の料理人が作り、最高の食材・食器・サービスがつくと…安くて1050円、高い物だと…1500円から2000円ってとこでしょうね!ハハハ」と余計な事を言い出したのにはお客さんから愛想つかされても仕方ないよな~と感じたので、当然の結末だと思います;。
何と、マダム奈可子さんが上海亭のレシピを買い取ろうと来店してきましたいざという時は見つかってもかまわないと覚悟するハナちゃん
 そのすぐ後、ほっとしたハナちゃんが客席から聞こえる「上海亭ばんざーい」「お腹すいたよ~」という声を聞きながらささっと作ったのが、この三百円チャーハン第八弾“焦がし醤油の砂肝チャーハン”です!
 作り方はそこそこ凝っていて、薄くスライスした砂肝を日本酒・醤油・ごま油・豆板醤で下味を漬けておいた物を新玉ねぎと一緒に炒めて基本チャーハンに混ぜ込み、最後に醤油とごま油を弱火で煮詰めて作った焦がし醤油をあわせたら出来上がりです。
 ポイントは、味付け用の醤油だけではなく香りに特化させた焦がし醤油を入れてチャーハンに風味付けをさせる事だそうで、ハナちゃんはこれを「夕べ食べた焼き鳥の、お醤油の焦げた香りがとっても食欲を誘ったんです」という経験から思いついたと話していました。
 機能初めて食べた食材をここまで使いこなした料理を作れたハナちゃんは、やっぱりすごいと感じたエピソードでした。
醤油とごま油の焦げたい~い香りが、厨房に充満していました
 正直に話しますと、実はこのチャーハンは新玉ねぎがまだ旬だった頃にとっくに再現していたのですが、ストーリーに沿って紹介したいと考えているうちにズルズルと発表が延びてしまいました;。
 やっとここまで追いついたので、早速ご紹介しようと思います。


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、砂肝の下準備。流水で汚れをキレイに洗い流して筋や皮を取った砂肝を約二ミリ幅に切ってボウルへ入れ、日本酒、醤油、ごま油、豆板醤で味付けして揉みこみ、数時間放置して味をなじませます。
 その間、フライパン(又は中華鍋)に醤油とごま油を入れて弱火でじっくり火を通しながら丁寧に混ぜ、段々水分がなくなってきて焦がし醤油特有の芳しい匂いが立ち上るまでにしておいた新しい調味料・焦がし醤油を用意しておきます。
焦がし醤油の砂肝チャーハン1
焦がし醤油の砂肝チャーハン2
焦がし醤油の砂肝チャーハン3
 次は、炒め作業。
 フライパン(又は中華鍋)に先程の味つき砂肝を漬け汁ごと投入して中火で炒め、火が通ってきたら一センチ前後の幅に切っておいた新玉ねぎを加えてよく混ぜ合わせます。
 新玉ねぎの食感を残しつつ軽く火が通ったら、別皿に移します。
 これで、具も調味料も全て出来上がりです(´∀`)。
焦がし醤油の砂肝チャーハン4
焦がし醤油の砂肝チャーハン5
焦がし醤油の砂肝チャーハン6
 ここまできたら、後はチャーハン作りのみ!
 あらかじめ、以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りにフライパン(又は中華鍋)で若干塩味薄めで作っておき、そこへ先程の砂肝炒めを加えてざっと混ぜ合わせます。
 全体に具が混ざったら、仕上げに鍋肌へ焦がし醤油をかけまわし、チャーハンへまんべんなく行き渡るようあわせます。
焦がし醤油の砂肝チャーハン7
焦がし醤油の砂肝チャーハン8
焦がし醤油の砂肝チャーハン9
 焦がし醤油の風味がチャーハン全域に染み渡ったらすぐに火からおろし、お皿へ丸く盛り付ければ“焦がし醤油の砂肝チャーハン”の完成です!
焦がし醤油の砂肝チャーハン10
 ごま油の心とろかす香りと、焦げた醤油の胃袋を鷲掴みにされる匂いとが渾然となって湯気に混じり、空腹時にはたまらない出来栄えになっています(´Д`*)。
 見るからに下味が染みた感じの砂肝がご飯にぴったりそうで、画像を撮っている間中お腹がグーグー鳴りっぱなしでした;。
 砂肝とチャーハンの組み合わせは果たしてアリなのか、身をもって確かめたいと思います!
焦がし醤油の砂肝チャーハン11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーす!
焦がし醤油の砂肝チャーハン12


 さて、味の感想ですが…様々な香りと食感が楽しめて美味しっ!濃いめでビールにもぴったりな味わいです!
 焦がし醤油ならではの芳しい風味がチャーハン全域に絡み、噛み締めるごとにこってりしているようであっさりした濃密で深みのある醤油味が堪能出来ます。
 一粒一粒の表面に焦げて一層深い塩気に変化した醤油やごま油のコクが染みている為、まるで焼きおにぎりに似た昔懐かしい香ばしい味わいがするのが特徴的でした。
 豆板醤の刺激的でキレのある辛味と焦がし醤油のギュッと凝縮された旨味が複雑に入り交じり、「ストレートに響く辛旨醤油味」と表現したくなるような、奥行きがあるのに割とさっぱりした美味しさが印象的です。
 下味が染みたおかげですっかり臭みが消え、中華風の味つけになった砂肝の歯をグイッと押し返してくる弾力が非常に食べ応えがあり、正直チャーハンの具としてだけでなく単品でも十分おいしく頂けるくらいクオリティが高いのに驚きました。
 砂肝のコリコリした歯応えと新玉ねぎのサクサクしゃっきりした歯触りが交互に押し寄せてくるのが小気味良く、いくらでも食べられそうな心境にさせられます。
 特に予想以上にも存在感が大きかったのが新玉ねぎで、肉厚な身と強い甘味がピリ辛で濃厚な醤油味のチャーハンの旨さをさらに引き立てると同時にまろやかな後口へと仕上げていた
為、かなり重要な役割を果たしていました。
 なので、これは新玉ねぎが食べられる季節にこそ真価を発揮出来る期間限定チャーハンだと言えそうです。


 焦がし醤油はチャーハンに使うのは勿論、炒め物、ラーメン、茹で野菜、蒸し鶏にかけても美味しいので重宝する即席調味料です(あと、カロリー高いですが卵かけご飯にちょっと入れてみてもいけます)。
 砂肝とチャーハンと言う組み合わせは結構はまる美味しさで、ビールが急ピッチで進む事請け合いな飲兵衛にはたまらぬ一皿でした。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.09.04 Tue 00:15  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2012.09.04 Tue 22:23  |  砂肝!?

砂肝で炒飯とは珍しい。
でも砂肝なら安くできそうだなぁ。
砂肝はバター炒めくらいしか作らないから
機会があったらつくってみるかなぁ。
今日仕事の帰りにスーパーに行ったら「うまかっちゃん」が
売られていて懐かしくてついつい10袋買ってしまった・・・。
いつ食べようかしら・・・。
そうそう、ついに「みおつくし料理帖」が10月からドラマ化だ
そうです。楽しみだなぁ。
久々にドラマも観てみようかなぁと思っております。では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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