『おかわり飯蔵』の“ホップレピザ”を再現!

 つい最近まで、「宅配ピザはあんなに高いんだろう」という疑問を持っていましたが、あるサイトで「材料費、人件費、ガソリン代などを足して利益が出るようにすると、どうしてもあの値段になる」という理由を拝見し、大いに納得しました。
 思えばその昔、猛吹雪の日に何故か唐突に「ピザが食べたい!」という気分になった時に宅配ピザを利用した事があったのですが、極寒の中でも笑顔で「こんな日にすみません」「いえいえ、大丈夫ですよ~」というやり取りをしてくれたアルバイトの方の対応のよさが未だに印象に残っていますので、いかなる時でも配達をしてくれる宅配ピザ屋さんはやはり偉大だと思います。

 どうも、大抵の事は「仕方がない」と思えるものの、某コンビニでいくらおにぎりを鮭おにぎりなどと一緒にレンジで温められそうになったときは「あっ、ちょ、ま、すみませっ!」と取り乱しかけた事のある管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて美咲さくらさんが飯蔵さんから教わって合コンの場で作った“ホップレピザ”です!
ホップレピザ図

 さくらさんは一応<大江戸出版>のお料理記事担当である為、何かと言うと「料理記事を書いている人なら料理上手だろう」と思われているのですが、その実はまともに包丁を握ったことがない全くの初心者;。
 おかげで、唯一秘密を知る直属の上司からは「カップミソ汁専門のさくら」という非常に不名誉なネーミングで呼ばれる始末なのですが、飯蔵さんと知り合って簡単・早い・おいしい料理を見よう見真似で作るようになってからは周囲よりすっかり料理上手と誤解され、その結果様々な料理依頼を集中して受ける事になります。
 そんなある日、さくらさんは会社の先輩から呼ばれたホームパーティー形式の結婚式で、飯蔵さんから作り方を教わった“鯛の丸ごと蒸し”(いつか再現したいです^^)を出して大好評を得るのですが、それがきっかけで一流商社マンの中嶋さん達から「やっぱり料理が出来る女性はいいね」と声をかけられます。
 さくらさんは特に何とも感じなかったのですが、日頃から「婚活!」「玉の輿!」と盛り上がってはよりよい結婚相手をゲットしようと奔走している帰国子女のアクティブな先輩・福永さん(何かと言うと「シャラッ!」「カマン!」と発音のいい英単語を連発するので、ふと中学時代のネイティブだった英語の先生を思い出しました;)はそれを聞き逃さず、「今度、お互い四~五人ずつ男女を呼んで手料理合コンしましょう!その時には、さくらにも参加してもらって手料理を作ってもらうから楽しみにしてね!」という提案を中嶋さんへ即座に申し出、さくらさんの了承も得ずに半ば強引に話をまとめてしまいます;。
 その際、中嶋さんが「仕事でミラノに三年いた俺としては、イタリアンがいいな」と希望した為、手作りイタリアンを用意するようさくらさんは福永さんから指示されるのですが、本当は料理が全然出来ないさくらさんは苦悩します…。
 正直、そんな本場のイタリアンを食べ続けた男性にご馳走する料理となるとかなりハードルが高くてチョイスが難しそうなので、本格的に料理をし始めて一ヶ月もたたないさくらさんにとってはかなり負担だったろうな~とつい同情してしまいましたorz。
 しかし、先輩から「エニウェイ!今度のパーティーは絶対に成功させてみせる!」「手料理に餓えた商社マンのハートをゲットするのよ!」「バックレたらある事ない事いいふらすからね!」と迫られてはもはや拒否権はゼロに等しいので、悩んだ末に早速さくらさんは飯蔵さんに合コンの参加権を与える事を条件にイタリアンのレクチャーをしてもらう事にします。
強引な会社の先輩に無理やり説得され、手料理合コンへ参加することに;
 そして当日、さくらさんが朝早くから飯蔵さんにみっちりレシピやコツを教わり、合コンの場で何とかそつなく作って皆に振舞ったのがこの“ホップレピザ”(ちなみに、「ホットプレートピザ」の略称だそうです;)!
 作り方は「本当に、これでピザが出来るんですか?!」と言いたくなるくらいお手軽で、何と塩水と強力粉だけをボウルに入れて数分こねた生地を寝かさず麺棒で伸ばし、そのままホットプレートに乗せてバジルマヨソースを塗ってトマトなどの野菜類・ハム・チーズをちりばめてふたをしたら火を通し、チーズがとろけてきた所をガスバーナーで一気に炙ったらもう出来上がりです。
 通常、ピザ生地は強力粉や塩水の他にも薄力粉、イースト菌、オリーブオイルなどを加えて発酵させ、時間をかけて寝かせる事が基本的な作り方なのですが、飯蔵さんが言うには「家庭ならこれで十分!」だそうで、かなり拍子抜けする簡単なレシピなのが強烈に印象に残りました。
 おまけに、家庭では本場の味が出にくいという弱点もガスバーナーの約1300度近い強烈な火力で炙る事によってほぼ解決するとの事で、このひと手間をかけるのとかけないのとでは大分味が変わると作中では説明されていました。
 ソースもトマトソースではなく、市販のバジルソースとマヨネーズを混ぜて作るだけのソースというのも初めてでしたし、初見時から色んな意味で衝撃を受けたのを覚えています(・ω・*)。
何と、ガスバーナーで表面を炙る事が最大のポイントでした!表面へこんがり焦げ目がついた頃が食べごろです^^
 実を言いますと、パーティー開始までにさくらさんが間に合わずに遅れてすぐに“ホップレピザ”を用意できなかったり、福永先輩を始めとする女性たちがみんな料理を作れなかったのが原因で宅配のフライドチキン・フライドポテト・サラミ・ポテトチップスしかテーブルになかったのもあって、中嶋さん達商社マンは当然「どこが手料理?!」「話が違う(゜Д゜#)」と不機嫌になっていたのですが、さくらさんが登場して“ホップレピザ”を作ってからは徐々に盛り上がり、最終的には飯蔵さんのとりなしで余った宅配料理もピザに応用してオリジナルピザにしようという話になるくらい大いに雰囲気は和んで合コンは無事大成功で終っていました(^^)。
 ちなみに、そのオリジナルピザとはフライドチキンをほぐして乗せたスパイシーチキンピザや、ポテトチップスを割って散らしたパリパリポテチピザなど、これはこれでなかなかよさ気でした。
 家庭で作るピザは工夫次第で面白いアイディアピザがいくらでも生み出せる上、油分を控えられる分ヘルシーに仕上がるので、宅配ピザにはない魅力があるな~と改めて考えさせられます。
 しかし、この手料理合コンがきっかけでさくらさんはまた料理を作って欲しいという新たな依頼が舞い込んで「だから、私、本当は料理が出来ないんだってぇ!飯蔵さん、助けてぇ(´;ω;`)!!」という事態になって次のお話に繋がるのですが…それはまた、別の機会にご紹介しようと思います。
最初の寒々としたムードは消え、すっかり和気藹々ムードに!
 色んな意味で型破りのイタリアンだった為、いつか絶対再現したいと闘志を燃やしていました!最近、近所のホームセンターでいいガスバーナーを手に入れたことですし、作中のレシピ通り早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ピザ生地作り。ボウルに強力粉と海水くらいの塩辛さに調節した塩水を加え、一度に混ぜようとするのではなく最初は粉全体に水を馴染ませることを意識してゆっくり手でグルグル回しながら混ぜ合わせます(この時、強力粉のふわっとした赤ちゃんみたいに優しい手触りは相当に癒されるので、ちょっとストレス解消になります^^)。
ホップレピザ1
 やがて、強力粉全体に塩水が染み渡って一つの塊にまとまってきたら、粉を中心に集めていくような感じでしっかりこねます。この時、手の付け根を利用して体重をかけつつ混ぜたらよりまとまりやすくなります。
 ボウルの粉が生地にくっついて球状になってきたら一~二分強くこね合わせ、野球ボール程度の大きさに丸めたらさらに一~二分間、二つに折っては一つにまとめてスジ目がなくなるよう丸めます。表面が滑らかになってきたくらいが頃合です。
 ※作中では寝かせなくてもいいとのことでしたが、ラップに包んで三十分程度冷蔵庫に入れておくだけでも大分生地がもっちもちになってキメ細やかになるので、時間がある場合は寝かせる事をお勧めします。もちろん、時間がない場合はそのまま次の段階に突入してもOKです!
ホップレピザ2
 いい具合にまとまったピザ生地を、小麦粉をふっておいたまな板などの台の上に置き、同じく小麦粉をまぶしておいた麺棒でのばします。
 さくらさん曰く、「生地は中心から外へ向かって伸ばす!生地の厚さは約五ミリ!」とのことでしたので、なるべくその通りになるよう注意して伸ばしました(ただ、フチが所々厚くなっても、それはそれでモチモチしてて美味でしたので、そこまで神経質になることはないなと思います)。
ホップレピザ3
 ここまで完了したら、いよいよピザの焼き作業!
 あらかじめ軽く熱しておいたホットプレート(火傷の心配が気になる方は、熱する前でも大丈夫です)に先程のピザ生地を破れないように乗せ、市販のバジルソースとマヨネーズを混ぜて作ったバジルマヨソースをスプーンで薄く塗った後、小さく切っておいたハム、しめじ、トマト、ピーマンをトッピングし、ピザ用チーズをたっぷり散らします。
 具とチーズを乗せ終えたらすぐにフタをし、200~250度にまで設定して約十分待ちます。
 ※今回は作中で一番最初に作られたスタンダードな具を採用しましたが、もちろん自分なりにアレンジしてあれこれ乗せても楽しく美味しくなります(^^)。
ホップレピザ4
ホップレピザ5
ホップレピザ6
 ピザ生地の裏面が香ばしく焼け、表面のチーズがややとろけてきたのを確認したらフタを開け、ガスバーナーで全体を一気に炙ります。
 チーズが完全にとろけ、ピーマンやトマトに薄く焦げ目がつくまで炙るのが一応の目安です。
 !!注意!!
 ガスバーナーの使い方は付属の説明書をよく読んで正しく使用し、取り扱いには充分ご注意してください。感が極端に温まりすぎたら破裂の危険性もないわけではないですし、ちょっと手が滑ったら大火傷や火事の危険性もありますので、何卒ご注意をお願いいたしますm(_ _)m。
ホップレピザ7
ホップレピザ8
 お好みの炙り加減になったら一旦まな板に乗せてピザカッター等で手早く適当な大きさに切り分け、冷めない内にすぐに木の台(又はお皿)へ飾れば“ホップレピザ”の完成です!
ホップレピザ9
 思っていたよりもずっとまともかつ美味しそうに見える為、内心「ホットプレートとガスバーナーだけでここまで出来るのか…」と衝撃を受けました。
 例えが貧相で恐縮ですが、回転お寿司屋さんの炙りネタを食べる時に嗅ぐ、あのこの上なく香ばしい匂いがピザから漂ってきており、否が応にも食欲が増してきます。
 気のせいかチーズの伸びがいつもよりもいい気がしますし、これは味も期待できそうです!
ホップレピザ10
 それでは、焼きたて熱々のチーズとろ~りな内に、いざ実食!
 いただきまーす!
ホップレピザ11


 さて、味の感想ですが…あんなに簡単なのに、こんなにも美味しいとびっくり!かなり本格的な味がするのでお得な気分になれます!

 生地は端っこがカリッと、外側はサクサクパリッとした軽い歯触りで、クリスピーピザとチャパティを足して二で割ったような食感が特徴的でした。その上単にカリカリしているだけではなく、厚みがある部分はちゃんとふっくらした噛み心地なのもナイスです。
 さすがに釜焼きピザ同然とまでは言えませんが、ガスバーナーの強力な火力で表面を炙ったのがかなり効果を発揮し、全体的に釜焼きのピザと近いひと味違う香ばしい風味がついていました。
 一時的にとはいえ1300℃近くで熱されたせいか、生地は余計な水分が抜けてさっくり感がアップし、しめじはさらにプリプリに、トマトはもっとジューシーに仕上がっていました(特にトマトは生のフレッシュ感を保ちつつ、舌に触れた途端にトロトロ溶けて勝手にソース状になる為、旨さが倍増しています)。
 ハジルマヨソースのピザを食べるのは初めてだったのですが、ハジルの爽快感溢れる香りと優しくほのかな甘み、そしてマヨネーズのまろやかなコクが素材の旨味を邪魔する事なく引き出しており、濃厚なトマトソース味のピザとはまた違った旨さだと思いました。
 バジルのすっきりした風味がトマトの甘酸っぱい果汁がより際立たせている上、ハムの塩気とピーマンのほろ苦さとも相性がよく、ピザにしては珍しい事に口の中を爽やかにしてくれます。
 例えるとするなら「後味マイルドなジェノベーゼ風炙りピザ」という印象で、初夏のイメージが頭に浮かんで来る、白ワインがぴったりな洒落た一品でした。


 家庭でお金も時間もイースト菌もオーブンも使わずにここまでの味が出せるなら、十分過ぎる程満足です。
 ガスバーナーを使いこなす事によって、ピザの縁に釜で焼いたものと同じ独特の焼き焦げが出来るのもなかなか感動的ですし(マルゲリータとかによくついているあの焦げです^^)、何より味が格段に美味なのがよかったです。
 仕事から帰ったばかりでクタクタな時に、結構適当にこねたり乗せたり焼いたりしても見合わないくらい美味しく作れることは既に立証済みですので(再現後に何度か繰り返し作りました;)、当分ピザはお店ではなく家で食べるものだと認識して生活しそうです。

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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