『天使のフライパン』の“石焼きビビンバ風おにぎり”を再現!

 哲学ニュースnwk様でまとめられていた、四次元殺法コンビの「良い子の諸君!」教訓シリーズを見た所、同意せざるを得ない言葉ばかりが並んでいた為思わず頭を抱えました;。
 中でも、「<若い頃の苦労は買ってでもしろ>という言葉があるが、その言葉を作ったのは売る側の人間だ!」「信じる者がすくわれるのは、足元だけなのだという事を肝に銘じておけ!」「頭を使うのは学生までだ!社会人の頭は下げるためにあると思え!!」には思い当たる節がありまくりで、つい苦笑いさせられました。

 どうも、信者と書いて「儲ける」という漢字を考え出した方は、その後平穏無事に畳の上で人生を終えることが出来たのだろうか…と余計な心配をしてしまう管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『天使のフライパン』にて主人公・国見聡君が引きこもった後に初めて出来た友達・辻慶太君の為に作った“石焼きビビンバ風おにぎり”です!
石焼きビビンバ風おにぎり図
 漫画『天使のフライパン』とは、実家の小さな洋食レストランが食中毒疑惑で閉店してしまった事と父・清一郎さんが失踪した事が原因でいじめにあい、最終的に一年間以上引きこもっていた中学三年生の少年・国見聡君が、一見グレて見えるものの実際は正義感に満ちた面倒見のいいなんちゃって不良・辻慶太君の呼びかけによってようやく外へ一歩踏み出し、その後父・清一郎さんが働いていた<帝都ホテル>に就職してコックになる夢を叶えようと一生懸命努力する、ハートフル系食育料理漫画です。
 実を言いますと、国見聡君は第一話で早々に引きこもり状態から勇気を出して脱出する為、正確には元・ひきこもりの料理人というべきなのですが、外へ出てからもその内気すぎるほど内気で大人しい、心優しい性格に全く変わりはなく、料理漫画の主人公としては大変珍しい事に自己主張をほとんどしません;。
 おまけに、作中に明記されている通り国見君が「世界一心の美しい料理人」である事が災いしてか、一巻から二巻にかけては主人公のモノローグがほぼ見当たらないという前代未聞な展開っぷりで、おかげで見る人が見たら独白ありまくり&喜びも怒りもストレートに表現する辻君の方を主役と見間違えてもおかくなさそうです(^^;)。
 けれども、それを差し引いても不思議と国見君が物語の軸となって話が自然と進んでいくのは、裏表のないピュアな人間だけが持てる人徳と、才能なくしては考え付かない独創的な料理のアイディア力を兼ね備えたキャラだという描写が随所にあるからだと思います。
 また、基本的に根っからの悪人が出てこないストーリーで、料理漫画にありがちなバトル展開が頻繁にある割には希有な事に、食材の買占め・審査員の根回し・主人公サイドへの嫌がらせなどといったあからさまな裏工作シーンが出てこない為(例:『ミ○ター味っ子』等)、最初から最後まで清々しい気持ちで楽しめます。
 炭酸ゼリーを練りこんだハンバーグ、チーズや生クリームを使わず作るカルボナーラ、真っ白でカステラみたいに柔らかいトンカツ、小麦アレルギーの子どもでも食べられるピザなど、今作でしか見られないような極めて斬新な料理が登場してくるので純粋に料理だけを注目しても面白いですし、物静かな中にも芯の強さを窺わせられる国見聡君の地道な努力を見守ってもほほえましい気分になるため、老若男女問わずお勧めしたい心温まる一作です。
料理漫画では異例な事に、何と主人公はひきこもりの中学生?!
 ちなみにこの作品、思わず涙ぐんでしまうようないいシーンがあると思いきや、唐突に出てくる料理の実食シーンが想像を絶するようなオーバーリアクションなのが特徴的;。
 
下の画像はほんの一例ですが、驚くべき事にこれでもまだ大人しい方で、巻を進むごとに衝撃度はさらに増していく仕様となっております…orz。
 はっきり言って、『中華一番!』時代に培われた小川先生特有の無駄にセクシー&ダイナミックな想像の斜め上を行く美味しさ表現シーンは一見の価値ありですので、是非単行本を読んでいただいてその猛烈振りを体感して欲しいです。
小川先生特有の大げさで突拍子もない感動シーンキター!

 今回再現するのは、第一話で国見君が「僕の作った料理を食べて」「辻君がおいしいと思ったら、僕の勝ち…」と辻君に対して勝負を持ちかけ、慣れた手つきで作った“石焼きビビンバ風おにぎり”!
 実は当初、辻君は学校に来ない国見君を力づくで引きずり出そうとしたのですが、涙を浮かべて無言で首を横で振る国見君の様子を見て躊躇し、次の日からは日替わりで様々なゲームを持ち込んでは「勝負をして、俺が勝ったら学校に来てもらうぜ!」という賭けをする方法に変更します。
 が、学校に行かなくても高IQ頭脳明晰な国見君はどの勝負もダントツな戦績を残して勝つ為(オセロ・将棋・ルービックキューブ・ぷにょ○にょ・知恵の輪・ダーツなど、よく思いつくな~と感心するくらい多種多様でした;。見かけによらず、辻君は意外と多趣味な人なのかもしれません)、辻君は一向に勝てずに何連敗もしてしまいます。
 けれども、結果的にこの作戦は国見君と辻君が少しずつ心を通わせ、徐々に心の距離を縮めさせていくことに成功し、遂にはいつも辻君から出していた勝負のテーマを、国見君自ら出すまでに至らせたのでした。
 このシーンを見ると、何がキッカケで友情が始まるのか分からない物だな~とついニヤニヤしてしまいます(^^*)。
「俺に勝ったら部屋から出てもらう!」と挑戦するものの、連敗する辻君;
 作り方は手間はかかるもののそこそこ簡単で、ナムル風に調味したもやし・ほうれん草・わらびや甘辛味をつけた牛ひき肉にコチジャンを混ぜて味付けし、それとキムチをを具にしたおにぎりを醤油とみりんのタレを塗りながら両面を焼き、仕上げに石焼ビビンバ用の石焼き器に入れて生卵を割り入れたら出来上がりです。
 国見君曰く、「辻君はおにぎりのとりめし味やヤキニク味が好きだし、いつもコーヒーに砂糖を沢山入れるから、濃い味がいいかなって…」と考えて作ったのだそうで、いかにも洞察力があって人の心を思いやる国見君らしいチョイスだと感じました。
 結果、辻君は「おいしいなんて言わねーぞ(`Д´)!」と思いつつ「う、うめぇ!」とまるでツンデレのテンプレみたいなナイスリアクションをするのですが、国見君が出した勝った時の条件がショックな物だった為複雑な表情に…と、ここから先は是非単行本でご確認してみてください。
ちゃんと辻君の好みを見極めて作ったおにぎりでした。
 ビビンバおにぎり自体はもう既に商品化されていて、あちこちのコンビニに出回っている状態ですが、国見君が作った物みたいに石焼き器に入っていて尚且つ生卵が落としてあるのはさすがに食べたことがなかった為、一体どんな味なのか気になって仕方がありません。
 せっかく家に石焼き器がある事ですし(この再現の為に大分前から買ってきていました;)、早速作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、具の用意。軽くサッと茹でたもやし(豆もやしを使用すると、さらに本格度はアップします)には塩・ごま油・すった白ゴマ、水煮したぜんまいは食べやすく切って醤油・ごま油・すった白ゴマ、茹でて水気をしっかり絞っておいたほうれん草は適当にザク切りにしてから塩・醤油・ごま油・すった白ゴマを加えてそれぞれ別のボウルで混ぜ合わせ、三種のナムルを作っておきます。
石焼きビビンバ風おにぎり1
石焼きビビンバ風おにぎり2
石焼きビビンバ風おにぎり3
 牛肉のひき肉は少し炒めてから、ごま油、すりおろしたにんにく、酒、醤油、砂糖、すった白ゴマを入れて味付けし、火が通ってパラパラになるまで混ぜ合わせます。
 調味料の水分が飛んで、やや水分が飛んだ感じになったら頃合いです。
石焼きビビンバ風おにぎり4
石焼きビビンバ風おにぎり5
石焼きビビンバ風おにぎり6
 これら四種の具を一つのボウルにまとめて好きな量のコチジャンを加え、全体に馴染ませるようによ~く混ぜます。これで、おにぎりの具はOKです。
 この具とキムチを白いご飯で包み、途中で形が崩れてしまわないようにやや力を込めて(あんまり込めすぎると、今度は口当たりが重くべチャッとしてしまうので要注意!)おにぎりを握ります。
 おにぎりが出来たら、焦げ付き防止の為に刷毛で両面にごま油を薄く塗っておきます。
石焼きビビンバ風おにぎり7
石焼きビビンバ風おにぎり9
石焼きビビンバ風おにぎり10
 次は、焼き作業。
 フライパンへ先程のおにぎりをそっと乗せて中火にかけ、両面に軽めのパリッとした焼き目がつくまでひっくり返しながら焼きます(側面は焼かなくて大丈夫です)。
 やがて、両面が少し固まってきたら刷毛で醤油とみりんを混ぜ合わせておいた物をたっぷり塗り、塗る→焼く→ひっくり返すを何度か繰り返します。
石焼きビビンバ風おにぎり11
石焼きビビンバ風おにぎり12
 やがて、両面にこんがりした香ばしい焼き目がついてきたら一旦火を止め、あらかじめごま油を薄~く塗って熱しておいた石焼き器の中へ並べながら入れます。
 途中、おにぎりが充分に熱されてきたら生卵をおにぎりの脇へそっと割りいれ、半熟状になるまでじっくり火を通します。
石焼きビビンバ風おにぎり13
石焼きビビンバ風おにぎり14
 卵とおにぎりに熱が通ったのを確認したら火からおろし、そのまま木の台の上に置けば“石焼きビビンバ風おにぎり”の完成です!
石焼きビビンバ風おにぎり15
 ジュワ~ッと鳴り響く石焼きの音が耳に心地よく、音だけでも既に楽しめる感じです。
 つややかな目玉焼きと香ばしい焦げ目がついたおにぎりの対比がそそるイメージで、早く食したい気持ちで一杯になります。
 作中で辻君が「単なる醤油のこげた匂いじゃねぇ」と唸っていたのも頷けるほど芳しい香りで、食欲がグイグイかきたてられます。
石焼きビビンバ風おにぎり16
 それでは、半熟卵をおにぎりに絡めていざ実食!
 いっただっきまーすっ!
石焼きビビンバ風おにぎり17


 さて、味はと言いますと…とっても刺激的でボリューム満点なおにぎりで美味し!お焦げのかぐわしい香りにうっとりさせられます!
 作中で辻君が言っている通り、「から~いコチュジャンがたっぷり絡まったお米、ひき肉、山菜、キムチが、表面でパリッパリに焼かれた醤油とみりんの香ばしい焦げ目を押し広げ、口の中で一気に大噴火するー!」と感動したくなる旨さで、石鍋でじっくり焼き固められる事によって極上のパリパリ加減に仕上がった目玉焼きの白身とお焦げ部分が大変魅惑的な一品です。
 醤油やみりんによって甘じょっぱく、そして鼻をとろかすように香り高くなった焼きおにぎりを噛み破った途端、中からコチュジャンによって甘辛く味付けされた具が飛び出て噛むごとに一体化していくのが普通のビビンバとはまた違った醍醐味で、適切ではないかもしれませんが口の中でビビンバを混ぜる工程を再現している気持ちになりました;。
 シコシココリコリした歯触りのゼンマイ、シャキシャキ感がたまらないもやし、ザクザクした食感のホウレン草がすりゴマやごま油でナムル風になった野菜類が、そしてにんにくとコチュジャンの組み合わせによって濃厚なコクのピリ辛そぼろに変化したポロポロした口当たりの牛ひき肉が白ご飯とぴったりの相性で、強烈に食欲を呼び覚まされます。
 また、半熟卵を絡めて食べるとビビンバ度がさらにアップする感じで、ワイルドな味が一転してまろやかな後味になる為飽きを防いでくれました。
 キムチのさっぱりした辛酸っぱさがほど良いアクセントになっていますし、まさにビビンバの美味しさをまるごと封じ込めたおにぎりです!


 混ぜて食べるのと、おにぎりにして食べるのとでは結構味が違って感じた為、同じ食材でも食べ方次第でここまで変わるのかと意外でした。
 おにぎりのまま食べても勿論おいしいですが、熱々の鶏スープをかけてジュワーッとなった所をおじや風にして食べてもおいしそうです。
 冷めてもおいしい、熱々でもおいしい濃厚おにぎりでした(^^)。

●出典)『天使のフライパン』 小川悦司/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.07.05 Thu 02:41  |  ふのりのパスタも…

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見しています。

来ましたね、『天使のフライパン』!

思い返してみると、このマンガの食べた時のリアクションって
全裸になる率が高かったような(笑)。ステーキ食べた時とか
ハンバーグ食べた時とか。ピザ食べた時とか。食べた人が
何故か全裸になって色々なリアクションしてましたよね。

ボンボンが廃刊(休刊?)になり、連載が打ち切りになって
しまったのが残念な作品です。

今回あんこさんが色々作中での料理を挙げられたのを見て、
1つ思い出しました。国見君のお父さんが作ってくれた
「ふのり入りパスタ」。新潟のへぎそばのような歯ごたえの、
冷たくして食べる夏向きパスタ。作中で国見君がやった
盛りつけは難しいでしょうが、パスタそのものは作れそう
な感じがします。今度作ってみようかな…。

これからも再現料理、楽しみにしています。では〜。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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2012.07.09 Mon 00:23  |  

こんにちわ。
小麦アレルギーの子供がいるので是非ピザの再現もお願いします!

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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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