『華中華』の“笑顔の生コーン・チャーハン”を再現!

 先月末、お気に入りだったラーメン屋さんが知らない間に潰れていた事が最近分かり、ちょっとショックでしたorz。
 ただ、おかしな事に相方さんが「あれ~?今月初めに、一度行った記憶があるんだけど…」と不思議がっていた為、「とっくに閉店しているはずなのに、何故か開いていたお店…まるで、怪談話のようだ」と少し空想にふけりました(まあ、十中八九相方さんの記憶違いだと思います^^;)。

 どうも、世の中にはパイナップルラーメンが存在すると知って驚愕した管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんの大叔父である竹三郎さんが娘の奈可子さんに作った“笑顔の生コーン・チャーハン”です!
笑顔の生コーン・チャーハン図
 お盆も過ぎ、八月もあと少しで終りそうな頃、<満点大飯店>の実質的なオーナーである奈可子さんは、久方ぶりに前オーナーである父・竹三郎さんの元へ、今は亡き母にお線香をあげに訪れます。
 親子といえど、経営方針を巡って少し疎遠になってきていた奈可子さんに対して竹三郎さんは複雑な表情にしかなれず、「今日はなんだい?お母さんに線香をあげに来ただけじゃないだろ」とやんわり真意を聞き出そうとします。
 すると、奈可子さんは前回のお話以来感じていた、「昔、お父さんは上海亭のようにお客様に支えられるお店を目指していた」「今の<満点大飯店>は、かつてお父さんが実践していた経営理念からずれてきている気がする」という不安と、一生懸命やっている物のなかなかうまくいかないという本音を正直に話し、ここにきて先代の原点を知りたくなったと必死に訴え、竹三郎さんに「やっとそこまで到達してくれたか…」と一種の感慨と安堵感を抱かせていました。
 これまでの奈可子さんは、そこそこやり手ではあるものの一代目を越えようとするあまり勇み足を繰り返すシーンばかりで、何かとツメの甘い夫・計太郎さん同様頼りない印象を持っていたのですが、この時素直に自らの拙さを認めた事がきっかけで、<満点大飯店>共々急に大成長をしていきます。 
 日頃から、竹三郎さんは「娘の奈可子と、<満点大飯店>の先行き、そしてハナちゃんの成長を影ながら見守る事が生き甲斐」だと言いつつ、経営は奈可子さんと計太郎さんに譲り渡したのであちらから来ない限りはしゃしゃり出るわけにはいかないと口出しはずっと我慢していた様子だった為、親子がようやく歩み寄ったこの場面にはほっとしたのを覚えています。
 ※ちなみに、上記のセリフ↑はかつて竹三郎さんの相棒をしていた事もある楊貴妃さんが、「横浜幽霊会、そろそろ竹三郎ちゃんも参加するかい?ウフフ…( ´,_ゝ`)」という洒落にならない勧誘をした際、竹三郎さんが「いやいや、私はまだ死ねませんよ、楊貴妃さんヽ(;´∀`)ノ」と必死でかわす為に返した言葉の一つだったりします;。
 まあ、正直こんな風に死後の世界の安寧が約束されているのなら、死はそこまで恐ろしい物ではないだろうな~と、やや羨ましいです;。
お父さんが一代で築いたお店を大事に継ぎたいと願う二代目・奈可子さん
 そして、竹三郎さんは奈可子さんにいつか話そうと考えていた、<満点大飯店>が出来るまでの道のりを淡々と語りだします。



 昭和二十八年の四月、まだ十五歳だった竹三郎少年は、将来は料理人になろうと決意。
 そこで、当初は東京にて洋食の修行をしようと徳島から汽車に乗ったものの、横浜駅で汽車が故障し、当分動かなくなるというアクシデントに遭遇します。
 せっかくなので、異国情緒溢れる横浜で観光を楽しもうと思った竹三郎少年は中華街へ足を踏み入れるのですが、その内の一軒<満腹楼>で初めて餃子を食べ、「世の中にこんな旨いものがあるのか」とすっかり感動し、洋食料理人から一転して中華料理人になろうと飛び込みでその店に弟子入りします。
 最初は失敗ばかりで、いつも皿洗いや雑用ばかりだった竹三郎少年でしたが、「あのうまい餃子をいつか作らせてもらえる」という一念だけで真面目に努力した結果、ついに三年目で餃子を作る試験を受けることに。
 張り切った竹三郎少年は、お客様に喜んでもらいたい一心で餡をギュウギュウに詰めた具沢山餃子を作り、ドキドキしながら師匠に差し出します。



 …ここまで聞いた奈可子さんは、「お父さんの事だから、その餃子誉められたんでしょ?」と尋ねるのですが、竹三郎さんは苦笑して否定し、その理由を話します。
 当時の師匠曰く、餃子は正月料理で福が来るようにと願いを込めて、閉じる縁を白い歯に見立てて笑っているように包むのが原則だそうで、竹三郎少年の餃子のように縁が小さい、別物にしか見えないものは中華料理として認められないと諌めたとの事。
 その言葉を受けた竹三郎さんは、三年もいて中華料理の表面的なことしか学び取れなかったと大いに悔しがり、この事を戒めとする為に「料理人として生きるなら、どんな辛い時でも悲しい時でも、料理する時は常に笑顔を持って作ろう」と心に誓ったと懐かしそうに語っていました。
 後に、三十三歳で<満点大飯店>を持って独立した時にはさらにその想いを強め、中華街中から「お客様だけでなく、弟子や従業員にも決して怒鳴らず、常に笑顔で指導する人」と尊敬の念を持って評価される人物になってお店もどんどん大きくなっていったそうです。
 
 その昔、某ドキュメンタリー番組にてある経営者が「働いている人間が笑顔でないのに、お客さんが笑顔になる訳がない。従業員を大事にする事は、お客様を大事にする事に自然と結びつく」と話していた事があったのですが、竹三郎さんの経営理念も重なる部分があるな~と感じました。
 とすると、今のところ<満点大飯店>の経営理念に一番忠実なのは、やはりいつも笑顔で周囲にも明るさを振りまいている主人公・ハナちゃんだと言えそうです(^^*)。
偶然止まった汽車が、その後の人生を大きく左右しました
 その後、竹三郎さんが奈可子さんの為に<満点大飯店>の経営理念である「笑顔」を表現して作った昼食が、この“笑顔の生コーン・チャーハン”です!
 作り方は簡単で、生とうもろこしからそぎ取ったとうもろこしの粒を醤油で味付けして炒め、基本チャーハンの仕上げに投入して混ぜ、盛り付けの際に茎付きとうもろこしとゆで卵とで笑顔になるよう飾り付けたら出来上がりです。
 普段はシリアスなシーンで登場する事が多い竹三郎さんが、まさかこんな遊び心を発揮するとは思ってもみなかったので、初めて読んだ時は「そうきたか~Σ(´∀`;)!」と衝撃を受けました;。
 ともあれ、このチャーハンを食べて以来、奈可子さんは心を入れ替えて<満点大飯店>をいい方向へと舵取りして行くようになった為、個人的になかなか重要なエピソードなのでは…と感じた回でした。 
生とうもろこしを醤油味で香ばしく炒めるのがポイント!
 生とうもろこしが近所で安売りされていた為、これを逃したら再現は来年に延びてしまう…!と慌てて作る事にしました;。
 なるべく巻末のレシピとおりになるよう、頑張ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、とうもろこしの下ごしらえ。とうもろこしはなるべく新鮮な生の物を準備し、茎ごと切った一センチ幅の輪切りとうもろこしと、残りを包丁でそぎ落とした粒状とうもろこしの二種類を用意します。
 なお、輪切りのとうもろこしはさらに半分に切って半月状にしておきます(これが、チャーハンの口部分になります;)。
笑顔の生コーン・チャーハン1
笑顔の生コーン・チャーハン2
 この二種類の生とうもろこしを、コーン油を引いた中華鍋(又はフライパン)で軽く炒め、醤油でやや濃いめに味付けします。
 やがて、シャキシャキ感を残しつつとうもろこしに火が通ったのを確認したら、すぐに別皿へ移しておきます。
笑顔の生コーン・チャーハン3
笑顔の生コーン・チャーハン4
 次は、仕上げのチャーハン作り。
 あらかじめ、以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに中華鍋(又はフライパン)で基本チャーハンを作っておき、先程の粒とうもろこし(半月切りの物は入れません)を投入してざっと混ぜ合わせます。
 ※あんまり炒めすぎてしまうと、せっかくの生とうもろこし特有の爽やかな食感がなくなってしまうので要注意です!
笑顔の生コーン・チャーハン5
笑顔の生コーン・チャーハン6
 とうもろこしがチャーハン全域に混ざったら火から下ろしてお皿へ盛り、最後に輪切りにしたゆで卵を目、半月切りのとうもろこしを口になるよう飾れば“笑顔の生コーン・チャーハン”の完成です!
笑顔の生コーン・チャーハン7
 当管理人が不器用なせいで、妙に胡散臭いお面みたいな笑顔のチャーハンになりましたorz。
 ただ、香りはとうもろこしと醤油が焦げた何ともいえない香ばしい匂いが最高です。
 ビールやチューハイと言うよりは氷入りの麦茶が似あいそうなチャーハンで、どんな味がするのか楽しみです!
笑顔の生コーン・チャーハン8
 それでは、冷めてしまわぬ内にいざ実食!
 いただきまーす!
笑顔の生コーン・チャーハン9


 さて、味の感想ですが…季節感溢れるチャーハンで旨しっ!生のとうもろこしの良さがヒシヒシと伝わってきます!
 実を言いますと、それまでとうもろこしが生かどうかという事はあまり気にせず食べて来たのですが、実際にもぎたて生のとうもろこしを調理して食べてみて「断然美味しい」と驚愕しました。
 うまく言えないんですが、とにかく口の中でプチプチシャキシャキ弾ける張りの良さが印象的で、素朴で強い甘味が塩気の強い香ばしいチャーハンと相乗効果で引き立っている為癖になりそうな味わいです。
 例えるとするなら「縁日の屋台で食べる焼きとうもろこしを、そのままチャーハンにしちゃいました」というべき懐かしい味で、焦げた醤油の深みのある風味が染み込んだチャーハンやとうもろこしでじんわり甘じょっぱいのが乙な夏にぴったりな一皿でした。
 とうもろこしの粒が弾けるたび、ジュワッと旨味たっぷりなエキスが飛び出てチャーハンに絡むのが美味で、これは旬だからこそ楽しめる期間限定な料理だと感じました。
 口の部分の茎付きとうもろこしはさらにジューシーで、ほぐされたものとはまたひと味異なる趣なのもいい感じです。
 茹で卵のホクホク感もいい箸休めになって単なる飾りに終わっていませんし、単純ながらも飽きのこない美味しさとはこの事なのだな~とほんのり和まされました。


 生のとうもろこしが手に入ったら、一度は作りたい夏限定チャーハンです。
 シンプルなレシピなので、とうもろこしは新鮮なものを使用される事をおすすめします。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.09.18 Tue 23:24  |  

ごめん、美味しそうなんだけど
ちょっとコワイwww

  • #-
  • URL
(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/820-a92b7073
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ