『平野レミのアイデアクッキング』の“しいたけのオイスターソース蒸し”を再現!

 ふと思いたち、グーグルで「平野レミ 名言」という検索ワードで調べてみたのですが、予想以上に名言だらけでびっくりしました(←レミ先生、すみません;)。
 「料理は、笑いながら、楽しく作るものだと思うから」や「(作った料理を盛りながら)なんだっけこれ?」というセリフも好きなんですが、中でも印象強かったのが「料理にしても人にしても、外見でだませる人に大した奴いないんだから」で、その鋭さには舌を巻きました。

 どうも、「“バカのアホ炒め”教えるわ!」という名言を最初に見た時にはギョッとしてしまった管理人・あんこです(単に食材名をスペイン語に置き換えただけだそうで、訳すと“牛のにんにく炒め”が正解です;)。


 本日再現する漫画料理は、『平野レミのアイデアクッキング』にて夏の季節に平野レミ先生が料理教室で生徒さん達に教えた“しいたけのオイスターソース蒸し”です!
しいたけのオイスターソース蒸し図
 漫画『平野レミのアイデアクッキング』とは、おっちょこちょいで料理が苦手な新米主婦・中川ひとみさんが、新しい献立や制限付きの料理作りに困っている時に、著名なシャンソン歌手であると同時に料理研究家でもある平野レミ先生から様々なユニーク料理を習って助けられていくという、一種のドラえもん系日常お料理漫画です(←実際、ひとみさんは事あるごとに「レミ先生~(つД`)!」とのび太君並にしょっちゅう泣きついています;)。
 ひとみさんを始めとする作中の登場人物はほとんどが架空のキャラクターで、従ってストーリーはほぼ100%フィクションなのですが、レミ先生とそのご主人でイラストレーターの和田誠さんはちゃんと実在する人物で、筆者である泉万里先生がレミ先生ご本人へ各話ごとに取材をしている為、時折ノンフィクションのエピソード(例:レミ先生が始めて舞台に立った日の事など)がイラストつきで入っているのが魅力的な本です。 
 正直、漫画版のレミ先生はTVで見るレミ先生からヒシヒシと感じ取れる豪放磊落さや、根明を突き抜けてもはや真夏の太陽とも言えるお人柄は少し抑え目になっているのですが、それでも充分頼りになる奥様っぷりに代わりはないキャラ設定なので、レミ先生ファンにも安心して読んで頂ける仕上がりになっていると思います。

 二世帯住宅住まいで厳しいお義母さんと水面下で他愛ないバトルをしたり、友達感覚の夫・武さんと毎度くだらない理由でケンカしたりと(ちょっと古いですが、ここら辺の描写はドラマの『ダブルキッチン』っぽい雰囲気です^^;)日々ドタバタしつつ、生来のお調子者な性格は変わっていないひとみさんと、いつも明るくエネルギッシュで、周囲にパワーを与えていくしっかり者なレミ先生の掛け合いが読んでいて面白く、お互いの間柄が料理教室の先生とその助手と言うのもあり「ナイスコンビ!」と思う事もしばしばでした。
 あと、どんなに難題なお料理でもすぐに考え付いてひとみさんに教えるレミ先生の超人ぶりが読んでいて爽快で、その一部を挙げるだけでも塩鮭一尾を使った鍋・豆腐アラカルト・手間なしお金なし飽きなしのおふくろの味料理・自家製居酒屋メニュー・低カロリーな野菜フルコース・全部食べて325kcalのダイエット献立・十分で六皿出来てしまうフライパンフルコースなど、よくもこれだけ違うジャンルのレシピが思いつくな~と感心させられます。
 おまけに、作中でご紹介されている料理はどれも日頃から気軽に作れて役立ちそうな割にすごく手が込んでそうに見えるアイディア料理ばかりで、それでいて「これは絶対食べてみたい…(´Д`*)ゴクリ」と喉が鳴る魅力も兼ね備えている為、漫画としても料理本としても一冊で二度美味しい作品です。
平野レミ先生と、助手の新米主婦・ひとみさんがダブル主人公の作品です
 今回作ってみるのは、ひとみさんの義母・宏子さんがおすそ分けしてくれた採れたてのしいたけを使ってレミ先生がお料理教室で作った“しいたけのオイスターソース蒸し”です!
 作り方は、下準備に少々手間がかかるものの用意してしまったら後は簡単で、細かく叩いたエビ・豚ひき肉・塩・ごま油・酒などを練って具を用意し、その具を軸切り済のしいたけに詰めてオイスターソース等で作った蒸し汁と共に蒸し、ほうれん草の乗ったお皿へ具入りしいたけを乗せて蒸し汁を煮詰めて作ったタレをかけたら出来上がりです。
 何でも、この料理はレミ先生があるパーティーへ出席した折に出てきた大皿料理の内の一つだったそうで、一口食べてそのあまりの美味しさに無我夢中になったレミ先生はおかわりをしまくり、気がついた時には大皿の半分近くも平らげてしまっていたとの事でした;。
 結構大きいお店の立食形式バイキングだと、サービスの方があちこちに立ってお客の動向をチラチラ窺っている事が多い為(恐らく、料理の減り具合を調べたりサービスの機会がないか確認しているからだと思うのですが、分かっていてもつい緊張してしまいます;)、当管理人の場合高そうな料理や人気のある料理は遠慮してそう沢山は取れないのですが、美味しくてレシピを探りたくなる料理を目の前にすると人目を気にせず食べれるレミ先生は、さすがプロの料理研究家だと思います。
あまりの美味しさに感動し、何と大皿半分食べてしまったそうです;
 ちなみにこの時、レミ先生はひとみさんから「レミ先生は外食の時もただ食べるだけじゃなくて、研究してるんですね~」と感心されているのですが、それに対して「おいしい物を食べると幸せな気分になるじゃない。私、おしゃべりだからみんなに伝えたくなっちゃうの。そしたら、みんな幸せになるでしょう」と実に慈愛溢れる言葉を返しています。
 一応、作中に出てくるセリフはレミ先生ご本人から直接お聞きした物も含まれているようですが、どれがそうなのかという事は明確に書かれていない為、この言葉もそうなのか違うのか真相は今となっては謎です。
 しかし、当管理人にとってはどちらにしても非常にレミ先生らしいセリフだと未だに印象に残っています。
 この本を初めて読んだ時、当管理人はまだ十三歳くらいで包丁は全く握った事が無かったんですが(場所は図書館でした;)、「こんな精神を持てる人のレシピを、いつか自分で作って食べてみたいな~」と料理への憧れがますます増したことを覚えています。
おいしいものはすぐにみんなに知らせたくなると語るレミ先生
 エビの殻を大量に剥くと猛烈に手がかゆくなってしまう体質なので迷ったのですが、数ヶ月前にやっと使いやすい上に丈夫なお気に入りの調理用手袋を発見した為、再現を決意しました。
 しいたけに何かを詰めた料理は大好きなので、張り切って作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、詰める具作り。ボウルへ背ワタと殻を取って包丁で細かく叩いたペースト状のエビ、豚ひき肉、塩、ごま油、酒、片栗粉、砂糖、卵白を投入し、粘りが出るまでよく練り合わせます。
 一方、生しいたけは軸をギリギリまで切って除き、裏側のカサに片栗粉を念入りにつけておきます(軸はコマ幕刻んで他の練り物に加えたり、面倒な時は味噌汁の具にしちゃってもナイスです)。
しいたけのオイスターソース蒸し1
しいたけのオイスターソース蒸し2
しいたけのオイスターソース蒸し3
 このしいたけの裏側に、先程の具をぶ厚くなり過ぎないよう気をつけながらくっつけます(五ミリ推奨との事でしたが、蒸し時間を少し長くすると一センチくらいでも中まで火が通りました)。
 全部のしいたけに具をつけ終えたら、オイスターソース、中華スープ、砂糖、醤油を混ぜ合わせて用意した蒸し汁と共に耐熱ボウルへ入れ、既に強火で熱して蒸気が出ている蒸し器を使って約十分~二十分かけて様子を見ながら蒸します。
しいたけのオイスターソース蒸し4
しいたけのオイスターソース蒸し5
しいたけのオイスターソース蒸し6
 具の中心まで蒸しあがったのを確認したら耐熱ボウルを取り出し、具入りしいたけはサラダ油と塩入りの熱湯で茹でてザク切りにしたほうれん草を飾りつけたお皿へ手早く盛り付け、蒸し汁は小鍋に移して煮詰め水溶き片栗粉でとろみをつけたタレに仕上げます。
 その合間白髪ネギを準備し、水に浸けてシャキッとさせておきます。
しいたけのオイスターソース蒸し7
しいたけのオイスターソース蒸し8
しいたけのオイスターソース蒸し9
 具入りしいたけの上から出来たばかりのタレをたっぷりかけ、最後に白髪ネギを盛り付ければ“しいたけのオイスターソース蒸し”の完成です!
しいたけのオイスターソース蒸し10
 しいたけの黒やタレのこげ茶色に白髪ネギの白が映え、華やかさはないもののいい色合いでした。
 豚ひき肉入りなのでそこまで赤くならないかもしれないと思いましたが、いざ蒸し上がってみるとうっすらピンクがかった餡になっており、みるからに食欲をそそられます。
 しいたけの肉詰めは何度か食べた事があるもののエビ入りは初めてなので、一体どんな味がするのか楽しみです。
しいたけのオイスターソース蒸し11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
しいたけのオイスターソース蒸し12


 さて、味の感想ですが…びっくりするくらい繊細かつ本格的な味わい!レミ先生が大皿の半分を平らげてしまったのも頷ける旨さです!
 ゴマ油の香ばしい風味と味わい深いコクがエビの淡泊な旨味を最大限に引き出しており、尚且つほのかについた塩味で淡い甘さがさらに引き立てられているのが上品でいい感じです。
 肉厚で歯をブリンブリンと押し返す程弾力がすごいしいたけと、弾むようなプリプリ感で噛み締めるごとにエキスが染み出すフワフワエビ餡がばっちり合っており、蒸して水分が抜けた割にはとても瑞々しい口当たりなのが特徴的でした(強いて言うなら、エビワンタンの中身にそっくりです)。
 しいたけを蒸し汁に浸して火を通したせいか、干ししいたけの戻し汁に似た香り高さと複雑な旨味成分がオイスターソースの熟成された出汁とうまい具合に結び付き、まるで高級中華料理店の料理かと目を見張るくらい品よく仕上がっていたのが印象的でした。
 また、もったり重いようで口に入れた途端とろけていくタレの舌触りも秀逸で、作中で「このとろみが何ともジューシー」といわれていたのも納得です。
 こっくりと奥行きのある濃口醤油味のタレは五目あんかけご飯のタレに酷似した味わいで、例えるとするなら「広東風餡かけエビ団子の椎茸蒸し」というイメージでした。
 ホウレン草のしっとりザクザクした食感、白髪ネギのシャリシャリした歯触りとわずかな辛みがいい箸休めになって飽きを防いでいますし、そのままご飯や中華麺の上に乗せて食べてもいけそうな完成度の高い一品です。


 しいたけが肉厚で風味の強い強い物であればある程、美味しく出来上がります。
 豚ひき肉の代わりに鶏ひき肉を使用したり、タレの代わりにポン酢でさっぱり食べてもいけそうだったので、色々応用がききそうです。

●出典)『平野レミのアイデアクッキング―まんが版傑作選』 監修:平野レミ 原作:小林誠子 作画:泉万里/主婦と生活社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.04.29 Tue 03:30  |  こんばんわ


初めてコメント失礼します。
このマンガを知っている方がいるなんて⁈ とびっくりして かつ嬉しく思います(ノω`*)
私も図書館で子どもの頃読んでいて、本当に驚きです。

レシピ参考になりますー
美味しそう♡
今度試してみますヽ(´∀`)ノ

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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 …『夢色パティシエール』


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