『きょうのごはん』の“アジア風揚げエビパン”を再現!

 先日、ある集まりで老若男女が参加するビンゴゲームに挑戦したんですが、久々にほのぼのした空気に触れて和みました。
 中でも微笑ましかったのが、小さな女の子が一番乗りでビンゴになった時で、喜びながら前へ駆け出した女の子は一等のWiiやその他の高価な賞品に目もくれず、何と七等くらいのかわいいリラックマぬいぐるみを選んだのです。
 その場は一瞬どよめきましたが、その子がお母さんにニコニコしながら枕を抱えて行ったのを見た私を含む会場の面々はすぐに笑み崩れて拍手喝采状態になり、いい空気になったのを覚えています(結局Wiiは小学生の男の子が当てて興奮していたので、それぞれにふさわしい賞品がいってよかったな~とほっとしました)。

 どうも、そんなこんなでニヤニヤしている内にいつの間にかビンゴになって五等の入浴剤セットを当ててしまった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『きょうのごはん』にて大田垣晴子先生が妹さんからよくリクエストされるとご紹介していた“アジア風揚げエビパン”です!
アジア風揚げエビパン図
 『きょうのごはん』とは、エッセイと絵を融合した作品を描く<画文家>という職業の第一人者で、既に幅広い分野への体当たり取材や日常の気になる事をかわいいイラストやユーモアな文章でまとめていらっしゃる大田垣晴子先生が、食の三大テーマをそれぞれの章に分けて説明する食いしん坊にはたまらない食エッセイです。
 その三大テーマとは、大田垣先生曰く「作る」、「なごむ」、「食べる」だとの事(もともと別雑誌でバラバラに連載していたようですが、この『きょうのごはん』で一つにしたそうです)。
 「なごむ」の章は、食べる事が大好きな幼稚園に通う女の子・キョウちゃんの食に関する悲喜こもごもを愛らしく描いた四コマ漫画、「食べる」の章は、大田垣先生が世間に出回る食べ物のあるあるネタをイラストエッセイにて面白可笑しく暴露した作品で、どっちも読んでいて楽しいのですが、最もページ数と内容が充実しているのが「作る」の章!
 「作る」の章は、日常的によく料理を作っている大田垣先生がその経験を元にして特におすすめするレシピと、そのレシピにまつわる小話がご紹介されているページなんですが、イラストつきで一つ一つの作業行程が丁寧に説明されていたり、応用バージョンも載っていたりする為、料理初心者にとって大変ありがたい構成になっています。
 レシピは和食とイタリアンを中心に、中華・エスニック・無国籍料理なども取り上げられていて多種多様なのですが、自称「呑兵衛」とおっしゃるだけあり、お酒と相性ぴったりでおつまみにも出来る料理が多いのが特徴;。 
 この「お酒が好き!」な傾向はレシピ欄でも如何なく発揮されており、例えば「ポテトサラダ」のおまけコーナーでふかしたじゃがいもに酒盗とバターを乗せて作る“大人のふかし芋”は日本酒に合うとご紹介したり、「ちびちび肴」のおまけコーナーで酒盗とクリームチーズを混ぜて作る“酒盗チーズ”は甘い黒豆煮と意外にもおつまみとしてぴったりな組み合わせだったと書いていたりと、とにかくお酒にこだわりがあるんだな~という事がビシバシ伝わってくる為、お酒好きであればさらに『きょうのごはん』は気に入って頂けると思います。
大田垣晴子先生の食エッセイ『きょうのごはん』
 大田垣先生のイラストはミニマムかつキュートな印象の絵柄なんですが、文章の方は打って変わって結構辛口で、鋭い視点で遠慮なくズバズバ突っ込んで正直な意見を言う姿勢は、読んでいてとてもスカッとします;。
 当管理人は小心者ゆえに、周囲が「ブームだから」「○○が分からないのはおかしいよ」と言うのを面と向かって否定できないのですが、大田垣先生は率直に「いや、これってどうよ?」と控えめながらもご自分なりの反論を作品で堂々と主張する感じなので、常々尊敬の念を抱いています。
 今作でもその活き活きとした舌鋒は健在で、「隠れ家レストランは他の客席も含めた店の雰囲気が見れないので、つまらない」「女性だからご飯を小盛りにしましたって、勝手に何するんじゃーっ(と思うだけで、言わない)!レディース制度は好きじゃない」「ひつまぶしを一緒に食べた編集氏が絶対東京にあったらいいと思うんだけどってずっと言い続けていたが、何でもかんでも東京に集めればいいってもんじゃあないよね」など、大田垣先生ならではの清々しい本音が書き連ねている為、レシピだけではなく一つの読み物として楽しめます(一粒で二度美味しいって感じです^^)。

 ちなみに巻末にて大田垣先生は、「ごはん、大好きですけどグルメでも研究家でもないですから。アレがダメ、コレがいい、という難しいことは言いません。食べられれば大丈夫!」「あ~、今日も食べた!!明日は何を食べようかな~。そんなことを考えられるのがウキウキな幸せ」とおっしゃっているのですが、思わず「私もそうです!」と手を挙げたくなるほど、当管理人も共感しました。
 大勢の方が集まる場では、みんなで楽しむ空気の方が重要だと考えるのでその場に集まった方々のこだわりとルールに従って食べないと逆に落ち着きませんが、一人のときはこだわりぬきで自分の欲望に忠実な感じで、『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯』風に自分が今何を食べたいのかを最優先して食べるのが一番の幸福だと感じます。
かといって、おかわりでは多すぎるという微妙な匙加減;
 今回作ってみるのは、大田垣先生が妹さんから「揚げパン食べたい」とよくリクエストされてはその都度作ってあげているという“アジア風揚げエビパン”です!
 作り方は比較的簡単で、エビすり身・豚ひき肉・玉ねぎ・にんにく・ナンプラーを混ぜた物をチリソースをつけておいたフランスパンの片面に塗り、その部分だけ油で揚げたら出来上がりです。
 もともと、大田垣先生は東南アジア系レストランではポピュラーなメニュー・“シュリンプトースト”(食パンにエビすり身を挟んで揚げた、スナック感覚の料理)を好んでよく食べていたそうなんですが、パンが揚げ油を吸ってカロリーが相当に高い事が気にかかっていたようで、その弱点をなくしてさらに食べやすく作ったオリジナルレシピがこの“アジア風揚げエビパン”との事でした。
 実を言いますと、以前から大田垣先生は妹さんにこのレシピを教えているそうなんですが、「セイちゃん(大田垣先生)が作ったほうが美味しい」という殺し文句でおねだりされ続けていると書かれており、内心「妹さんうまいな~。そして他人事じゃないな~;」と苦笑しながら読みました。
妹さんを始め、多くの方から好評でよくリクエストされるそうです
 ちょうど、近所のスーパーで大安売りされた際に大量に買って冷凍しておいたエビがあったので、これを使って再現してみようと思いつきました。
 ちゃんと分量も行程もきちんと記述されている事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地とパンの用意。ボウルへ背ワタと殻を取ってねっとりするまで細かく叩いたエビ(ミキサーかフードプロセッサーを使っても可)、豚ひき肉、みじん切りにした玉ねぎとにんにく、ナンプラーを投入し、全体が一体化するまで手でよく練り混ぜます。
 この生地を、一センチ程度にスライスしてチリソースをうっすら塗っておいたフランスパンの片面へ厚くならないよう気をつけながら平らに塗りつけます。
 ※辛いのが苦手な方は、チリソースを省いても大丈夫です。あと、甘めの味付けがお好きな方は砂糖を隠し味に加えてもいいとの事。
アジア風揚げエビパン1
アジア風揚げエビパン2
アジア風揚げエビパン3
 次は、揚げ作業。
 高温に熱した揚げ油へ、先程のフランスパンを肉の面だけ油につくようにして入れ、もう片面のパンに油がしみこまないよう注意しながら肉部分をさっくり揚げます。
 生焼けになっていないのを確認したらすぐに取り出し、キッチンペーパーで余分な油を切ります。
 ※百円ショップに売っているトングを使って扱うと、持ち上げやすいので便利です。
アジア風揚げエビパン4
アジア風揚げエビパン5
 そこそこ油が落ちたら冷めない内にお皿へ移し、傍らにレタス等の野菜を盛り付ければ“アジア風揚げエビパン”の完成です!
アジア風揚げエビパン6
 思ったよりエビの赤色が映えなくて落ち込みましたが、ちょうどいい揚げ具合で香ばしい色目にはなったのでよしとしましたorz。
 ナンプラーの匂いは火を通す前だとなかなか強烈なのですが(ヌクマムよりはマシですが…)、火を通すと途端にとろけるような香りになった為、ほっとしました;。
 カリッとした表面と、ふんわりなままの裏面は果たして合うのか、実際に食べて確かめてみようと思います!
アジア風揚げエビパン7
 それでは、揚げたてほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
アジア風揚げエビパン8


 さて、味の感想はと言いますと…東南アジア風なようで、どことなく日本風な気がする不思議な美味しさ。おつまみとしてもおかずパンとしてもナイスなお味です!
 面白い事に、魚のすり身は一切入っていないはずなのに豚ひき肉がイワシのすり身っぽい味に変化しており、噛むごとにエビのプリプリ感、玉ねぎのシャキシャキ感が合間合間で程よいアクセントをプラスしているのがいい感じです。
 表面をこんがり揚げているのでかなり香ばしい香りがついているのですが、裏面は揚げずに生のままにしている為ふんわりした口当たりで、ガチガチに硬過ぎずちょうどいい食感なのが印象に残りました。
 ナンプラーのエキゾチックな潮の風味と、こっくりコクのある塩気が同じ海の物であるエビと非常に相性がよく、おかげであっさりながらも深い旨味を感じさせる出来栄えになっています。
 イワシハンバーグとさつま揚げを足して二で割り、尚且つもっと柔らかジューシーに仕上げたような味わいで、例えるとするなら「エスニック風エビさつまパン」というイメージの味わいだと思いました。
 玉ねぎのギュッと濃縮された甘味が、薄く塗られたチリソースのほのかにピリッとくる辛さとちょうどいいバランスで引き立てあっており、その結果何とも言えない甘辛い後味が舌に残るのがよかったなです。
 ちょっぴり揚がったフランスパンの側面がサクサクしているのが、またエビのプリッとした張りのある弾力とぴったりで、一個食べると止まらなくなるエビせん的一皿でした。


 今回、豚ひき肉は他の練り物に混ぜて使うとかなり存在感が消えてしまうという事に初めて気付き、結構衝撃を受けました。
 ひき肉の部分しか揚げなかったので、揚げパンにありがちなギトギト感が皆無だったのが嬉しかったです。
 今度は、“アジア風揚げエビパン”と同じくらい美味しそうだった“牡蠣オイル漬け”“ニシオギ春巻”も再現してみようと考えています。

●出典)『きょうのごはん』 大田垣晴子/メディアファクトリー
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.09.02 Sun 00:21  |  

酒の肴になにか作ろうと思い、こちらのブログにたどり着きました。これは見るからに食欲をそそりますね。冷蔵庫の中を見たら、なんとか材料は揃いそうなので、夜なべ作業で挑戦してみます(笑)

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
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