『おいしい銀座』の“スペシャルづけ丼・青葉”を再現!

 文章を書いている時、時々「怖い顔してどうしたの?」と家族から恐る恐る聞かれる事があるのですが、実は凄まじい顔になっていればいる程、手ごたえのある文が思いついている傾向にあります(←あくまで当管理人基準なので、駄文書きの素人にしてはマシな程度という但し書きがつきますがorz)。
 不思議な事に、穏やかor普通の顔だとそこまでくる物のない文になるのですが、「キタキター!」となるとまるで獲物に喰らいつく野獣のような形相になっているのが自分でも分かる為、我ながらこの癖はどうにかしないといけないな~と悩んでいます;。

 どうも、きついご面相なので『動物のお医者さん』のチョビの如く、普通にしていても「怒ってる?」と言われる事が多々あり落ち込んでいる管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『おいしい銀座』にて主人公・斐馬真理さんがまぐろ祭りの際に新しく考え出した第二作“スペシャルづけ丼・青葉”です!
スペシャルづけ丼・青葉図
 真理さんが銀座の老舗百貨店・<カドヤ>に入社して二年目の春、デパ地下にあった和惣菜の専門店が撤退したのを機に空きスペースへ江戸前寿司の名店・<久嵯吾>を開店させる計画が進み、それに合わせてマグロの解体ショーを目玉イベントにしたマグロ祭りを開催する事が決定します。
 実を言いますと<カドヤ>は銀座ではいつも二番手くらいの倒産寸前と噂される百貨店で、それまでは「大手の<M百貨店>には敵わない二流デパート」というレッテルを貼られていたのですが、真理さんの幼なじみである榎木田さんが統括責任者として入ってから業績はうなぎ上りで、おかげでこういった華やかな行事も行なえるようになったと作中でそれとなく説明されていました。
 しかし、そんなライバル店の建て直しを<M百貨店>が黙って見過ごすわけがなく、「そうはさせじ」と言わんばかりに色んなちょっかいを出してきます。
 とは言ってもあからさまな妨害ではなく、どちらかと言えば牽制混じりの嫌がらせという感じで、例えばマグロ祭り直前に解体ショー用の大マグロを涼しい顔で横取りしたり、<カドヤ>がマグロ祭りをする前の週に自分達もマグロ祭りを行なうと大々的に報じたりと、大手ならではの資本力に物をいわせた戦略で散々榎木田さんを悩ませていました。
 社長からの高評価を妬んで足を引っ張ろうとする社内の上司といい(←仲間内で争ってる場合か!と突っ込みたくなります;)、アイディアのパクリや売上げを奪おうと邪魔する社外のライバル店といい、<カドヤ>に入って以来榎木田さんはまさに内憂外患といった感じの苦労続きで、しかめっ面でため息のシーンが笑顔のシーンより多いのに同情させられます;。
 おまけに、<M百貨店>はそれだけでは飽き足らずに<久嵯吾>の出店権まで奪い取ろうとあれこれちょっかいを出してくる始末で、最後の最後まで目が離せないシーンの連発でした;。
 
 このマグロ祭りに関する一連の流れは、クールなようで実は熱い榎木田さんの会議シーン(特に、「確かに<M百貨店>は脅威ですが、ここで逃げればそれこそ<M百貨店>の思惑通りになってしまいます。皆さんはそれでいいんですか?」の下りは、読んでいるだけで燃えます)、<久嵯吾>内で繰り広げられるご主人・一人娘の香苗さん・寿司職人の北条さんの三者三様の人間模様、<M百貨店>を出し抜く為に新鮮な一本釣りの大マグロを手に入れようと大間へ直接頭を下げに行き漁へ参加する真理さんの情熱が読んでいてとにかく爽快ですので、『おいしい銀座』内でも一、二を争う程好きなエピソードです。 
銀座の名店・<久嵯吾>の人間模様も見所満載です
 今回作ってみるのは、マグロ祭りの打ち合わせの際に真理さんがチーフバイヤー・藤崎綾乃さんからお願いされて四苦八苦しながらも新しく考え出したサイドメニュー二品の内の一つ、“スペシャルづけ丼・青葉”(もう一つの“スペシャルづけ丼・花咲”はこちら)!
 物語中盤の真理さんは、帝都ホテルにて何年も修行した腕利きのフレンチシェフだったお父さんの血を引き継いだ優れた舌と食への直感を持つ貴重な人材として社内で有名になっている為ちょっとした有名人になっていますが、<カドヤ>に入ったばかりの時はまだ「食べる事が好きな食いしん坊な女の子」扱いしかされていませんでした;。
 そんな中、榎木田さんの次に真理さんの能力の凄さにいち早く気付いたのが藤崎さんで、その真価を確かめようとして「<久嵯吾>で出すマグロを使ったサイドメニューを考えて欲しいの」「カウンターでお寿司を食べた事がない人も気軽に入れるような、斬新で美味しいメニュー」と真理さんに依頼します。
 が、一人前三万から握るという総理大臣や政財界の名士が来る寿司屋・<久嵯吾>のテーブルに載せられるサイドメニューは一体どんな物が相応しいのだろうと肩に力が入ってしまった真理さんは、いつものようにサラッとアイディアが思いつかず、新メニュー作りは難航します;。
 ちなみに、苦悩のあまり何も頭に浮かばなかった真理さんは“イカスミを使った真っ黒丼”、“シャリとネタが反対になった反転寿司”、“ネタを渦巻状にした回転寿司”など、とんでもない考案をノートに落書きし、榎木田さんから呆れられてました(^^;)。
 もしかしたら、時々世に出回ってはすぐ消えるトンデモ商品も、担当者の方が悩みまくって何がいいのか分からなくなった末に半ば苦し紛れ、半ばヤケクソで誕生してしまった迷産物なのかもしれない…と、色々考えてしまいました;。
いきなり責任重大な役割をふられ、焦るやら緊張するやらな斐馬さん
 けれども、昔からの知り合いであるパン屋・<ブランジェリー・ウーノ>の店主である宇野さんから真理さんに試食をお願いされた、マグロ祭り用として新しく作ったマグロ肉100%の“ツナバーガー”が真理さんにとっていい刺激となり「あんまり寿司寿司って思わないほうがいいのかな」と視野が広がり、その結果カルパッチョをモデルにした“スペシャルづけ丼・青葉”が誕生したのでした。
 作り方は至ってシンプルで、醤油・レモン汁・オリーブオイルなどで作ったマリネ液に薄切りのマグロの赤身を漬けて酢飯の上に乗せ(隠し味に白ゴマやごま油が使われてそうでした)、仕上げにルッコラとパルメザンチーズをかけたら出来上がりです。
 この“スペシャルづけ丼・青葉”と“スペシャルづけ丼・花咲”は、<久嵯吾>の板長である北条さんからも好評で、「ルッコラにゴマの風味が合う」「寿司屋のメニューとして十分いけます!」と太鼓判を押されて真理さんもほっと一安心した様子でした;。
宇野さんが考案したマグロ祭り用ツナバーガーがいいヒントになりました
 “スペシャルづけ丼・花咲”を再現した以上、“スペシャルづけ丼・青葉”も絶対ご紹介したいと前々から考えていました(^^)。
 大まかな作り方のみで詳細なレシピがないのがネックですが、早速作ってみようと思います! 


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、マグロの用意。ボウルに醤油、レモン汁、オリーブ油、アルコール分を飛ばした白ワイン、白ゴマ、ごま油(一滴~二滴程度で、入れ過ぎないよう要注意!)をボウルでよく混ぜ合わせて特製マリネ液を作り、それを薄くスライスしておいたマグロの赤身が入っている器へ注ぎ、一時間~二時間程度漬けておきます。
スペシャルづけ丼・青葉1
スペシャルづけ丼・青葉2
スペシャルづけ丼・青葉3
 マグロに色が残りつつ味が染みたら、お重に平たく盛り付けておいた酢飯の上に一枚一枚広げながら乗せていき、特製マリネ液も少々たらします。
 その間、ルッコラは流水で洗って水気をきってから大雑把にちぎっておき、パルメザンチーズは極薄になるよう気をつけながら丁寧に削ります。
スペシャルづけ丼・青葉5
スペシャルづけ丼・青葉4
 先程のマグロ乗せ酢飯の上へルッコラ→パルメザンチーズの順にトッピングをたっぷり散らせば、“スペシャルづけ丼・青葉”の完成です!
スペシャルづけ丼・青葉6
 作中で言われていた通り、「敷き詰められた青菜の下に、赤と白の鮮やかな色合い」というべき色彩に仕上がり、感動しました。
 見た目はやや和風よりですが、ルッコラから香るゴマっぽい匂いやパルメザンチーズの酸味がかった香りがイタリアンっぽさを演出しており、何とも不思議な一品に仕上がっています。
 果たして、酢飯にマリネ風の味付けが合うのかどうか…味が楽しみです!
スペシャルづけ丼・青葉7
 それでは、出来たての内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
スペシャルづけ丼・青葉8


 さて、味はと言いますと…さっぱりフレッシュに頂ける新しいタイプのづけ丼で美味し!意外にもチーズがマグロと酢飯に程よくマッチしています!
 舌に吸い付くように柔らかかつ滑らかで、それでいてレモン汁によってジャクッと引き締まった歯触りのマグロを(レバ刺しを食べた時の、あの何とも言えないザクザク感に似ていました)、サクサクしゃっきりと鮮やかな食感のルッコラがしっかり受け止めている為、サラダ感覚で爽やかに食べられます。
 フルーティなマリネ液によって甘酸っぱさを帯びた醤油味に仕上ったづけは、チーズから染みた濃厚な塩気によってイタリア風のような和風のような不思議な味わいで、例えるとするなら「野菜たっぷりなカルパッチョ風まろやかづけ」だと思いました。
 深みはあるものの重厚感に欠けるマグロの赤身に、オリーブ油のあっさりした油分や、パルメザンチーズのまったりとした優しいミルキーなコクが合わさる事により、トロでも赤身でもない複雑な味わいに変化しているのがよかったです。
 “花咲”が「漁師飯に近い豪快な旨さのこってり丼」とするなら、この“青葉”は「創作和食のお店でお箸を使って頂く上品なイタリアンづけちらし」というイメージで、品のいい後口が印象的でした。
 隠し味で入れたゴマ油のほのかに香ばしい風味が、ルッコラから漂う独特のゴマっぽい香りをさらに引き立てているせいか全体の一体感がさらに高まっており、最後の最後まで美味しいバランスのとれた一品です。


 こうしてみると、マグロは生でも焼いても煮ても美味しく食べられる、便利な食材なんだな~と実感させられます。
 こってり気分の時は“スペシャルづけ丼・花咲”、あっさり気分の時は“スペシャルづけ丼・青葉”とその日の気分によって食べ分けるといいんじゃないかな~と感じた再現でした。

●出典)『おいしい銀座』 作画:酒川郁子 原作:九十九森/創美社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.09.06 Thu 21:13  |  

どのきじもうまそうばい。

荒岩ふう

  • #-
  • でーぶ
  • URL

2012.09.07 Fri 12:59  |  

こんにちは。

ヅケって色々味付けがあるんだなぁ~と感心しちゃいます。

あんこさんは食に関する内容の本を
どんな探し方をして見つけてくるのでしょう?

こうして再現料理と、内容に関する感想などをのせてくれるので
読んだことのない本のブログ内容だと興味を持って
書店に行く回数が増えました☆☆☆

  • #-
  • rikko
  • URL

2012.10.06 Sat 23:35  |  斐馬さんは。

斐馬さんは、青森で漁師相手に「津軽弁で啖呵をきる」場面が
よいのです。私的には。
青葉いいですねぇ、初めて読んだ時には、
「鮪にチーズ?!合うのか?ルッコラってなんじゃらほい?」と思いましたが・・。
次の銀座の再現料理は何になるかが楽しみです。
では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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