『てぬのほそみち』の“てぬてぬバナナケーキ”を再現!

 当管理人のいる地域では、二十年くらい前から「てつおじさんのチーズケーキ」という一ホール五百円(今は六百円以上に値上がりしましたが;)と激安なのに美味しいスフレチーズケーキを売るお店があるのですが、先日大阪銘菓「りくろーおじさんの焼きたてチーズケーキ」も存在すると分かり、俄然食べたくなりました。
 調べた所、最近では他にも「よしおじさんのチーズケーキ」、「ジャージーおじさんのチーズケーキ」、「ダディのチーズケーキ」というスフレではないチーズケーキを売っているお店もあるそうですので、機会があれば食したい…と空想にふけっています;。

 どうも、個人的に和歌山市にあるという「ワンダおばさんのチーズケーキ」が気になっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『てぬのほそみち』にて作者・須藤真澄先生が簡単で失敗しないケーキとしてご紹介していた“てぬてぬバナナケーキ”です!
てぬてぬバナナケーキ図
 漫画『てぬのほそみち』とは、本書の作者であり進行役でもある須藤真澄先生が、体育会系でいいツッコミ役の担当編集のとりやまさん(後におっとり者な担当編集・てしろぎさんにバトンタッチ)をアシスタントにし、毎回「料理」「手芸」「工作」のどれかに関する色んな物を手作りしては適当に作り方を説明していくという、手抜き至上主義的手作り漫画です。
 「一から手作りする」と聞くと、時間がかかりそう・面倒臭そう・道具がいっぱいいりそうというマイナスイメージがどんどん湧いてきがちですが、須藤先生の手作り教室は「手を抜ける所は抜いて、おいしい、かわいい、おされを目指しましょう」がモットーなだけあり、道具がなくても手軽にサクッと作れるものばかりで感心します。
 何でも、題名にある『てぬのほそみち』の「てぬ」は「手抜き=てぬき=てぬ」と短略化して誕生した言葉だそうで、記念すべき第一回目では「面倒くさい事が嫌いだ。本を見ながら作るのが、分量をはかるのが、いっぱい道具を使うのが、嫌いだ嫌いだ嫌いだ!―そんな同志と歩きたい」と、力のこもったメッセージが載っていたのには大いに共感したのを覚えています(^^;)。
 例えば料理の場合、ほとんどが身近な材料で作れて三十分以上かからない物ばかりで、初心者でも挑戦しやすい分かりやすさが特徴的(冷やすだけで出来る“てぬてぬヨーグルトケーキ”、電子レンジで作れちゃう“てぬてぬ田舎まんじゅー”と“てぬてぬデコレーションケーキ”など)。
 手芸の場合は編み棒がなくても手織物を編める方法などアイディアが光る物が目立ちますし、工作の場合は何とカッター&ボンドで作れるプチ棚の作り方など、見ているだけでも「こんなに簡単なら、自分にも出来そう…」と手作り気分を刺激される物ばかりなので、本当に挑戦する人は勿論、読むだけでも充分楽しめる仕上がりになっています。
 あと、手作り作品だけでなく須藤先生と担当編集・とりやまさんの活き活きしたやり取りが面白いのもこの作品の魅力の一つ。
 自称「二時間しか根気が持たない」「タイムフリー」な体質の須藤先生がのんびりマイペースで適当に手作りしていく様子を、時には「あんたすっげー不器用だろ実は(#゚Д゚)!」と突っ込んだり、「も~やだ、あんたの担当(つД`)」と嘆いたり、「ささ先生、きりきりお仕事しましょ」と釘を刺したり、「あ、じゃあ今月お休みにしましょ。とりちゃん夏バテで食欲ないし~」とわざと突き放して須藤先生を慌てさせたりと、思わず吹き出してしまうシーンがいっぱいで、正直とりやまさんがいるからこそ話にメリハリが出ていたと言っても過言ではない程かなり重要な役割を果たしていました。
 もちろん、作中でのやり取りはほぼフィクションですが( 『平野レミのアイデアクッキング』と同じく、実在人物が一見ドキュメント風に話を進めるフィクション作品です)、おまけ漫画で描かれていたとりやまさんとのリアルなやり取りもほぼこんな感じだったので、日頃からこういうズバズバした会話をしているからこそストーリー展開にもそれが出たのかな~?とつい色々想像してしまいます。
根気は二時間しか持たないものの、手作りは大好きと語る須藤先生
 今回作ってみるのは、第二話でご紹介された“てぬてぬバナナケーキ”!
 実は、とりやまさんはお菓子作りをする度に必ずといっていい程失敗していたそうなのですが、後日須藤先生のレシピで作ってみたところ初めて一発で成功したとの事で、「絶対失敗するかと思ってたけど、やりました~!」と作中で大喜びしていました(←どうやら、これは実話っぽいです;)。
 作り方はお手軽で、ボウルにバター・砂糖・卵・バナナ・くるみを入れて手で混ぜ、小麦粉とベーキングパウダーをヘラでさっくり混ぜ合わせ、マドレーヌ型に流し込んでオーブンで焼いたらもう出来上がりです。
 このケーキのポイントは「道具を使わない」「手で混ぜる」ことだそうで、粗いものを最小限に抑えて尚且つ簡単に作るにはこれが一番の方法だと書かれていました。
 正直、使わなくて済む道具は泡だて器だけなので、「道具をつかわない」というのは少々オーバーかもしれませんが;、作中で須藤先生達が童心に返って泥んこ遊びみたいにグネグネグニュグニュとバナナや卵を手で混ぜている作業は読んでいて本当に楽しそうだったので、「これはやってみたい…!」と読むたびに胸が高鳴ります;。
道具をほとんど使わず、手でこねて作る画期的なバナナケーキです!思わず童心にかえってしまう程、泥んこ遊びに似ている模様
 ちなみに、“てぬてぬバナナケーキ”のレシピを一通り書いた後、「あたしちょっぴりお菓子作りに自信がつきました!これからも先生について行きます!」とウキウキしているとりやまさんに対し、須藤先生はサラッと「あ、もーお菓子編終わりなの」「おねいちゃん、もー作れるお菓子尽きたし」という爆弾発言をしています。
 実際には、後々ちゃんとお料理レシピも手芸作品や工芸作品に混じってちらほら登場するので、結果的にこの発言はなかったことになるのですが、まさか若干二個のお菓子が紹介された所で料理編は終わりだと宣言されるとは予想もつかなかったため、初めて読んだ時は「えええ~?!」と驚いたものです;。
 その為、最後のコマでハリセンを持ったとりやまさんと、鼻血を出した須藤先生の図を見た時は、ほんのちょこっとだけスッキリしたのを覚えています(←須藤先生、すみません;)。
何と、連載第二回目にして作れるお菓子が尽きたと暴露されてました;
 久々にバナナケーキを食べたいと思っていた上、近所のスーパーでバナナが一房五十円と激安で売られていたのもあり、再現を決意しました。
 詳しい分量が載ったレシピもある事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地作り。室温に戻したバターを滑らかになるまで手でつぶしながら混ぜ、クリーム状になったら砂糖を投入し、全体が白っぽくなるまでこね合わせます。
 バターに砂糖がなじんできたら卵を加えて、指でほぐしながらよく混ぜます。
 ※ここまでの流れは、泥んこ遊びというよりは砂遊びっぽい感じです(砂糖のザラザラ感が、よりその感覚を増長させました;)。卵は冷蔵庫から出したばかりの物を使うとなかなか混ざりにくいので、これも常温に戻しておいた方がいいです。
てぬてぬバナナケーキ1
てぬてぬバナナケーキ2
てぬてぬバナナケーキ3
 バターの色合いが黄色っぽくツヤのあるものになったら、皮を剥いたバナナを入れてグニュグニュッと大雑把につぶしながら混ぜ、さらに刻んだくるみを投入して混ぜ合わせます。
 ※バナナを入れた途端、手の中で鈍~く潰れるバナナの手触りがまさに泥んこ遊びそっくりの感覚になるので、俄然面白くなります;。ただ、バナナを潰しすぎると食感がつまらなくなるので、程ほどでやめる自制心が必要です。
てぬてぬバナナケーキ4
てぬてぬバナナケーキ5
てぬてぬバナナケーキ6
 生地全体にくるみが行き渡ったら手を洗って平常心に戻り、一緒にふるいにかけておいた小麦粉とベーキングパウダーを加え、ゴムベラでさっくり手早く混ぜます。
 この生地を、薄くて小さめのマドレーヌ型に流し込み、180度に熱したオーブンで約十五分~二十分かけて焼きます。
 ※100円ショップに売っている使い捨ての型で大丈夫ですが、ある程度固さのある物でないと型が横に広がって生地がデレ~ッと垂れる事もままあるので、要注意です。
てぬてぬバナナケーキ7
てぬてぬバナナケーキ8
てぬてぬバナナケーキ9
 中にまで火が通っているのを確認したらオーブンから取り出し、荒熱が取れる(もしくは冷やしてもOK)のを待てば“てぬてぬバナナケーキ”の完成です!
てぬてぬバナナケーキ10
 火の入ったバナナ特有の、何ともいえない甘~い香りがケーキから漂うのがたまりません。
 バナナケーキはうまく作らないとネチャネチャした感じになる事も珍しくないのですが、切って断面を見たところさっくりした出来栄えだったのでほっとしました。
 手で混ぜたケーキは、果たして泡だて器で作ったケーキと遜色ない味なのか…実際に試食して確かめてみようと思います!
てぬてぬバナナケーキ11
 それでは、一つ手にとっていざ実食!
 いただきま~すっ!
てぬてぬバナナケーキ12


 さて、味はと言いますと…ほのぼの安心出来る旨さでナイスッ!家庭的で温かな印象のホームメイドケーキです!
 一口かじった途端にバナナのねっとり濃厚な甘さと、クルミの香ばしい風味が口の中にゆっくり広がり、初めて食べるはずなのに不思議と懐かしい気持ちになります。
 小さい頃、母がよく作っていたバナナホットケーキをさらに余韻深くしっとりさせたような味わいで(分かりにくい例えですみません)、派手はないものの生地を噛むごとにバナナのフルーティな甘味が徐々に深みが増していくのが印象的でした。
 手で大まかに崩したのが功を奏し、バナナの大きさにばらつき出て食感に変化が出ているのが食べていて楽しい感じで、大抵は小さいカットで生地になじんでいるのがほとんどですが、時々「お!大きい塊!」と分かるゴロンとしたバナナを噛み当てるとちょっぴり嬉しい気分になります。
 この大きいバナナはギリギリ生に近いジューシー感が残っている為、他のバナナケーキに比べると比較的フレッシュな美味しさだと思いました。
 モフモフのクッションを連想するような適度な柔らかさと、どっしりした重めの食べ応えが両立した生地で、そのままだったら単調な味になりかねないのを、ザクザクのクルミがいいアクセントを与えて飽きを防いでいるのがたまらなくいいです。
 シンプルながらもバナナとクルミの滋味を堪能出来る、素朴な旨さが印象的な田舎風ケーキでした。


 簡単にすぐ出来る上、失敗なく作れるのが嬉しいお手軽ケーキです。
 出来たてでも冷やしても美味しいので、前日の夜に砂糖控えめで作って翌朝の朝食として頂くのもありだと思いました。

●出典)『てぬのほそみち』 須藤真澄/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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