『平野レミのアイデアクッキング』の“いっき鶏&帆立がんも‏”を再現!

 大学時代、卒論ゼミのメンバー全員で飲みに行く事が度々あったのですが、その中でも一つずーーーっと心残りのある思い出があります。
 それは、あるチェーン居酒屋でみんながノリで頼んだハニートースト(耳つきの長い食パンの中に切れ目を入れて焼き、上にバター・蜂蜜・アイスを乗せるデザート)の耳が豪快に丸ごと残されているのを目の当たりにし「もったいない…食べないのが普通かもしれないけど、少しでも食べて片付けたい」「いや、でも周囲の子はそんなことをしていない…恥ずかしい」と葛藤した末、結局一口も食べず帰ったこと。
 後にも先にも豪快に食べ残したのはこの時一回こっきりな為、グルメ番組でハニートーストの映像を見るたび(´・ω・`)という表情になります。

 どうも、『あたしんち』のみかんみたいに食パンの耳を食べてから中身を食べるのが習慣になっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『平野レミのアイデアクッキング』にてレミ先生が助手のひとみさんに教えてあげた自家製居酒屋メニュー・“いっき鶏&帆立がんも‏”です!
いっき鶏&帆立がんも‏図
 自他ともに認める楽天家主婦・ひとみさんですが(前回レビューはこちら)、如何に能天気な性格でも「主婦って、つらいわね…」とモチベーションが下がる日も時々あります。
 どうやら今回、ひとみさんはレミ先生の料理教室の片付けをしている時にそのピークがきてしまったらしく、偶然その場に居合わせた料理教室メンバーのお嬢様系セレブ主婦・英子さんと、いつも明るい元気ママ(残念ながら名前不詳なので、イメージでつけました;)と一緒にその話題で大盛り上がりします。
 ひとみさん曰く、「掃除して洗濯して毎日三食作らないきゃいけない」上に、料理教室の仕事をするのが体力的にハードで嫌になるとの事で、それに激しく共感した英子さんと元気ママも「私は作るより片付けるのが嫌ですわ」「旦那は外で適当に発散するからいいわよね」「食器洗い機が欲しい」と共働きの奥様ならではの愚痴をぼやいていました;。
 当管理人は現在、母と交代で家事をしているのでまだこういう心境には至っていませんが、将来的にはひとみさん達と同じ苦労が確実に待ち構えていると思う為、その大変さを想像するととても他人事ではなくため息が出ましたorz(せめて、お風呂掃除とゴミ捨てと灯油運びは手伝ってもらいたいな…と密かに願う今日この頃)。
 なお、後から会話に参加したレミ先生は「食べてくれる人がいるって幸せじゃない!」「どーせ作るなら毎日楽しく作らなくちゃ♪」とあくまで前向きで、さすがだな~と感じました。

 その後、料理教室だけでおしゃべりするだけでは物足りなくなった三人は帰りに居酒屋へ立ち寄り、「それでもやっぱり、外で美味しい料理を食べる方がいい!」と言い合いながら飲みまくって日頃の憂さを晴らしていました;。
 これは周囲で聞いた奥様方(母含む)から幾度となく聞いたお話ですが、「毎日ご飯を作っていると、人の作ったものを食べれるのが一番嬉しい」そうで、当管理人自身ある日「ダメだ、自分の作るお弁当に本格的に飽きた!」と衝動的にコンビニへ昼食を買いに走った経験がある為、この意見には大いに共感したのを覚えています(←結局、節約したかったのでその後も渋々お弁当作りは続けました;)。
日頃の憂さを晴らす目的で、主婦三人組で飲み会を開催します
 しかし、久々に奥様仲間とはしゃぎ過ぎたせいか翌日ひとみさんは重度の二日酔いになり、自宅のフローリングをズルズル這いつくばって移動する様子を遊びに来たレミ先生に目撃され、慌てて二日酔い解消料理を作ってもらうという少し情けない事態に。
 おかげでひとみさんはようやく落ち着くのですが、レミ先生から「人の作ってくれた料理はおいしかった?」とからかい混じりに聞かれ、「もちろん!…と言いたい所ですけど、今ひとつかな。でもまあ安いし…」と苦笑し、これまた一本取られてしまってました(^^;)。
 居酒屋は料理のいい所で食べるとどうしても高くついたり、かと言って安い所に行くと料理がイマイチorメニュー数が少なくてがっかりしたりと一長一短なお店が多く、常連になれるくらいいい居酒屋さんはなかなか見つかりにくかったりするので、日常的に飲みに行かないひとみさんは尚更ハズレを引きやすかったろうな~と同情しました(稀に、料理も値段も満足のいくお店があっても、店主や雰囲気が合わなくて入りにくかったりするケースもあるので難しいです)。

 すると、レミ先生は「だったら、自分で居酒屋風の物を作っちゃえばいいのよ」と言い、ひとみさん宅のキッチンで早速レミ流居酒屋料理を数点パパッと作ってしまいます。
 この時、一際美味しそうに見えたのがこの“いっき鶏&帆立がんも‏”です!
 作り方は両方とも簡単で、“いっき鶏”は骨付き鶏肉・ごま油・豆板醤・醤油・お酒・砂糖・しょうがをお鍋へ一気に放り込んで煮こむだけ、そして“帆立がんも‏”はホタテの水煮缶・缶汁・木綿豆腐・しょうが・お酒・塩・片栗粉を混ぜて油で揚げたら出来上がりです。
 レミ先生が言うには「外食は割高だから、自分で作った方が経済的で油っぽくもなくて美容にもいい、一石二鳥なのよ」との事で、確かにこれなら健康的に飲めていいと感心しました。
 居酒屋さんは料理やお酒だけではなく、その場の空気や人の活気が楽しめるのが最大の利点なのでそれも捨てがたいですが、毎日飲みに行っていたら財布が持たないので、気軽な集まりだったらこういうなんちゃって居酒屋が最適そうです。
 作中では「居酒屋レミ」とそれ風に雰囲気のある名づけをしてパーティーが開かれていたので、当管理人も近い内に「和風バーANNKO」と茶化して自宅居酒屋パーティーが出来たらいいな~と思います(←ちなみに、この文を書いた直後知人にメールすると「ダサい」「あずきバーみたい」と言われてへこんだので、少なくとも改名してから実行予定ですorz)。
家で居酒屋メニューを用意して飲んだ方が経済的かつ健康的で、一石二鳥!
 たまたま自宅にあるあり合わせの物で作れそうな事が判明したので、いい機会だと思い再現する事にしました。
 分量つきの詳細レシピもある事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“いっき鶏”作り。熱したフライパン等で骨付き鶏もも肉(手羽先や手羽元を足しても美味!)の両面を軽くソテーし、表面を焼き固めておきます。
 その間、別の鍋へごま油、豆板醤、醤油、お酒、砂糖、しょうがのみじん切りを入れてよく混ぜ合わせ、煮汁を用意します。
 ※豆板醤とごま油が無い場合は、ラー油で代用してもいいそうです。
いっき鶏&帆立がんも‏1
いっき鶏&帆立がんも‏2
 この煮汁入りの鍋へ焼いた骨付き鶏もも肉を並べてフタをし、弱火でじっくり煮込みます。
 四十分~一時間近く骨付き鶏もも肉に煮汁を煮絡め、十分味が染み込んでいるのを確認したら一旦準備完了です(数十分冷ましてからまた火入れすると、さらに味がなじみます)!
いっき鶏&帆立がんも3
いっき鶏&帆立がんも4
 次は、“帆立がんも‏”作り。
 ボウルにホタテの水煮缶、その缶汁、しっかり水切りした木綿豆腐、しょうがの千切り、お酒、塩、片栗粉を投入し、よく混ぜます。
 ※ホタテの水煮缶は貝柱オンリーの物もいいですが、ヒモや肝を丸ごとボイルしたタイプの缶も複雑な食感になっておいしくなるのでお勧めです。なお、後者を使う場合は黒い部分を一つずつ取り除いてほぐしてから使います。
いっき鶏&帆立がんも5
いっき鶏&帆立がんも6
 具と調味料が豆腐全体に行き渡ったら、手のひらで一口大になるようまとめ、高温に熱した油で揚げます(揚げ上がりの目安は、下に沈んでいたのが浮いてきて薄いキツネ色になったくらいでちょうどいいです)。
 表面がさっくりするまで揚げたらキッチンペーパーに引き上げ、余分な油分をきっておきます。
 これで、用意OKです。
いっき鶏&帆立がんも7
いっき鶏&帆立がんも8
 双方の料理が出来上がったらそれぞれのお皿へ盛り付け、“いっき鶏”の上に刻みネギを散らしてビールを傍らに添えれば“いっき鶏&帆立がんも‏”です!
いっき鶏&帆立がんも9
 二つとも案外早く出来上がった為、もっと時間がかかると身構えていた当管理人は拍子抜けしました。
 “いっき鶏”は唐辛子の刺激的な香り、“帆立がんも”は揚げ物特有の香ばしい匂いが漂い、見るからにビールに合いそうです。
 本当に居酒屋メニューっぽく仕上がったのか、早速食べて飲んで確かめようと思います!
いっき鶏&帆立がんも11
いっき鶏&帆立がんも12


 それでは、両方とも出来たての内にいざ実食!
 まず一番目は、“いっき鶏”。
 いっただっきまーすっ!
いっき鶏&帆立がんも13
 さて、味の感想ですが…お酒にぴったりで美味し!適度に濃厚なピリ辛ソースが鶏肉と抜群の相性です!
 骨付き鶏肉はしっとり柔らか、鶏手羽先はプリプリジューシーな仕上がりになっており、骨に近い部分であればある程味が濃厚なので、甘辛い煮汁をつけつつ歯でこそぎとって噛み締めていくと段々病み付きになります。
 鶏の脂分が混ざって奥行きが出た為、そこそこ辛さがあるにも関わらすまろやかな煮汁に仕上がっていて、鶏肉のあっさりした旨さをボリューム溢れるものへと底上げさせていました。
 鶏肉や骨からにじみ出た旨味エキス、ゴマ油の香ばしいコク、豆板醤の深い辛味が混ざり合ったせいか、まるでラー油を溶かしこんだかのような複雑な味わいになっており、その為もっと食べたくなるような中毒状態に陥る一品となっています。
 一言で例えるとするなら「四川風辛旨煮込み鶏」という感じで、肉や骨にまんべんなく絡んだしょっぱ辛くて濃厚な煮汁をしゃぶりつつビールをあおると、グラスが進んでしょうがなかったです(唐揚げ専門店によく置いてある「ピリ辛チキンバー」を彷彿とさせられました)。
 ネギの鮮やかなシャリシャリ感とすっきりした香りがいい刺激になって後味を引き締めていますし、何度でも食べたいおつまみです。


 二番目は、“帆立がんも‏”。
 いただきま~す!
いっき鶏&帆立がんも14
 さて、味の感想はと言いますと…見た目通り繊細かつほんわかした味わいで旨し!揚げたてを頬張ると、思わず頬が緩みます!
 所々に塊を残しつつクリームのようななめらかさになった豆腐が片栗粉によって絶妙なバランスで固まり、「モチフワトロッ」としかいいようのない独特の食感となってさっくりした衣から飛び出してくるのが何とも美味で、とろけそうでとろけきらない寸止めギリギリの柔らかさになっているのがたまりません(←火を通してムチムチになった山芋と似たとろけ具合でした)。
 面白い事に、卵を入れていないにも関わらず「明石焼き」や「銀○この揚げたこ焼き」の中身にそっくりなプワプワした舌触りとまったりしたコクが特徴的で、揚げ物とは思えない程さっぱり軽やかな後口が印象的です。
 時折、帆立のひものコリコリした歯触り、しょうがのシャリシャリ感、帆立のほぐし身の噛めば噛む程味が出て来るシコシコ感が程よいアクセントになっていて、単調さを防いでいました。
 帆立出汁の優しく淡い味わいが豆腐の淡泊な旨味とよく合っており、がんもどきというよりどちらかといえば揚げ出し豆腐の方に近い上品な美味しさです。
 居酒屋メニューというよりは、料亭で突き出しとして出される一品のような印象でした。


 「今までに食べた事がないおつまみが食べたい!」「今日は疲れたから自作は無理だけど、がっつり飲みたい!」という時以外は、自宅で作ったこういうおつまみで十分なんじゃないかな?と感じました。
 気のせいか、両方とも油をそこそこ使った料理なのにチェーン店で飲んだ翌日よりも胃のもたれが軽い気がしたので、健康に気をつけたい方に是非おすすめしたいメニューです。
いっき鶏&帆立がんも10

●出典)『平野レミのアイデアクッキング―まんが版傑作選』 監修:平野レミ 原作:小林誠子 作画:泉万里/主婦と生活社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.12.06 Thu 12:45  |  

うまそ~ですね( ´ー`)

  • #-
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2012.12.06 Thu 13:59  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2012.12.07 Fri 15:38  |  こんにちは

いつも更新を楽しみにしています。
この再現料理、
さっそくワタシもチャレンジしてみます!

  • #KGAhWzec
  • kurara 
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  • Edit

2012.12.17 Mon 21:16  |  

いつも楽しく読ませていただいてます。
帆立がんもがあまりにも美味しいそうで作ってみました!めっちゃウマーでした|艸`)白だしを薄めたものにつけながら食べてみたら本当に明石焼のようで…大満足でした☆

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  • モコ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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