『クッキングピープル』の“鶏と野菜のお月見スパゲティ”を再現!

 お月見という言葉には、「家族みんなでほのぼの月を見上げる」という温かなイメージが浮かびがちですが、当管理人にとってお月見は、胸がざわつくようなイメージが定着しています。
 どうしてそんな物騒なイメージなのかと言えば答えは単純で、その昔満月をじっと見上げるのは夜中家族に気付かれぬようそっと抜け出して歩いている時や、考え事があってぼんやり窓の外を見ていた時など、高揚感や不安感を感じている時オンリーだった為;。
 そのせいか、特に後ろめたい事がない今でも、満月をまじまじと見るとどうも落ち着かない心境になるので、未だにお月見はある種の緊張感を禁じえません(ただ、朧月だけは不思議と心休まるので好きです)。

 どうも、月の裏側がどうなっているのか興味津々な管理人・あんこです。 

 
 本日ご紹介する漫画料理は、『クッキングピープル』にて不運続きの女性・川原幸子さんが月の使者からもらった卵で作った“鶏と野菜のお月見スパゲティ”です!
鶏と野菜のお月見スパゲティ図
 今回ご紹介するのは、ご本人は何も悪くないのにどういう訳か不幸ばかりを引き寄せてしまうついていない女性・川原幸子さん(28)のエピソード。
 真面目に働いているのに勤めていた会社は全て倒産、コツコツ貯めた貯金はアパートに入った空き巣に根こそぎ盗まれ、特に夢中になれる趣味も恋人も全くないままいたずらに年月が過ぎていくという、まさに不幸の星の元で生まれたとしかいいようがない女性なんですが、内気で気弱ながらも基本的にすぐ「明日も頑張ろう!」「今は不幸ばかりだけど、いつかは幸せになれる」と立ち直る健気な性格なので、身近にいたら絶対応援したくなるタイプの方です。
 実を言いますと、幸子さんのエピソードは一話だけでなく他にも数話あるのですが(その為、毎回必然的に「これでもか!」という程不幸の乱れ打ちにあっており、見ていて気の毒になりますorz)、せっかくなので第一回目のお話を書いてみようと思います。

 それは、ある秋の夜の事。 
 またしても勤めていた会社がいきなり倒産し、明日から転職活動をしなければならなくなった幸子さんは暗い気持ちで夜道を帰宅していたのですが、空を見上げて「そう言えば、十五夜って今くらいだっけ…」と思い、ふと足を止めて満月に見惚れます。
 基本的には前向きな幸子さんですが、こうも連続で勤める会社が倒産続きだとさすがに自信がなくなったらしく、「教えてください、お月様…。私はこれからも、一生不幸なんでしょうか?」という、お月様の手にはあまる重い独り言をもらします(←どうしてか分かりませんが、何故か毎回「ハリセンボン」の箕輪はるかさんの声で脳内再生してしまいます;)。
 すると、驚くべき事に目の前の月からまるでかぐや姫のお迎えみたいな一行が降り立ち、「お迎えにあがりました、月の姫」「地上での修行、ご苦労様でした」などと言い出して、幸子さんを大興奮させます。 
 正直、引っ込み思案に見える幸子さんは当然迷うだろうな~と初見時は予想していたのですが、月の使者から誘いを受けた幸子さんは「どんなに不幸が続いたとしても、心のどこかでいつか幸せになれると思っていたけど…コレだったのねー」と乗り気で輿に座ろうとしていた為、案外乙女チックだった幸子さんにずっこけました;。
 もし本当に自分が月の姫だっとしたらそれはそれで面白そうな展開ですが、いきなり宇宙からやってきた謎の集団から「月へ行きましょう」と唐突に言われたら、チキンな当管理人は「NO THANK YOU」とダディみたいな顔で断って終わりそうです(もう少し強気にいけそうな場合は、「だが断る」バージョンで)。
 こういう時、某ガンダムキャラのように細かい事をグチグチ言わず「行きまーす!」と躊躇なく言える人物だけが、物語でも歴史でも主人公になれるんだろうな~と脇役な自分は思います;。
ついていない川原幸子さん(28)の元に、何と月からの使者が!
 このままうまくいっていたら、幸子さんは月の姫(もしかしたら、セーラー服の美少女戦士になった可能性も;)として新しい人生を歩んでいたはずなのですが、残念な事に月の使者の一人が人違いだった事に気付いた為、幸子さんの新生活は始まる前に終わってしまいます。
 かなりがっくりしながらも、幸子さんは「な、な~んだ人違いかぁ~、そうですよね~!アハ、アハ(´∀`;)」と必死に明るく振舞っていましたが、空へ帰ろうとしていた月の使者から「お詫びにこの卵を。半生の落とし卵にして月見で召し上がってみて下さい」と微妙すぎるプレゼントを貰った時には、さすがにため息をついていました;。
 まあ、一旦月に行ったら確実に自分の意思で戻れなくなって困った事態になったと思いますので(塾長なら宇宙遊泳で易々と行き来できそうですが;)、丸く収まってよかったです。

 その後、アパートに帰った幸子さんが少しでもお月見気分を楽しむ為に月の使者からもらった卵を使って作った夕食が、“鶏と野菜のお月見スパゲティ”です!
 作り方は少しコツが入るものの簡単で、鶏もも肉・緑ピーマン・赤ピーマン・キャベツ・しょうがを塩こしょうとレモン汁で味付けした物をスパゲティと和え、その上に黒ごまと半生落とし卵を乗せたら出来上がりです!
 重要なのは半生落とし卵で、如何に黄身の黄色い色合いを保ちつつ半熟に固める事が出来るのかどうかというのが最大のポイントになるので、当管理人のように不器用なタイプには鬼門のレシピかもしれません;(半生落とし卵の作り方は、下にて出来るだけ詳しく書かせてもらいます!)。
 たけだみりこ先生曰く、「漆黒の闇(黒ゴマ)に輝く月(卵)を堪能したら、フォークで黄身を崩しスパゲティに絡めて食べる」のが美味しい食べ方との事で、説明だけだというのに妙にそそられます。
一応申し訳なく思った月の使者は、お詫びに卵一個を渡して去って行きました;
 この“鶏と野菜のお月見スパゲティ”を食べる頃には、既に幸子さんは「さ、ご飯食べて明日から仕事探し頑張らなきゃ」と気を取り直していたのですが、一口食べると「あ、おいしい!この卵!ちょっと幸せ…」とささやかな幸福によって完全に立ち直っていました;。
 ここまでだったらよかったな~で終わっていたのですが、幸子さんのアパートの外に視点が切り替わると、何と影ながら幸子さんを見守り続けているらしい謎の男性の姿が! 
 少女漫画でよく見かける‘鉄板のお約束’に従うなら、イケメンの場合いわゆる紫のバラの人や足長おじさん的存在、そうでない場合は単なるストーカーという風に判別出来るのですが(←残酷過ぎる線引きだと女の私も思います;)、惜しくも顔は全く見えなかったので未だに正体不明です;。
 果たして、幸子さんは不幸人生から脱出できるのか…そして、顔の見えないこの男性の正体とは?
 個人的に、続きが気になって仕方がありません;。 
ささやかな幸せを噛み締める幸子さんの背後に、謎の人物が…!?
 もう今年の十五夜は過ぎてしまいましたが、ちゃんと詳細なレシピが残っていますし、半生落とし卵の味も気になりますので、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、スパゲティ作り。油をひいて熱したフライパンへ、みじんぎりにしたしょうがと小さく切った鶏もも肉を投入して炒め、表面に軽く焦げ目が出来だしたらザク切りにしたキャベツを加えて混ぜます。
 キャベツがしんなりしてきたら、小さめに切った緑ピーマンと赤ピーマンを入れ、塩とこしょうで味付けをしながらさらに炒め合わせます。
鶏と野菜のお月見スパゲティ1
鶏と野菜のお月見スパゲティ2
鶏と野菜のお月見スパゲティ3
 ピーマンに火が通ってきたら火を止め、茹で上がって水気をきったスパゲティを投入し、レモン汁をかけ回してさらに混ぜ合わせます。
 塩加減が整ったのを確認したら、具ごとスパゲティをお皿へ盛り付けておきます。
鶏と野菜のお月見スパゲティ4
鶏と野菜のお月見スパゲティ5
鶏と野菜のお月見スパゲティ6
 次は、半生落とし卵作り。
 鍋に残っているスパゲティの茹で汁を高さ五センチ程度になるよう調節し、中火にして泡が小さく立つ程度にまで温めます(温度は八十度前後が理想)。
 このお湯に生卵をそっと落とし入れ、黄身にお湯がかからないよう注意しながらゆっくり火を通して行きます。
 やがて、白身の部分が透明から白に変化し、黄身の色合いが微妙に変わったらすぐに網杓子でそっとすくい上げ、黄身が崩れないよう気をつけながらお湯をきります。
 ※生卵を入れた途端、白身がユラユラ揺れながらお湯の中ではためく様子は、まるで天女の羽衣みたいな感じで美しく、つい見入ってしまいました;。
鶏と野菜のお月見スパゲティ7
鶏と野菜のお月見スパゲティ8
 お皿に盛っておいたスパゲティへ黒ゴマを散らして先程の半生落とし卵をそっと乗せ、最後に黄身の表面に塩を少しだけ振れば“鶏と野菜のお月見スパゲティ”の完成です!
鶏と野菜のお月見スパゲティ9
 ピーマンの赤と緑、半生落とし卵の黄色と白、ゴマの黒、キャベツの薄緑色が丸い皿に映えてとてもカラフルで、確かに見た目だけでも楽しめます。
 温泉卵でも目玉焼きでもない、絶妙な固まり具合の卵が見るからによさ気で、スパゲティの主役としての貫禄充分といった感じです。
 黄身は一見生のように見えても、割ってみるとちゃんと火が通っていてトロ~とした魅惑的なとろみがスパゲティへ自然に絡んで行くのがおいしそうで、これは味にも期待が持てます!
鶏と野菜のお月見スパゲティ10
鶏と野菜のお月見スパゲティ11
 それでは、麺が延びてしまわぬ内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
鶏と野菜のお月見スパゲティ12


 さて、味の感想ですが…すっきりした味わいで旨し!そのまま食べても、半生落とし卵を崩してから食べてもイケる、一度で二度美味しい料理です!
 絞りたての果汁だからこそ堪能出来るフレッシュな酸味が効いた、さっぱり爽やかな塩レモン味がスパゲティや鶏もも肉とぴったりで、食欲がない時でもつい手が伸びる味付けになっています。
 油をほとんど使っていないのでヘルシーですし、その上しょうがの清々しい風味やわずかに舌を刺す辛みがキリリと味を引き締めている為、単なる塩味とは違う複雑な旨さに仕上がっていました。
 おかげで、鶏もも肉は塩レモンダレで炒めた居酒屋メニューみたいにちょっと凝った味わいになっており、正直鶏肉だけでもいいおつまみになりそうな程美味です。
 いっぱい入っていて食べ応えのある野菜類も、レモンやしょうがが合わさる事によって軽く漬けたピクルス風の味付けになっていて、温野菜サラダみたいな感覚で大量に食べる事が出来た為、「体に優しいパスタ」という印象を受けました。
 一方、半生落とし卵の方は「柔らかめの半生ポーチドエッグ」みたいな味で、プルプルした白身とねっとりした黄身が口でとろけるのが最高です。
 このトロトロの半生落とし卵をスパゲティを絡めて食べると、ストレートに酸味がきていたあっさりスパゲティが、卵黄のまろやかな旨味によって「塩釜玉風」と言いたくなるようなコクのあるスパゲティになる為、違った味が楽しめるのが面白いです。
 黒ごまがプチプチ弾けて香ばしいアクセントをプラスしているのもいい感じですし、大満足でした。


 正直、半生落とし卵は何度も失敗しそうだと身構えていたのですが、不器用な当管理人でも一発で成功する程簡単で拍子抜けしました;。
 スパゲティの残り湯でパパッと作れる手軽さ、洗い物が増えない気楽さが嬉しいですし、卵が合いそうなパスタを作るときには重宝しそうな一品です。

○追記(2012.10.06)
 kawajunさんからご指摘された、「再現料理まとめ」内にある『花のズボラ飯』項目の件ですが、実は10月7日の18時頃に自動的に投稿するようセットしておいた記事(今は下書き状態なので、該当URLを押しても未表示になります)を事前に書き足しておいた為、このような不自然な状態になりました;。
 後々まとめに足す事にしたらど忘れしそうだったので、外出前にちゃちゃっと登録してしまいました。
 当管理人の横着な記事管理で混乱させてしまい、申し訳ございません(^^;)。

●出典)『クッキングピープル~使えるカンタン料理コミック~』 たけだみりこ/実業之日本社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.10.06 Sat 00:38  |  あれ…?

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見しています。

トロリ、半熟目玉焼きを見ると、無条件でヨダレが出るのは
卵大好き日本人なんだな、と思います。

で、今回の記事と関係無いのですが、「再現料理まとめ」の
『花のズボラ飯』の項目に、まだ記事化されていない料理名
が…! フライングで載ってしまったのでしょうか?

すみません、それだけですが、気になったので。では~。

  • #SFo5/nok
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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