『最後のレストラン』の“アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ”を再現!

 先日、全く期待せずに買ったセブンイ○ブンの「さくふわダックワーズサンド」が意外に美味しかったのにびっくりしました。
 それまでは「ダックワーズって、マリー・アントワネットがプチトリアノンで優雅につまんでいたっぽい歴史がありそうなお菓子」という漠然とした印象しかなかったのですが、興味を持って調べてみると、実は日本人の菓子職人がフランスの郷土菓子を元に考案したお菓子と知り、二度驚きました(詳しくはこちらこちら)。
 その上、何と福岡にその菓子職人さんのお店があるという事まで分かりましたので、機会があったら是非行ってみようと思います。

 どうも、軽い気持ちのつもりがあれよあれよという間に予想外の事実が分かり、世の中の狭さを再確認した管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『最後のレストラン』にて園場さんがタイムスリップしてきたジャンヌ・ダルクの為に作った“アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ”です!
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ図
 2011年の2月に織田信長が来店して以来、それから二ヶ月に一度くらいの頻度で園場さんのレストラン・<ヘブンズドア>へは様々な歴史上の有名人物がタイムスリップしてくるようになるのですが、10月頃にはとうとう伝説と化している中世の英雄が時空の狭間を越えてきます。
 その人物とは何とあのジャンヌ・ダルクで、異端者という審判がくだって丸太に縛り付けられ、火刑にされるまさにその直前に<ヘブンズドア>へ煙に包まれてながらやって来ます。
 幸い、園場さんはフレンチシェフなだけあって簡単なフランス語が分かり、いつも通訳をしてくれている前田さんなしでもそこそこ意思の疎通が出来たのですが、「神様!私を救い出して下さったんですね!」「ジャンヌは信じていました!」「<ヘブンズドア>…ここは、神の国なのですね!」と危機一髪助かって大はしゃぎしているジャンヌ・ダルクによっていいように勘違いされた為、全く現状を理解してもらえませんでした(もっとも、園場さんも偶然アルバイト志望の外国人の面接を控えていたので「電話で話したあの子かな?」と都合よく誤解していましたが;)。
 これだけならまだマシだったかもしれませんが、困った事にジャンヌ・ダルクはキッチンに立つ園場さんを見て「何もないところから大量の水を出し、指を動かさずに火をおこすという奇跡を目の当たりにしました!あなたは、やはり神なのですね!」と勝手に神様認定したり、その直後に園場さんから否定されると「騙したのですね!あなたも私を、騙したのですね!!」と激昂されて包丁を振り回されたり、かと思いきや軽くホッペを叩いて止めた園場さんに「ジャンヌは悪い子でした…もっと罰を与えて下さい、神様ー!」と追いすがって本気でドン引きされたりと、散々暴れて園場さんからヤバイ人扱いされちゃっていました(^^;)。

 正直、いきなり乱入してきてこんなエキセントリックな行動を取られた園場さんはたまった物ではないと思いますが、読者である当管理人は、タイムスリップ前のジャンヌ・ダルクが暗い塔で「あなたのお声が、もう聞こえないのです。もう一度、声をお聞かせ下さい…!」と祈ったり、火炙りされる時に「イエス様!!」と泣いているシリアスなシーンを見ているだけに、「はしゃぎたくもなるよね(´・ω・`)」としんみりした気持ちの方が勝ってしまいます。
 作者の藤栄道彦先生曰く、ジャンヌ・ダルクは「純真さと狂気の電波系」キャラだと解釈して今回のように描いたようですが、当管理人自身「純粋過ぎるが故に常軌を逸した信仰心が必然の悲劇を招いた人物」だと考えていた為、当たらずとも遠からずと共感したのを思います。
今度タイムスリップしてきた人物は、何とあのジャンヌ・ダルク!
 その後、いつの間にか出勤してきた前田さんからジャンヌ・ダルクの予備知識を教わったり、有賀さんに「こんなのどこが神様に見えるんですか?」と辛らつなツッコミをしてもらったりしたものの事態は一向に改善せず、とうとう殺気立ったジャンヌ・ダルクから「奇跡をお示し下さい…神様…どうか奇跡の一皿を…!」と難しい注文をされてしまいます。
 未だジャンヌ・ダルクをアルバイト志望の外国人留学生だと思い込んでいる園場さんも、「今までも変な人ばかりやってきましたが、何か今回の人は本格的ですよ!」「ここは刺激せず本物のジャンヌ・ダルク扱いして、自分は神様として料理を作った方が良さそうです」とやっと決断し、前田さんに知恵を借りて閃いた奇跡の料理作りに取り掛かります。
 ちなみに、この時園場さんは奇跡を直に確認させる為にジャンヌ・ダルクにをキッチンに留まらせ、キャベツを刻んでもらうなどお手伝いをしてもらっているのですが、ほんの数分前には包丁を持って「私は…騙されていませんよね?ねえ?騙していませんよね…?」と焦点の定まらない視線を向けてきた相手に再び刃物を預けるとは、なかなか度胸のある人だな~と感心しました;。
 こういう事もあるので、園場さんは臆病なんだか豪気なんだかまだ判断がつかずにいます;。
鬼気迫る表情で、奇跡の一皿を作って神様である事を示せと訴えるジャンヌさん;
 こうして、園場さんがジャンヌ・ダルクの「奇跡の一皿」というリクエストに応えて即興で作ったのが、この“アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ”です!
 作り方は意外とお手軽で、キャベツ・塩・ワインビネガー・水・ローリエ・赤唐辛子・黒こしょう・クローブを電子レンジにかけて短時間で作った即席ザワークラウトにアボカドを和え、その上からオリーブオイルのドレッシングをかけてサラダ仕立てにし、トマトやレタスを横に添えたら出来上がりです。 
 本当はアイスクリームの天ぷらを作ってあっと言わせたかったそうですが、根っからのカトリック信者だったジャンヌ・ダルクは卵や牛乳すら受け付けないベジタリアンだった為、急遽変更したとの事でした。
 ザワークラウトは本来なら三日~一週間の発酵期間が必要な漬物ですが、園場さんは電子レンジで手っ取り早く調味液を浸透させて数時間でなんちゃってザワークラウトを作ってみせたので、原理が分からないジャンヌ・ダルクは「さっき私が切ったばかりのキャベツが、あっという間にシュークルート(ザワークラウト)に!神様、奇跡です!」と大喜びしていました。
 個人的には何だかイカサマっぽい気がしないでもないので少し複雑でしたが、園場さんは「科学の勝利!」と素直に自分ではなく科学者達の手柄にしていたので、よしとします;。
 前田さんが言うには、ジャンヌ・ダルクの出身地であるフランスのアルザス=ロレーヌ地方はドイツに近いせいかその郷土料理・ザワークラウトが庶民に広まっていたらしく、その為幼い頃からザワークラウトに親しんでいたジャンヌ・ダルクは尚更強いインパクトを受けたのではないかと推測していました(なお、シュークルートはザワークラウトのフランス名です)。
発酵期間が必要なはずのザワークラウトをあっという間に作る事によって、納得させていました
 実を言いますと、ジャンヌ・ダルクは園場さん(=神様)に調理中も食事中も「あなたは何故、人の世に苦しみを作られるのですか?」と非常に哲学的な疑問をぶつけて困らせていたのですが、園場さんが何となく言った「不幸を知らない人間は、幸福も知る事が出来ない」という言葉によってようやく納得します。
 そして食後、「私はこの先、どんな目にあっても人を憎んだり致しませんわ」「裏切りや憎しみは、信頼や愛を光らせる為に存在するもの…そうでよね、神様?」と自分なりに得た結論を出し、みんなが見送る中ドアの外へ消えていくのでした。
 今までの法則に従って考えると、ドアの外に出た有名人物は皆元の世界に戻って死を迎えている為(死の直前にやって来るからこそ、『最後のレストラン』という作品名)、初見時は「ドアを出て、また死刑の瞬間に戻ったと知ったらどれだけ辛いだろう…」としんみりしたのを覚えています。

 …が、しかし、『最後のレストラン』ワールドにいる神様が直前に最後の慈悲を示したのか、もしくは単なる暇を持て余した神々の遊びなのか、何故かジャンヌ・ダルクは元の世界へ帰れなくなってしまいます。
 その結果、元々人手が足りなかったのもあって<ヘブンズドア>で住み込みアルバイトとして働くことになり、めでたくレギュラーキャラへ昇格されていました。
 その後も何気にジャンヌ・ダルクは思いがけぬ第二の人生を楽しみつつ活躍しているので、目が離せません;。
驚くべき事に、訪問者の中で唯一レギュラーキャラ入りする事に!
 即席ザワークラウトはどんな味がするのか以前から気になっていたので、再現を決意しました。
 近所でいいキャベツが手に入ったので、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、即席ザワークラウト作り。流水で洗った後に芯を取って五ミリ幅の千切りにしたキャベツを、塩をざっとまぶして混ぜたら耐熱ボウルに入れて少しすき間を開けてラップをし、電子レンジで軽く火が通します。
 その間、別器でワインビネガー、水、ローリエ、種を取った赤唐辛子、ホールの黒こしょう、ホールのクローブを合わせて電子レンジでさっと加熱し、調味液を用意しておきます。
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ1
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ2
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ3
 ジップロック(又は厚手のビニール袋)に先程のキャベツと調味液を双方熱い内に入れて合わせ、きっちり密閉して氷水に浸けて自然に冷やします。
 時間が経ち、中に入っているキャベツが冷めて調味液の味が染み込んでいたら即席ザワークラウトは準備OKです。
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ4
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ5
 次は、サラダ作り。
 ボウルに即席ザワークラウトと、皮と種を取り除いて小さめのサイズにカットしたアボカドを投入し、アボカドの形が崩れない程度に菜箸でざっくり混ぜ合わせます。
 アボカドが混ざったら丸めになるよう平たい皿へ盛り付けます(一旦、丸い器に入れて型取りしてからの方がうまくいきます)。
 この時、別のボウルでオリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうをしっかり混ぜるだけで出来る簡単ドレッシングを作っておきます。
 ※即席ザワークラウトの酸味もあるので、レモン汁は少し控えめにした方がいいです。
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ6
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ7
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ8
 サラダを盛ったお皿にちぎったレタスとくし切りにしたトマトを飾りつけ、仕上げに上からドレッシングをかければ“アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ”の完成です!
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ9
 あんまり粘りっ気のない素材だったので、盛り付けがうまくいくかどうか心配でしたが、意外と簡単に型通りにはまってくれたのでほっと一安心しました。
 キャベツ・レタス・アボカドなど見事に緑尽くしになってしまいましたが、トマトの赤やドレッシングの黄色のおかげで彩りのバランスがいい具合に取れています。
 ザワークラウトを他の食材と合わせてサラダっぽくしたらどんな味になるのか、しっかり確認してみようと思います!
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ10
 それでは、ドレッシングとサラダを混ぜ混ぜしていざ実食!
 いただきま~す。
アボカドとトマトとレタスのザワークラウトサラダ11


 さて、味の感想はと言いますと…即席とは思えない程旨し!正直、サラダが予想以上に美味しかったのは今回が初めてです。
 さすがに本場のザワークラウトみたいに深い味わいにはなっていませんが、普通に食べる分には満足出来る味で、酸っぱくなり過ぎるギリギリ手前で収まっているさっぱりした酸味が癖になります。
 塩をかけて加熱した事によっていい塩梅に水分が抜け、「ジャキジャキ」「ザクザク」「キュッキュッ」と引き締まったキャベツの食感が口の中で小気味良く響くのが爽快でした(浅漬け以上の漬かり具合ですが、古漬けよりはフレッシュな張りがあるのが特徴)。
 このままでも「キャベツのスパイシー酢漬け」という感じで十分おいしいですが、アボカドのコクとドレッシングの油分が加わる事で口当たりがまろやかになり、さらに食べやすくなったのがよかったです。
 時折、黒胡椒と赤唐辛子がピリッとした辛い刺激を与えて来るのがいいアクセントになっていました。
 アボカドは独特の青臭さがネックな食材ですが、ザワークラウトの程よい酸味によってほぼ消えており、あっさりかつこってりした旨味だけが純粋に引き出されていたのに感心です。
 噛むごとに鼻腔をくすぐるローリエの清々しい香り、クローブのエキゾチックな香り、オリーブ油のフルーティな香りがザワークラウトの風味をより複雑にしてそこそこ深みを出すのに成功していましたし、サラダというよりもはや立派な一品料理に仕上がっていました。
 レタスのパリシャキ感やプチトマトの強い甘味で口の中がリフレッシュすると、次の一口がさらにおいしくなって飽きも防げますし、個人的にかなりお気に入りです。


 ちゃんと発酵させたザワークラウトもおいしいですが、家庭で食べる分にはこれで十分なんじゃないかな?と思いました。
 茹でたウインナーの付け合せにしたり、マスタードを混ぜてみても美味しかったです。

●出典)『最後のレストラン』 藤栄道彦/新潮社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.12.02 Sun 11:32  |  

ついに、ジャンヌがでた。嬉しいなぁ。
実はこの即席ザワークラウトの再現が見たかったのです。
私は藤栄先生がジャンヌダルクを「電波系」と書いているのを雑誌掲載時に読んで、「ああそれでか。」と納得した口です。
ちなみにジャンヌダルクはフランスでは
「フランスの守護聖人にして郵政と「放送」の守護者」になっているとか。(守護聖人はともかく、なんで「郵政と放送」?と不思議だったのです。)
次は「スパゲティ・ダリ風」か「ホットケーキ」あたりが見てみたいなぁ。
では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
  • URL

2012.12.03 Mon 22:44  |  

このザワークラウトいいですね!
私は普通のザワークラウトは食感があまり好みじゃないので、試したくなりました!

あんこさんのブログを読んで、元ネタの漫画が欲しくなります(特に華中華て築地三代目

部屋のスペースと相談して、買うか検討中です。

  • #-
  • もち
  • URL

2013.07.21 Sun 16:37  |  いつもみてます

初めまして
このブログを見つけてからマンガ飯に興味がわき
自分でも作ってみたりしてます。
更新も楽しみにしているのですが、分量や時間などが
明記されていなくてちょっとだけ困っています。
目分量なのでしょうが大体の時間や分量が記載されていると
助かります。ぜひご一考ください

  • #-
  • ひすい
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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