『美味しんぼ』の“カキの唐揚げキムチ丼”を再現!

 母の実家から、自家菜園で採れたさつまいもとかぼちゃが大量に送られてきている為、毎晩おやつに焼き芋を食べる生活を送っています。
 かぼちゃの方は母によって煮物に変化するのですが、昔から食べるたび「これはご飯のおかずにするべきなのか…それとも、そのまま間食代わりに食べるべきなのか…」と無駄に悩まされます(←甘いのに醤油味というおかずには、いつもそうです;)。

 どうも、年齢を重ねるごとに「食欲の秋」という単語が恐ろしくなってきている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて山岡さんがアパートの大家・尾沢さんの古くからの友人である蒲田敏夫さんからご馳走された“カキの唐揚げキムチ丼”です!
カキの唐揚げキムチ丼図
 それは、山岡さんと栗田さんの間に双子の赤ちゃんが生まれた時のこと。
 周囲からはお祝いの声が溢れ、一時は非常に和やかでほのぼのとした平和的ムードになるのですが、数日が経過すると「双子の名前は何にするか?」問題で早くも山岡さんご夫婦はややこしい事態に巻き込まれます…。
 というのも、栗田さんの祖母・たま代さんとその彼・大柱さんが「男の子は努で、女の子はとし子が卦でいいと出ている」と言ったのを皮切りに、栗田さんの父母、栗田さんのお兄さんも各自考えてきた名前をそれぞれ主張して一歩も引かず、山岡さんと栗田さんが「もう名前は自分達で決める事にしたから…」と言っても、「あらそう…でも、この名前がいいと思うわ!」と猛烈にプッシュしてきた為;。
 最初は山岡さんも、善意から熱心になっているのだと控えめな態度でやんわり否定していましたが、先日友達の辰さんと食事した時に得た「人間は<遊び>が出来る時点で他の動物とは違うと考えたホモ・ルーデンスの説は、その通りだと思う。人間にとって一番大切なのは<遊び>だと思うんだ」「俺は、<遊び>の心が人間の心を如何に豊かにするのかという事を、辰さんから教わった。だから、俺は<遊>という一字を子どもの名前に使う事に決めた」と話した途端、栗田家一同から「不謹慎!」と猛反対された時にはさすがに怒り、かっとなった山岡さんはその場から逃げ出してしまいます。
 正直、当管理人は極端に読み辛いキラキラネームや、一部の人間に由来を知られたら激怒される名前(例:相方さんのお姉さんはお父さんの初恋の人の名前だったそうで、それが判明した時はちょっとした騒動になった模様…)でないのならそこまで反対しなくてもいいのではと思うのですが、子どもの名前は一生ついて回る物な分、周囲の近親者もつい口うるさくなってしまう物なのかな…と考えると、何ともいえない気持ちになります。
 特に山岡さんの場合、遠慮がなくて気の強い親戚がわんさかいる分、今後も子ども関係で頭の痛い問題は絶えないだろうな~とつい同情してしまいました;。

 その後、山岡さんは自宅アパートの一階にある馴染みの料理屋・<はる>へ駆け込み、大家の尾沢さんとはるさんについ愚痴をこぼします。
 山岡さんとしては。自分の意見に賛成して欲しかったんだと思いますが、日頃の行いが不真面目なせいか「しかし、ゆう子ちゃんのお母さんやお祖母さんの気持ちも分かるな~。だって、山岡君の日常の生活態度ときたら、ちゃらんぽらんでいい加減でだらしない。そんな山岡君が、<人生は遊びが大事>なんて言うと、普通の人は考えてしまうよ」と尾沢さんからきつい一言を浴びせられ、余計落ち込んでいました;。
 残念ながら、相談相手を間違えてしまったようです(^^;)。 
周囲から散々な言われようで、どうやって説得した物か悩む山岡さん;
 そんな時、隣で話を聞いていた尾沢さんの古くからの友人で根っからの料理好き・蒲田さんが、山岡さん達の為に店内にあった新鮮なカキと手作りキムチを使って作ったのが、この“カキの唐揚げキムチ丼”!
 作り方は結構お手軽で、小麦粉だけつけてカラッと揚げたカキの唐揚げに醤油・すりゴマ・ごま油・みりん・唐辛子作ったタレをつけて味付けし、最後にキムチを乗せた丼ご飯の上へカキの唐揚げを飾り付けたら出来上がりです。
 蒲田さん曰く、前々からレパートリーに会ったレシピではなく、キムチとカキという組み合わせにはどういう調理法が合うかと考えを巡らせて行く内に思いついた即興料理との事で、とっさに閃いた割には「カキの唐揚げと、キムチの取り合わせが泣かせるよ!」と大好評でした。
 カニやカキといった甘みのある魚介類はキムチの辛さとよく合うので、「確かにこれはありだ!」と読んでて山岡さん達が羨ましくなったのを覚えています。

 実を言いますと、蒲田さんは料理をしながら「人間にとって<遊び>は大切だ」という山岡さんの言葉を自分なりに考えていたそうで、その際に「自分が料理をして楽しいのは、遊びだから。仕事だったら、楽しむゆとりはなかった」「遊んでいる時に、人間の心は一番生き生きする。そして、遊ぶ事が出来るのは人間だけだ。遊びこそ、人間の本質だって悟ったんですよ」という結論に至ったと話し、<遊>という字を名前に使う事を賛同してくれていました。
 この時、栗田さんを含め山岡さんの意見に面と向かって賛成してくれたのは蒲田さんだけだったので、この言葉を聞いた山岡さんはさぞ嬉しかった事と思います。
揚げたカキを特製タレにすぐつけ、キムチ乗せご飯に乗せるのがミソ山岡さんの意見に賛成し、料理でそれを表現した蒲田さん
 しかし、山岡さんの気持ちを尊重した栗田さんが「名前は自分達で付ける。士朗さんの付けたい名前を付ける」と栗田家一同にピシャリと言った事から双子の名付け騒動はあっという間に鎮火していました(おかげで山岡さんは栗田さんにますます頭が上がらなくなっており、夫婦間の格差はさらに大きくなりました;。物語初期の尖ったナイフみたいな山岡さんが懐かしいです)。
 こうして、山岡さんによって女の子は「遊美」、栗田さんによって男の子は「陽士」と名付けられ、多少の波乱はありつつも無事新生活はスタートしました。
 <美食のサラブレット>ともいえるこの双子の兄妹が、将来どのような進路をとるのか非常に気になる所です。
 両親&東西新聞社べったりで成長するのか、それとも父・山岡さん同様すれ違いの果てに「お前は敵だ!」と別陣営に分かれて戦うのか、というよりそれまで連載は続くのか…色んな意味で、目が離せません;。
こうして山岡さんと栗田さんから生まれた双子は、陽士君と遊美ちゃんと命名されました
 やっと生カキがスーパーに出回り出したので、再現を決意しました。
 大まかながらも調理行程は漫画内で説明されていますし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、カキの唐揚げ作り。表面の汚れをさっと洗い流した生食用の新鮮なカキをキッチンペーパー等で水滴を拭き取り、小麦粉をまんべんなくつけます。
 余分な粉をはたき落としたら高温の油に投入して揚げ(一分前後で充分です)、まだ中が半熟なくらいですぐ取り出します。
カキの唐揚げキムチ丼1
カキの唐揚げキムチ丼2
 この揚げたてカキを、すかさず醤油、すりゴマ、ごま油、みりん、唐辛子(荒挽き・中挽き・粉末のどれでもいいですが、個人的には中挽きくらいがおすすめです)をよく混ぜ合わせて作ったタレに入れて表面に染み込ませます。
 その間、丼容器によそっておいた炊き立てご飯の上へ、三センチ幅程度に切り揃えたキムチを乗せておきます。
カキの唐揚げキムチ丼3
カキの唐揚げキムチ丼4
カキの唐揚げキムチ丼5
 このキムチご飯の上に先程のカキの唐揚げを盛り付け、タレをちょこっとだけたらせば“カキの唐揚げキムチ丼”の完成です!
カキの唐揚げキムチ丼6
 キムチとカキ唐揚げという組み合わせは初めてですが、こうして見るとしっくりくる仕上がりなのでほっとしました。
 カキのキムチ炒めやカキキムチ漬けはよく聞きますが、丼にするとは思いも寄りませんでした。
 キムチから漂うにんにくの匂いといい、カキ唐揚げから香るごま油のふくよかな香りといい、これは味のほうにも期待が持てそうです。
カキの唐揚げキムチ丼7
 それでは、出来たてほやほやの内にいざ実食!
 いただきま~す!
カキの唐揚げキムチ丼8


 さて、味の感想ですが…確かに「おお!」と目を見張りたくなる衝撃的な旨さ!キムチとカキのコンビネーションが最高です!
 半生で、中からミルキーな磯風味のエキスが溢れ出してくるカキ唐揚げの甘味が、ほんのり甘塩っぱいピリ辛タレでぐっと引き立てられており(←ちょっと焼肉のタレに似ています)、単品で食べるよりも味の輪郭がくっきり浮かび上がっているように感じました。
 小麦粉のみでシンプルに揚げている為、フライ物というよりは素揚げに近く、カキその物を楽しめる美味しさに仕上がっていて意外とさっぱり頂けます。
 この極薄衣にしっとり浸透している醤油の塩気、すりゴマの香ばしいコク、唐辛子の辛みがカキの旨味成分にボリューム感をプラスするのに成功していました。
 作中で山岡さんが「カキが柔らかくて、噛むと中から美味しい汁がぴゅっと飛び出して、そのカキの味と、キムチの酸っぱさ、辛さが絡み合って、複雑な味の構造を作り上げる!」と言っていましたがまさにそんな感じで、あまりご飯のおかずにはならないカキを見事に丼として調和させているのに感心しました。
 また、キムチの酸味が後口をすっきりさせて引き締めているのがいい感じで、見た目よりはあっさりした味なのが特徴的です。
 白菜の茎部分のザクザク感が小気味良く、柔らかい食感のカキといい対比になっていました。。
 キムチからご飯に染み込んでいる漬け汁の複雑な出汁成分が、トロッと口の中でとろけていくカキをしっかり受け止めてよく合っており、単純なようで結構奥行きのある丼です。


 今までずっと気になっていたものの、ずっと作れなかった料理だったので感慨もひとしおでした。
 これまで前置きにて再現予定としてご紹介した『美味しんぼ』料理は、“女性向けのデザートカクテル”、“アワビのしゃぶしゃぶ”、“パンケーキのスープ”、“はるさんの贅沢牛鍋”、“中華風ソーセージの炊き込みご飯”、“八百屋のスープ”ですが、実を言いますと最近“小泉局長の中華スパゲティ”と“はる風豚カツ”の方を先に再現してしまったので;、今月はそちらの方を記事にまとめてアップしようと思います。

P.S.
 内容の間違い、アドバイス、誤字などをコメント欄にてお知らせして下さる皆様、毎回誠にありがとうございます。
 ここ数年ほとんどご返信が出来ておらず心苦しい気持ちになっておりますが、頂いたコメントは全て目を通させて頂いており、その都度ブログ運営の励みとなっております。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.10.19 Fri 09:08  |  かぼちゃは。。。

小生も同じ意見で、
かぼちゃはご飯のおかずかと言われると首を傾げます。。。
辛めのカレーに入れたり、薄く切って焼いて強めに焦げ目をつけてから七味と甜麺醤で味付けしてお酒のつまみにしております。

牡蠣美味しそうですね!!
感想を読んでるだけでお腹がなります。
牡蠣とゴマで足し算し、キムチの酸味で引き算してとてもいい塩梅かと思います。
牡蠣の柔らかい食間もキムチで補っており、
簡単なようでとても良い料理ですね。
これから牡蠣の季節なので、究極vs至高の牡蠣対決なども再現してほしいです。

次も楽しみにしております。

  • #86VISOJs
  • しゅてん
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2012.10.23 Tue 00:33  |  

このメニュー、自分が美味しんぼを読み始めた初期に触れたエピソードなので思い入れも深く、今回は特にわくわくしながら拝見しました。

いつかあんこさんのお料理をいただける機会があればなぁ。。

2012.10.25 Thu 08:37  |  うわっ!

美味しそう^_^
牡蠣大好きです(^ー^)ノ
三重に住んでいた頃は良く鳥羽まで食べに出掛けました。
美味しんぼ最近読んでいなかったですが山岡さんと栗田さんの結婚もそうですが双子ちゃんにビックリですね!さぞかしグルメな子に育つんでしょうね。食費が嵩みそうですがwww

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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