『美味しんぼ』の“小泉局長の中華風スパゲティ”を再現!

 その昔、初めてそばめしを見た時はかなり驚いたものですが、遂には焼ビーフンご飯まで登場したのをスーパーで発見してびっくりしました;。
 ビーフンも元はお米なので、よくよく考えたらそこまでおかしい組み合わせではないかもしれませんが、全く味の想像がつかない為結局挑戦出来ずにいます…。

 どうも、さすがにうどんとご飯の組み合わせはないと思い調べてみると、ご飯を練って作ったごはんうどんという予想の斜め上をいく食べ物がある事が分かりずっこけた管理人・あんこです。


 今回再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて行なわれた「和洋中混淆料理自慢大会」で小泉局長が出した“小泉局長の中華風スパゲティ”です!
小泉局長の中華風スパゲティ図
 栗田さんが臨月間近だった頃、結婚後に写真集の仕事の関係で日本を離れ、ヨーロッパの方に滞在していた近城さんとまり子さん夫妻が東西新聞社へ久々に遊びにきた一幕があったのですが、その際世間話で近城さんが「長い事ヨーロッパで暮らしたけど、食の好みが和食に戻っちゃった」と言った事から話は急激に弾みます。
 近城さん曰く、パリのホテルで朝食を取る時はスーパーで買った小瓶の醤油をこっそり半熟卵にたらし、パンにつけて食べていたとの事で、「卵の黄身に醤油をかけると、突然日本の味になるんです。泣きましたね」と語っていたのが妙にリアリティがあってこちらまで泣けてきました(つД`)。
 外国の方が日本の空港に降り立った時、真っ先に感じた香りは醤油の匂いだったというエピソードから読み取れる通り、日本人にとって醤油はもはや日常的に欠かせない必要不可欠な調味料と言っても過言ではありませんので、「醤油=日本」と連想した近城さんの気持ちは分かる気がします。
 実はこの時、山岡さんの書いた記事に文句を言う為に怒鳴り込みに来た小泉局長(「某新聞社の編集局長は、外国かぶれで粋がっているが、趣味が悪く味音痴」と書かれていたのを見て、すぐに自分の事だとピンときたとの事;)も偶然その場に居合わせていたのですが、局長自身ヨーロッパ暮らしが長かったせいか食の苦労話についてはかなり食いついており、その昔麩の味噌汁がどうしても食べたくてフランスパンを炙った物を入れたらなかなかいけたという思い出をしみじみ語っていました。
 もしかしたら、和洋折衷料理は案外「足りない材料を補う為に色々代用して組み合わせたら、意外と美味しくなった」というなっちゃって料理を作る過程でたまたま発明された物が多いのかも…と考えさせられました。
 ※ちなみに、下の画像は小泉局長と近城さんが顔を合わせた際、山岡さんが「夫婦の危機に陥ったそうで…」とふざけて言ったのをお仕置きされた直後のシーン;。まあ、確かに『美味しんぼ』界では「夫婦の危機をどうにかするよう訴えられる山岡さんご夫婦の図」というのは定番パターン化しているので、もしかしたらこれは雁屋先生なりの自虐ギャグかもしれません(^^;)。
外国暮らしのせいか、近城さんの食の好みは余計和に傾いたとの事
 その後、話は外国での代用日本食から和洋中混淆料理の方に移り、徐々に文化部全体のを巻き込みながら盛り上がっていきます。
 荒川さんは醤油味の焼海苔、三谷さんは細切りにした昆布の佃煮をバタートーストに乗せるとよく合うと言ったり、ある社員さんは「ひき肉とネギのチャーハンに、ケチャップ・ソース・粉チーズをかけて食べると病み付きになる」と主張したりなど、どれもあまり聞いた事がない組み合わせの割には不思議とおいしそうなものばかりだった為、俄然興味が湧いてきた山岡さん達は久しぶりに文化部恒例の料理自慢大会を開催する事にします。
 実を言いますと、この時富井副部長も自信満々に「子ども達に評判が良かった名作創作料理は、ウインナーソーセージ入りの味噌汁と、シューマイ入りの味噌汁!」と発表していたのですが、何故か文化部の面々には不評で、ブーイングの嵐の末に出品は許されてませんでした;。
 確かに当管理人自身「…うーん、ちょっとそれは…」と唸ってしまいましたが、かと言って「うげ、気持ち悪い!」とゲテモノ扱いする程ではないんじゃないかな~?と思ったので、今回ばかりは富井副部長が気の毒でした;(「いや、ケチャップは入れませんよ?」と必死に見当違いのアピールする姿がまた切なかったです…orz)。
 こういう例を目の当たりにすると、やはり自分の家独自の料理をさらすのは相当気心の知れた人だけにしておいた方が無難だと実感させられます;。
予想以上に話が盛り上がったことから、久々に料理自慢大会が行なわれる事になります
 その後、山岡さんと栗田さんが司会となって開かれた「和洋中混淆料理自慢大会」にて小泉局長が出品したのが、この“小泉局長の中華風スパゲティ”!
 作り方はそこそこお手軽で、長ネギ・ニラ・にんにく・しいたけ・豚のひき肉をごま油で炒め、お酒で溶いた八丁味噌で味付けして作った肉味噌ソースをスパゲティの上にかけたら出来上がりです。
 小泉局長が言うには、中華料理のジャージャー麺を食べているときに思いついた料理だそうで、中華麺だけでなくスパゲティにも合うんじゃないかと思って試したらドンピシャだったとの事。
 近城さんとまり子さんを始め、女性陣からの評判が特に良かった一品で、簡単に作れるので定番にしやすいと三谷さんが喜んていたのが印象的でした(^^*)。
 今大会は板山社長の“ビーフシチューうどん”、唐山陶人先生の“パルミジャーノ・レッジャーノ入り鰹の酒盗”、京極さんの“鰻の蒲焼き入りパイ”、栗田さんの“フカヒレの姿煮丼”、山岡さんの“抹茶羊羹入りアイス”などが出てなかなか強敵ぞろいでしたが、一番食欲をそそられたのは“小泉局長の中華風スパゲティ”で、実際どんな味がするのかずっと気になっていました。
ジャージャー麺を食べている時に思いついたそうで、近城さんや文化部の面々も絶賛していました
 レシピこそありませんでしたが、詳細な作り方が載っているのでそれを参考に再現したいと密かに考えていました。
 なるべく忠実になるよう、早速再現してみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、肉味噌ソース作り。ごま油をひいて熱したフライパンへ、みじん切りにした長ネギ、ニラ、にんにく、しいたけを投入してざっと炒め、にんにくの香りが出てきたらすぐに豚ひき肉を入れて混ぜ合わせます。
 この時、何も調味料を入れず全体的にしんなりするまで火を通します。
小泉局長の中華風スパゲティ1
小泉局長の中華風スパゲティ2
小泉局長の中華風スパゲティ3
 そこへ、日本酒でゆるくなるまで溶いたペースト状の八丁味噌を加えてよく混ぜ、味噌の香ばしい香りがたつまで炒め合わせます。
 この時、少し焦がし気味になるように炒めると風味が増します。
小泉局長の中華風スパゲティ4
小泉局長の中華風スパゲティ5
小泉局長の中華風スパゲティ6
 味見を見て塩加減がちょうどよかったら火を止め、茹でてお皿に盛ったスパゲティの上へお好みの量をかければ“小泉局長の中華風スパゲティ”の完成です!
小泉局長の中華風スパゲティ7
 ぱっと見だけなら「やけに茶色っぽいミートソースだな~」という感じですが、匂いは味噌そのものなのですぐ違うと分かります;。
 今は色んなレシピがあるので、結構変わったスパゲティソースもそこそこ食べてきた方なのですが、トマト抜きでニラや味噌を合わせたソースをかけたことはない為、少々違和感を感じました。
 中華のジャージャー麺と、イタリアのスパゲティのコラボは果たして成功するのか…いよいよ確かめるときがきたようです!
小泉局長の中華風スパゲティ8
 それでは、スパゲティとソースをざっと混ぜ合わせていざ実食!
 いただきま~す!
小泉局長の中華風スパゲティ9


 さて、味はと言いますと…味噌好き日本人のDNAがざわめく美味しさ!フォークより、お箸ですすりたくなるスパゲティです!
 当然の事ですが、やはりジャージャー麺にそっくりな甘辛味噌味で(中華風肉味噌というイメージでした)、スパゲティどころかうどん・中華麺・ご飯・ピザなど何にでも合いそうな、最強に食欲を刺激される味わいが特徴的です。
 味噌独特の熟成されて角のとれた塩気のみで味付けしたせいか、見掛けに比べて全然塩辛くなく、こっくり優しい後味にうっとりしました。
 ごま油の濃厚な香り、にんにくの力強い旨さ、ニラの野趣溢れる風味ががっつり合体して調和しているのが美味で、まるで餃子っぽい親しみのあるこってり味になっているのがよかったです。
 作中で近城さんが「ごま油と肉とネギ、ニンニクの味は強いんだけど、味噌のせいかくどさを感じないんだよ」と言っていた通り、豚ひき肉のこってりしているのにどことなく甘みを感じる脂分を八丁味噌の香ばしくて深いコクがまろやかにまとめあげており、噛むごとに後を引く旨さに仕上がっていました。
 みじん切りにしたしいたけのシコシコした歯触りとネギのシャキシャキ感がいいアクセントになっていますし、食べ応え満点です。
 ただ、八丁味噌の個性の方が強烈なのでスパゲティを使う意味がいまいち分からない仕上がりになっており、それ故に和中折衷料理とは微妙にいいにくいかな~と思いました(スパゲティというより、「コシの強いツルツルストレート麺」と発想をしてしまいます;)。


 『美味しんぼ』の料理は凝ったものばかりなので、なかなか簡単には再現できないものばかりですが、料理自慢大会に出てくる料理は手軽に作れておいしい物ばかりなのでありがたいです。
 最近は、料理自慢大会のメニュー再現もすっかりご無沙汰でしたが、コメント欄にて「この大会に出ていたものだったら、○○も美味しいのでよかったらそれも再現してみてください」というリクエストを何度か頂きましたので、こちらの方も出来るだけ再現していこうと思います(^^)。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.10.29 Mon 09:31  |  米の可能性

最近は米を食べる人が少なくなってきているようですね。
しかしながら、米粉の登場によりパンやスイーツ・衣など、
米の多様性が見えてきており嬉しい次第です。
ごはんうどんには驚きました(゜_゜;)
秋田の知り合いが「カレー鍋のしめにはキリタンポだ!!」と豪語しておりました(-o-;)
小生としては味っ子の最終回で味皇様が作った「米のサラダ」を見た時、
米を主食ではなく野菜として見た姿勢に感動した記憶があります。
インディカ米(だったような)が手に入れば再現してみたいです。

今回は小生の好きな美味しんぼの再現ですね。
肉味噌美味しそうですo(^o^)o
中華であれば八丁味噌よりも甜麺醤の方がいいかもですね。
鳥スープを加えてとろみをつけても熱々で美味しそうです。

次回も楽しみにしています(⌒0⌒)/~~

  • #86VISOJs
  • しゅてん
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2012.10.29 Mon 20:33  |  和洋折衷料理

…と、言えるか判りませんが、僕はフランスパン(焼きたて)に
バターをやや多めに塗って、その上に昆布の佃煮を乗せたものを
よく食べています。パンはトーストせず、その日に焼かれた、
外側はカリッとしていて中はふんわりしたもので。

結構いけるんですが、ゲテモノ扱いされそうな…。
では、また〜。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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2012.11.04 Sun 04:18  |  

文化部料理自慢大会の回は奇抜でおいしそうなのがポンポン出てくるからそそられますよねー。
前は何冊かに一回やってましたが今でもやってるんでしょうか。

アジの干物のパリパリした骨身を食べるたびに大原社主の自慢を思い出してしまう…

  • #-
  • はむ
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2012.11.16 Fri 01:02  |  

黒田硫黄さんの短編?「肉じゃがやめろ!」に同様の料理がのっているんですが
そっちはけっこう作りました。挽肉ニンニク味噌で最後に卵を落として混ぜて食べるという。
焼きうどんとカルボナーラのあいのこだあ! って書いてました。
あと絶対にキャベツ入れます。

  • #QMnOeBKU
  • 名無し猫
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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