『クッキングパパ』の“あさり丼”を再現!

 先日、近所に元・五ツ星レストランでカレーを作っていたというシェフがいるという触れ込みで本格カレー店がオープンしたのですが、その割にはカレーラーメンがメニューにあるらしい事を聞き、フリーダム過ぎて信じるべきか否か迷っています。
 一応、「格式高いレストランで思うような料理を作れないシェフが、全てを投げうって独立し、自由な発想のカレーを作る為にお店を出したのかもしれない」という勝手な脳内ストーリーを作って納得しようとしているのですが、やはりカツカレーやカレーうどんならまだしもカレーラーメンは地雷度が高いように感じ、結局一度も行けずにいます…。

 どうも、カレーショップ亜橋のチーズナンの虜になっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて上田守君が調理師専門学校へ入学した夜に荒岩主任から習って作った“あさり丼”です!
あさり丼図
 今では<丼のひとみ>を順風満帆に営業している守君ですが、その昔は何かと波乱ぶくみで、お店どころか調理師の資格が取れるのかどうかも危うい時もありました。
 その内の一つの出来事が、調理師専門学校入学直後にあった髪の毛事件!
 荒岩主任と同じアパートのおばあちゃんから料理の楽しさを教えられたのをきっかけに、料理人になる夢を描いた守君は、その後一念奮起して調理師専門学校の入学試験を受け、見事合格します。
 大喜びした守君は、入学式当日に意気揚々として調理師専門学校の門をくぐるのですが、何故か受付で呼び止められ、別室へ行かされます。
 何が何だか分からないながらも、一応素直に別室に入った守君ですが、そこには長髪で見るからに悪そうな男性ばかりがズラリと勢ぞろいで、「変な奴ばっかりだ…」と急速に不安になっていきます(ロッカー風、チンピラ風、バンドマン風など多種多様でしたが、一人だけ地味な浪人風だった守君は思いっきり浮いており、気の毒でした;)。

 どうしてこれらの面々だけ別室に呼ばれたかというと、見るからにやり手そうな女性校長・伊藤先生曰く「ここは学校だけど、もうすでにプロの世界は始まってるの!学校はたった一年間だし、明日からすぐにでも本格的に料理を習って作る事になるのよ」「調理師を目指すなら、ツメ・髪の毛など身の回りをきっちりするのは最低限の常識です!!」という理由で、無造作に長く伸ばした髪&清潔感がない生徒に髪や身だしなみをきっちりして欲しかったからだそうで、明日までに髪をスパッと切ってこないと、教室には入れないと宣言します。
 当然、その場にいた全員が戸惑い、中でもロッカー風の青年は「おうおう、冗談じゃねえぜ!髪は俺の命だぜ!髪切るくらいならやめるぜ、俺は!」と威勢よく反発するのですが、伊藤先生はあっさり「ハイッ、やめなさいっ!それぐらいの事でやめる人はどんどんやめなさい(´∀`)!」とニコニコしながら返し、怒ったロッカー青年は「ケッ、やめたやめた、俺は帰るぜ!」と帰ってしまいます。
 けれども、伊藤先生は全く意に介さず「ハイ、さよならグッバ~イ」と茶目っ気たっぷりに見送り、残った守君達に対して「あなた達も本気で調理師目指すんなら、髪の毛なんかにこだわらずにスパッと切ってらっしゃい!」と念押ししていました。

 それにしても、真剣なシーンのはずなのに、伊藤先生の少女のようにきらきらした瞳と厳しさの中にある優しさが魅力的であまり深刻さが感じられず、正直このくだりを読むと守君の方より伊藤先生ばかり目がいってしまいます(後々再登場しますが、その時もこのキャラは健在^^;)。
 この先生には、チャーミングとかコケティッシュといった前時代的な誉め言葉がぴったりで、学校の先生はまさに天職だったろうな~と読むたびに思います。
子どもっぽく怒って帰るロッカー君に対して、あくまでチャーミングに返答する校長先生;生徒達の前途を思っての言葉ですが、守君は悩みます
 実を言いますと、守君は髪の毛にこだわりがあるタイプで出来る事なら切りたくないという願望を持っていたのですが(ちょっと意外でした←失礼;)、かといって切らなければせっかく掴みかけた夢が台無しになるというのもあり、どうするべきか悩みます。
 そんな時、潮干狩りで採ってきたあさりのおすそ分けにやって来た荒岩主任が、「簡単だから作り方を教えてあげよう。うまいぞ!」と言って教えてくれたレシピが、“あさり丼”です!
 作り方はかなり簡単で、合わせ出汁・日本酒・みりん・醤油・しょうがの入った出汁であさりに火を通し、三つ葉入りの溶き卵でとじてご飯に乗せたら出来上がりです。
 荒岩主任が言うには、あさりバターやボンゴレに匹敵するほど美味しいとの事で、すぐに出来て栄養満点だとお勧めしていました。

 この一件以来、荒岩主任に感謝と尊敬の念を抱いている守君は早速“あさり丼”を夕食に作ろうとするのですが、あさりを洗っている時髪の毛が一本抜け落ち、危うく料理を台無しにしてしまう所だったのを見て「やっぱり、切らないとダメだ」と覚悟が決まり、一緒に暮らしている恋人のひとみさんにばっさり切ってもらいます。
 当管理人自身、髪型を変えるのは結構抵抗があるタイプなので、勇気を出せた守君は偉い!と感心したのを覚えています(最近では、髪の毛は切らずにしっかり結んで帽子をかぶる、ピンで止める等すれば見逃してくれる所が多いようですが、やはりもしもの時を考えたら切った方が安全そうです)。
髪にこだわるタイプだった守君でしたが、見事に思い切り髪をばっさり切りました!
 そして翌日、きっちり校門前でチェックの為に立っていた伊藤先生から「入ってよろしい!」とOKをもらった守君はいそいそと教室に入るのですが、何とそこには昨日「やめてやる!」と豪語してたロッカー青年の姿が!
 どうやらあの後、何だかんだ言いつつも結局料理の道を諦め切れなかったロッカー青年は「まあ、この際しょうがないぜ!」と吹っ切れたようで、守君同様すっきりした頭になっていました(ただ、髪は切りつつもファッションは断固譲らないあたりが最後のプライドを感じさせます;)。
 他にも、昨日居合わせた長髪メンバーの四人中二人は髪を切って教室に来ており、それを見た守君は嬉しい気持ちになりながら席に着き、短いようで密度の濃い学校生活をスタートするのでした。
結局、ほとんどの志望生が残る事になり、めでたくみんなで入学していました
 新鮮なあさりを手頃な値段で手に入れられた為、前々から気になっていたこのレシピを再現する事にしました。
 作中のレシピどおり、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、丼つゆ作り。昆布とカツオ節を煮出して漉した濃い目の出汁に、みりん、日本酒、醤油で「そばつゆにしては、ちょっと薄いかな?」と物足りないくらいに味付けします。
 その間、塩水に浸けて砂抜きしておいたあさりの殻と殻をこすり合わせるようにしてよく洗い、表面についているぬめりをしっかり洗い流します。
あさり丼1
あさり丼2
あさり丼3
 次は、火入れ作業。
 丼用の小鍋(又は小さめのフライパン)へ先程の丼つゆ、あさり、千切りにしたしょうがを入れ、殻が開くまで強火で熱します。
 この時、傍にいつでも加えられるよう刻んだ三つ葉入りの溶き卵を用意しておきます。
 ※そのまま火を通してもいいですが、フタをして加熱した方がすぐにあさりの口が開きます。
あさり丼4
あさり丼5
あさり丼6
 やがて、あさりの口が一つ残らず開いてきたら(最後まで口が開かない物は死んでしばらく経っている可能性が高いので、取り除きます)、三つ葉入り溶き卵を流し込んで素早くフタをします。
 ※フタをして二十五~三十秒程経ったらフタを開け、ふんわりしていたら火からおろすのがベストです。火を通す時間が短く蒸らし時間が長いと、逆に卵の固まり具合が安定しない事が多いので要注意です。
あさり丼7
あさり丼8
 卵が半熟状に固まっているのを確認したら火からおろし、熱々の炊きたてご飯をよそった丼につゆごと移せば“あさり丼”の完成です!
あさり丼9
 三つ葉の鮮やかな緑色と、卵のくっきりした黄色の対比が非常にきれいで、食べる前から「これなら間違いない!」と直感させられます。
 あさりから漂う磯の香りが、食欲をそそります。
 殻ごと卵とじにしたので若干食べにくそうですが、味の方は期待が持てそうです。
あさり丼10
 それでは、殻からあさりをほじほじして取り出し、いざ実食!
 いただきま~す!
あさり丼11


 さて、味はと言いますと…あさりの旨さが活きた、磯の香りが嬉しい丼!炊き込むのとはまた違った良さがあります。
 あさりからにじみ出た豊潤な潮の旨味と、塩気の効いたエキスがプルプルの半熟卵にしっとりとなじみ、食べ進めるごとに奥深さが増していくのが素晴らしいです(不思議な事に、「やや濃いめの海鮮茶碗蒸し」と言いたくなるような優しく柔らかい味の煮卵に仕上がっていました)。
 見た目通りあっさり上品な薄口醤油味が特徴的な一品で、カツオ節・昆布・あさりから出た出汁が幾重にも重なって舌に響いて来る為、シンプルながらも癖になる味わいです。
 噛んだ途端に潮騒を連想してしまう程濃い旨さの汁気が噴き出すあさりも勿論美味しいのですが、どちらかというとこれはあさりの出汁をギュッと濃縮した丼つゆが染みたご飯の方が影の主役という感じで、一言で例えるなら「あさり入りの贅沢玉子丼」というイメージでした。
 三つ葉のシャキシャキ感と爽やかな香り、そしてしょうがのすっきりキレのある風味が後口を程よく引き締めているのがまたいい感じで、庶民派料理であるはずの丼がまるで料亭に出てくるような洗練された味わいに変身していたのがよかったです。
 予想通り、殻がある分少し食べにくい所がネックでしたが;、あさりの身が最高の煮え加減の内に丼にする為には殻ごと火を通すのが一番だったんだろうなと作っていて感じたので、これは仕方がない事だと思いました。


 ご飯に乗せるのは勿論、そばの上に乗せたり、そのままお皿に移して食べたりしても美味しいんじゃないかな~と感じました。
 あさりの味噌汁がお好きな方になら、間違いなく気に入って頂けそうです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.12.20 Thu 20:49  |  

調理学校に行くんだっぺよ。

まもる。

さばのりょうりもあったけ。

  • #-
  • でーぶ
  • URL

2012.12.22 Sat 08:51  |  

美味そうではあるのですが折角あさりを沢山使うのですから他のダシは使わないのもよいのでは・・・

2012.12.25 Tue 03:34  |  美味しく仕上げるには

あさりに火を通し過ぎず柔らかく仕上げると、あさりの
出汁は十分に出ないので、他の出汁で補うのだと
思います。出汁を取るために煮込み過ぎてしまうと、
あさりの身が硬くなってしまうのかと思います。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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