『酒のほそ道』の“焼きカレー南蛮”を再現!

 毎年この季節になると、「今年こそ、太宰府天満宮で年越し&初詣するか否か」という問いが頭を駆け巡ります。
 というのも、物ぐさな当管理人は行列を面倒がって一月三日くらい(予定が立て込んでいる年は、第二週にずれ込む事も…)にしか行かない為、気合を入れた初詣にほのかな憧れを抱いているのですが、正月における太宰府天満宮の鬼のような混雑っぷりは地元民の間では有名で、すぐに気がなえてしまいます;。
 なので、年越しは無理でも、せめて一日のお昼くらいまでには初詣できるよう、来年は気合を入れて頑張ってみるつもりです。

 どうも、普段うどんを食べる機会が多い為、年越しの際にそばを食べると新鮮な気持ちになる管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』のレシピコーナーにて作者のラズウェル細木先生がご紹介していた“焼きカレー南蛮”です!
焼きカレー南蛮図
 主人公・岩間宗達さんは「飲む事、食べる事好き!」な人間なので、大概の物は好物なのですが(但し、好きがゆえに細かい注文をつける事もしばしばなので、店側から疎まれる事も;)、海のミルク・カキもその内の一つ。
 生ガキを食べれば「うっはー、海の香り!この岩のようにゴツイからの中に、こんなうまいもんが隠れているんだもんな~」と歓声を上げ、カキの味噌鍋を食べれば「うほほー、これまたプリプリと立派なカキじゃー。冷えた日本酒とぴったりだし」と喉を鳴らすなど、その熱愛振りはすごく、悪友二人組から呆れられつつもお代わりしまくる姿はいっそ潔さすら感じました。
 「ここまでカキLOVEな主人公を描けるのだから、作者自身もさぞかし…」と思いながら読んでいたのですが、案の定ラズウェル細木先生もカキ好きだったらしく、漫画だけではなくコラムでもカキへのこだわりを熱く語っているのに思わず苦笑しました(^^;)。
 もっとも、ラズウェル細木先生は宗達さんと違ってカキフライが一番好きな食べ方だそうで、熱々のカキフライをパクッといったすぐ後に冷たいビールを飲むのがたまらないと力説していたのには、当管理人も「確かに!」と強く頷かされました。
 ただ、「かけるのはタルタルソースではなく、ウスター・ソースに限る。トンカツソースも駄目。中濃はちと迷うとこが…やっぱりペケ。ウスターのみ許す。これは譲れん」と、まるでしめ鯖を語っている時の東海林さだお先生並みに力説していたのはちょっとタジタジになってしまい、内心「ああ、やはり宗達さんのレベルには私は未だ到達できていない…」としみじみ実感しました;。
生カキも味噌カキ鍋も大好物でしょっちゅう食べている主人公・岩間宗達さん;
 今回作ってみるのは、そんなラズウェル細木先生が創設した酒肴委員会の委員長・ひ印さんという方が提案したおつまみ・“焼きカレー南蛮”。
 作り方はそこそこお手軽で、クミンシード・カルダモン・麺つゆなどを加えて作った和風カレーあんにカキと長ネギを入れてとろみをつけ、両面をこんがり焼いた日本そばの上にかけたら出来上がりです(←お好みで、柚子の皮と三つ葉を薬味として乗せるとさらにナイスとの事)!
 実際に作って試食したラズウェル細木先生曰く、「あまりの美味さに、続けてどんどん食べてしまいたくなる危険な一品」だそうで、考案者のひ印さんの言う通り確かにつまみにはなるそうですが、おつまみにする前に食べきってしまいそう人が続出しそうなので、日本そばは一口サイズに切った方がいいかもしれないとアドバイスしていました。
 カレーとカキの相性の良さは、同じく『酒のほそ道』内でご紹介された“カキカレー”でも立証済みなので、初めて読んだ時は「これは食べてみたい!」とワクテカしたものです(^^)。
カレー南蛮にしては珍しい事に、スパイスの効いた本格派カレーつゆを使います
 最近、近所で生食用のカキが考えられないほど安く出回っていた為、これをいい機会に再現することにしました。
 早速作中にある詳細なレシピを見ながら、作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、カレーあん作り。小鍋にクミンシードを入れて軽く煎り、香りが出てきたら麺つゆと水を投入して沸騰させ、カレー粉を加えて混ぜます。
焼きカレー南蛮1
焼きカレー南蛮2
 そこへ、長ネギとカルダモンパウダーを入れてひと煮立ちさせたら、今度は生食用のカキを加え、さっと火を通しつつカレー味をなじませます。
 あんまりカキに火が通らない内に、水溶き片栗粉を回し入れて満遍なく混ぜ合わせ、数十秒加熱してとろみをつけます。
 ※水溶き片栗粉は溶いてすぐのものではなく、溶いて時間がたったものの方がとろみの持続時間は格段長くなるそうです。
焼きカレー南蛮3
焼きカレー南蛮6
焼きカレー南蛮7
 その間、茹ででしっかり水切りした日本そば(乾麺の方がおすすめ)を、やや多めの油を引いて中火~強火に熱したフライパンでかき混ぜず両面ともじっくり焼き、表面をカリッとさせておきます。
 イメージとしては、固焼き焼きそばを作る時の手順に近いです。
焼きカレー南蛮4
焼きカレー南蛮5
 この焼きたて日本そばをお皿へ滑らせるようにして移し、上から先ほどのカレーあんをかけて仕上げに刻んだ三つ葉と柚子皮をあしらえば“焼きカレー南蛮”の完成です!
焼きカレー南蛮8
 カレー南蛮は大抵茶色一色なのが定番ですが、こちらの場合柚子の黄色や三つ葉の緑色が見るからに美しく、どことなく垢抜けた印象を受けます。
 意外な事に、柚子の風味とカレーの香りがマッチしていて驚きました。
 日本そばをお焦げがつくまで焼いて食べるやり方はあまり広まっていませんが、以前『クッキングパパ』の“そば焼き”を再現した時ちゃんと合う事が分かっていますので、どんな感じか楽しみです。
焼きカレー南蛮9
 それでは、出来立て熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
焼きカレー南蛮10


 さて、味はと言いますと…ラズウェル細木先生の言う通り、お箸が止まらない危険な美味さ!おつまみにも主食にもなる便利さが嬉しいです!
 固焼きそば風に焼き上がった日本そばの表面はパリパリ、中はふんわりツルツルした二通りの食感が歯に心地よく、こんがりした部分とそうでない部分で味に変化があるのが面白いです(瓦焼きそばに似た歯触りです)。
 この香ばしいそばに、カレーあんのまったり甘辛い和風醤油味のとろみがぴったり合っており、もっと詳しく例えるとするなら「カレー南蛮味のカキのあんかけ固焼きそば」みたいだな~と思いました。
 基本的な味わいは一般的なカレー南蛮の味とほぼ同じですが、クミンシードの野性的な風味とカルダモンパウダーの爽やかな香りがカレーあんにさらなる奥行きを与えています。
 カツオ節の勝ったキリリとキレのある出汁と、カキからにじみ出た磯の風味たっぷりのミルキーなエキスが混然と混ざりあっているせいか、即席で作ったにしては本格的な味わいでした。
 ぶつ切りになった長ネギの中からとろ~っと溶けて出て来る、ねっとり甘い旨味がカレーの辛さを時折和らげるのがちょうどいいバランスで、結構ヒリヒリくる辛さなのにも関わらず最後までペロッと平らげられます。
 あと、香辛料によってスパイシーに仕上ったプリプリジューシーな半熟カキがとにかく美味で、下手すればこれだけでも副菜になりそうなくらいクオリティが高かったのが印象的でした。
 柚子と三つ葉のフレッシュで清々しい香気が後口をさっぱりさせますし、言うことなしです!


 カキもカレーも個性が強い味なので、その二つを組み合わせるとなると合う麺は大分限られますが、そばだと味が見事にまとまります。
 昔ながらのかけそばで年を越すのも風情があっていいですが、「いい加減飽きたから、そばはそばでも今年は違う食べ方をしたい…」という方にお勧めです!

○追記(2012/12/29)
 ぽ様からご質問を頂きました、そばの焼き方について、追加&訂正をいれさせて頂きます(原作のレシピ欄には焼き方の詳しい指示はなかった為、当管理人オリジナルの焼き方になります)。
 乾麺のそばを固焼き風にパリッとさせるには、下記五点のポイントを守られますと、大体うまくいくように思います。

 ・油の量は、チャーハンを炒める時のようにやや多めにひいて焼く。
 ・ざるそばにして食べると「ちょっとパサパサだな~」となるくらい、水気を切る。
 ・麺は画像のように、横に平たく均等に広げる。
 ・火力は中火~強火にし、外はパリッとしつつ中にも火が通るような火加減にして、じっくり火を通す(文中を見ますと、強火のみになっていました。誠に申し訳ございません)。
 ・片面がこんがり焼けてきたら、菜箸を中心に差し込み、横へほぐすようにして揺らすと、まんべんなく火が通りやすくなります。

 作り方の説明を見返したところ、説明が不十分な所や誤りがありましたので、すぐに上記のように訂正させていただきました。
 申し訳ございませんが、何卒宜しくお願いいたします。
 ※明日以降もお正月にかけて記事をアップできるよう、予約投稿を設定していますが、当管理人自身は明日から1月3日にかけてパソコンを使えない環境へ外出予定になっている為、すぐにご対応が出来ない可能性がございます。
 その為、ご迷惑をおかけしておいて大変心苦しいのですが、これ以降のご回答はお正月にずれ込むかもしれませんので、ご了承して頂けますと幸いです。

●出典) 『酒のほそ道』6巻 ラズウェル細木/日本文芸社
       『酒のほそ道』26巻 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2012.12.29 Sat 20:54  |  

質問です。
これそばが水分多すぎてフライパン中が「べちゃ」っとした感じになったんですが、
湯切りが足りなかったんでしょうか? それともいくらか茹で時間を短くしてそばに芯を残しておく方がいいのでしょうか?

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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