『くーねるまるた』の“由利絵さんの石狩鍋&石狩鍋のグラタン風”を再現!

 毎年元旦を数日過ぎた頃、小さな氷が混じってそうな空気を吸うたび、全身が新しく清められる心持ちになります。
 その為、寒いのは嫌だと思いつつも、出歩くのはそこまで嫌じゃなかったりします。
 色んな年の元旦を思い出しつつ、今年初の店開きをしたスーパーで買い物をして雪がちらつく中帰ると、「今年もまた、頑張ろう」と気持ちも新たに、力が湧いてきます。

 どうも、お清めイメージごっこに飽きてコンビニに立ち寄り、ほかほかの肉まんを食べるのが至福のひと時な管理人・あんこです。 


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが同じアパートの由利絵さんから振るまわれた“由利絵さんの石狩鍋&石狩鍋のグラタン風”です!
由利絵さんの石狩鍋図石狩鍋のグラタン風図
 第一話目ではマルタさん一人しか住んでいないように見えた古~いアパート・<笑明館>ですが(レビューはこちら。コメント欄で残光さんがおっしゃっていた通り、一月三十日に単行本が発売予定です!)、実は結構女性の住人が多いらしく、ちょこちょこ交流している姿が描かれています。
 中でも当管理人が「いいな~」と思ったエピソードが、週間ビックコミックスピリッツ一月号に載っていたフリーマーケットのお話で、「使わない物は、年内にさっぱりと!」と考えた同じアパートの住人・由利絵さんに連れられ、店番や買い物をしているマルタさんの様子が微笑ましかったです(フリマ自体まだ慣れてない印象でぎこちないんですが、心の底ではワクワクしている感じで、まるで「初めてのおつかい」に出ている子どもみたいなイメージでした;)。
 マルタさんは初めての出品という事もあり、結局一つも物が売れなかったのですが、それでも隣に座っている由利絵さんとお客さんの「これっておいくらなのかしら?」「300円です」「う~~~ん…100円にならない?」「じゃあ200円で」「150円!」という、まるでオークション(とは言っても、値は上がらず下がる一方ですが;)のような臨場感溢れるやり取りを見れるだけで楽しかったようで、それなりに充実した時間を過ごした模様。

 ちなみに、最近のフリーマーケットでは買ってもらった物を大事に使ってもらいたいという気持ちから「エピソードタグ」をつけて売る人も増えてきているとの事で、それを見ながら買い物するのも楽しみの一つなのだとか。
 実際、マルタさんも「この服は神戸にいた時に買った思い出の服です」とエピソードタグに書かれた新品同様のコートに一目ぼれし、この新しい風習を「へーステキ」と感心していました。
 当管理人の場合、フリーマーケットに参加した経験は小学校の頃しかないのですが、それでも普段の買い物とは違うあのスリリングなやり取りは未だにワクワクしたな~と懐かしくなったので、このお話を読んでまた行ってみたくなりました(^^)。
ある女性が売っていたメッセージタグ付きの副に一目ぼれしたマルタさん
 その後、フリーマーケットの片付けを手伝ったマルタさんらアパートの住人達は、由利絵さんから皆に利益還元する為という理由でお鍋パーティーに招かれます。
 この時、北海道出身の眼鏡っ子・由利絵さんがマルタさん達に自信を持ってご馳走したのが、この“由利絵さんの石狩鍋”!
 作り方はお手軽で、昆布出汁とお酒の入ったお鍋へじゃがいも・玉ねぎ・キャベツ・ほうれん草・塩鮭を投入して煮込み、最後に白味噌とクリームチーズで味付けしたら出来上がりです。
 大抵、隠し味に使われるのはバターや牛乳が多いようですが、由利絵さん曰く「バターよりも、クリームチーズの方がよりクリーミーな仕上がりになる」のだそうで、クリームチーズを隠し味にする方を是非にとお勧めしていました。
 言われてみれば、塩鮭とクリームソースの相性の良さはよく、その組み合わせはもはや定番になっているので、「意外に見えて、これは当たりの可能性高しだ!」と初見時はビビッときたのを覚えています。
石狩鍋の隠し味に使うのはバターではなく、何とクリームチーズ!!
 案の定、“由利絵さんの石狩鍋”はアパートのみんなに大好評で、女の子特有の黄色い歓声で「おいし~♪」「やみつき系ですね~」と絶賛されていました。
 ことわざで「女三人寄ればかしましい」という言葉が残っている通り、確かに女性が興奮してしゃべるとうるさいのかもしれませんが;、美味しい物をワイワイ言いながら食べるのは本当に楽しいので、お鍋をする時ばかりはマルタさん達のようにちょっとくらい羽目を外し、盛り上がって食べるのが正しい作法なんじゃないかな~?と思います(そう考えると、女子会はある意味食べ物の一番美味しい食べ方なのかもしれません;)。

 しかし、盛り上がりすぎて肝心のシメのラーメンを食べる前にお腹一杯になったマルタさんは、お鍋の残りを少し分けてもらって帰宅します。
 そして翌朝、マルタさんがちょちょいのちょいとお鍋の残りに手を加え、リサイクルした料理が“石狩鍋のグラタン風”です!
 作り方はこれまた簡単で、“由利絵さんの石狩鍋”の残りにスライスしたじゃがいもを入れて少し煮込み、そのままグラタン皿に流し込んでピザ用チーズをかけて焼いたら出来上がりです。
 初めて読んだ時は「鍋の残りをグラタンに?!」と意表をつかれましたが、鍋は鍋でもクリームチーズ入りで濃厚な鍋の残りですし、案外ホワイトソースの代わりになっていけるのかもしれない…とマルタさんの発想の豊かさに感嘆しました。
 なお、この“石狩鍋のグラタン風”を食べている時のマルタさんは子どものように無邪気で可愛らしく、「これで三度目の東京の冬も、備えは万全です!」と言っているのを見て、こちらの方まで「がんばれー!」と応援したい気持ちがアップしました。
満場一致で大好評!クリームチーズの石狩鍋うまし!!
 石狩鍋を食べた事は数えるほどしかなかった為、うまく作れるかな~と心配だったのですが、作中に書かれている「クリーミーな石狩鍋」の味をどうしても実感してみたくて、再現を決意しました。
 作中にあるレシピ通り、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、下準備。あらかじめ土鍋に昆布と水を入れて放置して出汁をとり、十分に出汁が取れたら昆布を取り出して、日本酒を注ぎます。
 そこへ、皮をむいて食べやすい大きさに切ったじゃがいもと、大雑把なくし切りにした玉ねぎを加えて火にかけ、沸騰するまでじっくり煮ます。
 やがて、じゃがいもに火が通って串がスッと刺さるくらいになってきたら、茹でて水切りしておいたほうれん草と、ザク切りにした生のキャベツを投入します。
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風1
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風2
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風3
 続けて、湯通しした塩鮭を入れてさらに煮込みます(作中の絵を見ると切り身をそのまま入れていたので、切らずに使いました)。
 信州白味噌で味を調え、ちょうどいい塩気になったのを確認したらクリームチーズをお好みの量だけ加え、味見をしながら微調整します。
 ※クリームチーズで塩気がまろやかになるので、味噌はやや多めがいいかもしれません。
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風4
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風5
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風6
 鍋の具にあらかた火が通ってきたら一旦火を消し、ガスコンロの乗ったテーブルへ急いで運べば“由利絵さんの石狩鍋”の完成です!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風7
 一見、石狩鍋というよりは豆乳鍋か酒粕汁みたいな感じで戸惑いますが、クリームチーズと味噌の香りが湯気となって辺りに漂う為、すぐに違いが分かります。
 白い汁に、キャベツやほうれん草の緑色、塩鮭の薄紅色、じゃがいもの黄色が映えているのが美しく、目でも楽しめるお鍋です。
 バターが隠し味の石狩鍋しか知らないので、どういう仕上がりかドキドキします!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風8
 それでは、熱々の内に取り分けていざ実食!
 いただきまーす!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風9


 味の感想ですが…病みつき系としか言いようがない旨さ!今まで食べた石狩鍋の中で一番好きかもしれません!
 由利絵さんの言っていた通り、バターを使うよりもずっと濃厚かつクリーミーな仕上がりで、鍋というよりは「鮭とじゃがいもの味噌クリームシチュー」というイメージでした。
 とは言え、昆布だしの奥ゆかしくも徐々に主張してくる強い旨味や、白味噌のまろやかに甘辛い塩気が効いている為、完全には洋風になっておらず、和洋折衷的な味わいになっています。
 この不思議な旨さのクリームスープに、鮭のエキスやキャベツと玉ネギの甘味が隅々まで溶け込み、味わいをぐっと深めているのがよかったです(その為、シチューっぽい味の割には寄せ鍋的美味さもあり、面白く感じました)。
 正直、香りの方はバターの方がなまめかしく強烈なので、若干クリームチーズ側が負けているのですが、とろけるようにこってりしたコク、それでいてまったり優しい後味はクリームチーズの方が圧倒的に上で、不思議と脂っこくないふんわりした食後感が印象に残りました。
 バターも美味は美味なんですが、クリームチーズを知るとトゲとくどさがあるように感じてしまいますので、個人的にかなりお気に入りです。


 さて、通常でしたらここでおしまいですが、今回はシメの再現もありますのでもうちょっとだけ続きます!
 “由利絵さんの石狩鍋”を適量残しておき、一晩経ったら薄切りにしたじゃがいもを加えて火にかけ、どろっとしてくるまで煮込みます。
 じゃがいもが柔らかくなり、鍋の汁が煮詰まってきたらグラタン皿に移し、上からピザ用チーズを振りかけてオーブンでこんがりするまで焼き上げます。
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風10
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風11
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風12
 表面がキツネ色になってチーズがとろけ、グラタン皿の縁にちょっとしたお焦げが出来ているのを確認出来れば“石狩鍋のグラタン風”の完成です!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風13
 一見した所は鮭入りのポテトグラタンというイメージで、パッと見では石狩鍋の残りを使ったグラタンとは分かりません。
 少しだけ鮭がはみ出ているのがかえって食欲をそそられる感じで、白ワインに合いそうな印象です。
 優しい味の鍋がグラタンになることによってどう変化するのか…味が楽しみです!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風14
 それでは、出来たてでチーズが糸を引いている内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
由利絵さんの石狩鍋石狩鍋のグラタン風15


 さて、味はと言いますと…再利用レシピとは思えない程、ちゃんとした美味しさ!ダブルチーズ効果で、ボリューム満点です!
 一晩が経過し、全ての具の旨味成分がギュッと濃縮されたクリーム味噌味のソースが、さっくりホクホクした食感のじゃがいもにじんわり染み込んでおり、普通のポテトグラタンよりもずっと奥行きのある味わいになっていました。
 鍋にした時はまだシャグシャグと張りのあったキャベツやホウレン草も、時間が経って尚且つグラタンにすると、ソースを限界まで吸い込んでクッタクタのトロットロな柔らかい歯触りになっており、それがじゃがいもとよく合っています。
 表面はパリッと、内側はビヨ~ンと伸びるチーズの濃いコクが、白味噌の穏やかな塩気と組み合わさった途端、急にガツンと力強い味になる感じで、「豆乳味噌鍋と言っても通じそうなくらい優しい美味さだった鍋が、ここまでワイルドな味に変身するとは…」とちょっと驚きました(鍋と違い、今度は完璧に洋風に仕上がっています)。
 側面に焦げ付いたチーズとソースの、香ばしくカリカリになった部分がまたおいしくて、スプーンで必死にこそげとりながら食べるのが楽しい一品でした。


 石狩鍋を二倍楽しめる方法が分かり、大満足な一日でした。
 実を言いますと、シメはラーメン用の麺を入れてもいいと書いてあったので試してみたのですが、それも「ポパイ風クリーミー味噌ラーメン」って感じでおいしかったです(^^)。

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.01.12 Sat 18:40  |  

美味しそう!

ワクワクテカテカ  +
 + 。  ギトギトヌルヌル
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +  (u・∀・)
 ⊂ ̄(0゜∪ ∪。⊃+
⊂ ̄゜と_u_)_) ̄⊃ +
 ⊂_。+ ゜+_⊃ +
   ⊂__⊃ + ワクテカ

クリームチーズを使うとは美味しそうですね~。味噌ラーメンにバターの代わりとして乗っけても良さそうです。

いつも料理の再現の部分だけではなく、冒頭の管理人さんのつぶやきを読むのが楽しいです。。お腹がすいてるときは特にこのブログに来たくなります。

  • #-
  • URL

2013.02.03 Sun 00:36  |  

鮭が美味しそうに売ってたのでなんとなく、似たような鍋を作ってみました。
クリームチーズ美味しかった( ´ ▽ ` )ノ
シチューみたいなボリューム鍋に満足でした。


しかし、石狩鍋とは?
これで会ってるのか?
九州出身の私が一人で食べるこれが、本当に石狩鍋なのかは、謎です。
北海道の人に習いたい(>_<)

  • #-
  • ふじちぃ
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『ぶたぶた』シリーズ
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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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