『パンむすめ』の“お正月クレープ四種”を再現!

 年末から正月にかけて妹が実家に帰ってきていたのですが、後に母から豚骨ラーメン・高菜炒め・明太子を無性に食べたがっていたと聞き、不思議と少し安心しました。
 年月が過ぎるにつれ、家族とも知人とも疎遠になってきていますが、まだ変わらない部分もあると知るとほっとします。

 どうも、あるラーメン屋で「粉落とし」の上を行く「湯気通し」を提供していると知り、地元民のはずなのにドン引きしている当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『パンむすめ』にて熊飼ちはるちゃんがおせち料理をアレンジして作り、家族から好評だった“お正月クレープ四種”です!
お正月クレープ四種図1お正月クレープ四種図2
お正月クレープ四種図3お正月クレープ四種図4
 前回ご紹介した通り、パンが好きで好きでたまらない主人公・ちはるちゃんですが、そんなちはるちゃんも年に一度だけ、パンを我慢しなければならない時があります。
 それはズバリお正月で、前店主であるおじいちゃんが決めた「パン屋としてパンの美味しさを再確認する為に、正月三が日はパン食を禁ず!」という家訓を守る為、どんなに恋しくてもパンを口にしてはいけない事になっています。
 小さい頃から毎日パンに始まりパンに終わるちはるちゃんにとって、毎年この時期は苦痛で仕方ないらしく、「ママのおせちは大好きなんだけど、これだけが毎年きついよぉ~…」と作中何度もぼやいていました;。
 正直、当管理人の家にはこういう決まりごとはない為、「祇園祭の氏子達が祭りの期間中、きゅうりを我慢するような感じかな?」と想像するしかないのですが、好物を意地でも我慢しなければならない辛さはどちらかというとダイエットの方に近い気がしますので、そう考えるとちはるちゃんの苦悩がしっくりきました(^^;)。

 実を言いますと、ちはるちゃんのみならず、ちはるちゃんのお父さんとお母さんも負けず劣らずパンが大好きだそうですが、お母さんは「我慢プレイだと思うのよ!」という大人の目線で耐え抜き、お父さんは「米食だった日本人がパンに出会うまで、何千年という時が流れたんだよ?それを思えば、三日なんてあっという間さ…」という悠久な視点でのんびり構えているとの事で、うまい具合に家訓を乗り越えているな~と感心ました。
 ただ、娘さんであるちはるちゃんの前でお母さんが「段々耐えるのが快感になるの…」といきなりアダルトな意見を述べ出したシーンは、内心「ちょ、奥さん!?」とこちらの方が慌ててしまいました;。
熊飼家のお正月は、一月三日までのパン禁止令から始まるそうです…;
 そんなこんなで、「嫌ならパンを作るのをやめて、ひ孫を作るんだな」と揺さぶりをかけてくるおじいちゃん(その割に、お父さんがお婿さん候補を紹介しようとすると「軽々しく男を近づけるんじゃない!」と怒る微妙な祖父心が愛しいです^^)にも負けず、三日間を耐えようとしていたちはるちゃんですが、相棒のなっちゃんが遊びに来てパン話が盛り上がる内、どうしてもパンが食べたくてしょうがなくなってしまいます;。
 そんな時、さすがに気の毒に思ったらしいお父さんから、「パン以外の粉ものならいいんじゃない?」と提案された事により、急遽おじいちゃんから許可をもらえたギリギリOKな小麦粉料理・クレープを作る事になります。
 その際、ちはるちゃんが「せっかくのお正月だし、具も正月テイストにしてみたの!」と張り切ってみんなの目の前で作ったのが、この“お正月クレープ四種”です!
 作り方はかなり簡単で、元旦の朝に食べて残っていた栗きんとん・黒豆・きんぴら・焼き豚・筑前煮を、それぞれの別の食材と組み合わせてクレープに包むだけで出来上がります。
 例えば、“栗きんとん+生クリーム”と“黒豆+抹茶アイス”のようにデザート系のクレープもあれば、“焼き豚+きんぴら+レタス”や“筑前煮の筍と鶏肉+かいわれ大根+ラー油”のようにがっつりしたおかず系のクレープもあるといった具合で、想像するだけでも既においしそうです。
 初見時は「本当におせちの余りでクレープって可能かな?」と半信半疑だったのですが、いざ読んでみるとどれも期間限定でお店に出しても通用しそうな組み合わせばかりで、改めて「ちはるちゃんのアイディア力はすごい!」と実感しました。
お父さんのナイスフォローによって、クレープを食べる事を許可されたちはるちゃん
 前々からおかずクレープを食べたいと思っていたのと、おせち&クレープは一体どんな味なんだろうという好奇心があった為、再現を決意しました。
 幸い、まだお正月に用意したおせち料理があまっていますので(注:実際に再現料理を作ったのは、一月五日です;)、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、具になる材料の用意。あらかじめ、お正月に食べる為にこしらえておいたきんぴら、筑前煮(九州ではがめ煮ともいいます)、黒豆を、クレープ用に少しずつ取っておきます。
 きんぴらは冷えたままでもOK、筑前煮は温めなおして鶏肉と筍のみ取り出し、黒豆はザルで汁気をよく切ります。
お正月クレープ四種1
お正月クレープ四種2
お正月クレープ四種4
 手で大ざっぱに千切ったレタスと、根元を切ったカイワレ大根は流水で洗った後ザルで水気をきっておき、生クリームは砂糖を入れずそのまま泡立てます。
 その他、残念ながら手作り出来なかった焼き豚と栗きんとんは市販の物を買い揃えておきます(手抜きしてしまってすみませんorz)。
お正月クレープ四種3
お正月クレープ四種6
お正月クレープ四種5
 次は、クレープ作り。
 薄力粉と砂糖を一緒に合わせた物をふるいにかけてボウルに入れ、そこへ牛乳、溶き卵、溶かしバターを投入して泡立て器でよく混ぜ合わせます(一気に入れるのではなく、少しずつ加えていった方がダマになりにくいです)。
 泡立て終えたら一旦ザルで漉して生地を滑らかにしてからラップをし、冷蔵庫に入れてそのまま三十分程度寝かします。
 この生地を、ごく薄く油を引いたフライパンで薄く均等にのばしながら両面を焼いたら、クレープ生地は準備万端です。
お正月クレープ四種7
お正月クレープ四種8
お正月クレープ四種9
 このクレープに、それぞれ“栗きんとん+生クリーム”、“黒豆+抹茶アイス”、“焼き豚+きんぴら+レタス”、“筑前煮の筍と鶏肉+かいわれ大根+ラー油”を組み合わせて巻き巻きしたら、“お正月クレープ四種”は完成です!


 それでは、包みたての内にいざ実食!
 まず一番目は、“栗きんとん+生クリーム”のクレープ!
 いっただっきま~す!
 お正月クレープ四種10
 さて、味の感想ですが…確かにこれは、和風モンブラン味!懐かしい気持ちになるクレープです。
お正月クレープ四種11
 ホコホコした食感で素朴な甘さの栗と、舌の上でなめらかに溶けていくコクのある生クリームが見事に調和しており、日本人なら誰もが虜になりそうな美味しさになっています。
 材料は若干違うのですが、ねっとりしたペースト部分と生クリームが口の中で合わさると、洋酒の香りがしない所以外は本当にモンブランに近い味わいで、バターなどが入っていない分よりあっさりした後味なのに満足しました。
 本物のモンブランと違い、栗だけではなくさつまいもも使っている為、甘味がより複雑かつまろやかに仕上がりになっている感じで、モンブランだけではなくスイートポテトをも彷彿とさせてくれます。
 きんとんなのでかなり甘めなのですが、砂糖なしでサラッとした仕上がりの生クリームのおかげでいい具合に中和されており、甘い物が苦手な方にもお勧めできそうに感じました。


 二番目は、“黒豆+抹茶アイス”のクレープ。
 いただきまーす!
お正月クレープ四種16
 さて、味はと言いますと…これぞ、和風デザートクレープの決定版!定番デザートに加わっても、何らおかしくはありません!
お正月クレープ四種17
 黒豆の黒蜜に近いまったりとしたコクのある甘味と、クリーミーさと渋さが程よく両立している抹茶アイスがこれ以上ないくらい相性がよく、クレープのバターの香りとも反発する事なく互いに味を引き立て合っています。
 どこかクリームあんみつを思わせる和洋折衷的な美味しさなので、すぐに親しみを覚えました。
 ただ、こちらは黒豆を使用しているせいか、より上品で繊細な味わいになっており、さらに大人向けのデザートになっている気がしましたつぶ餡が若くて元気な名物小町風とするなら、黒豆は大人の落ち着きと瑞々しさを兼ね備えた芸妓風といった風情です)。
 作中でちはるちゃんのお母さんが「ダメなはずがないわ~」と言っていた通り、これ以上ないくらいベストマッチしている組み合わせで、甘過ぎず濃過ぎない絶妙なバランスが素晴らしい一品でした。


 三番目は、“焼き豚+きんぴら+レタス”のクレープ!
 いただきま~す。
お正月クレープ四種12
 さて、味はと言いますと…初めて食べるはずなのに、しっくりくる乙な味!クレープというよりはむしろサンドイッチ的な旨さです!
お正月クレープ四種13
 ちょっとだけ甘いバター風味の生地に、がっつり濃い醤油味の具が意外とよく合っており、このままつまむのはもちろん、お酒のつまみにもなりそうな大人風の仕上がりになっていますコッペパンと焼きそばの組み合わせに近い物がありました)。
 バリバリザキュザキュした小気味良い歯応えのピリ辛きんぴらと、しっとり甘塩っぱくて肉の旨味が濃い焼き豚が主役になっているせいかメリハリのあるこってり系の味わいで、これ一つだけでも十分お腹にたまります。
 その為後口がくどいのではと思いきや、シャキッと張りのあるレタスが口の中を爽やかに洗い流してくれるので、よく考えられた組み合わせだな~と感じました。
 作中でおじいちゃんが「ラップサンド風」と言っていましたが、まさにそんなイメージで、ごまのプチプチ感がいいアクセントになってます。


 そして四番目は、“筑前煮の筍と鶏肉+かいわれ大根+ラー油”のクレープ。
 いっただっきまーすっ!
お正月クレープ四種14
 さて、味の感想ですが…嘘みたいに合っていて美味し!これも、お酒にぴったりな飲兵衛向けクレープです!
お正月クレープ四種15
 最初は「さすがに、煮物とクレープは合わないのでは…」と疑惑の目を向けていたのですが、これが案外なかなかの組み合わせでびっくりしました。
 ほのかに甘い生地が、出汁や野菜のエキスが芯まで染みていい味になった鶏肉や筍の旨さを引き立てており、噛めば噛む程奥行きが生まれてくるのがいい感じです。
 面白い事に、味付けはこっくり深い昔からの甘辛醤油味で完全に和テイストなのに、ラー油から漂うごま油の香ばしい風味のおかげでガラリと四川料理系の辛旨い味に早変わりしており、筑前煮というよりは「鶏と筍の中華風煮物」と言いたくなるような味へと変身していました。
 正直、筑前煮とラー油だけだったらいまいちだらけた味になっていたと思うのですが、ピッとシャープに辛く、シャリシャリした歯触りのカイワレ大根のおかげで引き締まった味になっていた為、感心しました。


 それまで、クレープはチョコバナナやいちご生クリームに限ると思っていたのですが、今回の再現のおかげで色んなクレープを試してみたいと考えるようになりました。
 デザートクレープもいいですが、おかずクレープも同じくらいいいな~と感じました。

●出典)『パンむすめ』 樹るう/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.01.14 Mon 04:46  |  

おお、どこかで見た絵柄と思ったらポヨポヨ観察日記の作者さんの漫画だったんですね
クッキングパパのコロネ生地で似たようなことをやってたのを思い出しました

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『夢色パティシエール』


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