『クッキングパパ』の“よかにせハム”を再現!

 『バキ』が終わってしばらく経ちますが、返す返すも色んな伝説を作った漫画だとしみじみ思います。
 第一期のヒロインは一見正統派に見える梢江さんだったものの(しかし、後々最凶キャラに…)、第二期のヒロインは推定五十代の熟女・夏枝さん、第三期のヒロインは女ですらなくツンデレ男の烈海王、そして第四期のヒロインはラスボスであるはずの実父・勇次郎など、読み返すたびに凡人では計り知れぬ板垣先生の才能に感嘆します。
 あと、妙に食事描写がそそられたので、今度は格闘漫画ではなく、グルメ漫画を描いてほしいな~と未だに夢想していたりします。

 どうも、烈さんの薬膳料理を一度食べてみたいと思う管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が夢子さんの実家へ行く田中君に渡した“よかにせハム”です!
よかにせハム図
 それは、夢子さんが田中君のプロポーズを受け入れて少し経った頃の事。
 田中君は鹿児島にある夢子さんの実家へ挨拶しに行く事を決めるのですが、その前夜になっていきなり「何を持っていって、どんな顔して、どんな風に言えばいいか…」と不安になり、急遽人生の先輩である荒岩主任達へアドバイスを聞きに行きます。
 田中君が言うには、夢子さんの「そんなに堅苦しく考えないで、みんなで楽しく食事でもすればいいわ」という言葉に甘えず、一応「夢子さんをください!!」ときちんと言うべきか悩んでいたとの事でしたが、荒岩主任と虹子さんは「しきたり通りやろうとすればその土地その土地でいろいろあると思うが、別にその通りにしなくてもいいんじゃないか?俺たちは一切してないし…」「そうね。自分たちで考えて結構好きなようにしたわネッ!」とアバウトな感じで、初見時はちょっと意外でした(←虹子さんはともかく、荒岩主任はマニュアル本であれこれ勉強しまくってから挨拶をしたような印象を持っていました;)。
 当管理人としては、田中君は「何とかなるなる!」ともっとちゃらんぽらんになっていそうなイメージだったんですが、やはり夢子さんの事となると話は別だったようで、いつになく真面目な様子の田中君を見て見直したのを覚えています。
 やはり、大事な結婚相手の親御さんや親戚にはよく思われたい、結婚を賛成してもらえるようしっかりしようと背伸びするのは、どこのカップルも同じなんだな~と今更ながら実感しました;。
とうとう夢子さんのご実家へ挨拶に行くことになり、急に作法について不安になった田中君
 結局、田中君は「その時だけムリして恰好つけようとしてもダメよ!!田中ちゃん、そういう時すぐボロ出しちゃうもんね」(←鋭い;!)「それよりも、ありのままの田中ちゃん、地のまんまの田中ちゃんを見せた方が絶対いいってー。田中ちゃん、結構魅力あるんだから」という虹子さんのアドバイスを胸に、若干緊張しつつも自然体な自分のままで挨拶する事を決めます。
 そして翌朝、田中君と夢子さんは博多駅で鹿児島行の新幹線に乗って出発しようとするのですが、わざわざ見送りに来てくれた荒岩主任から手作りのお土産を頂きます。
 それが、通称「にせハム」とも呼ばれる“よかにせハム”です!
 作り方はそこそこ時間がかかるものの基本簡単で、塩・砂糖・香辛料・にんにく・玉ネギで作った漬け汁に豚ロースの塊肉を入れて二日間寝かせ、形を整えて70~80度のお湯で二時間茹でたら出来上がりです。
 荒岩主任曰く、「家庭でお手軽にできるハム風ゆで豚」「にせハムとは名づけたが、そんじょそこらのハムより癖もなく、自然な肉の味わいがあるぞ!」との事で、ハムともゆで豚ともまた違った美味しさのある料理だと語っていました。
 なお、鹿児島には「よかにせ=いい男」という方言がある為、荒岩主任はちょうどいいダジャレになるのと、「田中がよかにせ扱いされますように」という願いをこめて“よかにせハム”と名付けたらしく、相変わらず田中君はかわいがられてるな~と苦笑しました(^^;)。
 本当は田中君達への差し入れではなく、「あなたのハムでビールが飲みたい!」とお願いする虹子さんの為に仕込んでいたそうなのですが、虹子さんの「いいのよ、私はまたあなたに作ってもらえばいいんだから」という後押しがあって差し入れされており、改めて田中君と夢子さんは幸せ者だと思います(←どうやら田中君は他に何もお土産を持っていってない様子だったので、尚更そう感じます;。せめて、通りもんばもってかんね!)。
怖じ気つく田中君を心配した荒岩主任達は、とっておきのハムをお土産に持たせます香辛料や野菜の入った調味液にじっくりつけ、茹でて作るので「にせハム」
 その後、田中君は“よかにせハム”を片手に夢子さんの実家へ足を踏み入れるのですが、お父さんとお母さんだけではなく、何と親戚一同が大集合して出迎えて来た為、一気に緊張してしまいます←全員から好印象を持たれたらラッキーですが、逆に悪印象を持たれたらもう逃げ場がないので、これにはさすがに同情しました;)。
 おかげですっかり気圧された田中君は、初っ端から醜態を晒して嫌われるのを防ぐ為、大酒飲みである事実を隠してちびちび飲みながら歓迎会兼宴会に参加するのですが、ある親戚のおじさんから「はんの酒の飲み方は<2>やっど」と低得点をつけられたのにプッツンしてしまい、最終的には大酒をあおって暴れまわっちゃっていました;。
 しかし、田中君が酔っぱらう寸前に夢子さんが切ってふるまった“よかにせハム”の美味しさに、老若男女全員が「おいしかーっ!」「こいはいけるなーっ」「ほんまに、よかにせがよかにせハムを持ってきてくれたど!」と喜んで盛り上がったのと、田中君のノリが木村家のみんなへ奇跡的にウケたのもあり、幸い挨拶は無事大成功に終わりました。
夢子さん会いたさと好奇心とで、結局親戚一同全員が集合していました;結局、親戚中が見守る中酔っぱらって暴れちゃいますが、幸いみんなから気に入られていました;
 香辛料をそろえる機会がなかったのでズルズル先延ばしになっていましたが、最近ようやくそろったので再現を決意しました。
 ハムっぽいゆで豚とはどんな味なのか、早速作って確認してみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、漬け汁作り。鍋へ水、塩、砂糖、ホールの黒こしょう、クローブ、タイム、ブーケガルニ、ローリエ、スライスしたにんにくを投入したら火にかけ、沸騰したら火を止めてスライスした玉ネギを加え、そのまま完全に冷めるまで放置します。
 その間、豚ロース肉の塊肉全体にフォークを刺して適度に穴をあけ、脂身を一~二ミリだけ残して切り取ります(あんまり脂身が残り過ぎていると、味のバランスが悪くなります)。
よかにせハム1
よかにせハム2
よかにせハム3
 漬け汁が完全に冷めたら豚塊肉と共にジップロックに入れ、なるべく空気が入らぬよう密閉したら冷蔵庫で二日間寝かせます。
 半日に一度、袋の上からもむと味がもっと染み込みますのでお勧めです。
 ※実を言いますと、ネット上で既に再現なされた方々のご意見を拝見すると「塩気が薄い」というコメントが多数だった為、今回はあえてレシピ通りの分量の物と、レシピの二倍塩が入っている物の二タイプを用意し、実際にどうなのか実験する事にしました。ヘタレですみません;。
よかにせハム4
よかにせハム5
よかにせハム6
 日数が経ち、豚塊肉の表面に漬け汁が染みてうっすら色づいてきたらジップロックから取り出し、丸く形作りながらタコ糸でギュウギュウに縛り付けます。
 その上からクッキングシートをかぶせて全体をぴっちり包み、もう一度タコ糸で軽く縛って中にお湯が侵入しないようにしたら、準備完了です。
よかにせハム7
よかにせハム8
 次は、茹で作業。
 鍋へお湯を張って70~80度になるよう温度調節をしたら先程の包みを入れ、そのままの温度を保てるよう気を付けながら約二時間ゆっくりと茹でます。
 やがて、時間が経ってしっとり茹で上がったら鍋から取り出し、外側のタコ糸とクッキングシートを外して自然に冷まします。
 ※この時、少しでも温度にブレが生じると仕上がりにかなり影響が出てしまいますので、調理用の温度計でこまめに様子を確認する事を推奨します。
よかにせハム9
よかにせハム10
 ハムが人肌以下の温度にまで冷めたら内側のタコ糸も外して薄く切り、仕上げにレタスとマスタードを飾ったお皿へ盛れば“よかにせハム”の完成です!
よかにせハム11
 見た目はハムというよりは塩豚に近い感じで、確かにこれは「にせハム」だと念押ししたくなるだろうな~と苦笑しました。
 しかし、香りは手作りの無添加ハムに似た芳しいハーブ臭で、簡単な割にはずいぶん本格的に出来上がっています。
 果たして、茹でハムは本物のハムと同じ味なのか、それとも違った味なのか…食べて確認しようと思います!
よかにせハム12
 それでは、マスタードをちょこっとつけていざ実食!
 いっただっきま~す。
よかにせハム13


 さて、味の感想ですが…いつも食べているハムとはまるで違う、ナチュラルな味!優しい美味さで気に入りました!
 荒岩主任が「茹でて作ったにせハム」と言った通り、燻煙した香りがない上に肉質が柔らかすぎる為、確かにハムっぽさはあまり感じられませんが、それでも本物のハムに匹敵する程おいしいです。
 薄く切られてもなおしっとりしているにせハムにかぶりつくと、ジワジワとコクのある肉汁が染み出してくるのがたまらなく美味で、噛むごとに各ハーブの爽快な香りがスーッと鼻腔を過ぎていくのがとても爽やかでした。
 なめらかでジューシーな舌触りは茹で豚とそっくりですが、豚肉自体に浸透しきった塩気と洋風なハーブ臭はハムに近いと言えなくもなく(低温調理でギリギリ火が通っている為、むしろ生ハムの方に似てます)、まさにいい所取りな料理だと感じます。
 一言で例えるなら「無添加ハム風茹で塩豚」という感じで、豚の自然な旨さを堪能出来ました。
 ちなみに、塩分が多いにせハムとレシピ通りのにせハムの食べ比べですが、正直塩分多めの方がばっちり決まった塩加減で、レシピ通りの方だとちょっと塩分が控え過ぎで物足りないという結論に落ち着きました;。
 ただ、他に再現なされた方々がおっしゃっている通り、マスタードをちょんちょんとつけて食べるとちょうどいい感じなので、健康上塩を抑えめにしたい方にはいいんじゃないかな~と思います。


 売られているハムとは全く違う味なのですが、添加物が入っていない分豚の自然な旨さが活きていてよかったです。
 マスタードは結構重要なので必ずつけ、そのまま食べたり、サンドイッチに挟んだり、チーズを真ん中にくるんだりするといいと思いました。


○追記(2013.06.02)
 無記名さん、コメント欄での誤字のご指摘ありがとうございました。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.06.02 Sun 00:32  |  

『ク』ローブですかね^^;おいしそう!

  • #-
  • URL

2013.06.10 Mon 16:33  |  

マンガを読んだ時から気になっていたメニューです。
しっとりしていて美味しそうですね!
いつも楽しく観ています。
これからも、元気に楽しくお料理してください◎
ちなみに今晩のおかずは、チキンプイプイを作る予定です。

  • #-
  • みねきち
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Author:あんこ
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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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