『クッキングパパ』の“タイラギのヒモドリア”を再現!

 最近、個人的にすごく注目している新連載があります。
 それは、「モーニング」にて掲載されている『しばたベーカリー』という作品で、どう見ても柴犬にしか見えない主人公・しばたさんが脱サラして息子の小太郎君(←この子も柴犬に激似;)と共に新規開店したしばたベーカリーを切り盛りしていく日常を描いた漫画なんですが、これが妙にツボにはまってて面白いです!
 口癖は「負け犬根性で頑張りますよ」で、息子の小太郎君から「父ちゃん、そんなんだから母ちゃんでてっちゃうんだよ」といわれてしまうくらいちょっと頼りない所があるんですが;、時々反応に困る下ネタ風パン屋ジョーク(?!)を飛ばしつつも、前向きに頑張るしばたさんの姿が何とも愛らしい為、現在応援したい漫画NO1になっています。

 どうも、サラリーマン時代のしばたさんが上司から「ふざけた顔しやがって!」と怒られてるのを見て、「生まれつきそんな顔なんだから、無茶言わんといて~!」と思った管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任の部下・ルリちゃんが昔を懐かしみつつお母さん達に作った“タイラギのヒモドリア”です!
タイラギのヒモドリア図
 ある休日、荒岩主任はいつものように商店街で夕食の買い物をするのですが、伊藤鮮魚店でタイラギを購入している時に偶然ルリちゃんと遭遇します。
 二人とも別の地域に住んでいるので、休みの日に会う事は滅多にないのですが、この日はルリちゃんが商店街方面に住んでいる友達の所へ遊びに来たからたまたま会えたようで、これも何かの縁という事で荒岩主任はルリちゃんにタイラギの剥き方や料理法を教える事にします。
 初登場してからしばらくは、奇想天外な発想の料理(でも、味はとても美味しいという天才っぷりで、ある意味物語後期で料理に覚醒した虹子さんに通じるものがあります;)ばかり作っていたルリちゃんですが、この頃になると創作料理の枠に収まるセンスの高い料理が作れるようになっていた為、手際よく荒岩主任のお手伝いが出来ていました。
偶然、休日にタイラギを購入している荒岩主任に会ったるりちゃん
 この時、ルリちゃんは荒岩主任からタイラギの貝柱で作られた刺身や握り寿司をふるまわれて「たまりませ~ん(´∀`*)」とすっかり幸せ気分になるのですが、食事後に荒岩主任から「このヒモの部分もうまいゾ。バター焼きしたり、刻んでチャーハンやグラタンなんかに入れてもいいし」と言われて余ったヒモを見せられ、唐突にお母さんの事を思い出します。

 実は今から一ヶ月くらい前、ルリちゃんはお母さんと会ってあちこちへ遊びに行っていたんですが、ある洋食レストランで食事をしている時、グラタンを食べているルリちゃんを見たお母さんは昔が懐かしくなったのか、「ルリ子はホ~ントにチーズの香りが好きなんだからー」「思い出すな~、毎日のようにルリ子の為にピザを作ってた頃を…」と言い、当時の話を鮮明に語り出します。

 前回、バイオリンの才能を開花させた弟・まさる君のサポートの為にお母さんが忙しくなった事、それを申し訳なく思ったお母さんは毎回ルリちゃんの大好物であるピザを置いて出かけていた事、最初はよかったものの最終的にピザが苦痛になったルリちゃんはピザを嫌いになった事など、ルリちゃん視点のストーリーを書いたことがあったんですが、今回はお母さん視点で説明されており、なかなか興味深かったです。
 それによると、お母さんは栄養が偏らないよう気を配りながらピザを用意していたようで、時には飽きないようピザの厚さを変えたり、チーズの種類を変更してみたり、上に乗せる食材をバランスよく変化させたりと、かなり心をこめてピザを手作りしていたとの事。
栄養が偏らないように色んな食材を組み合わせたり、生地の厚さを変えたり、チーズを変えたり…
 お母さんが言うには、当時「まさるのバイオリン教室もあってルリ子には寂しい思いをさせたから、イロイロ工夫してね」「夜ひとり、キッチンでね、明日はどんなピザにしようかなーって思いながら仕込むの」「大変だったけど、楽しかったわ。だって、ルリ子の喜ぶ顔が目に見えるようだったもの」という心境だったそうで、まさる君だけでなくルリちゃんにもきちんと愛情をもっていた様子がじんわり伝わってきたのを覚えています。
 結局、ルリちゃんは最後までお母さん達に気を使って「本当はつい最近まで、ピザ嫌いだったよ」と言えてませんでしたが、その話を聞いて少し救われたような表情になっていたので、何もかも暴露する事が一番の解決法という訳ではないのだな~とほろ苦いような、ほっとしたような不思議な気持ちになりました。
 これはあくまで想像にすぎませんが、おそらく弟が生まれてからずっと刷り込まれてきた「お姉ちゃんだから」という意識が頭のどこかにあって、甘えるよりは自分がしっかりした方がやりやすいという真面目な長女気質がより口を重くさせたと推測されますので、同じ長女の身としては複雑な共感を覚えます(←もっとも、当管理人はこんな出来たお姉さんではないですし、長女とは言っても『私立T女子学園』の竹田姉のように要領がいい例外も確かに存在しますが;)。
るりちゃんの喜ぶ顔を想うと、どんなに時間がかかる下ごしらえでも苦にならなかったそうです
 その後、ルリちゃんは荒岩主任からタイラギのヒモを分けてもらって久々に実家へ帰り(←何と、奇遇な事に弟のまさる君も留学先から里帰りしてきていました)、昔を思い出しながら夕食を作ります。
 それが、この“タイラギのヒモドリア”です!
 作り方はそこそこ簡単で、バター・にんにく・玉ネギ・タイラギのヒモ・粉チーズ・白ワイン・ご飯・ホワイトソース・パセリを炒め合わせた物をタイラギの殻(又はグラタン皿)に乗せ、上からさらにホワイトソース・ピザ用チーズ・パセリ・パン粉をかけてオーブンで焼いたら出来上がりです。
 荒岩主任の「グラタンにするといい」というアドバイスをヒントにドリア風へとアレンジした一品で、ルリちゃん曰く「タイラギのヒモはあんまり小さく刻み過ぎない事」がポイントだそうです。
 なお、この“タイラギのヒモドリア”はお母さんだけではなくお父さんやまさる君にも好評で、久方ぶりにルリちゃんは四人そろっての家族団欒を楽しんでいました。

 ちなみに、ルリちゃんは調理中「姉ちゃん手際よくなったな、さては彼氏できたなー」とまさる君からからかわれ、「ブゥーッ、大はずれ」と日頃の礼儀正しい姿からは想像がつかないような茶目っ気のあるやり取りをしたり、お母さんから「ホントにルリ子はチーズの香りが好きね~」と言われても「そうよ、だってママのピザが大好きだったんだも~ん」と屈託なく返したりしています。
 完全にわだかまりのない幸せというものはありませんし、100%不満のない家族関係も存在しないと思いますが、何だかんだあっても明るく笑いあえるひと時が確かに存在するなら、それは十分合格点な「家族」だと感じたエピソードでした。
色んな感情を抱きつつも、結局最後まで「ピザ大好き!」で押し通してました
普段はおしとやかにふるまうるりちゃんですが、家族といる時はいたずらっ子みたいで意外でした
 タイラギの貝柱は食べた事がありますが、ヒモは初めてなので、一体どんな味がするのか気になっていました。
 ちょっと特殊な材料なので、なかなか手に入らないだろうな~と諦めかけていたのですが、何と近所のスーパーで売られているのを奇跡的に見つけた為、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、簡単ホワイトソース作り。やや弱めの中火に熱したフライパンにバターを溶かして小麦粉を投入し、木べらで混ぜ合わせます。
 途中、牛乳を分けて入れながらよ~くかき混ぜ、ちょうどいいとろみがついてきたら塩とこしょうで味をと整え、ボウルに入れて冷まします。
 これで、簡単ホワイトソースは出来上がりです。
 その間、タイラギのヒモは塩もみと水洗いを何回か繰り返しながら丁寧に洗い、ぬめりが完全に取れたらキッチンペーパーでしっかり拭いて適度な大きさに切っておきます(小さすぎると縮み過ぎて硬くなりますので、二~三等分くらいに切ればOKです)。
タイラギのヒモドリア1
タイラギのヒモドリア2
 次は、ホワイトソースライス作り。
 熱してバターを溶かしたフライパンへみじん切りにしたにんにくを炒め、いい香りがしてきたらみじん切りにした玉ネギとタイラギのヒモを加えてさっと炒め合わせます。
 ※タイラギのヒモを入れてからは手早く炒める事を意識した方がいいです。
タイラギのヒモドリア3
タイラギのヒモドリア4
タイラギのヒモドリア5
 タイラギのヒモに火が通りだしたら、粉チーズと白ワインを入れて強火でアルコール分を飛ばし、軽くほぐした冷ご飯を投入してまんべんなく混ぜ合わせます。
 この時、なかなか混ざりにくいのでめげそうになりますが、根気強く混ぜると味が格段に上がるので、ご飯全体がしっとりするまで混ぜた方がいいです。
タイラギのヒモドリア6
タイラギのヒモドリア7
タイラギのヒモドリア8
 そこへ簡単ホワイトソースと細かく刻んだパセリを加えて混ぜ、よくなじんで来たら火を止めます。
 こうして出来上がったホワイトソースライスをタイラギの殻(…は残念ながら手に入らなかった為、グラタン用のお皿で代用しました。再現度が低くてすみませんorz)へ移し、上から簡単ホワイトソース→ピザ用チーズ→パン粉→パセリの順にトッピングして、200度くらいに熱したオーブンで約七~八分かけて焼きます。
タイラギのヒモドリア9
タイラギのヒモドリア10
タイラギのヒモドリア11
 時間が経過し、香ばしい匂いがしてきたらオーブンから取り出し、そのままテーブルへ運べば“タイラギのヒモドリア”の完成です!
タイラギのヒモドリア12
 少し焦げたパン粉の香ばしい匂い、チーズの芳しい香り、パセリの清々しい風味がたまらない感じで、食欲をそそります。
 残念ながらタイラギの殻は時期的に手に入らず使用できなかったのですが、それでも十分美味しそうに出来上がったのでほっとしました。
 タイラギのヒモとホワイトソースの相性は果たして本当にいいのか、食べて確認しようと思います!
タイラギのヒモドリア13
 それでは、熱々とろとろの内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ!
タイラギのヒモドリア14


 さて、味の感想ですが…穏やかな味のドリアで旨し!レストランのメニューに載っていてもおかしくない一品です!
 牛乳・バター・白ワインによって香り高くまろやかに仕上がったライス、舌の上でトロトロにとろけるミルキーなホワイトソース、ガツンと濃厚なコクのピザ用チーズの三層で成り立っているドリアなので、最初はさぞこってりしてるだろうと予想していたのですが、実際に食べてみるとびっくりするくらい優しい美味しさで衝撃を受けました。
 玉ねぎの甘味が効いたライスがとにかく美味で、「硬めに仕上げたホワイトソース味のチーズ・リゾット」と例えたくなるような味わいで、正直これ単品でも一品料理を名乗れそうな程完成度が高かったです。
 あと、塩こしょうが控え目なせいか結構淡泊な後味で、そのままだと素っ気なくなる所をピザ用チーズの強い塩気が素材の旨味を丸ごと封じ込め、「三層食べたらちょうどいい」という感じにまとめていた為感心しました。
 一方、タイラギのヒモはホタテのヒモよりもずっとしっかりした食感で、噛めば噛む程コリコリと歯を押し返してくるのが小気味良く、チーズに負けないくらい存在感があります。
 実を言いますと、タイラギは他の貝類に比べるとそこまで香りは強くはないのですが、それでも時折フワッと潮の香りが漂う為、そこまで物足りなくありませんでした。
 こんがりサクサクに焼けたパン粉が香ばしくていいアクセントになっていますし、言う事なしです。


 正直、タイラギは身しか食べた事がなかったので味の想像がつかなかったのですが、思ったよりも食べ応えがあって満足しました。
 タイラギのヒモがない場合は、ホタテのヒモや身で作ってみてもいけそうです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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