『てぬのほそみち』の“てぬてぬ田舎まんじゅー”を再現!

 最近、「どうか打ち切られませんように…!」と心の奥底から念じつつ続きを楽しみにしている漫画があります。
 それは、週刊ヤングジャンプの『イノサン』と『GOKUSAI』、週刊漫画ゴラクの『ハルの肴』!
 『イノサン』はフランス革命期に実在した「処刑人」一族の数奇な運命の話、『GOKUSAI』は絵の表現の極致を追い求める少年の話、『ハルの肴』は北海道から上京した地味な少女が小料理店で生活する話を描いているんですが、どれも先が気になる面白さなので、どうか長期化してほしいな~と陰ながら祈っています…。

 どうも、『リーチとツモ〜貧乏漫画家のチワワ日記〜』が終わった事を知って少しがっくりきている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『てぬのほそみち』にて著者・須藤真澄先生が編集者のとりやまさんを招いて作った“てぬてぬ田舎まんじゅー”です!
てぬてぬ田舎まんじゅー図
 ようやく寒さが和らいで春が訪れた頃、とりやまさんは須藤先生から「お茶会すっから、キモノ着てめかして来い」と誘われ、内心ウキウキしながら着物を着こんで須藤先生の家に行きます。
 いつもなら「ちゃーす!」と雑にノックをするとりやまさんですが、着物を着ると気持ちが上品になるのか、すぐに「センセ、お招きにあずかりましたとりゃーまでございます…」と丁寧に言い直し、優しくノックしていたのにはつい笑っちゃいました。
 これは以前、当管理人が着物を着た時に感じた事ですが、コルセット並にギュウギュウ体を締め上げる帯・動きが制限される袖・歩幅を小鳥のように狭める裾は否が応にも仕草を大人しく、女っぽくさせる事を実感したので(大リーグボール養成ギプスならぬ、大和撫子養成ギプスといったイメージ)、確かにとりやまさんの気持ちは分からなくもないな~と読んでて思いました。
 しかし、いざ出迎えた須藤先生は着物どころかバカボンを髣髴とさせる気軽なはんてん姿で、とりやまさんもこれにはさすがに「くらあっ!着付けに何時間かかったと思ってー!」と上品気分をぶっ飛ばして怒っていました;。
 こういう「自分だけ張り切ってしまった感」はかなり気恥ずかしいので、須藤先生も罪な事をするな~と苦笑です。
堅苦しくない田舎風のおまんじゅうとお茶で、TVのワイドショーでも見ましょうと話す須藤先生
 その後、すっかりいつものゆるい空気に戻ったとりやまさんが、「お茶会と言っても、何も難しいこたありません。田舎風のぼてんとしたおまんじゅーに玄米茶。おコタに入って、TVのワイドショーでも観ながらバクバク食いましょう」と前置きを語る須藤先生と共に作ったお茶菓子が、この“てぬてぬ田舎まんじゅー”!
 作り方は「てぬてぬ」と前につくだけあって簡単で(注:てぬてぬ=手抜き)、黒砂糖と水を溶かして重曹を混ぜた物に小麦粉を合わせて作った生地で粒あんをくるみ、ラップでぴったり包んで電子レンジにかければもう出来上がりです。
 特別な道具や技は何もいらず、ただ単に混ぜているだけで楽に美味しそうなこげキツネ色の生地が出来る所といい、電子レンジに放り込んでおくだけでまんじゅうが蒸しあがるところといい、ズボラな当管理人には嬉しいレシピで、正直初めて読んだ時は「こんなに手抜きでも、まんじゅうって作れるんだ!」と衝撃を受けたのを覚えています。
 須藤先生曰く、金串を火であつーく焼いて顔のような模様付けをするともっと可愛い仕上がりになるとの事で、大きなコマを使って顔の書き方を細かく説明してくれていたのには「ありがたいなぁ…」と感心しました。
黒砂糖の色で茶色くなった饅頭生地を、電子レンジでチン!熱した金串を使って、饅頭に顔を欠くと面白いとお勧めする須藤先生
 こうして、僅か数十分足らずで“てぬてぬ田舎まんじゅー”を用意した須藤先生ととりやまさんは、先程のギスギスした雰囲気はどこへやら、まんじゅうを頬張り玄米茶をすすりながら「…春じゃのう」「…んだべのぉ」と平和な会話をしてお話は終っていました(←須藤先生自身、欄外で「春らしい終わり方」と綺麗に締めくくっていました;)。
 正直、前回の“てぬてぬバナナケーキ”の回は結構ショッキングな終わり方だったので、この回は珍しく平和的にまとまった回として強く印象に残っています(^^;)。
左手に幸せの田舎まんじゅう、右手に平和のお茶を持ち、春の訪れを楽しみましょう^^
 お茶会をするのに相応しい陽気になってきた為、再現することにしました。
 はっきり言って、未だに「電子レンジで本当に膨らむかな…?」と半信半疑ではありますが、作中のレシピ通り早速試してみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、生地作り。耐熱ボウルへ包丁で細かく刻んで粉々にした黒糖と水を入れ、電子レンジで約一分加熱して液体状になるよう溶かします。
 ※なかなか溶けない場合はもう少し電子レンジにかけつつ、スプーンを使って奥底を何度もかき混ぜます。
てぬてぬ田舎まんじゅー1
てぬてぬ田舎まんじゅー2
てぬてぬ田舎まんじゅー3
 黒糖がしっかり溶けたら、水で溶いた重曹を加えて混ぜ合わせ(重曹を入れた途端、シュワーッとビールみたいな泡が立つのが面白いです^^)、そこへ二~三回ふるいにかけた薄力粉を投入してゴムベラでさっくり混ぜます。
 この時、あんまり練りすぎると後々膨らみにくくなりますので、混ぜすぎに注意が必要です。
てぬてぬ田舎まんじゅー4
てぬてぬ田舎まんじゅー5
てぬてぬ田舎まんじゅー6
 黒糖水と薄力粉がほぼ完全に合わさり、全体がうまくまとまってきて綺麗なキツネ色に染まったら生地は準備完了です。
 この生地をあらかじめ均等に分割したら、それぞれの生地の中央に丸めておいた粒あんを乗せて包みます(つなぎ目は底にし、平たく整えると見栄えが良くなります)。
 ※須藤先生が言うには、この時粒あんを減らして栗の甘露煮を一緒に包んでみても、さらに美味しくなるそうです。
てぬてぬ田舎まんじゅー7
てぬてぬ田舎まんじゅー8
てぬてぬ田舎まんじゅー9
 次は、いよいよ蒸し作業。
 敷きラップをした上に先程の生地を乗せてさらに上からラップを包み、電子レンジに入れて約一分~二分かけて加熱します。
 やがて、生地がふっくら蒸しあがったら電子レンジから取り出し、熱した金串(←今回は母のハンダゴテを使いましたが、かなりやりやすかったです)で、様々な顔の模様を焼き付けます。
 この際、火傷をしないよう要注意です!
 ※正直、電子レンジの種類・まんじゅうの大きさ・ワットの大きさによって大分加熱時間は異なってくる為、最初はこまめに中の様子を見ながら慎重に加熱した方がいいと思います(作中では一分半指定でしたが、当管理人の場合生焼けになりました;)。個人的に、一気に大量に作ろうとするのではなく、少量ずつ作ったほうがムラなく作れていいと感じました。
てぬてぬ田舎まんじゅー11
てぬてぬ田舎まんじゅー12
てぬてぬ田舎まんじゅー13
 全てのおまんじゅうに顔を描き終えたら小皿にちょこんと盛り付け、玄米茶の入った湯飲みと共にコタツテーブルの上へ置けば“てぬてぬ田舎まんじゅー”の完成です!
てぬてぬ田舎まんじゅー14
 これが普通の饅頭だったら何の変哲もない写真ですが、表情があるせいか妙に和みます;。
 焦げた黒糖ならではの何ともいえない複雑な香りが鼻腔をくすぐり、食欲をそそられました。
 本当に、売られている饅頭と遜色のない出来栄えなのか…実際に食べて確かめたいと思います!
てぬてぬ田舎まんじゅー15
 それでは、二つに割っていざ実食!
 いただきま~すっ!
てぬてぬ田舎まんじゅー16


 さて、味はと言いますと…熱~い緑茶と抜群の相性で、乙な味。生和菓子同様、出来たらすぐ食べるのが一番です。
 一口頬張ってまず思った感想は「あんまんみたい!」で、これは蒸したてフカフカの生地とねっとり強烈に甘い粒あんの組み合わせが如何にもそれっぽかったからなんですが、じっくり噛み締めていくと今度は黒糖の焦がし砂糖を彷彿とさせる香ばしい風味と、奥行きのある甘味が口の中いっぱいに広がっていく為、「田舎風黒糖まんじゅうに似てるな~」とも感じました。
 当初は「粒あんではなく、こしあんの方がまんじゅう生地に合うのでは…」と思っていたんですが、実際に食べてみると黒糖のどっしりした濃い旨味に釣り合うようにするには、さっぱり上品なこしあんよりも素朴で力強い味の粒あんの方がより合っていた為、須藤先生の正確なセレクトに感心です。
 もっと詳しく例えるなら、スーパーとかで蒸し器に入って売られている10円黒糖まんじゅうにかなり近い味わいで、特に出来たてのモチモチしっとりした皮の部分は本物そっくりでびっくりしました。
 しかし、電子レンジで作ったせいか時間が経つごとに余熱でどんどん皮に火が通り、ひどい時にはカチカチになってしまいやすいのが欠点なので注意が必要です(←こちらはおやきに近い味でした;)。


 適切な加熱時間さえ割り出せたら、これほど便利で嬉しいレシピはないと思います。
 饅頭好きと黒糖好きの方には、特にお試ししていただきたい一品でした(緑茶と玄米茶の他に、ほうじ茶も愛称が良かったです)。

●出典)『てぬのほそみち』 須藤真澄/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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