『ダシマスター』の“ウェールズ式海苔トースト”を再現!

 先日、初めて入ったあるラーメン屋さんで焼き飯と餃子を注文したのですが、店員さんから「ソース使いますか?」とソース瓶を差し出され、びっくりしました。
 なんでも、このお店では焼き飯にソース食べるのがおすすめの食べ方だそうで、実際に食べてみるとさらさらでスパイシーなウスターソースとあっさりした焼き飯はなかなかの相性で、感心しました。

 どうも、食べていて「これは、そばめしのそば抜きバージョンだ!」と感じた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ダシマスター』にてダシマスターこと瑛次さんが承子さんの友達・英令奈さんに作り方を教えながら作った“ウェールズ式海苔トースト”です!
ウェールズ式海苔トースト図
 ある日、ダシマスターと承子さんが食材の買い付けをして事務所に帰ってくると、承子さんの古くからの友達・英令奈さんが訪ねてきていた為、久々の再会に三人は盛り上がります。
 英令奈さんは元々、カフェを経営して上質のコーヒーをお客さんに振る舞うのが夢だったのですが、やっと居抜き物件で念願のお店を開けたものの、前の店主が本格派の紅茶を出すことで有名な人だった為、コーヒーではなく紅茶ばかり要求される事に困り果てていた気の毒な女性;。
 けれども、ダシマスターの助けによって前の店主同様の紅茶を淹れられるようになり、今後はコーヒー共々紅茶も積極的に出していく事を決めたのですが(詳しくは『ダシマスター』第23話参照)、何とあれから考えが変わり、今後はカフェ経営をやめて紅茶専門店としてお店を経営する決意をしたと承子さん達に語り、大いに驚かれていました。
 英令奈さん曰く、「私の紅茶一杯の為に、沢山の人が足を運んでくれて喜んでくれて…私、その人達の為にもっともっと頑張ろうって決めたの」だそうで、ダシマスターから「素晴らしい!プロとしての自覚が芽生えたという事ですね!」と感心されていました。
 正直、本来の夢を諦めるのは多少複雑な想いがあったと思いますので切ない気もするのですが、お客さんの笑顔にやりがいを感じるようになったのは素敵な事ですので、このシーンを見た時は「紅茶ばかり注文されるって涙目になってた頃より、英令奈さん成長したな~」とうれしく感じたのを覚えています。
最初はカフェの店主が夢だったものの、後に紅茶の世界へ進むことを決めたエレナさん
 こうして、紅茶専門店の主として生きていく事を決めた英令奈さんでしたが、再出発をするにあたってメニューを統一しようとしている時、前の店主が残して行っていた資料の中に、ある奇妙な写真が紛れ込んでいたのに困っているとダシマスターに相談します。
 一見、ごく普通のジャムトーストの写真に見えるのですが、よく見てみるとジャムにしては黒くて繊維質のあるペーストが塗られている感じで、正体がわかったらメニューに入れたいけれども写真だけでは想像するにも限度があると英令奈さんは悩んでいました。
 黒っぽいジャムというと真っ先にブルーベリージャムが思い浮かびますが、それにしては繊維が多そうなのは解せませんし、何よりイギリスらしさはいまいち出ていないように思うので、確かにこれは難問ですね;。
イギリスで撮られた謎の黒いトーストの秘密を解いてほしいとお願いされます
 すると、ダシマスターはすぐに見当がついたようで、「ああ、これはラバーブレッドでしょう!」とあっさり言い当てていました;。
 ラバーブレッドとは、イギリスのウェールズ地方ではポピュラーな名産品で、その正体は何と岩海苔!
 ダシマスターが言うには、日本と違ってチキンかビーフの出汁で煮るものの「ウェールズ版海苔の佃煮」ともいうべき加工品だそうで、本場ではトーストに塗ったり、ハンバーグのタネに練りこんだりして消費しているとの事でした(←という事は、日本の海苔の佃煮もハンバーグやつくねに混ぜたらいけるのかもしれません)。

 最初は怪訝そうな顔をしていた英令奈さんと承子さんでしたが、ダシマスターが作った簡易版海苔トースト(バターをたっぷり塗って味海苔を乗せるだけ!)を食べ、海苔とバターと食パンの相性の良さを確認してからは新メニューとして加えるのに乗り気になり、早速ダシマスターからレシピを学ぶ事にします。
 その際、英令奈さんの「とりあえず、日本で出来る範囲で本格的に作れるラバーブレッド」というリクエストを受け、ダシマスターが作り方を教えたのが、この“ウェールズ式海苔トースト”です!
 作り方は思ったよりも簡単で、固形スープと牛すね肉で取ったスープに水で戻した焼き海苔を入れて煮込み、塩や砂糖で味付けしながら水分を飛ばしつつじっくり煮込み、全体にとろみがついてきたらバタートーストの上に乗せて出来上がりです。
 ダシマスター曰く、「海苔そのものからいい出汁が出るので、植物系の出汁材は必要ないんです」「本来はちゃんとしたチキンストックで煮込むべきですが、これでも十分いい出汁が出ます」だそうで、事実試食をした承子さん達も「海苔トーストより断然本格的!」「味付け海苔よりトーストとバターに合ってるのは、コンソメ味だからかも!」と大喜びしていました。
 初めて読んだ時は、内心「本当かな~?」とダシマスターを少し疑ったものでしたが(←すみません;)、よくよく考えてみれば「コンソメ味にしてパンに合うよう調理した海苔の佃煮なら、確かにバタートーストに合うかも…!」と納得させられたので、今は食べてみたくてしょうがありません;。
何と、写真に写っている真黒な物体の正体は、ウェールズ版海苔の佃煮!今回は岩海苔ではなく、日本の焼き海苔で代用して作るお手軽なレシピです
 この後、英令奈さんは謎解きと新メニュー発掘という二つの課題を解決できてほくほく顔で帰ろうとするのですが、その矢先にちょっとしたハプニングが。
 それは、英令奈さんのお店にちょくよくやって来ているというウェールズ出身のイギリス人留学生・イアンさんが、英令奈さんを追いかけてダシマスターの事務所前までやって来た事;。
 何でも、「東京に行ってダシマスターに会ってくる」というのを、「トーキョーにいるダシマスターの元へ行く」と聞き間違えてしまったというお茶目さんで、その話を聞いたダシマスターと承子さんは呆れるのですが、意外な事に英令奈さんは満更でもない様子で「バカね…私が愛するあなたを置いて行く訳ないじゃない…」と、何故かラブラブモードに;。
 どうやら、英令奈さんはお客さんの笑顔というより新しい恋人・イアンさんの存在が紅茶の道を選ぶ大きな動機になった模様で、それを知った承子さんは「なんじゃそらー!散々語っといて、動機が不純すぎ!」と感動を返せ状態になって怒っていました(^^;)。
 まあ、仮に動機がそうだとしても、ダシマスター同様「…まあ…その、大切な人を想う気持ちも一層味を深めてくれると…」と当管理人も思いますので、英令奈さんには頑張ってもらいたいな~と思ったエピソードでした。
実は、常連さんだけではなく、新しくできた恋人・イアンさんの影響も大きかった模様;
 実を言いますと、大分前に“寿司サンドイッチ”で海苔のサンドイッチを作った時、あまり海苔の良さを引き出せたとはいえない結果に終わっていた為、ずっと当管理人の中でしこりとなって残っていました。
 海苔とトーストの相性の良さを再確認する為にも、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、自家製ラバーブレッド作り。包丁でザク切りにした牛すね肉を、チキンコンソメを溶いた水が入った大鍋へ投入して火にかけ、弱火で一~二時間かけてコトコト煮込みます。
 この時、アクが出てくるのでつきっきりでこまめに取るのがポイントです。
ウェールズ式海苔トースト1
ウェールズ式海苔トースト2
ウェールズ式海苔トースト3
 その間、ペーパータオルできっちり包んだ焼き海苔をバット(又は底の深い容器)に入れ、上からたっぷり水をかけて数分間放置します。
 やがて、水分を十分に吸って海苔がしっとりしてきたらよく水気をきり、ペーパータオルを取り除いてほぐしておきます。
 ※見た目は生海苔にそっくりなので、このまま別の料理に使うのもありです!
ウェールズ式海苔トースト5
ウェールズ式海苔トースト6
ウェールズ式海苔トースト7
 一方、スープが出来たら丁寧に漉し(残った牛すね肉は、カレーなどの煮込み料理に再利用出来ます!)、先程の戻した海苔を加えて再度煮込みます。
 その際、最初は中火で徐々に弱火にしていき、塩と砂糖で薄く味付けして焦げ付かないようヘラで絶えずかき混ぜます。
 ※砂糖は入れすぎると「……」な味になりやすいので、基本塩で味付けして砂糖は気持ち程度に留めておいた方がいいです。
ウェールズ式海苔トースト4
ウェールズ式海苔トースト8
ウェールズ式海苔トースト9
 海苔が段々煮詰まってきて水分がなくなり、全体につやが出てとろりとしてきたら、自家製ラバーブレッドは準備OKです(味見してみると、よく知っている市販の醤油味佃煮とは違ってさっぱり洋風な塩味で、なおかつ海苔の風味が濃いのが印象に残りました。これなら、パンに合いそうです)。
 この間、食パンを軽くトーストしてバターをやや多めに塗っておきます。
ウェールズ式海苔トースト10
ウェールズ式海苔トースト11
 バタートーストの上に自家製ラバーブレッドをたっぷり塗ってお皿に盛りつけ、傍らにお好みの紅茶を添えれば“ウェールズ式海苔トースト”の完成です!
ウェールズ式海苔トースト12
 海苔から漂う磯の風味だけではなく、コンソメスープの芳しい香りも色濃く、そこまで違和感を感じませんでした。
 使った焼き海苔の色が薄かったせいか、思ったより黒くなりませんでしたが(どちらかというとめかぶ色;)、これはこれでいけそうに見えます。
 味の予想が全くつかかないので、一体どういう味がするのか楽しみ半分、不安半分な心境です;。
ウェールズ式海苔トースト13
 それでは、焼きたての内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
ウェールズ式海苔トースト14


 さて、味の感想ですが…意外としっくりくる味で旨し!海苔と食パンが完全にマッチしています!
 海苔の佃煮乗せトーストは以前何度か食べた事があるんですが、これは醤油や砂糖が入っていない分ずっとあっさりしており、後味がサラッと軽い印象を受けました←味付き海苔と焼き海苔の違いに似ています)。
 舌触りは市販の佃煮よりもずっと海苔の存在感があってもったりしており、香りの方も磯の風味が濃厚で、これは海苔好きの方には堪えられないんじゃないかな~と思いました。
 作中で承子さん達が言っていた通り、牛と鶏のダブルスープで作った洋風コンソメで味を整えたせいか、ぐっとパンとの相性がよくなっているのが特徴的で、舌に乗せた途端まるでジュレのようにゆっくりと塩気が効いたコンソメスープが溶け出すのが衝撃的です。
 また、バターのまろやかなコクが海苔とトーストを結び付け、違和感なく調和させるいい橋渡し役になっている為、何気にバターの役割は重要だと感じました。
 ちなみにこの海苔トースト、どういう訳か明太子フランスともそっくりな味わいで、何と匂いも目をつぶって嗅いだら分からないくらい近かった為びっくりしました;。
 もっと詳しく例えるとするなら「辛くも生臭くもない明太子味」というイメージで、一体どういう関係があってこんな味になったのか気になります…。


 予想以上に海苔とバタートーストが合っていたので、大満足しました。
 結構時間がかかるのでお気軽には作れませんが;、また時間が空いたら是非作りたいと強く思った再現でした。

●出典)『ダシマスター』 原作:早川光 作画:松枝尚嗣/集英社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.05.01 Wed 20:12  |  

こんばんは。これは一度食べてみたかったので
再現で美味しかったとなれば勇気が出ます。

普段食べるなら、この話にも出ていた「バタートーストに
焼き海苔のっけただけ」の方が楽そうではあります。

  • #-
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2013.05.01 Wed 22:34  |  

ダシマスター、惜しい漫画を亡くしたぜ・・・

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
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