『華中華』の“玄米の春キャベツチャーハン”を再現!

 当管理人がまだ幼児だった頃、当時よく行っていた親戚の家に奇妙な人形がずらっと並んでいたのを見、本能的に恐怖した記憶が朧気ながら残っているのですが、最近その人形の正体はキャベツ畑人形だったらしい事が判明しました。
 一体一体デザインが違うのがユニークな感じで、普通に見る分ならかわいいと思うのですが、暗がりに置くとフランス人形並みに不気味に見えるので、置き場所に困りそうな人形だと思っています。

 どうも、キャベツ畑人形と同じく人々から忘れ去られたファービーの事をふと思い出し、少々切なくなった管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが島野料理長の玄米チャーハンをアレンジして作った“玄米の春キャベツチャーハン”です!
玄米の春キャベツチャーハン図
 元料理長・陳さんが東京ニューオリエントホテルで“牛肉包みチャーハン”を考案して自身の居場所を作り、新しい料理長・島野さんが満点大飯店をさらに発展させるようになって、少し経った頃の事。
 全国展開しているもののいまいちパッとせず、中華街から撤退するのも時間の問題と言われている料理店・<銀河楼飯店>へ新しい店長がやって来たことにより、再びハナちゃんの周囲は不穏な空気が立ち込めるようになります…。
 その人物の名は有田店長で、一見どこにでもいそうな小柄で地味な中年男性なのですが、その実態は悪質な泥棒行為をする事で忌み嫌われているパクリ屋!
 自分の出世の為なら他店の人気料理をそっくりそのままパクっても、そして「自店こそが元祖で、他所は偽物!」と言い張っても平気な人間で、おかげで不幸にも有田店長に目をつけられてしまった満点大飯店と上海亭は、その後もネチネチとつきまとわれては何度も創作チャーハンをパクられるという苦汁を飲まされる羽目になります(単行本十二巻~十四巻は、有田店長との仁義亡き闘いで費やされていると言っても過言じゃありません;)。
 料理で特許を取る事は非常に難しい事と、ある程度パクりパクられを繰り返していく方が料理は改良されてより洗練されていくという利点もあるので、多少は寛容にならざるを得ないケースもあるのかもしれませんが、有田店長はそのやり口が露骨かつ卑劣なので、有田店長編の初期は読んでいる時何度も「楊貴妃さん、早く呪うなり天罰与えるなりしてくれないかな~(^ω^#)ピキピキ」と怒りで手が震える事がしばしばありました;。
 ただ、幸いにもお客さんは時間が経つにつれ「どうせ、<銀河楼飯店>がまたパクッたんだろ!」と勘付くようになっていくので、後期はそこまで後味が悪くないのが救いです(^^;)。
十二巻に登場して以来、パクリや脅しなど様々な卑怯な手を使ってはハナちゃんを苦しめる有田店長
 実は今から十四年前、有田店長と新人時代の島野料理長は<銀河楼飯店>で同期だったそうなのですが、当時から卑怯だった有田店長によって島野料理長が考え出した玄米チャーハンはしれっとパクられ出世の道具にされたという苦い過去があったようで、そのせいか島野料理長も早くから満点大飯店中に注意を呼びかけていました;。
 ちなみに現在、その玄米チャーハンは<銀河楼飯店>の名物看板メニューとなっているようで、改めて「やっぱり、島野さんは若い頃からすごかったんだなー!」と感心したのを覚えています。
 島野料理長自身は、「本当の事を言っても信じてもらえなかったろうし、当時は基本中華の技術を習得したかったから何も言わなかったわ」と一応心の整理はついているようでしたが、その話を聞いてからというもののハナちゃんは「島野料理長の弟子として、リベンジしたい!」という思いを強め、自分なりに進化させた玄米チャーハンを上海亭で作る事にします。

 こうして、ハナちゃんがいつも通り三百円で提供できるよう材料と調理法を吟味して新しく考え出したのが、“玄米の春キャベツチャーハン”です!
 作り方はお手軽な方で、玄米と醤油を使って濃いめに味付けした基本チャーハンの上に、春キャベツ・豚ひき肉・ごま油・塩・こしょうで作った炒め物をどっさりかけたら出来上がりです。
 ハナちゃん曰く、「炒めることでパラパラになった玄米の香ばしさと、醤油の風味でチャーハンの旨味をアップ」「キャベツは消化も助けてくれるので、玄米にぴったりなんです」だそうで、確かにこれだけ自分なりの工夫をプラスしたレシピならパクリではないと自信を持っていいと思いました。
 何より、今でないと食べられない春キャベツを使う事によって季節感まで出しているのが食べる側には嬉しい感じで、相変わらず冴えているハナちゃんのアイディア力に関心です。
元はといえば師匠である島野さんが考えた玄米チャーハンを、さらに進化させたいと話すハナちゃん
 もちろん、この“玄米の春キャベツチャーハン”はお客さん達にも大好評で、上海亭は満員御礼になるのですが、この盛況っぷりと玄米チャーハンという単語に「うちの人気メニューをパクりやがって…!」と激怒した有田店長が怒鳴り込むという、予想外のハプニングが起きます。
 正直、レシピを詳細にパクられたと怒るならまだ分かるものの、玄米でチャーハンを作って売り出していいのはうちだけだと迫る有田店長の言い分は支離滅裂で、対応したおじいさんも「いえ、玄米チャーハンと言ってもうちは春キャベツを使ったチャーハンでして…」と苦笑いしながら反論していましたが、有田店長はますますヒートアップするばかり。
 最終的には、お店中に響く大声で「天下の銀河楼飯店の人気メニューを真似るとは…同業者として恥ずかしくないのか!?」「そんなにやりたいなら、利益の半分をうちによこせ!」など、そっくりそのまま本人にお返ししたい罵倒が繰り広げられる異様な事態になり、これには周囲のお客さん達もさすがに辟易した顔になって有田店長を睨むようになってました(←店長が自店のネガディブキャンペーンをしてどうすると突っ込みたくなりますが、考えてみればそっくりなケースがリアルでもありました;)。

 幸い、上海亭の常連さんが「別に、玄米チャーハンは銀河楼飯店だけのものじゃないだろ?!そんな事言ったら、どこもチャーハンなんて作れないぞ!」「変な言いがかりはやめて帰れ、銀河楼飯店!」と正論その物なブーイングをし、その上たまたま上海亭にやって来た島野料理長が「あんたに、人の真似だなんていえる資格があるの?有田君!」「皆さ~ん、そもそも銀河楼飯店の玄米チャーハンはあたしが考えたものよ!それを、この有田って男が盗んだの!もう、ひどいでしょ~?」と真実を公表して皆の笑い者にした為、ものの数分もしない内に有田店長はそそくさ退散していました;。
 おかげで、有田店長は上海亭と島野料理長を逆恨みするようになるのですが、もし島野料理長の乱入がなかったら怒り心頭になった楊貴妃さんによって呪い殺されていたのは確実なので、むしろ感謝するべきなのにな~と苦笑した回でした;。
自分の行いを棚に上げて抗議する有田店長を、完全な正論で批判してくれる上海亭の常連さん達
 やっと春キャベツがお店で出回るようになってきたので、再現を決意しました。
 作中に丁寧なレシピがあるので、その通りになるよう早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、玄米チャーハン作り。研いで三十分以上水を吸わせた後に圧力鍋(又は、炊飯器の玄米モードを使って炊いてもOKです)で炊いた玄米を用意し、以前ご紹介したハナちゃん流基本チャーハンの作り方通りにチャーハンを作ります。
 この時、塩は控えめにして醤油メインで味をつけるようにします。
 ※普通の玄米でもいいですが、発芽玄米はもっと栄養があって美味しいのでおすすめです。
玄米の春キャベツチャーハン1
玄米の春キャベツチャーハン2
玄米の春キャベツチャーハン3
 次は、春キャベツの炒め物作り。
 ごま油をひいて熱したフライパン(又は中華鍋)に豚ひき肉を入れて強火で炒め、透明な肉汁が出るまで火が通ったら約五ミリ幅に切り揃えた春キャベツを投入し、塩とこしょうで味付けします(←玄米チャーハンと一緒に食べてちょうどいいよう、塩加減はやや薄めにした方がいいです)。
 ざっと混ぜ合わせて春キャベツに熱が通り出したら、すぐに火を止めます。
 その間、玄米チャーハンを丸くお皿に盛り付けておきます。
 ※春キャベツはしんなりするまで炒めるのではなく、「半生かも?」というくらい軽く炒めるに留めた方が、食感も味も楽しめます。
玄米の春キャベツチャーハン5
玄米の春キャベツチャーハン7
玄米の春キャベツチャーハン4
 玄米チャーハンの上へ、春キャベツの炒め物を冷めない内にたっぷりかければ“玄米の春キャベツチャーハン”の完成です!
玄米の春キャベツチャーハン8
 春キャベツの鮮やかな緑色、卵の目に眩しい黄色、玄米チャーハンの食欲をそそるこげ茶色の対比が、見るからにおいしそうです。
 ごま油の香りの他に、春キャベツの胸を好くような清々しい香りが漂ってきて、如何にも春らしい一品だという印象を受けました。
 本当に春キャベツと玄米は合うのかどうか、実際に食べて確かめてみようと思います!
玄米の春キャベツチャーハン9
 それでは、熱々の内にチャーハンと炒め物を混ぜていざ実食!
 いっただっきまーす!
玄米の春キャベツチャーハン10


 さて、味はと言いますと…玄米の特性がいい方向に活きたチャーハンで旨し!玄米と春キャベツの相性の良さが光る一品です!
 軽く炒めただけの春キャベツは、「サクサク」「パリパリ」「ジャキッ」とした爽やかな食感なのが美味で、半生なのが返って春キャベツのはちきれんばかりの瑞々しさ、新鮮な甘さを強調させています。
 春キャベツは水分が多い為、水気を保ちつつチャーハンをパラパラになるよう炒めるのは結構難しいのですが、これは別々に炒めているので温野菜ともサラダとも似つかない絶妙な春キャベツの歯触りも、パラパラチャーハンも維持出来ていて満足しました。
 ゴマ油と豚ひき肉のコクが淡い春キャベツに程よいアクセントをプラスし、さらに味を引き立てています。
 一方玄米チャーハンは、白米にはない独特の香ばしさと醤油の深い塩気が効いているのが魅力的で、白米にはない香り高さが強く印象に残りました。
 春キャベツの優しい甘味と玄米の素朴な旨味によって生み出される甘塩っぱさが、癖になります。
 玄米は栄養はあるものの、ボソボソした舌触りと癖のある匂いがある為正直苦手な方だったんですが、卵と油をまとう事によってちょうどいい潤いが出てパラパラ感だけが維持され、醤油と春キャベツの風味によって臭みが完全に消えていてほっとしました。


 春キャベツと玄米がここまで合うとは思わなかった為、びっくりしました。
 身近にある材料でさっと作れて便利なので、春キャベツのシーズン中ちょこちょこ作る事になりそうです(^^*)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.03.13 Wed 04:40  |  

初めまして!
信長のシェフ絡みで検索かけたら辿りついて度々お邪魔してます
 
時々自分もお弁当作るんですが、料理はきょうの猫村さんという漫画のネコムライス(←アジ入りのケチャップライスです)が気になって作ってみたのがきっかけで好きになりました

あとガンプラ好きな女性の方って珍しいですよね
私も甥っ子や友達がガンダム好きなのでデルタプラスとか作ってました

読んでたら色々共感したので思わずコメントしちゃいました……内容に全然関係なくてごめんなさい;;

最近はヘルシー指向で料理したいなーと思ってたので、玄米を炒飯にするって考えた事なかったので参考になりました!

また時々ブログ拝見させていただきたいなと思います(^ω^)それでは

  • #-
  • URL

2013.03.14 Thu 01:40  |  

華中華の原作者だった西ゆうじ氏は、お亡くなりになったんですよね。まだ59歳という年齢でしたから残念ですけれど。ブログで言及が無いので、もしかしたらご存じないのかと思ってコメントしました。

  • #-
  • oguogu
  • URL

2013.03.14 Thu 17:14  |  

>>oguoguさん

2月7日の記事をご覧になられて?

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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