『美味しんぼ』の“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”を再現!

 先日、実に十二年ぶりの回らないお寿司を相方さんと食べてきました。
 中学を卒業して以降、お寿司は出前か回転寿司のみの生活を送って来た為、本物のお寿司の記憶は薄れかけていたんですが、一口食べた途端「あ、やっぱり回転寿司と全然違う!」という衝撃と一種の懐かしさが全身にビリビリきました(←知人に話すと「当たり前だ!」と突っ込まれました;)。
 勿論、ス○ローのお寿司も百円にしてはクオリティが高い物ばかりで美味しいんですが、大ぶりで崩れないのに頬張るとハラリとほどける絶妙の握り具合といい(←一貫でも、回転寿司のゆうに二貫分のボリュームがあります)、これでもかと分厚いのにすっと噛みきれるようネタごとに微調整している包丁技術といい、とにかく段違いに美味で感動しました。
 あまりに幸せすぎて余韻がまだ残っていますので、当分は回らないお寿司の方を贔屓にしたいな~と相方さん共々大興奮しています;。

 どうも、穴キュー巻きならぬ穴子納豆巻きという巻物がある事を知って驚いた管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて美食倶楽部の料理人達がレストランを立て直す為に考えた“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”です!
和風ハンバーグステーキ図
 それは、『美味しんぼ』が百一巻目を迎え、山岡さんと栗田さんの間に次女・遊璃ちゃんが誕生した頃の事(←双子の陽士君と遊美ちゃんの名前を決める時は散々もめてましたが、幸い今回はすんなり決まってました;)。
 美食倶楽部の料理人達へ徐々に指揮権を譲りつつあった海原雄山氏は、中川さんを部屋に呼ぶなり「最近の美食倶楽部の料理はつまらぬ」と一喝します(←初めて読んだ時、「最近の美味しんぼはつまらぬ」と自虐ギャグを飛ばしているように見えてしまった当管理人は、かなりの無礼者ですorz)。
 どうやら、雄山氏は料理人達がお手本をなぞっているだけで新しい料理を考えず、既に雄山氏が完成させた定番料理ばかり作って守りに徹しているのを危惧しているようで、「退屈だ。この献立では、新しい味覚の発見がない。だから興奮がない」「美食倶楽部は一流の上を行く義務があるのに、お前たちは現状に満足している。それではおしまいだ」と中川さんを叱咤し、今後は独創性のある料理を作れるようになれと課題を出します。
 確かに、どんなに非の打ち所のない料理でも頻繁にローテーションで出されると次第に飽きてしまうので、雄山氏の言う事はもっともだと思います。
 当管理人自身、行きつけにしている居酒屋さんの突き出しがもう何年も豆腐かきんぴらごぼうオンリーなのに少しずつつストレスが溜まってきている為、気持ちはよく分かります。
雄山タンから、最近の美食倶楽部の料理はつまらないと叱責される中川さん;
 しかし、いきなり独創性をつけようにもやり方が分からず困り果てた中川さんや良三さんは、山岡さんと栗田さんの元を訪れて指導を仰ぐのですが、案の定山岡さんは当初「美食倶楽部の根底に関わる事に首を突っ込むのはごめんだね!」といつもの調子でけんもほろろに断わり、中川さん達はほとほと弱ってしまします。
 けれども、ちょうどその頃タイミングがいい事に、山岡さん達はある潰れかけた洋食レストランを再建しようとしている最中だった為、「美食倶楽部の料理人達を畑違いである分野に関わらせたら、いい刺激になるかもしれない」と考え直した山岡さんによって、中川さん達はアドバイザーとして立て直しに参加する事になります(←なんだかんだ言って、山岡さんはやっぱり面倒見がいいですね;)。
 和食料理人が洋食レストランの再建を手伝うと聞くと、一見チグハグなように見えますが、意外な事に中川さんは長年の経験から的確な助言が出来ていた上、洋食の新しい看板メニューを生み出そうとしていく内に応用力が身についてきていたので、山岡さんの先見性には感心しました。
 さすが、人の相談を一石二鳥で解決し続けてウン十年!頼りになります(´∀`)。
マンネリを打破する為、山岡さんからお願いされた洋食レストランの立て直しに取り組みます
 こうして、中川さん達が他店に負けない新作メニューとして考え出した料理の一つが、この“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”です!
 作り方は結構簡単で、豚ひき肉・豆腐・ごぼう・長ネギを練って丸めた物をラードで焼いておろししょうがを乗せ、仕上げにかつお出汁や醤油で作った葛餡をかけたら出来上がりです。
 実を言いますと、新作メニューの試食には渋々言いながらやって来た雄山氏も参加していたのですが、一口食べた途端「ハンバーグを葛餡で食べることは私もしたが、豆腐やごぼうを入れるところは…」と感心していました(←個人的に、雄山氏が豆腐ハンバーグを食べた事がなかったという事実の方に驚きました;)。
 最初は認めてもらえるかドキドキしていた中川さんでしたが、「ごぼうの風味がよい。豆腐が入ったことで、さっぱりして塩梅もいい」と雄山氏からお墨付きをもらえて、ほっと一安心していました。
 なお、百巻ラストで一応和解(?)したはずの山岡さんと雄山氏は、直接言い争う事こそしなかったものの互いに口を聞かず仕舞いという安定した仲の悪さで、それに呆れた栗田さんは「なんて強情な親子でしょう」とため息をついていました;。
 どうやら、山岡さんと雄山氏の仲は、和解した後もまだまだ微妙なままのようです;。
豆腐とごぼうのダブル効果で、和風っぽさも美味しさもアップしました!雄山タンからも認めてもらえた和風ハンバーグとして、今後ヒットしそうな予感。
 豆腐ハンバーグは食べた事があるものの、葛餡やしょうがで食べることは今までありませんでしたので、試してみることにしました。
 無表情だった雄山氏の心をわずかに動かしたハンバーグとはどんな味なのか、早速作って確かめてみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、パテつくり。ボウルへ塩、豚ひき肉、しっかり水切りして手で崩した豆腐、泥を落としてみじん切りにしたごぼう、小さく刻んだ長ネギを投入し、よく練り混ぜます。
 その間、カツオ節と昆布でとった一番出汁を入れた小鍋に水で溶いた葛粉を加え、葛餡を用意しておきます。
 ※実は、パテの味付けについては作中で何も語られていなかった為、ここはシンプルに塩のみで調味しました。なので、皆様が作る時はお好みでこしょうや醤油、味噌を足してみるのもありだと思います。
和風ハンバーグステーキ1
和風ハンバーグステーキ2
和風ハンバーグステーキ3
 次は、焼き作業。
 ラードを熱して溶かしたフライパンに、空気を抜きながら楕円形に成形したパテを並べ、両面がこんがりきつね色に色づくまで焼き上げます。
 途中、日本酒を入れて蒸し焼きにすると、さらにふっくら感が増します。
和風ハンバーグステーキ4
和風ハンバーグステーキ5
和風ハンバーグステーキ6
 パテが焼けたら火からおろし、ほうれん草のバター炒め、蒸したにんじん、しめじの焼き物を飾ったお皿へ盛り付け、上におろししょうがを乗せて葛餡もかければ“美食倶楽部謹製・和風ハンバーグステーキ”の完成です!
和風ハンバーグステーキ7
 葛餡がまんべんなくかかっている為、表面がツヤツヤしているのが見た目に美しいです。
 パッと見は和洋折衷という感じですが、しょうがと和風だしの香りがふわっと漂ってくるので、匂いだけだったら完全に和風というイメージです。
 切り分けてみると、やはり豆腐が入っているせいかハンバーグというよりつくね風で、一体どんな味がするのか非常に気になりました。
和風ハンバーグステーキ8
和風ハンバーグステーキ9
 それでは、一口大に切って葛餡とおろししょうがを絡め、いざ実食!
 いただきま~す!
和風ハンバーグステーキ10


 さて、味はと言いますと…思わず頬が緩む優しい美味しさ!ほぼ和風ですが、ご飯にもパンにも合う懐の深さがあります。
 豆腐の淡い甘さがふんわり柔らかくほどけていくパテに、みじん切りにしてもなおザクザクバリバリと砕けていくごぼうがいいアクセントを与えており、癖になります。
 ごぼうの土気を帯びた、野趣溢れる風味がハンバーグの味を数段上げている印象で、尚且つ葛餡との相性をさらに引き上げるのに成功していました。
 通常、豆腐ハンバーグはさっぱり食べやすい分コクにかけるという欠点がありがちなのですが、これは豚ひき肉とラードから引き出された強い脂分がパテ全域にしっとりと染み込んでいる為、そこそこボリュームのある旨さが出ているのがよかったです。
 豆腐がつなぎに入っているのでややジューシー感に欠ける所はありますが、その分肉料理とは思えない程あっさりかつヘルシーな味わいで、つくねの淡泊な味わいと、ハンバーグのフワフワした口当たりを合体させたまさにいい所取りな料理でした。
 カツオ節と昆布の奥深い出汁が効いた葛餡がハンバーグの口当たりを上品に(葛餡だと片栗粉で作ったぼってりした餡より、サラリと滑らかなとろみがつくので、より繊細な出来栄えになります)、そしてしょうがのキリリとした風味が後味を爽やかに引き締めてくれており、文句なしの一品でした。


 今となってはそう珍しくない組み合わせなのかもしれませんが、実際に食べてみると「お!」と目を見張るような斬新さを感じるハンバーグです。
 ビールにもそこそこ合いますが、ソースが徹底的に和風なせいか何と日本酒にも結構合いますので、飲兵衛にもおすすめしたい逸品です。

P.S.
 桜海さんからご質問を頂きました、いちご菓子再現の際に使用するいちごの品種の件ですが、どの漫画にも特に指定されてなかった為、その時々に手に入るいちごを適当に選んで使っていました(あまりこだわってなくてすみません;)。
 ただ、唯一こだわりがあるとするなら甘味が飛び抜けて濃い、そのまま生で食べて美味しい物より、甘さと酸味のバランスが取れた製菓向きの品種であるとよのか、さちのか、さがほのかを優先的に選んで使っています。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2013.04.29 Mon 17:28  |  

美味しんぼの再現料理はいつも美味しそうですね

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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