『華中華』の“ヘルシーな玉子丼”を再現!

 先日、玉ネギを使ったジャムがあると知って驚きました。
 何でも、イタリア方面では野菜をジャムにしてお肉料理に添える事が珍しくないとの事で、高級食材であるフォアグラにも玉ネギのジャムがぴったりの相性だとの事。
 そういえば、ロシアでもジャムでポークソテーを食べる文化があったような気がしますので、世界的に見たらそこまで珍しくないのかもしれません。

 どうも、今年はいちごジャムではなくいちご酢を仕込んだ管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが島野さんに夜食として作った“ヘルシーな玉子丼”です!
ヘルシーな玉子丼図
 それは、ハナちゃん達が“豪華絢爛甘鯛チャーハン”を作り、退職する陳料理長にはなむけとして送って少し経った頃の事。
 新料理長となった島野さんは、満点大飯店の質をさらに高めようと厨房で叱咤激励するのですが、それまでぬるま湯に浸かってきた料理人達はイマイチ頼りない様子で、内心イライラしてしまいます。
 しかし、特にミスをしていないのに怒っても反発されるだけだと踏んだ島野さんは、たまたま0.1ミリの誤差がある玉ネギスライスを拵えていたハナちゃんに対し0.3ミリの誤差をしていると大げさに怒り、「これは中華サラダに使う玉ネギだから、舌の肥えたお客ならすぐ分かってしまうのよ!」「あんたのせいで、料理長が替わって満点大飯店はダメになったと言われてしまうじゃない!」とわざときつめに叱っていました。
 正直、ハナちゃんはとんだとばっちりを受けた事になるので気の毒ですが;、島野さんの「厨房のみんなをそれとなく引き締めるには、一番下っ端のお華を怒るのが一番後腐れないしやりやすい」という意見も一理ある気がするので、ある程度は仕方ないのかな~と思いました( ←まあ、怒られないに越したことはないんですが;)。
 それにしても、「あなたたちは大丈夫よね?!満点大飯店の料理人の名に恥じないよう、人知れず努力と修練を積んでいるはずだから!」と島野さんが厨房にいる料理人全員に確認した時、「…あ」「は、はい…」とマズイことを聞かれちゃったように汗を流したり、テヘペロ笑いをして誤魔化そうとしたりしたのを目の当たりすると、島野さんでなくても「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」状態になってもしょうがない…と内心同情しました;。
ある日、玉葱のスライスの厚みにわずかな誤差が出ているのを指摘されたハナちゃん
 しかし、そんな事情を露とも知らぬハナちゃんは少し落ち込んでしまうのですが、そんなハナちゃんが気になったらしい島野さんは帰りにハナちゃんを呼び止め、「あたし、料理長になったのを機に、東京から横浜に引っ越してきたのよ」「でも、時間がなくて引っ越しの荷物が片付かないのよ。あんた手伝ってくれない?」とお願いし、自分の新しいマンションへハナちゃんを誘っていました(←普通、こういう展開になったら二人きりで大丈夫か心配する所ですが、今回はお姉キャラの島野さんが相手だったので、一ミクロンも不安を感じませんでした;)。
 人のいいハナちゃんはすぐにOKしてついて行くのですが、部屋に着くや否や島野さんは「お腹すいちゃったから何か作って」「冷蔵庫に冷やご飯と玉子、エリンギと椎茸、玉葱があるから…」と言い、いきなり料理を作る羽目になります。
 当初、ハナちゃんはバレるかもしれないとヒヤヒヤしつつ「チャ、チャーハンくらいなら何とか…」と提案するのですが、「お馬鹿!こんな夜中に油っぽい物を食べたらメタボになるわ」と返された為、幸いチャーハンで上海亭の秘密に勘付かれる事はありませんでした;(←個人的に、ちょっぴり残念な気がしましたが…)。
 ちなみに、台所でハナちゃんが玉ネギを恐る恐るスライスしている時、島野さんはやっとハナちゃんの包丁さばきはそこまで悪くなから自信を持てと誤解を解き、0.1ミリの誤差すらも「並の料理人の誤差の範囲だから、気にする事ないわよ。あたしだったら絶対にないけど!」と島野さん流に慰めるのですが、ハナちゃんが「そんなの嫌です!私も料理長のように、誤差のない仕事ができる料理人になりたいです!」と真剣に話すのを見、島野さんは真剣な表情になってアドバイスしていました。
 思えば、この時を境に島野さんはよりハナちゃんを鍛えるようになったので、今考えるとなかなか重要なシーンです。
誤差のない仕事をしたいと言うハナちゃんを見て、本格的に育てる気になる島野さん
 その際、ハナちゃんが「消化に良くて油を使わない、ヘルシーな料理」という島野さんのリクエストに応えて作ったのが、“ヘルシーな玉子丼”です。
 作り方は簡単で、エリンギと椎茸をフライパンでゆっくり熱して水分が出た所に玉ネギ・和風出汁・日本酒・みりんを入れてさらに火を通し、醤油で味を調えた後溶き卵を回しかけて蒸らし、山椒の葉と一緒にご飯に乗せたら出来上がりです。
 ポイントはきのこや玉ネギの出汁をしっかり出す事で、ハナちゃん曰く「ノンオイルのフライパンで、弱火でじっくり加熱すると…きのこの旨みがグンと増してくれます」との事でした。
 何でも、実家にいた頃料理人であるお父さんが秋にやっていた出汁の取り方だそうで、島野さんも「なるほど…この甘みは、薄切り玉ネギを煮込んで出したものね!」と感心し、早速満点大飯店の料理に取り入れようと決めていました。
 確かに、エリンギや椎茸は炒めると旨味エキス満点な水分がジュワ~ッと出てきますので、これは日常的に役立つ技法だな~と勉強になったのを覚えています。

 その後、島野さんは上機嫌で“ヘルシーな玉子丼”を半分ほど食べるのですが、材料が足りなかった関係でハナちゃんが何も食べられずお腹を鳴らしているのに気づいて「半分あげるから、お食べなさい!」と分け、思わぬ形で同じ釜の飯を食う仲になっていました;。
 それまではぎこちなかった島野さんとハナちゃんですがが、同じご飯を食べたのをきっかけに徐々に親しくなっていく様子が微笑ましいエピソードです。
薄切りのたまねぎときのこをじっくり煮ることによって取れる出汁が美味しさの秘訣材料が少なくて一人分しか作れなかったのを見抜かれ、半分こすることに;
 庭に植えている山椒の木がようやく芽を出し始めたので、再現を決意しました。
 お肉なしできのこや玉ネギだけで丼を作ると、どんな味になるのか…実際に確かめてみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、きのこの下準備。テフロン加工のフライパンにスライスしたエリンギと椎茸を均等に敷いてフタをし、極弱火にかけてじっくり加熱します。
 途中、フタを開けてエリンギや椎茸の表面にうっすら汗をかいたように水滴がついているのを確認したら裏返し、またゆっくりと極弱火で火を通します。
 これで、きのこは用意OKです。
 ※当管理人の場合、フライパンのスペースが足りなかったので、エリンギを一面に敷いて両面加熱→片隅に寄せ、今度は椎茸を一面に敷いて両面加熱と、順々に出汁を出しました;。
ヘルシーな玉子丼1
ヘルシーな玉子丼2
ヘルシーな玉子丼3
 次は、煮込み作業。
 エリンギと椎茸の上に薄く切った玉ネギ、カツオと昆布の合わせ出汁、日本酒、みりんを加えて中火で煮込ます(フタをして蒸し煮にするのも有りです)。
 玉ネギに熱が入って透き通ってきたら、「やや薄めかな?」となるくらいの醤油で味付けし、ひと煮立ちさせます。
ヘルシーな玉子丼4
ヘルシーな玉子丼5
 全体に味がなじんで来たら、コシが残る程度にかき混ぜた溶き卵を中心に半分流し込んで火を通し、少し固まってきたら残りの溶き卵を回しかけ、フライパンを激しく前後に揺らしながら均等に加熱します。
ヘルシーな玉子丼6
ヘルシーな玉子丼7
 卵が半熟に固まってきたらすぐに火からおろして丼ご飯の上へ滑らすように乗せ、仕上げに軽くたたいて香りを出した山椒の葉を飾れば“ヘルシーな玉子丼”の完成です!
ヘルシーな玉子丼8
 透明がかった白色でフルフルしている白身、半熟に固まった黄身、ほんのり飴色に煮上がった玉葱、目にも鮮やかな緑色をしている山椒の葉が控え目ながらも美しく、ほっとします。
 当初はお肉がなくて大丈夫かどうか心配でしたが、実際に作ってみるとそこまでおかしくなかったので、ほっとしました。
 きのこと玉葱の出汁がどれだけ出ているのか、食べて確かめてみようと思います!
ヘルシーな玉子丼9
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いただきま~すっ!
ヘルシーな玉子丼10


 さて、味はと言いますと…親子丼以上に淡く、滋味深い美味しさにうっとり。胃が荒れていても、これならスルスル収まりそうです。
 エリンギの松茸にちょっぴり似た香り高い出汁、椎茸の上品でまったり奥行きのある出汁、玉ネギの控え目ながらもじんわり優しく甘い出汁が混然一体となって丼つゆに溶け込んでおり、その丼つゆを吸ってしっとりしたご飯やフワフワの煮卵が、具と完全に調和しています。
 麺つゆや砂糖を使っていないせいか、甘辛いというよりはほんのり甘味を帯びた出汁醤油味ともいうべき味わいに仕上がっており、今まで食べた丼の中で一~二を争う程あっさり品のいい後味だと感心しました。
 どちらかと言うと薄めの味付けなのですが、きのこや玉ネギの濃い出汁がギュッと濃縮されているせいか物足りないという事はなく、むしろ野菜の旨味エキスを最大限まで活かした繊細な一品という印象を受けます。
 山椒の葉の鮮烈なまでに清々しい風味が、後口をキリリと引き締めているのもいい感じでした。
 ほとんどの丼は具が主役でご飯が脇役なのに対し、この丼は出汁と卵の旨味を絡ませたご飯こそが影の主役だと思いました。
 もちろん出汁だけではなくふっくら煮上がった具も味わい深く、プリプリシコシコした食感の椎茸、コリコリした弾力のエリンギ、しんなりサクサクした玉ネギがたまりません。


 肉なしでもこんなに深い出汁が出るものなのかと、感嘆しました。
 きのこがさらに美味しくなる秋の季節になったら、舞茸なども使って作ってみたいな~と思います。

P.S.
 yokoさんからご質問頂きましたチーズケーキの分量の件ですが、ご推測されている通り分量は原則明記しないと決めている為、残念ながらお答えできません。誠に申し訳ございません。
 ただ、似たチーズケーキのレシピでしたら「ミキサー チーズケーキ」で検索しますと沢山ヒットしますので、そちらの方をご覧になる事をお勧め致します。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.05.09 Thu 11:12  |  

いつも楽しく読ませていただいています(^^)

華中華、早く再開して欲しいですね。
登場する人全員、癖はあっても根っから悪い人がいなくて
安心して読めます。
(あんどーなつもですが・・・)
原作者がいなかったら打ち切りとか悲しすぎる・・・。

最近はジャンプやマガジンなどの王道少年誌にも料理マンガ出てますよね~。
そういう設定が大きい(巨大料理学校とか)のも楽しいですが、
庶民的というか、ビッグコミック系のちょっと落ち着いた雑誌の
料理マンガが味わい深くて好きです。

これからも楽しみにしていますので、頑張って再現してください!


  • #-
  • みーさい
  • URL

2013.05.09 Thu 20:56  |  はじめてです

あんこさん(^^)
こんばんは!
初めてコメントさせて頂きます。

昨年の11月からこのブログをたまたま見つけ、再現度の高さに感動しました。そして、『美味そー!!!』とひたすら楽しんで読んでおります。

いつも更新楽しみにしてます!大変でしょうが、待っている読者がいますので(我儘ですみません)、これからも頑張ってくださいね☆応援してます!

  • #-
  • フルグララブ
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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