『喰―はむ―』の“ダニエル”を再現!

 先日、トマト味の焼きうどん・うどんバーガー・うどんの刺身なる食べ物があるとニュースで知り、複雑な心境になりました。
 思えば、うどんは上記のように色々いじられる事が多いですが、何故かそばはそこまでいじられる事なく、基本に忠実なものばかりがお店で出されているように感じます(←せいぜい、カレー南蛮くらいでしょうか?)。
 この扱いの違いは、一体どこから来ているのか…当分、また眠れぬ夜が続きそうです。

 どうも、うどんはごぼう天やコロッケを乗せるのが一番好きな管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『喰―はむ―』にて主人公の竜崎レイさんと水原慎之介さんが実在するお店に行って食べた“ダニエル”です!
ダニエル図
 『喰―はむ―』とは、親父ギャルと呼ばれる程よく食べよく飲む威勢のいい新人編集者・竜崎レイさんと、渋い大人の男なもののちょっぴり抜けた所があるベテランフリー編集者・水原慎之介さんのお二人が、実際に存在する料理店を食べ歩きしたり、食べ物や飲み物のちょっとした豆知識を語る、名店探訪系グルメ漫画です(現在もグランドジャンプで連載中です)。
 硬派風な中年男性と元気な若手女性という、一見どこにも共通点がないように見えるお二人ですが、食に関するこだわりや情熱はお互い人一倍強いせいか妙に気が合い、そのせいか第一話以来デコボココンビとしてよくつるむようになっていました;。
 『孤独のグルメ』と同じく、実在する名店しか紹介されないルポ風の構成になっている為、毎回作中で描かれているお店や料理の描写は臨場感があってかなりそそられる感じで、東京に住んでいない当管理人でも思わず飛行機に乗って食べに行きたくなるような魅力に溢れています(最近では、タンシチューや肉麺が特に美味しそうでした…)。
 また、名店探訪だけではなく、時々「日本酒」「味噌汁」などといった特定のテーマで、水原さんやレイさんだけでなく編集部の面々があーでもない、こーでもないと話し合ったりする閑話休題的な回があるのも興味深い感じで、思わず読んでいるこちらも「私はレイさんの意見に賛成だな~」とつい参加してしまいます;(←『極道めし』や『めしばな刑事タチバナ』の薀蓄タイムに通じるものがあります)。
 
 まるで保護者のように色んな食の薀蓄を教えるものの、チャキチャキの現代っ子なレイさんから時々鋭い突っ込みにあってタジタジになる水原さんの様子が微笑ましいので、美味しそうな食べ物だけではなく、お二人の掛け合いを見るだけでも十分楽しめる作品です。
親父ギャルと呼ばれる若手編集者・竜崎レイさんと、ベテランなフリー編集者・水原慎之介さん
 今回ご紹介するのは、3喰目「スパゲッティを喰」の回。
 ある日、港区の虎ノ門駅付近で取材を終えた水原さんとレイさんは、このままどこかでご飯を食べてから帰ろうかという話になるのですが、その時レイさんは「わたし、この前この辺で不思議な店を見つけたんですよ…」とある奇妙な出来事を話します。


 それは、仕事を終えてたまたまいつもと違う道を歩いて帰った日のこと。
 通りに面しておらず真っ暗な道に、びっくりするくらい明るいお洒落なイタリアンレストランを見つけたレイさんは思わず中を覗くのですが、表札が「CLOSED」となっている店内でサラリーマン風の男性たちが大盛りのスパゲティをモリモリ食べているのを見、そのあまりのギャップに戸惑います。
 その後、謎のイタリアンレストランが気になってしょうがなくなったレイさんは、記憶を辿りつつ同じ店がないか探したそうなのですが何故か見つからず、最近ではあの店は本当にあるのか自信がなくなったとの事でした。


 夜中、暗がりの中で見つけたミステリアスなイタリアンレストラン…確かに、これはレイさんでなくともモヤモヤさせられますね。
 昼間と夜間とでは同じ場所でも結構印象が違って見える物なので、「今度来よう、場所は見当がつくし…」と軽~い気持ちで通り過ぎてしまったら、後々見つからなくて泣きを見るというのはよくある話です;(←当管理人自身、同じ経験が結構あります…orz)。

 しかし、意外な事に水原さんはそのイタリアンレストランに心当たりがあったようであっさり場所を突き止め、レイさんを「この店です!本当にあったんだァ!」と感動させていました。
 そのイタリアンレストランの名前は、<ハングリー・タイガー>
 1969年創業の老舗レストランで、調べた所、虎ノ門ではかなり有名な名店だそうです(店名を見て、「フフ…今にも噛み付きそうな名前だぜ<byグラップラー刃牙>」というセリフを思い出した当管理人は、どこか疲れているのかもしれません…;)。
夜中、おしゃれそうなイタリアンの店内でスパゲティにがっつく男たちを発見!実在する名店・「ハングリータイガー」がレイさんの探していたお店の正体でした
 この時、レイさんと水原さんが赤ワインと共に注文したのが、<ハングリー・タイガー>の看板メニュー“ダニエル”です。
 メニュー表には「ハム・ベーコン・卵のオリジナルカルボナーラ風」と説明されている為、初めて来たレイさんは「カルボナーラじゃないんですか?」と不思議に思うのですが、水原さんが言うには、日本にまだカルボナーラが存在しなかった四十年以上前に<ハングリー・タイガー>が発明した似て非なるスパゲティだそうで、一般的なカルボナーラとはまた違うと力説していました。
 事実、一口食べたレイさん曰く「生クリーム使ってない!それに卵白も入ってる!」「にんにくが効いてて卵もいり卵みたい!」という、カルボナーラにしては相当さっぱりしたスパゲティだそうで、初見時はびっくりしたのを覚えています。
 その上、何と粉チーズや粗びき胡椒は最初から入っていないので後々自分好みでトッピングしたり、醤油をお好みでかけて味を変化させてもいいというフリーダムさで、あまりの斬新さに驚きつつも妙に食欲をそそられました(←ちなみに、レイさんは醤油をかけた“ダニエル”を「讃岐うどんのカマ玉みたい!?」と表現していました)。
カルボナーラに似ているようで、決定的に違っていると力説する水さん元の味付けがシンプルな為、粗びき胡椒・醤油・チーズなど好きな調味料で味付けに変化を出せます!
 正直、実際に食べに行ったことがない当管理人が再現するのは無謀だと半ば諦めかけていたのですが、口コミサイトの方が書かれた詳細な感想や調理工程、こちらの方がアップされていたレシピが非常に参考になった為(かばば様、ありがとうございます)、思い切って再現してみることにしました!
 どこまで本物に迫れるか自信がありませんが、なるべく近づけるよう頑張ろうと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。フライパンにオリーブ油、バター、潰して芯を取ったにんにくを投入して熱し、拍子切りにしたベーコンを加えてこんがりするまで炒め、脂身がカリカリしてきたらみじん切りにした玉ネギを入れてさらに混ぜ合わせます。
ダニエル1
ダニエル2
ダニエル3
 玉ネギがしんなりしてきたら、スライスしたマッシュルームと細長く切ったハムを投入してさっと炒め、全体がなじむまで混ぜ合わせます。
 ※調味料は特に入れなくて大丈夫ですが、味見をして塩分が薄すぎるようなら、少し物足りないかな?というくらいの塩味をつけておきます(後で醤油や粉チーズを足したりするので、程々に)。
ダニエル4
ダニエル5
ダニエル6
 そこへ、茹で上がったばかりで湯切りしたやや太めのスパゲティを投入して混ぜ、続けて全卵使用の溶き卵を入れて菜箸でまんべんなく合わせながらかき混ぜます。
 通常、カルボナーラを作る際は卵に火が通らないよう気を付けますが、“ダニエル”に限っては半熟いり卵になるまで火を通してOKです。
ダニエル7
ダニエル8
 卵に程よく火が通ってスパゲティに絡んで来たらすぐに火を消し、そのままお皿へ盛り付ければ“ダニエル”の完成です!
ダニエル9
 実物の写真に比べると、やはりボリュームや色合いがどことなく異なっていますが、そこそこそれっぽく出来た…と思いたいです;。
 実際に作る前は、「見た目だけはカルボナーラっぽいかな?」と想像していたんですが、いざ間近で見てみると、カルボナーラというよりいり卵スパというイメージで確かに別物でした;。
 一体、どういう味がするのか…食べて確認してみようと思います!
ダニエル10
 それでは、熱々の内にまだ何もかけず実食!
 いただきまーすっ!
ダニエル11


 さて、味の感想ですが…確かにこれはカルボナーラではなく、カルボナーラ風だと頷かされる一品!パスタというよりはうどんやそばの感覚でバクバクいきたくなります!
ダニエル12
 バターの魅惑的な香りが染み込んだパスタに、玉ネギの甘味を吸ってフワフワ柔らかいスクランブルエッグが絡んでいるのが美味で、マッシュルームの奥深い旨味がいいアクセントになっているのがたまりません。
 意外にベーコンとハムは一緒でもくどくなく相性抜群で、見た目によらずかなりあっさりしているのが特徴的でした(ハムのペラペラ感が妙に病み付きになります)。
 全卵使用で卵黄の癖が和らいでいるせいかどことなく優しい口当たりで、それでいてにんにくのガツンとくる風味やベーコンの強い脂分が効いていて程よいコクがあるのがいい感じで、濃過ぎず薄過ぎずちょうどいいバランスになっていました。
 レイさんが作中で言っている通り「サッパリ塩味」なほっとする美味さのパスタで、生クリームを使ってこってりしたカルボナーラとはまた違った魅力があります。
 あと、ブラックペッパーをかけるとビリッとスパイシーな辛さで一気に引き締まり、粉チーズをふると一気にまろやかさと濃厚さがプラスされてカルボナーラに近くなったり、かと思えば醤油をたらした途端に「ベーコン入り洋風かま玉」と言いたくなる不思議な味に変身したりと、トッピング次第でガラッと味わいが変わるのが面白くて、一向に飽きがこないのが印象的でした。
ダニエル13
ダニエル14


 普段こってり系のスパゲティが好きな相方さんも「これはうまい!」とバクバク食べていましたので、作中の幅広い層から愛され続けているという表現に納得しました。
 素人の当管理人が作ってもこんなにおいしいなら、本物はどんなに美味しいんだろう…いつか食べに行きたいな~と憧れた再現でした。

●出典)『喰―はむ―』 原作:ボブ吉村 作画:吉田健二/集英社
    (グランドジャンプ 2013 NO.6 3月6日号掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2013.04.14 Sun 22:02  |  

うまそー
すぱげっち、たべたくなった。

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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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