『クッキングパパ』の“荒岩流ドライカレー”を再現!

 当管理人の家がある近所に、お客が全く入らないのに十数年以上つぶれずにいる謎の焼きそば屋さんがあり、ちょっと気になっています。
 時々車が一~二台とまる事もあるんですが、それ以外は中に人がいる気配すらなく、もはや営業しているかどうかすら分からない状態です。
 最近では、「店主の道楽でやっているお店」か「会員制の焼きそば屋」の二つの説を持っていますが、未だ真相は闇の中です…。

 どうも、だからと言って店に入る勇気はないチキンな管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が夕涼みで集まった金丸産業のみんなに作った“荒岩流ドライカレー”です!
荒岩流ドライカレー図
 それは、夢子さんが田中君をほのかに意識し始めた頃の事。
 ジメジメ暑い梅雨の季節に突入した事で、金丸産業の営業第二課のみんながぐったりだらけ、遂には専務も「こう鬱陶しい天気が続くと、気分までぐずついてくるなあ」と愚痴をこぼすまでになります(←確かに、九州の梅雨&夏の蒸し暑さは殺人的ですので、すごい共感しました;)。
 中でも、ビアガーデン好きの田中君のイラつきっぷりは尋常ではなく、あの元気ハツラツなけいこちゃんですら「でもホ~ントやあね、台所なんてジメジメしてくるしさ」「洗濯物乾かないしねー」と力なくぼやいている中、「おかげでここ一週間、ビアガーデンに行けねえじゃねーか、どうしてくれるっ!!」と一人だけピントのずれた怒り方をしているのには、少し苦笑しました;。
 内心、「ビアホールで我慢したらいいのでは…」と思わない事もないですが、考えてみればジメジメ雨が降っているのを横目にビールを飲んでもそこまで美味しくない気がしますので、田中君が怒るのも仕方ない事なのかもしれません;。
ジメジメ暑いわ、雨がやまないわ、ビアガーデンにいけないわで、イライラするみんな;
 そんなみんなの様子を尻目に、荒岩主任は何かもの言いたげな表情をしながら黙々と仕事をこなしていたのですが、夕方近くになってようやく雨がやんできたのをきっかけに、いい案を思い付きます。
 それは、博多近郊にある久山町で、夕涼みをしながらホタルを見物する事!
 何でも、久山町は有名なホタルの名所らしく、梅雨の季節になると至る所でホタルが淡い光を放ちつつ飛ぶのを見物出来るのだそうで、作中ではホタルが木に集まってクリスマスツリーみたいになっている幻想的な風景が描写されていました(←残念ながら当管理人はまだ行った事がないんですが、作者のうえやまとち先生は当時久山町に住んでいた事もってよく見かけていたようです)。
 なお、こんな時でも田中君ははしゃいで「ひゃっほっほーー、つかまえたる!」とまるで『北斗の拳』のモヒカンみたいな台詞を言って駆け巡ろうとしていましたが、夢子さんからやんわり「田中君!たまには静かに見て楽しみましょうよ」と止められ、しょんぼりしていました;。
 正直、初見時は夢子さんが大人&田中君が子ども過ぎるのを心配し、「うえやま先生は、この二人を結婚させたいのかもしれないけど、それは夢子さんが気の毒だな…」と子ども心に落ち込んだのを覚えています;(←後々、田中君は何だかんだでよき父親になっているので、杞憂だったと思います;)。
福岡県久山町は、有数のホタル出没地だそうで、荒岩主任もそこへ夕涼みに行ってました
 その後、荒岩主任は知り合いのいる軽食喫茶へみんなを連れて立ち寄り、夢子さんと共にこっそり厨房に入って、梅雨の季節にピッタリな夕食を作ります。
 それが、この“荒岩流ドライカレー”です!
 作り方は変わっていて、ミックスベジタブル・むきエビ・イカを塩とこしょうで味付けして炒めたフライパンに、茹でた後バターを入れて蒸して作ったスペシャルライス・カレーパウダー・ラムレーズンを投入してざっと混ぜたら出来上がりです。
 荒岩主任曰く、「ポイントはスペシャルライス!!米をパスタとみなして、炊くのではなく茹でるのだ。サラサラとふ~んわり仕上がってうまいぞ!」との事で、当時はもちろん今でもかなり画期的な調理法だと思います。
 何でも、茹でる事によってふんわりした口当たりになったスペシャルライスが、カレー粉のすっきりした辛さと抜群に合うのだそうで、初めて読んだ時は一体どんな味がするのかワクワクしたものです(^^*)。
 当然、この“荒岩流ドライカレー”は金丸産業のみんなにも大好評で、おかげでお昼頃は不機嫌だった専務も「いやあっ!スキッとしたなーっ、今夜は!大満足じゃ!」と上機嫌になっていました。
ある喫茶店の厨房を借りて、夢子さんと一緒にドライカレー作りに勤しんでいましたどう見ても、一切れどころではなく一塊でしたので、賭けてみました;
 お米を茹でるのは海外ではそう珍しくないことで、日本でも平安時代では普通に行っていた手法だと知って以来、俄然興味がわいてずっと再現したいと思ってました。
 ちょうどいいむきエビやイカが手に入ったことですし、早速レシピ通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、スペシャルライス作り。大きめの鍋にたっぷりの水と、三十分水に浸けといたお米を入れて火にかけ、沸騰させます。
 グラグラ沸騰して二~三分経過したら一旦お湯をきり、水を注いだら軽く水を切り(以上の工程はザルを併用するとやりやすいです)、バターを上に乗せて十分くらい弱火にかけて蒸らしたら、スペシャルライスは準備完了です。
 もし、スペシャルライスの水切りが失敗してべちょべちょになっても、大皿に広げてラップなしで電子レンジにかける→しゃもじで上と下をひっくり返しながらうちわで水分を飛ばすを繰り返せば、すぐにパラパラになります(←実は二回作ったんですが、一回目が見事に失敗で、この方法で何とか生まれ変わらせました;)。
 ※レシピにはバターの分量が「米の一割」と記されていた為、最初は炊く前のお米に対して一割になる分量を入れたらいいと思っていたんですが、水分を吸って膨らんだ時にバターを入れる事と、作中の絵がどう見ても一切れどころか一塊でドーンと入っていた事が引っかかってしょうがなかった為思い切って炊いた後のご飯の分量に対して一割になるようバターを入れちゃいました;。ちなみに、今回当管理人は二合(約700g)のお米に対して約70g前後のバターを投入しています。
荒岩流ドライカレー1
荒岩流ドライカレー2
荒岩流ドライカレー3
 次は、炒め作業。
 油を引いて中火に熱したフライパンへミックスベジタブル、背ワタをとったむきエビ、内臓を取って食べやすい大きさに切ったイカを加えて炒め、塩こしょうで味付けしてざっと炒めます。
荒岩流ドライカレー4
荒岩流ドライカレー5
荒岩流ドライカレー6
 全体が炒まってきたら、先程用意したスペシャルライスとカレーパウダーを入れて木べらでさっくり混ぜ合わせます(←火力はごく弱めにするか、もしくは完全に消すかして作業した方がいいです)。
 カレーパウダーがスペシャルライス全域に行き渡ったら、ラムレーズンをお好みで投入して軽く混ぜます。
荒岩流ドライカレー7
荒岩流ドライカレー8
荒岩流ドライカレー9
 ラムレーズンが混ざったらコンロからおろし、そのままお皿へふわっと盛り付ければ“荒岩流ドライカレー”の完成です!
荒岩流ドライカレー10
 鮮やかな黄色に染まったスペシャルライスに、にんじんの赤、グリーンピースの緑、エビのピンク、イカの白、ラムレーズンの黒が映え、実にキレイです。
 茹でて作ったとは信じられない程ふんわり仕上がったスペシャルライスが美味しそうです。
 炊いたご飯や蒸したご飯とどう違うのか、食べて確かめたいと思います!
荒岩流ドライカレー11
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
荒岩流ドライカレー12


 さて、味の感想ですが…梅雨のけだるさをスカッと吹き飛ばす乙な美味しさ!田中君の「ふぁくっ」という擬音に納得です!
ふぁくっという擬音そのままの口当たりで、びっくりしました
 茹でて泡をほぼ落とした関係か、炊いたお米のようなモチモチ感や強い粘りはないんですが、タイ米とジャポニカ米の中間くらいのサラフワした口当たりと、ふんわり柔らかくて優しい弾力のある噛み心地がとても癒される感じで、今まで食べた中で一番ふっくらソフトなご飯だと思いました(←炊いたご飯ともおこわともお粥とも違います)。
 仕上げにバターを絡めて蒸したおかげでどことなくミルキーなコクがご飯にじんわり染み込んでおり、そのせいかバターチキンカレーやココナッツミルク入りカレーに似た、エスニックっぽくてマイルドな深みのある旨さに仕上がっていました。
 グリーンピースやコーンのプチプチ弾ける瑞々しい果汁、エビのプリプリ感と塩気、イカのシコシコした歯触りと淡泊な味わいが、カレー粉のスパイシーでピリッとくるドライな辛さてぴったりで、すっきりした気分になります。
 意外な事に、ミスマッチかと思われたラムレーズンは華やかに立ち上ぼる洋酒の香り、熟成された大人の風味、一口噛むとパッと広がるもののすぐに後を引かず潔く消える甘さがドライカレーにメリハリを与え、同時に全体を引き締めるのに成功していて感心しました。


 食べる直前まで「バターの量はあれでよかったんだろうか…」と悩んでいましたが、実際に食べてみると十分美味でほっとしました。
 茹でたお米がこんなに美味しいとは思わなかったので、大満足です!


P.S.
 コキートさんからコメント欄にてお申し出された件ですが、ご希望通りして頂いて大丈夫です。お声がけありがとうございました。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.06.19 Wed 00:45  |  

漫画を見て気になってた料理です。すごく綺麗ですね!
美味しそう‥。

  • #-
  • 森之助
  • URL

2013.06.19 Wed 23:34  |  

先日HPへのリンク設置許可をお願いした者です。
許可を頂いて嬉しい限りです。

何かご連絡があればメールアドレスを載せておきますので
そちらにお願いします。

更新楽しみに待ってます!

2013.06.21 Fri 19:40  |  

おいしそう!私もマンガで見て以来気になってました。
ドライカレーは、自分で作るとどうしても「カレー味のチャーハン」になってしまうので、これはぜひ試してみたいです。茹でたお米…気になります!

ところで冒頭のお話ですが、そんなあんこさんに「あなたの街の生きてるか死んでるかわからない店探訪します」という本をオススメしたいです…^^;
逆グルメエッセイと言いましょうか、冒頭のお店のようにやってるかどうだかわからないお店に敢えて突撃するという…。
すごくおもしろいんですが、食事前と食事中には読まないほうがよろしいかと思いますw

  • #-
  • しろ
  • URL

2013.06.25 Tue 15:25  |  

この回知っています。
どらいかれーうまそー。
ばたーらいすがうまそーだった。

  • #-
  • でーぶ
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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