『たけだみりこの極楽ゴハン』の“グリーンコロッケ&ピンクバター”を再現!

 五月の季語に「更衣」という言葉がありますが、先人が実感していた通り、この時期になると服をしまったり出したりする機会が非常に多くなるため、感慨深くなります。
 ただ、去年とは違い今年は年齢に合わない服を処分する事もしばしばあり、「この服はまだセーフかな?」と考え込む時間がある分、例年よりも服の整理に時間がかかっています;。

 どうも、近頃服を選ぶ基準が「五年後に着ても引かれないかどうか」になってきている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『たけだみりこの極楽ゴハン』にてかまどの神様がある奥さんに教えた“グリーンコロッケ&ピンクバター”です!
グリーンコロッケ図ピンクバター図
 今回ご紹介するのは、夫一人妻一人息子一人の、ごく普通の一家のお話。
 五月に入って新緑が芽吹き、花が次々と開いていくのにウキウキした奥さんは、休日で家にいるご主人や息子・マサヒコさんに「ちょっと外に出てきたらぁ、いい天気よ~」と呼びかけるのですが、二人揃って拒否されてしまいます。
 というのも、ご主人は期待していた課長昇進を逃して意気消沈、マサヒコさんは大学受験に失敗し浪人生活に突入してものすごく落ち込み、季節を愛でるどころではなかった為。
 しかし、奥さんは二人の失敗を全くと言っていい程気にしてない様子で、「もう、二人とも暗いわねぇ。課長昇進や大学受験に失敗したからって何よー」とおおらかに構えていました;。
 大抵、こういう場合は本人以上に自分が沈んで余計暗い空気になるタイプと、すぐに気持ちを切り替えて「次、次!」と明るく元気付けようとするタイプの二種類に分かれると思うのですが、どうやら奥さんは後者の典型的な例だったらしく、読んでいてほっとしたのを覚えています。
 とはいえ、当の二人がのってこないのでは何ともしようがないので奥さんはため息をつき、「もったいないわあ、こんないい季節をあたし一人で楽しんでるなんて。この清々しい緑に触れれば二人ともきっと元気になると思うんだけど」と考え込んでしまいます。
今回の相談者は、昇進に失敗した夫と大学受験に落ちた息子を持つ奥さん
 すると、そんな奥さんの悩みを察知してかまどの神様が空から鍋に乗ってやって来(←当管理人なら悲鳴を上げてパニックになる所ですが、奥さんは知り合いだったみたいで普通に応対してました;)、「わしにいい考えがあるぞよ」「この清々しい緑そのものを食べさせるのじゃよ、どうじゃ」とアドバイスします。
 こうして、かまどの神様が奥さんに緑や花の息吹を感じさせる料理としてレシピを教えたのが、“グリーンコロッケ&ピンクバター”です!
 作り方は両方ともお手軽で、“グリーンコロッケ”はフードプロセッサーで粉々にしたグリーンピース・ニラ・パセリ・玉ネギ・にんにくへ卵・カレー粉・塩・こしょう・重曹を混ぜて丸め、白ごまをまぶして揚げるだけ、“ピンクバター”は刻んだむきエビ・塩・こしょう・ジンジャーパウダー・ナツメグを混ぜて弱火でバターと一緒に炒め、冷蔵庫で冷やし固めるだけで出来上がりです。
 かまどの神様が言うには、「茶色の表面と中の鮮やかな緑のコントラストが印象的な、生の豆が出回る初夏のお楽しみコロッケじゃ」「パンに乗せるだけで立派な食事になってしまう、ほんのりピンクの乙なバター」との事で、前者はケチャップとタバスコを混ぜたソース、後者はタバスコをそのままつけて食べても美味しいと書かれていました。
 見た目の色鮮やかさだけではなく、食材で季節感まで感じさせる所に、初見時はかなり感心したのを覚えています。
かまどの神様は、新緑を連想させるものを食べさせたらどうかとアドバイス!
 その後、奥さんはお昼になって起きてきたご主人とマサヒコさんに“グリーンコロッケ&ピンクバター”を出して様子を見るんですが、“グリーンコロッケ”を割ったご主人は「おわっ、中が緑だ!…なんて鮮やかな緑なんだ」と感嘆、“ピンクバター”を見たマサヒコさんは「うわっ、こっちのバターはピンクだぜ!」と驚きます。
 おかげで気分が和んだ二人は、新緑の季節になった事をしみじみと実感し、最終的には「我々も、いつまでもクヨクヨしてちゃいかんなあマサヒコ」「うん、何かオレこの昼飯見てたら元気が出てきたよ」と笑い合うにまで回復しており、奥さんも涙ぐみながら「よかった、よかった」と喜んでいました。
 …と、ここまでだったら「いい話だなー( ;∀;) 」で終わるんですが、物語はさらに一年後、すっかり緊張感がなくなった二人が「今年もダメだったが、焦ってもしょうがないよな、昇進なんて」「うん、何かオレもこの昼飯見てたら大学なんてどうでもよくなってきたよ」と話すシーンまで挿入されており、ずっこけました;。
 なお、かまどの神様はこの時「ワシャ知らん」と無責任な事を言いながら空を飛び回っており、改めて「神様って勝手だな~;」と感じたエピソードでした。
色鮮やかなピンクや緑色に触れ、「もう新緑の季節か…」と明るくなりますが…今度はかえって気がゆるみすぎてしまい、すっかり腑抜けた状態になっていました;
 さやに入った生のグリーンピースが格安で売られているのを発見し、再現する事を決意しました。
 グリーンピースをコロッケ風にするとどういう感じになるのか、早速作って確かめてみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“グリーンコロッケ”作り。グリーンピース(ない場合は、ソラマメでもOKだそうです)をさやから一つずつ取り出してフードプロセッサーに入れ、細かくなるまでスイッチを入れます。
 細かく砕けだら、ボウルへ移しておきます。
 ※荒すぎても細かすぎても食感が台無しになるので、何度か覗きながらかけた方がいいです。
グリーンコロッケピンクバター‏1
グリーンコロッケピンクバター‏2
 続けて、フードプロセッサーへ大雑把に切ったニラ、玉ネギ、パセリ、にんにくを入れて再度スイッチを入れ、細かくなったら十分に水分を絞ってグリーンピースの入っているボウルへ加えます。
 見た目によらず、結構水気だらけでちょっと絞っただけで緑色の液体がボタボタこぼれますので、ぎゅ~っと思いっきり力を込める事をお勧めします;。
グリーンコロッケピンクバター‏3
グリーンコロッケピンクバター‏4
グリーンコロッケピンクバター‏5
 このボウルへ、溶き卵、カレー粉、塩、こしょう、重曹を投入してざっくり混ぜ合わせ、直径三センチくらいの円盤状に丸めて両面に白ごまをまぶします(空気を抜かないと破裂しますので、要注意です)。
 このタネを中温に熱した油で揚げ、両面が茶色になってぷ~っと膨らんだ所でキッチンペーパーに取り上げたら、準備完了です!
グリーンコロッケピンクバター‏6
グリーンコロッケピンクバター‏8
グリーンコロッケピンクバター‏9
 次は、“ピンクバター”作り。
 生のむきエビから背ワタを取り除いて包丁で細かく切り刻み、ボウルに入れて塩、こしょう、ジンジャーパウダー、ナツメグパウダーをふりかけ、木べらでよく練り合わせます。
グリーンコロッケピンクバター‏10
グリーンコロッケピンクバター‏11
グリーンコロッケピンクバター‏12
 このむきエビミンチを、バターを極々弱火で溶かしておいたフライパンへ加え、そのまま混ぜ合わせながら弱火でじっくりゆっくり炒めます。
 やがて、むきエビに火が通ってきたら小さなココット型へそれぞれ注ぎ、冷めたら冷蔵庫に入れて自然に冷やし固めます(たけだみりこ先生曰く、ラップをして冷蔵保存したら約四~五日は保存できるそうです)。
 これで、“ピンクバター”も用意万端です。
グリーンコロッケピンクバター‏13
グリーンコロッケピンクバター‏14
グリーンコロッケピンクバター‏15
 紙を敷いたお皿へコロッケを盛り付け、固まったバターを薄切りしたフランスパンに塗ってお皿に並べれば“グリーンコロッケ&ピンクバター”の完成です!
グリーンコロッケピンクバター‏16
 “ピンクバター”は想像していたよりもピンクっぽさがそこまでなくて落ち込みましたが“グリーンコロッケ”は絵に描かれていた通りの美しい緑色で、ほっとしました。
 両方ともだいぶ前から「本当はどんな味がするんだろう…」とワクワクしていた一品なので、実際に食べるのがすごく楽しみです。


 それでは、いざ実食!
 一品目は、“グリーンコロッケ”。
 いただきますっ!
グリーンコロッケピンクバター‏17
 さて、味はと言いますと…初夏らしい一品で旨し!ご飯よりパンやビールに合うお味です!
グリーンコロッケピンクバター‏18
 油で揚げる事によってザクザクプチプチッと小気味良い食感になったゴマと、豆が持つ油分によってねっとりホクホクした舌触りに仕上がったグリーンピースが、ぴったり合っています。
 パセリが苦手なので当初は躊躇していたんですが、ペーストになっている為あのモサモサ感がきれいに消えていますし、ニラやにんにくのガツンとくる強い香りのおかげで独特の匂いが抑えられているので、全く気になりませんでした。
 カレーのスパイシーな風味とストレートな辛さが個性的な食材を一つにまとめあげており、後を引かせる出来栄えになっています。
 揚げ物にしては意外な事に、熱々の時よりも冷めた時の方が豆本来の素朴な甘味がさらに活きて美味しく感じた為、お弁当向きかもしれません。
 ほっくりした口当たりはどことなく本物のコロッケに似てなくもないですが、それよりはしっとりしててさっぱり食べやすいのが印象的でした。


 二品目は、“ピンクバター”をぬったフランスパン!
 いっただっきま~す。
グリーンコロッケピンクバター‏19
 さて、味はと言いますと…見た目通り優しい味わいで美味し!エビのプリンとした食感とフランスパンが抜群の相性です!
グリーンコロッケピンクバター‏20
 むきエビを使ったせいか、ブラックタイガー系のブルブルしてしっかりした弾力はなく、どちらかと言うと甘エビみたいな透明感のあるプリプリ感が特徴的で、シンプル塩味なのがエビの甘味を効果的に引き出しています。
 火を通していく過程でエビからにじみ出た旨味エキスがバターへまんべんなく溶けこんでなじんでおり、そのおかげでただのバターよりも数倍濃厚さとコクが増していました(一回溶かして固めた為少しざらついた舌触りになっていますが、舌の上でサッととろける口溶けは変わっていないのでそこまで気になりません)。
 ジンジャーパウダーのすっきり清々しい香りと、ナツメグの甘やかで刺激的な風味がわずかに漂う為、味に奥行きが生まれているのがよかったです。
 フランスパンのパリパリッと程よく砕ける硬い耳と、エビの柔らかい身の取り合わせが絶妙な一品でした。


 両方ともフランスパンとすごく合っていて、食が進むことこの上なしでした(^^)。
 “グリーンコロッケ”はビールに、“ピンクバター”は白ワインに合うので、朝食にはもちろん、おつまみとしても優秀な料理です。

●出典)『たけだみりこの極楽ゴハン』 たけだみりこ/竹書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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