『華中華』の“カッパチャーハン”を再現!

 先日、ふと「世の中にはいろんなカレーがあれど、さすがにきゅうりカレーは存在しないはずだ」と思った管理人は試しにネットで検索してみたんですが、何と実在していたので驚きました;。
何でも幻のきゅうりを使用したカレーだそうで、妙に気になっています;。

 どうも、祭りの屋台で売られるようになった棒つききゅうりを漬け物だと思い込んで噛みつくと、ただの生きゅうりで切なくなった事がある管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが梅雨の季節におじいさんから教わりながら作った“カッパチャーハン”です!
カッパチャーハン図
 前回、自店ではなく上海亭がTVで紹介されたり、パクりで妨害してもプチセレブによって常に賑わう満点大飯店を目の当たりにした銀河楼飯店の有田店長は、「うちはカリスマ性がないから、プチセレブを狙ってもダメだ!量と安さがすべての客や、話題性に群がるお上りさん、修学旅行生が狙い目だ」と客層のターゲットを変更し、自店のメニューを一新する事を決めます(←個人的に、お客さんがこないのはターゲットがどうとかいう事よりも、「客は安けりゃ喜ぶ!」と十把一絡げにして舐めた戦略をとるのが一番の敗因のように思いますが…;)。
 とはいっても、“牛肉包みチャーハン”“三種の菜肉包みチャーハン”“新茶チャーハン”をパクったメニューはそのまま出し続け、ランチのみ変更する事にします。
 その新しいランチメニューとは、食品メーカーが作る百種類の冷凍食品やレトルトを使用した2000円の中華食べ放題コース! 
 有田店長曰く、「工場で大量生産したものだから驚くほど安いし、味もそこら辺の物よりも旨い!」「これらの料理は、近頃の安いレストランや料理店、低価格が売りの旅館でさえ使っている。盛り付けも、カタログを見れば考えずに済む!」だそうですが、銀河楼飯店はそれまで一応は手作りの本格中華を売りにしていただけに、料理人達は「それじゃ、俺らの料理の腕は関係ないってことか?」と明らかに不満を抱いた様子でした。
 正直、食品メーカーのレトルトは消費者が想像しているよりも飲食店に広く浸透していますし、味的にも価格的にも利点はあるので決して悪い事ばかりではないのですが、やはり画一的な味なのでそればかりにするとその店ならではの個性が出にくい上に飽きがきやすいですし、何よりランチメニュー全てをレトルトでまかなうのは怠慢にも程があると思いますので、こんな作戦を実行したら先細りするのは必至だと、読んでいてため息が出てきたのを覚えていますorz。
 食べ放題メニューに使うのは、工場で大量生産されたレトルト中華になる事が決定
 他にも、有田店長は倫理的にとんでもない提案をしたので(この件については、次回で詳しく解説します;)従業員達は仰天し、案の定「…俺辞めようかな。料理人の仕事じゃねえよ」「私も辞めたい…」という空気が蔓延しかけるのですが、それを察知した有田店長はすかさず「牛肉包みチャーハンが大ヒットしたから、夏に特別ボーナスを出すからな!」「今回の食べ放題が成功したら、給料も上げてやる!」と言った為、喜んだ従業員達は、すぐに退職フラグをへし折っていました;。
 不況が続くこの世の中、「先の幸せより目先の現金」を選んでしまうのはわが身にも通じる物があって共感するので、思わず飛びついてしまう銀河楼飯店の従業員達を責める気になれず、かなり切なくなりました(´・ω・`)。

 一方、ハナちゃんは“フライドオニオン・チャーハン”がTV放映されたことがきっかけでお客さんが一時的に増え、忙しい日々を送るのですが、そんな中おじいさんにあるお願いをします。
 それは、本場中国ではよく炒め物に使われるきゅうりの炒め方を教えてほしい、という物。
 何でも、ハナちゃんは一度も中華できゅうりを使った事がないのをずっと気にしていたようで、これをいい機会に是非本場流のレシピを学びたいと考えたらしく、おじいさんに頭を下げていました。
 当管理人はハナちゃんがチャーハンばかり作っているのを見続けてきていたので、失礼ながら「チャーハン以外の中華料理を極めるつもりはないのかな?」とずっと考えていたのですが、このお話を見てそうではない事をはっきり感じ取り、申し訳ない気持ちになりました;。
あまりの事に従業員達は辞めようとしますが、ボーナスや給料UPにつられてすぐに撤回…本場中華のきゅうりの炒め物の作り方を教えてほしいとお願いするハナちゃんと、戸惑うおじいさん
 こうして、ハナちゃんがおじいさんから色々教わりながら作った合作料理が、この“カッパチャーハン”です!
 作り方は一見お手軽で、イボや種を取って刻んだきゅうりをしょうがで香りを付けたごま油・お酢・醤油・ホタテパウダーと一緒に炒め煮にし、それを基本チャーハンに加えて混ぜたら出来上がりです。
 おじいさんが言うには、「下手に炒めるとフニャフニャになる」「煮たてが弱いと、食感が中途半端で味が染みない」との事で、見た目によらずそこそこ難しい料理だそうで、読んだ当初は「意外と奥が深い…」と感心しました。
 また、きゅうりにはとにかく栄養がないといじられがちですが、実はむくみ解消に効果があるイソクエルシトリン・タンパク質分解酵素のプロテアーゼ・抗ガン効果のあるククルビタシンといった栄養素が含まれているのが分かっており、体にも嬉しいチャーハンといえそうです。
 ジメジメした梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばす爽やかな味だそうで、おじいさんが「こんな雨の日と、きゅうりが好きな妖怪といえば…?」と洒落っ気をきかせて“カッパチャーハン”と名付けたのもあり、上海亭は一層繁盛していました(^^*)。
 
 しかし、その傍を銀河楼飯店の料理人達が「…俺たちも、他店からパクった料理や工場製品の温め直しじゃなくて、こういう創作料理を作ってみたいよなあ」「あの有田が店長じゃ、無理だよ」「かと言って、今時ボーナスが出る店なんて滅多にないし、辞めるに辞められないよ…」「我慢するしかないな…」とため息交じりに呟きながら通り過ぎていくのを見た楊貴妃さんは、「アタシが大好きな横浜中華街の為にも…何とかしなくちゃだめだわ!」と、久々に他者への干渉を試みる事を決意します(←それまではハナちゃんになるべく干渉せず見守って欲しいと、ハナちゃんの大叔父・竹三郎さんからお願いされていた為、すっかりご無沙汰でした;)。
 果たして、楊貴妃さんによって事態はどう動くのか…次回、また紹介しようと思います。
ハナちゃんのチャーハンと、それを作れる環境をうらやむ銀河楼飯店の料理人達
 きゅうりを薄くスライスした後スープで煮て食べた事はあったんですが、それなりの大きさに切って炒め煮したことはなかった為、どういう味になるのかずっと気になっていました。
 作中に詳細なレシピがある事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、きゅうりの下ごしらえ。きゅうりのヘタと尻尾の部分を少し切り、イボを包丁で丁寧に取り除いたら縦四等分に切ります。
 種をそぎ落としたら、斜め約一センチ幅になるよう切っておきます。
 ※きゅうりは大きくなりすぎた物や古くなった物ではなく、若い中型サイズを使用される事をおすすめします。
カッパチャーハン1
カッパチャーハン2
カッパチャーハン3
 次は、きゅうりの炒め物作り。
 弱火~中火に熱したフライパンへしょうがの薄切りとごま油を入れてじっくり火を通し、ごま油にいい香りがついてきたらしょうがを取り出して、先程のきゅうりを投入して強火でさっと炒めます。
 炒めたらすぐに火力を弱火にし、そこへお酢と醤油を加えたら一煮立ち、さらにホタテパウダーを投入してもう一煮立ちさせます(←短時間過ぎても中途半端な食感、かと言って火を通し過ぎてもフニャフニャな口当たりになってしまいますので、注意深く観察しながら炒めるのがポイントです)。
 最後に味見して、中に味が染みつつも食感が活きていたら、きゅうりの炒め物は準備OKです!
カッパチャーハン4
カッパチャーハン5
カッパチャーハン6
 ここまできたら、後は仕上げのチャーハン作り。
 フライパン(又は中華鍋)でハナちゃん流基本チャーハンを作り、最後に用意したきゅうりの炒め物を炒め汁ごと加えて、手早く混ぜ合わせます。
 この時、余熱できゅうりに火が通りすぎてしまうと台無しになりますので、出来るだけスピーディーに作業した方がいいです。
カッパチャーハン7
カッパチャーハン8
 チャーハンにきゅうりの炒め物が混ざったらすぐに火からおろし、丸く形作ってお皿へ盛り付ければ“カッパチャーハン”の完成です!
カッパチャーハン9
 ほんのり醤油色に染まっているせいか、想像していたよりもチャーハンにしっくりなじんでいる感じで、見た目はおいしそうです。
 パッと見だと、きゅうりというよりはまるで漬け物のキューちゃんみたいで、少し苦笑しました;。
 和風味に炒めたきゅうりは初めて食べるので、一体どんな味に仕上がっているのか、とても楽しみです。
カッパチャーハン10
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
カッパチャーハン11


 さて、味はと言いますと…きゅうりとチャーハンがばっちり合ってて美味し!ジメジメと蒸し暑い梅雨の時期にぴったりな一品です。
 結構お酢を入れたというのに、舌を突き刺すような酸っぱさは皆無で非常に食べやすく、それどころか程よくキュ~ッとくる爽やかな甘酸っぱさが病み付きになります。
 古漬けにしたきゅうりに似た「バリバリ」「ボリボリ」「ジャキジャキ」と歯に心地よく響く食感が後を引かせる感じで、味的には面白い事に、しっかり糠漬けにしたきゅうりの奥深い美味しさとそっくりなイメージでした←なので、野菜チャーハンというよりは漬物チャーハンと言った方がよりしっくりきます )。
 火を通して煮詰め、ホタテパウダーのコクや醤油の塩気が加わった事によって優しい酸味に生まれ変わったお酢がきゅうりと抜群の相性で、チャーハンにしてはびっくりするくらいさっぱりした後口が特徴的でした。
 水分が抜けた分、生の時よりも実が引き締まって旨味が凝縮されており、またスライスして煮たピラピラのきゅうりとも違って存在感のある味わいになっているのが何とも頼もしい感じで、当初の「きゅうりに火を通す、かあ…」という半ば躊躇した気持ちは見事に吹っ飛びました。
 基本チャーハンの方にも炒め汁がほのかに染みている為、噛み締めると少しずつ品のいい酸味が口の中へ広がっていくのが乙な印象で、大満足です。


 最初は半信半疑でしたが、食べてみるとちゃんとした美味しさでホッとしました;。
 この炒め物はチャーハンに入れるだけではなく、生トマトにかけてサラダ感覚で食べたり、冷やし中華の具のひとつにしたり、蒸し鶏の上に乗せたりしても合いますので、めでたく我が家の定番メニューに決定しました!


P.S.
 ひすい様、先日は当ブログにコメントをして下さり、ありがとうございました。
 分量についてのご質問ですが、残念ながら材料の分量や正確なレシピを当ブログにてお教えする事は、前々からご遠慮願っております。
 再現を始めた当初より、当ブログは「分量を一切掲載しない 」「作り方は大方本通りの物を書くが、100%詳細なレシピは書かない(足りない部分は、実際に自分が作った時に感じた感想を記録として足す事で補う)」と、誠に身勝手ながらも意思を表明しております。
 そもそも、大体の作り方や画像を許可なく載せている当管理人にこのような事を偉そうに書く資格は一切ございませんが、それでも分量や詳しい部分は自らの線引きで微妙にぼかし、完全無欠なレシピは単行本をご購入なさる方のみの物にしたいと考えております。
 そして、原作者の方から削除の希望を出された時は、速やかに全削除する予定です。

 ご不快になっても仕方がないご返答をし、誠に申し訳ございません。
 恐れ入りますが、何卒ご了承して頂けますと幸いです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.07.26 Fri 00:57  |  

あんこさん、はじめまして。
以前からこちらのブログを拝見しておりました。
初めてコメントさせて頂きます(少々ドキドキしています(*_*))

あんこさんのこちらのブログに対する姿勢を、とても素晴らしいと感じていました。
今回の最後の文章も一貫したあんこさんの意気込みが示されていて、言葉はおかしいのですが、うれしくなりました。

もちろん内容も素晴らしいです!!!
味について感じられたことを、いつも細やかな表現で書いて下さっているところから、
全ての作家さんたちへ敬意を忘れないあんこさんの誠実さを感じています。

これからも拝読し続けますね!
おいしそうで(時にはゲテモノもありますが(笑))、清々しい気持ちになるお料理、楽しみにしています!!!

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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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