『食べる門には福来る』の“なめたけ炒飯かつお酒盗風味”を再現!

 先日、我が家で長年根付いていた山椒の木が枯れてしまいました。
 幼い頃に引っ越して以来ずっとそばにあった木で、普段の食にも再現料理にも役立ってくれていた木だったので、思ったよりもショックが大きいです。
 その為、もう一度植えるべきかどうか、ただ今思案中です。

 どうも、ローリエの木が無事だったのが唯一の救いな管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『食べる門には福来る』にてあるものぐさな女性が幽霊から教わって食べていた“なめたけ炒飯かつお酒盗風味”です!
なめたけ炒飯かつお酒盗風味図
 『食べる門には福来る』とは、『酒のほそ道』『風流つまみ道場』などの日常系食漫画を代表作に持つラズウェル細木先生が、ちょっと変わったお手軽レシピをそれぞれ主人公が異なるショートショート形式の短編漫画でご紹介していくという、アレンジ系料理漫画です。
 元々、ラズウェル細木先生が描く料理は身近な材料でパパッと作れるのに凝って見えるお助けレシピが多く、それはこの『食べる門には福来る』に出てくる大部分の料理にも当てはまるのですが、どういう訳か『セイシュンの食卓』初期に似たなかなかにカオスな料理も時々登場する為、ネタとしても十分面白い作品になっています;。
 例えば、簡単を通り越してもはやズボラ料理に近いご飯や(例:さきいか等を足したカップ焼きそば・コンビニおにぎりをチャーハンにして海苔で巻いた巻き物・ご飯にインスタント味噌汁と目玉焼きをぶっかけただけの丼etc...)、あまりにも斬新過ぎて見る人によってはゲテモノに見えかねないオリジナル料理(例:タクアンを使ったパフェ・野菜の珈琲クリーム煮・揚げナスぜんざいetc...)など、他の著作には見られないようなかなり実験的なレシピが混じっていますので、これまでとは一味違ったラズウェル細木先生ワールドを楽しめます。
 はっきり言って、ア○ゾンのレビューで「投げやり感がある」とおっしゃった方がいるくらい(←すみません、ちょっぴり共感しました;)玉石混淆の観がある作品ですが、それでも各話たった四ページたらずだというのに起承転結、レシピ、オチの三つをきっちり載せつつまとめあげている腕前は見事と言う他ありませんので、少しでもご興味をお持ちの方にはぜひおすすめしたいです。
食べる門には福きたる
 今回、その中からご紹介するのは、夜中に瓶の中へ閉じ込められて体中が溶ける(?!)というヘビーな夢を見て飛び起きた、ある若い女性のエピソード。
 当然、女性はそのまま眠っていられず飛び起き、何か冷たい物を飲んでからまた眠ろうとして冷蔵庫を開けるのですが、中から出てきたのは何とおかっぱ頭の小さな女の子←かの有名なトイレの○子さんにそっくりな風貌で、こんな子がいきなり真夜中に出てきたら即失神する自信があります;)!
 彼女の名前は「キッチンの冷子さん」で、どうやら人間ではなくお化けの模様。
 なんでも、女性が見た夢は冷蔵庫の奥で人知れず賞味期限が迫りつつある瓶詰たちの怨念が見せた夢との事で、そのただならぬ気配を感じた冷子さんは女性と瓶詰達を助けるべく、瓶詰をきれいに使い切れるレシピを教えにやって来たと語っていました。
 …正直、このお話を初めて読んだ時、「そういえばうちにも、そんな瓶詰があるような…」と冷や汗が出てきたものですorz(←当ブログを読まれている方の中にも、お心当たりのある方はいらっしゃいませんでしょうか…?)。
 ズボラな当管理人は、半分くらい消費した瓶詰は何故か手が伸びなくなり、はっと気が付いた時にはとっくに賞味期限が切れて腐っていたという事例が多数あったので、猛省したのを覚えています;。

 この時、冷子さんが女性に教えてくれた瓶詰レシピの内の一つが、この“なめたけ炒飯かつお酒盗風味”!
 作り方はとってもお手軽で、油を引いて熱したフライパンで溶き卵・ご飯・なめたけ・酒盗・醤油を炒めるだけであっという間に出来上がります。
 なめたけはともかく、酒盗は使い道に困る瓶詰ベスト3に入る厄介な瓶詰(←注:当管理人にとっては;)なので、このレシピを知った時は大いに興味がわいたのを覚えています。
冷蔵庫の冷子さんと、ある普通の女性が夜中の台所で出会います
 その後、女性は冷子さんのアドバイスに従って作った様々な瓶詰料理をおいしく平らげ、何とか冷蔵庫の中をほぼ片付ける事に成功するのですが、最後の最後で思わぬ瓶詰の霊に襲われてしまいます。
 それは、昔「ふたが開かなくなっちゃった」という理由で奥に押し込み、そのままカビを生やさせてしまった自家製ジャム!
 どうやら、他の瓶詰仲間たちは全部食べられて浮かばれたのに、自分だけ腐っている為消費されず成仏できないのに耐えかねて襲い掛かったようですが、間一髪で冷子さんによって止められていました(自家製ジャムには、ちょっと気の毒ですが…)。
 幸い、これは冷子さんが持ち帰って供養するとの事で一件落着していましたが、読了後はどことなく落ち着かない気持ちになり、つい冷蔵庫の中を整理してしまいました;。
 おかげで、生き残っていたいくつかの瓶詰は慌てて消費する事が出来ましたので、この漫画と冷子さんには感謝しています(^^;)。
最後に襲われたのは、ふたが開かなくなって放置していた手作りジャムの瓶でした;
 ちょうど酒盗となめたけを使い切りたかったので、再現を決意しました。
 なめたけでチャーハンを作るのは初めてなのでどういう出来になるか気になりますが、早速作中のレシピ通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、チャーハン作り。フライパン(又は中華鍋)へ油を引いて強火で熱し、十分に表面が熱されてきたら溶き卵とご飯を続けざまに入れてざっとあおって混ぜます。
 やがてご飯全体に溶き卵がコーティングされてパラパラになってきたら、なめたけを加えてさらに炒め合わせます。
なめたけ炒飯かつお酒盗風味1
なめたけ炒飯かつお酒盗風味2
 なめたけがチャーハン全域に行き渡ったら、かつおの酒盗と醤油を溶きあわせた液を鍋肌に沿って投入し、よく混ぜ合わせます。
 ※この時酒盗の量を誤ってしまいますと、味のバランスが悪すぎるやら、しょっぱいやら、臭いやらで散々な出来になってしまいますので、「これだと微妙~に少ないかな?」くらいの量で大丈夫です。
なめたけ炒飯かつお酒盗風味3
なめたけ炒飯かつお酒盗風味4
 酒盗がチャーハンに混ざり切ったら火を消し、最後にレンゲと一緒に机へ運べば“なめたけ炒飯かつお酒盗風味”の完成です!
なめたけ炒飯かつお酒盗風味5
 野菜も何も入っていないので、かなり茶色く色味に乏しいチャーハンですが、日本酒の香りを濃くしたようなにおいが漂うため、ただのチャーハンではないとすぐに分かります。
 その為、日本酒が苦手な方は抵抗感を感じそうな出来栄えになっています;。
 一体、酒盗となめたけが合わさるとどんな味になるのか…食べて確認しようと思います!
なめたけ炒飯かつお酒盗風味6
 それでは、出来立ての内にいざ実食!
 いただきま~す!
なめたけ炒飯かつお酒盗風味7


 さて、味はと言いますと…即席で作ったとは思えない程、奥行きのある味わい!主食としてだけでなく、おつまみ代わりにもなりそうな一品です。
 なめたけのほんのり甘辛い味付けと、酒盗の荒々しいまでに強烈な個性を持つ独特の塩気や香り高い日本酒の風味が、意外にもチャーハンにぴったりマッチしています。
 火を通す事によって、臭みや癖がそのままそっくり旨味に変化しているのが食べやすく、チーズに似た後を引くこってり塩味が病み付きになりました。
 なめたけのプリプリした食感とツルンとした舌触りが、いいアクセントになっています。
 時間をかけて熟成されたかつおの濃厚なコクを、卵や油をまとってしっかりした食べ味になったチャーハンががっちり受け止めて調和している為、安定感のある美味しさだと感じました。
 酒盗入り醤油のせいか、チャーハンというよりは炊き込みご飯と例えたくなるようなガツンとくる「和」の味付けが特徴的です。
 ただ、炒り卵のおかげでそこそこまろやかになっているとはいえ、酒盗の存在感が強すぎて正直好みが別れやすい味になっていると思いましたので、あくまで隠し味程度にして主役にはしないか、もしくはネギやカマボコなどの具をいれるなりして味を和らげた方が良さげです;。


 思っていたよりもスルッと食べられたので、ほっとしました;。
 くさや系の味が苦手な方にはおすすめしかねますが、癖のある料理が好きな方には是非食べて頂きたいチャーハンです。

●出典)『食べる門には福来る』 ラズウェル細木/ぶんか社
 →調べた所、同じ出版社様から出た『食蔵(たべぞう)』という単行本と内容がほぼ同じだそうですので、ご購入の際はご注意を!
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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