『華中華』の“マグロチャーハン”を再現!
- Tue
- 18:00
- 再現料理
それは、「大トロの味噌漬け焼き」!
あるお寿司屋さんのレシピ集(写真付)で拝見したのですが、味噌によって適度な塩気がついて味が凝縮し、なおかつ両面をさっと炙る事によって牛トロみたいな美味さになると紹介欄に書かれており、これに大根おろしと乗せてご飯と一緒にぱくりといくと、それはもう至福の味わいだと表現されていました(´Д`*)。
いつの日か、家族と一緒に食べてみたいです。
どうも、鉄火丼は二層構造でわさびが効いたものが好みな管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが義実家の台所で康彦さんと自分の為に作った昼食・“マグロチャーハン”です!

前回、銀河楼飯店の店長・有田さんの悪行の数々をご紹介いたしましたが、実を言いますと有田店長は他にもとんでもない命令を従業員達に下しており、全員を仰天させています。
その命令とは、何と残飯の再調理!!
有田店長曰く、お客さんの食べ残しを丁寧に選り分けて作り直す行為は「エコだ、勿体ないの精神だ!今の時代に最も大切な心構えだぞ」との事で、これにはさすがに怯んで腰が引ける料理人達に対しても、「地球に優しいエコだ!こういう時こそ、お前たちの腕の見せ所だぞ!」「うま味調味料でも何でもいいから食える味にして、この残飯を客に出せ!」とさらに追い打ちをかけており、正直読んでてドン引きしました(゜Д゜;)。
残飯事件で一躍有名になった某料亭ですら、手つかずの残飯のみ使用と一応の線引きをしていたというのに(←もちろん、だからと言って罪の重さは変わりませんが…)、有田店長は一旦箸をつけた料理でも一部分を取り除いてギリギリまで使うというような発言をしていて、悪質さは一段とグレードアップしているな~と心底呆れました。
これまでもパクリや誇大広告など散々迷惑行為をしてきた有田店長ですが、残飯の再利用は倫理的にも衛生的にも法律的にも問題がザクザクあり過ぎますので、この時ほど「楊貴妃さん、一丁よろしくお願いします」(←時代劇に出てくる「用心棒の先生、よろしくおねげぇしやす」の台詞風に)と願いながらページをめくったことはありません;

実を言いますと、楊貴妃さんは人間界への関与を制限するよう竹三郎さんからお願いされていたので、有田店長が色んな悪事をしていても最初の内は「我慢、我慢…」と耐えていたのですが、残飯再利用の陰謀を知るや否や「何がエコだよ…横浜中華街の為にも、こんな奴は許しちゃいけないね!」と堪忍袋の緒がブチ切れ、早速お仕置きしていました。
とは言っても、いつも冗談半分で言っているみたいに雷を落としたり、呪い殺したりとハードなお仕置きではなく、有田店長が「客に出す前に俺が試食するから、試作品を用意しろ!」と料理人に命じて作らせた再利用酢豚の皿へ生ゴミをちょちょいと混ぜ込むという、比較的大人しいお仕置き(←普通の人相手ならやり過ぎだと思っていましたが、有田店長なら「自業自得か…」と感じた当管理人は、冷たい人間なのかも知れません;)。
けれども、たったそれだけでも有田店長には効果抜群だった模様で、お腹を壊して食中毒の症状を訴えた有田店長は救急車で病院に搬送&銀河楼飯店は二か月の営業停止を言い渡され、再利用中華がお客さんに提供されるという最悪の事態は無事回避されていました。
この頃(八巻以降)になると、一巻~七巻にかけて何かとハナちゃんを手助けしていた楊貴妃さんはめっきり活躍の場が少なくなっていた為、楊貴妃さん好きの当管理人としては寂しかったんですが、このお話では久々に横浜中華街の平和の為に暴れ回っていたので、ちょっと嬉しかったのを覚えています。

一方、その頃のハナちゃんはといえば、満点大飯店が休日だった為三浦半島にある義実家へ帰宅し、何も知らずに康彦さんとの二人っきりの時間を楽しんでいました;。
本当ならお義父さんとお義母さんも一緒だったはずなのですが、二人して大根農家の親睦会に参加していたので不在で、そのせいか二人ともどことなくラブラブモード全開になっているのが微笑ましかったです(^^*)。
この時、ハナちゃんが義母・淑子さんから「お昼用に食べてね」と渡されていた三浦港のマグロを使って作ったのが、“マグロチャーハン”です!
作り方は結構お手軽で、日本酒・醤油・豆板醤・ゴマ油・マグロを混ぜた物を香味油でざっと炒め、基本チャーハンを仕上げる際に合わせたら出来上がりです。
当初は鉄火丼にして食べる予定だったらしく、家に冷ご飯しかないと分かった時も「三浦港のマグロですから、ちょっと惜しい気もするんですが…」と最後まで残念そうな顔をしていましたが、「いいんです、ぜひお願いします!」という康彦さんの希望に応えて作っていました。
それまでは、内心「ハナちゃんはどんな食材でも、すぐチャーハンにしたがる女の子」と認識していたんですが(←かなり失礼;)、このシーンを読んで初めて「いつでも何でもチャーハンにするって訳じゃなかったんだな~;」と反省しましたorz。

その後、ハナちゃんは駆けつけた楊貴妃さんから有田店長の悪行を聞いてびっくりしたり、周囲から銀河楼飯店にいる非正規雇用の従業員達は二か月の営業停止によってその間無給で放置されるという事実を知ったりして心を痛め(←この件に関しては、楊貴妃さんは「悪い事しちゃったな…」と良心が痛んでいました)、後日ある決意をします。
それは、マダム奈可子さんに「毎年恒例の海の家で募集される期間限定バイトに、銀河楼飯店の方々を雇っては貰えないでしょうか?」と直訴する事!
ハナちゃんが言うには、「中華街で生きる仲間として何か手助けをしたい」「素人のバイトさんよりも腕や経験は確か」だから放っておくのは忍びないとの事で、その話を聞いた奈可子さんは少し考え込んだ末にその提案を受け入れていました。
当管理人的にも、ハナちゃんの言う通り生活の為、有田店長の言う事を嫌々聞かざるを得ない銀河楼飯店の従業員達には同情していたので、ハナちゃん勇気を出してマダム奈可子さんにお願いしてくれた事にほっとしたエピソードでした(^^)。
次回は、この海の家編で出てきた夏向けチャーハンをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います!

マグロを加熱して食べた事は何度もあれど、チャーハンにして食べた事は一度もなかったので、再現する事を決意しました。
幸い、近所のお店で生の本マグロをお手ごろ価格で手に入れる事が出来ましたので、早速作ってみようと思います!
という事で、レッツ再現調理!
まずは、マグロの下準備。マグロの赤身のサクを一センチ角の賽の目切りにしてボウルに入れ、続けて日本酒、醤油、豆板醤を投入し、混ぜ合わせます。
全体に調味料の味が染みてきたらゴマ油を垂らし、マグロがしっかりコーティングされるまでよく混ぜます。
※巻末には冷凍マグロでも構わないと書かれていましたが、冷凍マグロだとどういう訳か加熱すると生マグロ以上に固くなりやすい気がしますので、出来れば生のマグロを使われる事を推奨いたします。



フライパンに油とスライスしたしょうがを入れてきつね色になるまで弱火でじっくり火を通し、やがて油にしょうがの香りが移ったらしょうがを取り出し、そこへ先程の下味付きマグロを加えてさっと炒めます(加熱し過ぎると旨味が抜けてしまいますので、八~九割くらいしか火を通さぬよう要注意!←後は余熱や、チャーハン投入時に勝手に火が通ってくれます)。
形を崩さないよう慎重に焼いたら火を止め、別皿に取り出しておきます。
これで、マグロは準備完了です!



次は、チャーハン作り。
あらかじめ作っておいたハナちゃん流基本チャーハンへ焼いたマグロを投入し、さっと炒め合わせます。
なお、マグロを加えたら後は一気に混ぜ作業を終わらせるのが最大のポイントです(←二~三回あおるくらいでOKです)!


チャーハン全体にマグロが行き渡ったらすぐに火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“マグロチャーハン”の完成です!

パッと見だけだとお肉に見えなくもないですが、ツナに似たマグロの香りが後から漂ってくる為、すぐに「そうだ、これはマグロだった」と実感させられます。
豆板醤の赤色と、青ネギの緑色があちこちに見えるので、そこまで色味は寂しくありませんでした。
ブツ切りにして豆板醤やごま油で味付けしたマグロは一体どんな味がするのか、ワクワクします。

それでは、いざ熱々の内に実食!
いただきまーすっ!

さて、味はと言いますと…見た目通り迫力満点で美味し!生とはまた違った味のマグロが素敵です!
生だとねっとりとろけるような舌触りで甘かったマグロが、加熱する事によってまるでお肉のようにしっかり歯応えとこってりしたコクに生まれ変わっており、それがパラパラチャーハンによく合っています(←マグロは熱を入れるとすぐガチガチに固くなりやすいので心配だったんですが、ゴマ油でコーティング&生マグロを使用したせいか、中はしっとり柔らかい食感のままで一安心しました)。
ゴマ油の香ばしい香りが効いた中華風ピリ辛醤油味の下味が、マグロの品があって力強いコクを邪魔しないギリギリのバランスで引き立てていてよかったです。
牛肉などに比べると油分やジューシー感はあまりありませんでしたが、噛めば噛む程濃密な旨味成分がジワジワ舌の上へ溢れ出すのがたまらない感じで、まるで極限まであっさり焼きあげたステーキのようだと思いました。
焼く前に気になっていたマグロの白いスジが、熱によって完全に溶けたおかげで純粋な赤身の部分のみ堪能できるようになった上、濃いめの味付けのヅケにする事によって独特の生臭みがほとんど消えていた為、かなり食べやすかったです。
材料がほぼ同じせいかツナと似た味でしたが、ツナよりもぐっと味わい深く、マグロの凝縮されたエキスが内に留められているのが最高でした。
マグロにピリ辛味を合わせて本当に合うのか少し不安でしたが、ちゃんと美味しく出来たのでほっとしました。
冷たいビールにもぴったりでしたので、夏にこそ食べたいチャーハンです。
●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
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