『まかない君』の“自家製プラムジャムのしょうが焼き”を再現!

 ヤンジャンで不定期掲載されているギャグ漫画・『パープル式部』が、個人的に大好きです。
 と言いますのも、『よんでますよ、アザゼルさん。』の初期以来、久々にお腹を抱えて大爆笑した作品だからで(大分前に読んだ、清リトル納言との仁義なきホワイトデー戦争の話は特によかったです)、今となっては「連載にならないのが一種のネタ」と化しつつあっても、連載&単行本を渇望しています。

 どうも、ヤンジャンのHPにある掲載作品一覧の中で唯一クリック出来ない『パープル式部』の扱いに切なくなっている管理人・あんこです。
 

 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君がお手製のプラムジャムを使って作った“自家製プラムジャムのしょうが焼き”です!
プラムジャムのしょうが焼き図
 自炊する男性が昔よりかなり増えた昨今、料理上手な男性の存在はそれほど珍しくなくなってきていますが、『まかない君』に出てくる浩平君は単にうまいのではなく、まるで雑誌に出てきそうなくらい小洒落れているのに生活感の漂う料理を作れるという非常に稀有な存在なので、憧れています←「料理=材料費をふんだんに使って贅沢に作る」の方々ほど費用がかかっていないのに、同じくらい垢抜けた一皿を生み出せるのが凄し。当管理人など、年々エンゲル係数が上昇しているというのに、レシピがなければ未だもさい出来にry)。
 そんな浩平君が、作中でちょこちょこ手作りしているのがジャムで、いちごジャムといったオーソドックスなものからグレープフルーツジャムみたいな変わり種まで幅広く拵えている上、カクテルベースや料理の下味として普段から活用してるのに舌を巻きました。
 『きのう何食べた?』のシロさんは、ジャムの乙女っぽいイメージに負けて「いや、いちごジャムみたいな簡単なヤツしか作らないよ?ママレードとか難しいのは作らないし!」と、毎年春にジャム作りをする別の一面をムキになって否定していましたが;、浩平君は過去に淡々と「料理に男も女もないと思うけど」と言っていただけあってジャム作りは正々堂々と公表しており、恥ずかしがるどころか「果物を砂糖と一緒にガッと煮れば、大概ジャムになるから」と言ってジャム作りに潜む意外な漢らしさを発表していた為、「確かに!」と感心しました。

 中でも、当管理人的に気になったのは、第六話に出てきたプラムジャム。
 浩平君が言うにはあんずジャムみたいな味になるお手軽ジャムだそうで、実は白いものの煮ると皮の色が煮出して綺麗なルビー色に変わると作中で語っていました(詳しいエピソードは、また次の機会にご紹介します)。
弥生ちゃんが女子会で持っていく分のジャムを、手作りしてあげる浩平君
 正直、浩平君がプラムジャムを作ったのは全くの偶然だったのですが(←スーパーで一番安かったからという単純な理由;)、これが思いの他弥生ちゃんや佳乃さんから「なにこれ、すごいおいしー!びっくりした!」「生のより好きかも」と大好評で、浩平君はどうせならこれを使って晩ご飯のおかずを作っちゃおうと考えます。
 こうして、浩平君が出来たばかりのお手製プラムジャムをソースに使用して手早く用意したおかずが、この“自家製プラムジャムのしょうが焼き”です!
 作り方は簡単で、両面に片栗粉をはたいた生姜焼き用豚肉をフライパンでカリッと焼き、途中プラムジャム・しょうが・醤油・酒・水を混ぜて作った調味液を回しかけてに煮絡めていき、最後に付け合わせと共にお皿へ盛り付けたら出来上がりです。
 浩平君曰く、「砂糖代わりにジャムを入れる」のが最大のポイントとの事で、甘酸っぱさが豚肉に合うと話していました(初見時は、「ロシア風にジャムソースをお肉へ直接かけるの?!」と弥生ちゃん同様、少しドキドキしたのを覚えています;)。
 佳乃さんが苦笑しながら言っていた通り、「ガッツリ系の生姜焼きに、メルヘン極まるお手製ジャムって漢なんだか乙女なんだか」と反応に困る一品です。(←フルーツとお好み焼きを合体させたトロピカルモダン並に戸惑いました;)。
ロシアみたいにジャムをそのまま乗っけるのではなく、砂糖代わりにタレへ加える作り方。佳乃さんの言う通り、メルヘンなお手製ジャムでがっつり系しょうが焼きなんて、乙女なのか漢なのか分かりません;
 その後、浩平君達はいつも通り四人で食卓を囲み“自家製プラムジャムのしょうが焼き”に舌鼓を打つのですが、個人的に「分かります!」と膝を打ちたい気持ちになったのは、弥生ちゃん達が生姜焼きを豪快に噛みきるシーン!
 生姜焼き用にスライスされた豚肉はどういう訳か肉も筋も脂身もやや固めな為、ちょっと力を入れないとなかなか切れてくれない事が多いのですが、それは弥生ちゃん達も同じだったようで、ある者は赤身部分を強めにバツンと噛み切ったり、ある者は歯でギリギリと脂身部分を引っ張りながら千切ろうとしていたのが妙にリアルで、思わずこちらの方まで本当に豚の生姜焼きをかぶりついているような気分になりました。
 あと、佳乃さんが付け合わせのレタスにかかっていたマヨネーズを生姜焼きにつけて頬張った時、「このタレと混ざったマヨネーズ…人を堕落させる魔性の味だねぇ」と顔がゆるみきったのが妙にそそられる感じで、照りマヨ系ソースが好きな身としてはおおいに共感したものです;(←佳乃さんの背後に、リンゴではなくマヨネーズをもって誘惑する西洋画風のヘビが描かれているのですが、高カロリーに対する背徳感を見事に表現してて実にいい感じです)。
このシーンを見た時、思わず「分かる!生姜焼き用の肉は大抵こんな感じ!」とかなり共感しました;甘辛ダレとマヨネーズが入り混ざった味を「人を堕落させる魔性の味」と見事に表現;
 プラムジャムを手作りするだけでなく、それでソースを作るという面倒臭さに一時は躊躇していましたが、ジャム風味の生姜焼きはどんな味がするのかずっと気になっていた為、再現を決意しました。
 運のいいことにプラムを入手できたことですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、自家製プラムジャム作り。表面をきれいに洗った後種を取りつつ皮ごとザク切りにしたプラム、大量の砂糖、レモン汁を大鍋に入れて全体をざっくり混ぜ、約三十分放置します。
 ※事前に、瓶とフタを煮沸消毒して自然乾燥させておくと、後々作業がスピーディーに進みます。
プラムジャムのしょうが焼き1
プラムジャムのしょうが焼き2
プラムジャムのしょうが焼き3
 プラムの表面に水分がにじみ出てきたら強火にかけて木べらで絶えず混ぜ、沸騰してきたら中火に火力を下げ、アクをこまめに取り除きつつコトコト煮込みます。
 やがて、皮の色が全体に溶けてきて果肉がとろけ、段々とろみがついてきたら自家製プラムジャムの出来上がりです(熱い内に消毒しておいた瓶の中へ注いで冷まし、フタをして冷蔵庫で保存します)。
 一見、いちごジャム風の鮮やかなルビー色でしたが、香りはそれよりも爽やかですっきりしたイメージで、やっぱり桃のジャムなんだな~と実感しました。
プラムジャムのしょうが焼き4
プラムジャムのしょうが焼き5
プラムジャムのしょうが焼き6
 次は、生姜焼き作り。
 ボウルに先程のプラムジャム、おろししょうが、醤油、日本酒、お水を入れてよ~くかき混ぜ、合わせ調味料を作っておきます。
 一方、生姜焼き用の豚肉は両面に片栗粉を薄くはたき、そのまま数分放っておいて表面にじんわりと粉をなじませます。
 ※豚肩ロースのスライスでも、豚ロース肉のちょっと厚めの切り身でも、ご自分のお好きな方をご使用されてOKです。ちなみに当管理人は、作中の絵を見る限り予想された前者のお肉を使用しました。
プラムジャムのしょうが焼き7
プラムジャムのしょうが焼き8
プラムジャムのしょうが焼き9
 油を引いて中火~強火の間に熱したフライパンに豚肉を並べて両面をこんがり焼き、いい焼き目がついたら一旦火を消して合わせ調味料を回しかけ、中火でじっくり煮絡めていきます。
プラムジャムのしょうが焼き10
プラムジャムのしょうが焼き11
プラムジャムのしょうが焼き12
 その間、別の油をひいて中火に熱したフライパンへ軸を取ってほぐしたしめじと、縦に薄切りして塩水に浸けてアク抜きした後水気を絞ったナスを投入して炒め、塩としょうがを漬けた焼酎(焼酎を入れた密閉瓶にしょうがを適当に切った物を付けると長持ちする上、漬けている焼酎にもいい風味がついて一石二鳥だと浩平君が紹介していました)をふりかけ、ざっと炒め合わせます。
 これで、付け合わせの野菜炒めは準備完了です。
プラムジャムのしょうが焼き13
プラムジャムのしょうが焼き14
プラムジャムのしょうが焼き15
 野菜炒めと水洗いしてから千切ったレタス(上にマヨネーズをひと絞り)を飾っておいたお皿へ、焼きたての生姜焼きを並べてソースをかければ“自家製プラムジャムのしょうが焼き”の完成です!
 ※仕上げに、傍らへ炊き立てご飯や豆腐とえのきの味噌汁を添えると尚良しです。
プラムジャムのしょうが焼き16
 ナスときのこの組み合わせが秋っぽさを漂わせ、プラムの甘やかな風味が過ぎ去ったばかりの夏をほのかに思い出させます。
 片栗粉によって照りがさらに増した濃厚そうな生姜焼きが見るからに食欲をそそり、撮影中ずっと「早くご飯に乗せてバッツンと噛みきりたい!」とうずうずしていました;。
 マヨネーズをかけたレタスもいい箸休めとして活躍してくれそうですし、一体どんな味がするのか非常に楽しみです。
プラムジャムのしょうが焼き17
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~っす!
プラムジャムのしょうが焼き18


 さて、味の感想ですが…漢より乙女が勝った味わいで美味し!プラムジャムがいい仕事をしています!
プラムジャムのしょうが焼き19
 味付けはこってり甘辛じょっぱい照り焼きダレ風の味なんですが、後口はしょうが焼き風にすっきり爽やかでキレのいい感じで、両方のいい所取りをしているな~と感心しました。
 プラムの上品で控え目な甘酸っぱさがソース全体へ溶け込んでいる為、砂糖の平面的な甘味とはまた違った瑞々しくて丸みのある甘味が効いており、しょうが共々豚肉にありがちな臭みを完全に消しているのがよかったです。
 普通のしょうが焼きよりも若干甘めで、例えるとするなら「しょうが風味のフルーティ照り焼き」というイメージの一品でした。
 豚肉の濃厚な油分と、まったり深い甘辛ソースによってただでさえガツンと濃い旨味が構築されている所に、クリーミーなコクのマヨネーズが混然と入り交じると、佳乃さんが言う通り「人を堕落させる魔性の味」としか言い様のないジャンクッぽい美味しさへと変身し、ご飯との相性がグンと跳ね上がるのがたまりません(←一番近い組み合わせを挙げるとするなら、マヨネーズをたっぷりかけたお好み焼きです;)。
 片栗粉使ったせいか、甘辛いもったりしたとろみが豚肉を隅々まで覆っていてどこを食べても味が均一なのが食べやすい上、肉汁が逃げ過ぎず柔らかな食感なままなのがナイスでした。


 シンプルな塩味でしょうがの風味がほんのり漂うナスとしめじの炒め物と、フレッシュでシャキシャキしたレタスがいい箸休めになり、交互に食べると止まらなくなります。
 えのきから出たとろみや出汁がしみじみ美味な味噌汁も癒されますし、大満足な献立でした。


○追記
 hamaさんから前回ご質問頂きました大皿について、お答えさせて頂きます。
 実はあの大皿は、当管理人が物心つくころから自宅にあった古い器で、自分一人では由来が分からず母に聞いてみたのですが、どうやら三十年以上前に知り合いから結婚祝いとして頂いたお皿だったとの事で、知り合いと音信不通になった今となってはどこのお皿だったのか全く分からないと言われてしまいました…。
 その為、「お力に慣れないかも…」と一時は落ち込んだのですが、後ろに「庫山窯(?)」と読めなくもない漢字が載っておりましたので(下の画像がその銘です)、ネットで情報収集をしつつ調べたのですが、どうやらこれは「美濃焼 庫山窯」の作品であるらしいことが分かりました。
 確信を持ったのは、こちらの方のブログ記事にあったお皿の後ろの銘で、当管理人の持つ画像とほぼ同じだったことから「これだー!」と思わずガッツポーズをしました。
 さらに調べた所、基本的に安定した価格設定で入手も比較的簡単だそうですので、よろしければご参考にしていただけると幸いです。
九州にいる知り合いから結婚祝いとしてもらったとの事でしたので、ご推測通り、恐らく九州のお皿だと思います

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.09.28 Sat 21:23  |  

器の件で、早速のご丁寧なお返事ありがとうございます!
私の勝手なお願いに、お忙しい中、ここまで詳しく調べていただいたこと、本当に感謝いたします。
そうでしたか!美濃焼 庫山窯!
そういえば、器の後ろにそのような銘が入っていたような覚えがあります。いや~、感激です!
我が家の場合もものすごく昔に購入したもので、器は5客あったのですが全て割れてしまい、震災のショックもあり、銘など確認せずに捨ててしまったのです。特に家宝と言えるほど高価なものでなかったのは確かなのですが(汗)、幼い頃から家にあって思い出深いものだったので、今考えるとなぜ何も考えずに捨ててしまったのかが悔やまれて、ずっと気になっていました。
それと似た模様が、いつも拝見しているあんこさんの画像に突然現れて、これはあんこさんにおすがりするしかない!と、ずうずうしいお願いをしてしまいました。このようなぶしつけなお願いにお骨折りいただき、感謝するとともに、申し訳なく思っております。
あんこさんに教えていただいたことをもとに、同じような器が手に入らないか、これから探していきたいと思います。
本当にありがとうございました。

さて、今回の再現もすごいですね~。
プラムジャム手作りから再現なさるとは、さすがです!
豚の照り照りが食欲をそそります。ご飯が食べたくなりました~。

  • #-
  • hama
  • URL

2013.10.04 Fri 08:28  |  しょうが焼き用の肉は

食べやすい大きさに切ったらいかん決まりでもあるんかな。

  • #-
  • URL

2014.06.18 Wed 22:38  |  プラムジャムだけですが

作ってみました。
自分はあまり赤くなりすぎるのが嫌だったため、ちょっともったいないけれども皮を半分捨てて作ったのですが、色もきれいで甘酸っぱいおいしいジャムになりました。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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