『クッキングパパ』の“ホタテご飯”を再現!

 先日、袋入りかき氷マンハッタンが九州限定だと知り、かなりびっくりしました。
 そんなおやつはブラックモンブランくらいだろうと思っていた為、ダブルでショックです。
 正直そんなに食べた事がないのであまり親しみは感じてなかったのですが、その事を知って以来妙な身内感を抱いた為、スーパーやコンビニで見かける度「お、いるいる」と嬉しくなっており、我ながら単純だと呆れている今日この頃です。

 どうも、北海道チーズ蒸しケーキが本家サイトで「和菓子」扱いされているのが何だか釈然としない管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて虹子さんが取材先の北海道で親切な奥様方から教わった“ホタテご飯”です!
ホタテご飯図
 まことくんが小学生、みゆきちゃんがまだ一歳くらいだった頃、虹子さんは勤め先であるニチフク新聞社の上司・深井部長やカメラマンの土井さんと共に、北海道紋別市へ一週間の取材旅行に行きます。
 何でも、当時「オホーツクの旅」と題した大型集中連載企画があった為ひとっ飛びしたとの事で、虹子さんら取材陣はまるでプライベートの旅行のように北海道の自然の恵みを満喫しつつ、しっかりオホーツクの魅力を写真や文章に収めていました。
 深井部長曰く、「オホーツクは単なる日本の北の果てではないのです。国境に関係なくサハリン・カムチャッカ・シベリア、あるいはアラスカまでも含む巨大な北方文化圏という、人類文化発生のカギを握る重要な地域なんです」「また、もともと九州人は北への憧れを持っているという事がありましてね。宮崎出身の若山牧水しかり、福岡出身の北原白秋しかり、それぞれ北海道へきて特別の愛着を持った」という理由で今回の企画を決めたようで、その熱弁っぷりに日頃は「あいつの言いたいことは分かる!分かるけど、頭が固いんだよ~!(以上、酔った時の本音;)」と深井部長に対して思っている虹子さんも、「さすが文化部長!」と感心して拍手していました(←けれども、この弁論を聞いていると確かにちょっと固そうな人だな~と苦笑してしまいます;)。
 確かに、当管理人も周囲の人間も九州とは正反対に位置する北海道の地に対し、「美味しそうな物いっぱいありそう」「こっちにはない雄大な自然を体感してみたい」「遠すぎるからなかなか思いきれないけど、一度は行きたいな~」という強い憧憬の念を持っているので、無邪気にカニを食べる虹子さんを見て心底羨ましかったものです(´Д`*)。
 なお、取材初日に虹子さんは紋別市観光課の方のご厚意で、茹でタラバガニやボタンエビの刺身などといった海の幸をおなか一杯ご馳走してもらうのですが、その時の「これ以上の幸せはない!」という表情が秀逸だった為、土井さんから満面の笑みを不意打ちで写真に撮られて少々赤面していました(←どうやら後々、この写真は本当に記事に使われた模様;)。
新聞社の取材で、虹子さんは紋別市へひとっ飛びして美味しい物を食べまくっていました
 その後、虹子さん達は魚市場、ホタテ貝柱の加工工場、オホーツクとっかりセンター(←とっかりとは、アザラシの事。個人的にアザラシと聞くと、『少年アシベ』に出てくるゴマフアザラシのゴマちゃんを真っ先に思い出して瞬時に萌えます;)、流氷科学センターへ行って順調に取材を重ねていくのですが、次の目的地である稚内へ行く直前、土井さんが貴重なフィルムを一個無くしたことに気づくというハプニングに見舞われます。
 ちなみにそのフィルムは、初日に撮った紋別の海鮮料理や虹子さんの笑顔が収められた事もあって色んな意味で大事な資料だったそうで、皆から「ど、土井ちゃんそこまでやる…?」「ここまで探してなかったんだ、しょうがないよ」と何度言われても、心当たりのある道路脇の排水溝で泥だらけになりつつ、無我夢中で探しまくっていました(←この数年後、土井さんはある有名なコンテストで最優秀グランプリを獲得して一躍有名になるのですが、このシーンを覚えていた当管理人は、「あれだけ写真に情熱を注げる人なんだからちっとも不思議じゃない」と妙に納得したものです)。
 結局、土井さんの熱意に根負けした深井部長と虹子さんは一緒にフィルムを探す事にするのですが、何が幸いするのか分からない物で、先程取材したホタテ貝柱の加工工場で働く奥様方がその様子をみかねて一緒に探してくれることになり、地元の方ならではの詳しい情報や道具提供のおかげで、奇跡的にフィルムを見つけ出す事に成功していました;。
 正直、失くしたであろう場所の範囲が広い&探す物が小さすぎると、探す身としては「もうダメだ…」とものすごく絶望しますので(←似たような経験何度もありorz)、作中で「あったあった、バンザーイ!」と喜ぶ土井さんの姿を見てわがことのように嬉しくなりました(^^)。
あやうくフィルムを失う所でしたが、漁協の方々が手伝って下さったおかげで無事見つかってました
 これだけでも十分ありがたいのですが、その上奥様方は「ちょっと自分たちの格好をみてごらんよ」「うちにおいで、シャワーでも浴びて着替えないとそれじゃどこにも行けないよ」と言って自宅のお風呂まで貸してくれ、服も体もきれいになってすっきりした虹子さん達へさらに夕食までご馳走してくれます。
 その際、紋別市に住まう奥様方が虹子さん達に振る舞ってレシピまで教えてくれたのが、この“ホタテご飯”です!
 作り方は結構簡単で、醤油やみりん等で煮つけたたけのこ・にんじん・しいたけから出た汁気、もち米を少し混ぜたうるち米、日本酒に入れて戻したホタテの貝柱、塩、水を炊飯器に入れてご飯を炊き、炊けたらその上へ煮野菜の具の方も投入してさらに蒸らし、最後にグリーンピースを散らしてざっと混ぜたら出来上がりです。
 巻末コメントによると、どうやらこのレシピはうえやまとち先生が実際に紋別市の漁協の奥様方から教わった料理みたいで、虹子さんも「海の香りがするごちそう!」「とってもおいしいご飯よ、ぜひ作ってみて!」と絶賛していました。
 タラバガニやボタンエビといった贅沢な食材もいいですが、個人的にこういう普段から地元の人達に親しまれている家庭料理も、すごく興味があります。
漁協の奥様方はホタテの貝柱をくれた上、美味しいホタテご飯のレシピまで教えてくれました
 干し貝柱がなかなか見つからなかったのでずっと作れずにいましたが、最近やっと日常的に置いている店を見つけた為、再現する事を決意しました。
 作中には詳細な分量つきレシピが載っていますので、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下ごしらえ。ホタテの干し貝柱は出来るだけ細かく砕いて日本酒に浸け、そのまま一晩放置して柔らかく戻します。
 時間がない時は、電子レンジにかけるとあっという間に戻せます。
ホタテご飯1
ホタテご飯2
 一方、底が深めのフライパン(又は鍋)に油を引いて熱したら薄く切ったにんじん、しいたけ、たけのこを投入して炒め合わせ、続けてみりん、砂糖、醤油を投入して味付けし、約五~十分程度煮込みます。
 野菜全体へ調味料の味が染みたら煮汁のみ取り出し、あらかじめ研いで一時間ザルにあけといたもち米入りうるち米、干し貝柱(浸けておいた日本酒ごと)、塩、水が入っている炊飯器へ流し込んでフタをし、そのまま普通に炊きます。
 ※必ず煮汁や具を入れ切った後に水を注ぐようにします。なお、水加減は通常通りでOKです。
ホタテご飯3
ホタテご飯4
ホタテご飯5
 ご飯が炊けたらすぐに先程の煮野菜を広げてフタをし、十分以上蒸らします。
 蒸らし終えたらしゃもじで練らないようさっくり優しく混ぜ、途中茹でグリーンピースを加え、下からおこるようにして混ぜ合わせます。
 ※炊飯器の中で混ぜちゃっても大丈夫ですが、大皿へ移してから混ぜた方がムラなく混ざる上に作業しやすいので、おすすめです。
ホタテご飯6
ホタテご飯7
ホタテご飯8
 具がご飯全域へ大体行き渡ったらそのまま大皿へ盛り付け、一人前ずつ取り皿へよそえば“ホタテご飯”の完成です!
ホタテご飯9
 干し貝柱、しいたけ、にんじん、グリーンピース、たけのこなど、色とりどりの具がご飯にたっぷり混ざっている為、一見慣れ親しんだかやくご飯に見えました;。
 湯気から干し貝柱特有の練れたいい風味がふわりと香ってくるのが、また食欲をそそります。
 貝柱から出た出汁をふんだんに吸ってほんのり茶色に色づいたご飯は、果たしてどんな味なのか…早く食べて確認してみようと思います!
ホタテご飯10
ホタテご飯11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきま~すっ! 
ホタテご飯12


 さて、味の感想ですが…干し貝柱の出汁が効いてて美味!地味ですが、飽きのこない家庭的な炊き込みご飯です。
 カニ飯やウニご飯みたいな圧倒的美味さはないのですが、噛めば噛む程干し貝柱ならではの熟成された深い出汁や滋味溢れる旨味が口の中でジワジワと膨らみ、しみじみ癒されます。
 味付けはほんのりした甘味を帯びたあっさり醤油味で(←甘辛いと言うには甘さがかなり控え目だった為、こういう表現になりました)、例えるとするなら「海の香り漂う港町の五目御飯」というイメージです。
 戻った干し貝柱を噛み締めると、ホロホロと繊維にそって貝柱がほどけ、パッと潮の風味が鼻腔をくすぐるのが何とも心地よく感じました。
 また、ご飯自体の味はやや薄めですが、事前にしっかり煮た濃いめの具が混ざっている為、味わいのバランスがとれているのがいいです。
 柔らかく煮上がったにんじんのサクサク感、クニクニした弾力がたまらないしいたけのコク、芯まで味が染みたたけのこのザクザクと小気味良い食感、ちょっと固めなグリーンピースのホコホコした歯触りが、シンプルな味付けのご飯へ奥行きを与えると同時にいいアクセントをプラスしていました。
 もち米が混ざっているせいか、うるち米のみの時に比べてどことなくモチッとした噛み応えなのもナイスで、かなり気に入りました。


 もち米の割合をもっと増やしておこわ風にしてもいけそうでした。
 高品質な干し貝柱でも、安価な干し貝柱でもそれぞれ安定した美味しさが出せますので、多くの方にお勧めしたいです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.09.26 Thu 11:06  |  

いつも楽しく拝見しています。
今回のホタテご飯もおいしそうですね~。
ところで、あんこさんがホタテご飯を盛り付けておられるお皿の絵柄が、東日本の震災で壊れてしまった器の絵柄そっくりで、ものすごく懐かしく思い出しました。気に入っていた器なので、壊れてしまった時は本当に残念だったのです。
かなり昔九州で購入したもので、あんこさんも九州の方なので、なんだか親しみを覚えました(勝手にすみません・・・)。よくある絵柄なのかもしれませんが、よろしかったら、どこの銘柄かなど分かることがありましたら、教えていただきたいのです・・・。器のことはよく分からず、突然のずうずうしいお願いで申し訳ありません。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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