『まかない君』の“自家製プラムジャム入りパンプディング”を再現!

 先日、件のお寺へ馴染みの猫に会いに行った所、どこからともなく「クルック~、クルック~」という鳴き声が聞こえてきた為、「ん?鳩はいなかったはずだけど…」と頭の中がはてなマークでいっぱいになったんですが、その声が当の猫本人の喉から発せられている事に気づき驚きました。
 その子は普段クールなので、てっきりあまり甘えてこないタイプだと思っていたのですが、どうやら甘えなかったのは他の弟妹猫の手前プライドが邪魔して寄ってこれなかったようで、その日たまたま一匹のみだったせいか、ゴロゴロ音がクルック~と訛るほど興奮して甘えてきました;。
 今まで多くの猫を実家で飼ってきた相方さんも、さすがにクルック~鳴きは初体験だったそうで、「お前かわいいな~」といつも以上にナデナデしていました(^^;)。

 どうも、猫の個性は無限大だと実感した管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が弥生ちゃんにおすすめしていた“自家製プラムジャム入りパンプディング”です!
プラムジャム入りパンプディング図
 前回、浩平君はプラムジャムを手作りして好評だったのがきっかけで“自家製プラムジャムのしょうが焼き”を夕飯に用意していましたが、そもそも自家製ジャムを拵える事になった原因は、弥生ちゃんにありました。

 九月も末になったある夕方、弥生ちゃんは浩平君の部屋の障子をスパーン!と何の前触れもなしに開けるやいなや、唐突に「浩平お菓子!」と言って甘い物を要求してきます←浩平君は「ハロウィーンには、まだ早いよ」と冷静に返していましたが、個人的には食堂へ入ると同時に「○○定食一つ!冷やもつけてね!」と威勢よく注文する親父さんの漢らしさにも通じる物があると感じ、苦笑しました;)。
 浩平君が詳しく話を聞いたところ、どうやら今度大学で行われる女子会でのお菓子係に弥生ちゃんが任命されたそうで、お菓子どころか料理自体苦手な弥生ちゃんは「そうだ、浩平に作ってもらおう!」と閃き、こうしてお願いしにやって来たとの事でした。
 とはいえ、浩平君は料理は得意なもののお菓子はジャムくらいしか作った事がなかった為困惑するのですが、弥生ちゃんは「じゃージャム作って!クラッカーにのっけるの」と押しまくり、自動的に浩平君はお菓子係の役目を手伝う事になっていました;(この辺のワガママ妹っぷりは『干物妹!うまるちゃん』のうまるちゃんを彷彿とさせるため、和みます)。
 弥生ちゃん曰く、「シロートは不用意に挟みがちだけど、はみ出すからそれはダメ!のっけるだけってとこがおいしく食べるヒケツだよ!」だそうで、ジャムのせクラッカーについて得意げに語っていましたが、聞き手の浩平君は心底どうでもよさげな顔で「…左様ですか」と素っ気なく返していました;。
 当管理人自身、弥生ちゃんのようにマイルールがある食べ物は多数ありますので(例:食パンはなるべく耳部分から食べるようにする、カントリーマアムはオーブントースターで温めてから食べるなど)、浩平君の反応は羞恥心を刺激されると同時に一抹の寂しさを感じます;。
まるで、ハロウィンにやってくる仮装行列の子どもみたいな要求をする弥生ちゃん
 その後、お二人は近所のスーパーでお出かけしてジャムに出来そうな果物を物色するのですが、浩平君は一番安かったプラムに目をつけてお買い上げしていました(←何でも、あんずジャムに似た味に仕上がるそうです)。
 レシピは普通のジャムとほとんど同じで、大量の砂糖やレモン汁と一緒に種を取った皮つきプラムを煮詰める事で完成するのですが、他のジャムと違うのは色合いの変化の美しさ。
 最初の内はほんのり黄色っぽいりんごみたいな果肉の色が鍋の中で目立つのですが、煮込んでいく内に徐々に皮の色が溶けだして鮮やかな深紅色に染まるので、普段はあまり乙女要素がない弥生ちゃんですら「すごい、ルビー色できれー!」と歓声をあげていました。
 いちごにしろ、ブルーベリーにしろ、オレンジにしろ、どんなに煮込んでも「元の色がさらに艶やかになって深くなった」くらいで、正直色の変化はプラムほど派手ではない為、作る時も実験感覚で楽しみたい方にはプラムジャムを是非とも推奨したいです。
赤い皮の色が煮溶けるせいか、まるでルビーのような美しい深紅色に染まるジャム
 ちなみに、弥生ちゃんは当初このジャムをクラッカーに乗せるだけの予定でしたが、浩平君がおすすめしたあるジャムのお菓子を聞いて、「いいなそれ、作って作って」とすぐに計画を変更します。
 それが、この“自家製プラムジャム入りパンプディング”です!
 作り方は結構お手軽で、自家製プラムジャムを底に敷いた容器へ耳を取って切った食パンを詰め、温めた牛乳で煮溶かしたプリンの素を上から注いで冷蔵庫で冷やし固めたらもう出来上がりです。
 実際に食べた浩平君が言うには「簡単だし、しっとりもっちりしておいしいよ」だそうで、食パンを詰める時に隙間を作らずギュウギュウに入れるのがポイントとの事でした。
 個人的に、パンプディングはオーブンでじっくり焼いた「カスタードプリン方式」のみだと考えていましたが(以前ご紹介した、“衣良流バナナブレッドのプディング‏”が好例です)、これはゼラチンを入れて冷やして作る「プッチンプリン方式」という珍しいレシピだった為、初見時は大変興味を持ったのを覚えています。

 残念なことに、この“自家製プラムジャム入りパンプディング”は作中で実際に食べられず、代わりにジャムのせクラッカーが食べられていたのですが、その時浩平君は弥生ちゃんの手によって「はい、あーん」とされ、ドギマギして赤面しています(←普段落ち着いていて何事にも動じない割に、弥生ちゃんとちょっとした触れ合いがあるとすぐ赤くなる浩平君に萌えます)。
 何だかんだ言いつつ、弥生ちゃんにはどうしてもかなわない浩平君の心の揺れが見どころな回でした。
自分にジャムのせクラッカーを食べさせた後、指を舐めた弥生ちゃんに思わずゴクリ
 前回作ったジャムがまだ残っていた為(←というより、再現狙いで取っておきました;)、再現を決意しました。
 作中の詳細なレシピを参考にして、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、下準備。自家製プラムジャムを細長くて深みのある容器(又はタッパー)に敷き、そこへ耳を取り除いてダイス状に切った食パンの身の部分をみっちり詰めます。
 その間、プリンの素を箱の裏にある説明書き通りに、小鍋で牛乳と共に煮溶かしておきます。
 ※隙間があり過ぎるのはもちろんNGですが、あんまりギュウギュウ詰めにし過ぎて食パンの細かな穴が潰れてしまっても美味しくなくなりますので、要注意!
プラムジャム入りパンプディング1
プラムジャム入りパンプディング2
プラムジャム入りパンプディング3
 プリンの素入り牛乳が温まりきったら、熱い状態の内に先程の食パン入りの容器へ静かに注ぎ込んで上にフタ(又はラップで覆う)をし、そのまま冷蔵庫で冷やし固めます。
 ちなみに、一番下の画像は固まり切ってひっくり返した所ですが、プリンの素とプラムジャムが混ざり切ってしまわず綺麗な二層に仕上がっているのに感動しました。
 ※プリンの素はちょっとくらい多めに入れても、意外と食パンがスポンジのような役目をはたしてほぼ吸い取ってくれますので大丈夫です。
プラムジャム入りパンプディング4
プラムジャム入りパンプディング5
プラムジャム入りパンプディング6
 プリンの素部分が固まりきったら冷蔵庫から取り出し、食べやすい大きさに切ってお皿へ並べれば“自家製プラムジャム入りパンプディング”の完成です!
プラムジャム入りパンプディング7
 自家製プラムジャムのルビーのように透明感のある深紅色が、乳白色のプリン部分に映え、見た目的にも完成度が高い仕上がりになっています。
 柔らかめになるのではと危惧していましたが、いざ切り出してみると案外しっかりした切り口で、一体どんな舌触りなのか気になって仕方がありません。
 冷やし固めたパンプディングは今までに食べた事がないため、ドキドキします。
プラムジャム入りパンプディング8
 それでは、一口分だけ取っていざ実食!
 いっただっきま~す!
プラムジャム入りパンプディング9


 さて、味はと言いますと…ゆったり穏やかな気持ちになれるデザートで美味し!確かにプリンっぽくて、驚きです!
 当初は「パサパサして、悪い意味でパンっぽさが消えてないんだろうな…」と心配していたんですが、実際に一口食べると、パサパサどころかトロッとした柔らかい舌触りとジュワッとした歯触りが印象的な、プリンに近いようで違う儚い食感でした(←ババロアに比べると大分肌理が粗いですが、それっぽい空気を含んだジュワッと感がよかったです)。
 フレンチトーストよりも優しくしっとりした舌触りで、尚且つ生の卵黄や生クリーム、バターを使っていない為ずっとさっぱりした後味なのが特徴的で、お腹いっぱいでもこれなら一切れスルッと胃に収まりそうな気がしました。
 ただ正直、パンプディングだけだったら淡泊過ぎて物足りなかったかもしれませんが、上にたっぷりかかっているプラムジャムの気品溢れる爽やかな香りと、果実その物みたいに瑞々しくあっさりした甘味がいいアクセントを全体にプラスしており、ちょうどよく調和しているのに感心です←ベリー系ジャムのように濃密な甘さなのに、ピーチ系ジャムみたいなすっきり後を引かないキレのよさで、それがパンプディングとの相性をさらに高めていました)。
 焼いたパンプディングと違って香ばしさやお焦げはないですが、良い意味で食パンのふんわり感が活きた、乙な冷菓子です。


 自家製プラムジャムは、見た目のねっとりしてそうなイメージを裏切って爽やかに甘酸っぱいので、甘ったるいジャムが苦手な方にお勧めしたいです。
 このパンプディングはもちろん、トーストにぬったり、紅茶に落とし込んだり、無糖ヨーグルトに混ぜ込んでも合いますので、便利でした。

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.10.14 Mon 12:45  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2013.10.18 Fri 21:01  |  美味しそうですネ!

お久しぶりです。
最近デザート作りが無性にしたくなってます。

話は変わりますが、鉄鍋のジャンよく読んでるんですが、やっぱり気になるデザートは鳩の血のデザート…((((;゚Д゚))) ガタブルガタブル
調べてみました。
鳩の血はないです。
ただ…豚の血のプディング的なものが実在します。
ポルトガルってすごいです…((((;゚Д゚))) ガタブルガタブル

  • #/2CD/BNk
  • 桜海
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2013.10.24 Thu 22:47  |  そういえば

『まかない君』、第2部がWebで連載されてますね。
見逃してましたが、結構話数が進んでました。この調子なら
2巻も遠からないうちに発売されそうですね。楽しみです。

蛇足失礼しました。では、また〜。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
  • URL
  • Edit

2013.11.08 Fri 00:04  |  そーいや・・。

久しぶりにきました。
昼休みに会社で朝ドラの「ごちそうさん」を観ているのですがおもしろくてよいです。
パンプディングですか。
ああ、おいしそうだなと思いつつ読んでいたのですが、
そういえば、魯介先生、以前似たようなものをレピシ付で描いていた
ようなと、探してみたら
「作家蛙石鏡子の創作ノート」(単行本有り。)という作品で
「トライフル」なるお菓子をネタにしてました。

そそ、今月は「最後のレストラン」・「くーねるまるた」・「あさひなぐ」の
新刊がでます。今から楽しみです。
いかんヾ「風流つまみ道場」のコンビニコミックス版もでるのだった。
そいから、最近はまた新たな食漫画が増えてきました。
おすすめは、BE・LOVE連載の「あさめしまえ」と
つりコミック連載の「つり弁うまメニュー」だったりします。
「あさめし」の方は、「朝ご飯専門の食堂」を開業した主人公とその
周りの人たちを描く漫画(作中にレピシ有り)
「つり弁」の方は、つり好きの奥さんがつりに行くときに弁当をつくる
旦那さん(雑誌編集者)が主人公の漫画。
(つり弁は現在発売中の「ラズウェル細木の美食パラダイス釣魚編」
に5話まで収録されてます。)
あと、食漫画ではないですが、「奥様GutenTag」(1巻でてます。)も面白いです。
日本人の旦那さんとドイツ人の奥さんの楽しい新婚生活を描いた
作品です。ドイツ料理のレシピが大量に載っているという作品だったりします。では。

  • #7G3akKzs
  • 波多野鵡鯨
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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