『たけだみりこの極楽ゴハン』の“新親子丼”を再現!

 先日、とあるお店で別居スタイルの親子丼(別々に火を通した鶏肉と煮卵がご飯にのっており、三つ葉・海苔・生の卵黄が別皿で用意されている変わり種)を頂いてきました。
 お店の方の腕がいいので、照焼き風の鶏肉も煮卵もちゃんと美味しくて「これはありかな~」と思いかけていたのですが、途中生の卵黄を入れて突き崩すと、卵黄が鶏肉にねっとり絡んで煮卵とのほのぼのした食べ味を台無しにしていた為(←まるで色っぽい愛人が夫婦の間に乱入し、奥さんを尻目にご主人へしなだれかかっているかのような、何ともきまり悪い味でした;)、卵黄はいらなかったんじゃないかな~?と感じました。

 どうも、チキンカツの親子丼をそのうち試したいと考えている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『たけだみりこの極楽ゴハン』にてかまどの神様が鶏助け(?)の為に作った“新親子丼”です!
新親子丼図
 それは、とある田舎の養鶏場での出来事。
 いつも鶏の世話をしているおばあさんが、最近卵を産まなくなった老いた雌鶏を見て「あれ、あんた今日も卵産んでねーのか…もう今夜のおかずになってもらうかねぇ。あんたももう年だもんねぇ」と独り言をつぶやくのですが、それを聞いてギクッとした鶏は「卵を産んだら役に立つ=役に立つなら生き延びられる=夕飯エンド回避!」と思ったようで、おばあさんが「何にして食うべかな~」と悩んでいる隙に一生懸命産もうといきみます。
 本当ならば産めないはずだったのですが、この鶏と知り合いだったらしいかまどの神様は「たまたま目に留まっちゃった以上、そのままなのは後味悪いし…」と思ったのかどうか、何と卵になって鶏の体内から生まれてあげる(!?)という、文字通りの神業をやってのけます;(←本当にひよこになった訳ではなく、神様の姿のままで卵の中に詰まってました)。
 しかし、卵が生まれてもおばあさんの意志は揺らがず、それどころか「そうじゃ、親子丼にしよう!」と夕飯メニューが決定してしまい、鶏は絶体絶命の大ピンチに!
 食用として育てられてきた以上、この結末は食物連鎖として仕方がない流れだと思いますが、鶏の方も必死になる気持ちは痛いほど分かりますので、何とも言えない気持ちになりました;。
つぶされる寸前の雌鶏が気の毒になったかまどの神様は卵に入って生まれるという離れ業を実行
 しかし、「このままだったら鶏もワシもまずい!」とさすがに危機感を抱いたらしく、かまどの神様は卵の殻をパカッと割って飛び出し、「おいばあさん、その親子丼はやめて、こっちの親子丼にせんかい?」と別のレシピを提案していました(←余談ですが、この時卵から出てきたかまどの神様の姿は『サ○エさん』のエンディングに出てくるタマにそっくりです; )。
 その際、かまどの神様がおばあさんへ必死に教えて作ってもらったのが、この“新親子丼”です!
 作り方はかなり簡単で、茹でてほぐした塩鮭・三つ葉・しょうがを混ぜ込んだご飯へもみ海苔といくらの醤油漬けを散らしたら、もう出来上がりです。
 かまどの神様曰く、「鮭が甘塩なら、焦がさぬよう焼くのもありじゃ」だそうで、とにかくしっとりやわらかに仕上げた塩鮭がご飯に合うとの事でした。
 正直、「鶏の代わりに、今度は鮭が困るんじゃ…」と初見時はモヤモヤが残った物でしたが(←一応、鶏は「鮭さんごめんね」と心の中で謝ってました)、よくよく考えればこちらの親子丼はあらかじめスーパーで商品となって置かれていた材料で作られており、今回の騒動が起きた頃にはもう食べ物になっていた素材でしたので、目をつぶる事にしました;。
 いや~、生きるって業が深いですね(^^;)。
やむうをえず卵の殻を割って助けに出てきたかまどの神様
その後、おばあさんは「ほう、こりゃこりゃ鮭といくらで親子ですなあ」と満足そうに“新親子丼”を頂くのですが、その内「でもいくらなんて高いから、そういつもいつもって訳にはねえ」と当然の不満を口から漏らします。
 確かに、いくらは美味しさに比例するかの如く値段もそれなりに高い為、初めて読んだ時は「さて、かまどの神様はどんな説得をするのかな~?」とワクワクしながら読んだのですが、何故か「その時は、いくらの代わりに炒り卵でもうまいぞよ」と鶏サイドにしては不穏な発言をしたので、鶏も当管理人も「んん?何か嫌な予感が…(゜Д゜;)」と冷や汗;。
 どうやら、かまどの神様はレシピを教えていく内に持ち前の料理大好き精神が目覚めて本来の目的をすっかり忘れてしまった模様で、おばあさんとうっかり「なるほど、玉子ならいつでも出来ますなあ。彩りもキレイだし」「ニセ親子丼ってとこじゃな」という会話をした上、「で、鮭がない時は卵と鶏肉で普通の親子丼という訳ですな」「その通りじゃー」とつい本音をポロッとこぼしっちゃってました;。
 結局、一喜一憂した末に問題が全く解決しなかった鶏は激怒してかまどの神様を追いかけますが、開き直ったかまどの神様は「新親子丼も、ニセ親子丼も、普通の親子丼も、みんなうまいぞよ~~」と逃げ回りながらトドメを刺す発言をしており、色んな意味で台無しにしちゃってましたorz。
 なので、最終的に今回のお話で一番得をしたのは、目新しい夕食を用意してもらった上に様々なアレンジレシピを教えてもらったおばあさんといえそうですね;。
料理の説明に夢中になるあまりうっかり「普通の親子丼もうまいぞよ~」と言ってしまった神様
 塩鮭もいくらも大好物ですので、ぜひ食べたいと思い再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピも記載されている事ですし、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、塩鮭の下処理。小鍋でお湯をグラグラするまで沸かした所に塩鮭の切り身をそのまま入れ、全体が白っぽくなるまで茹でます。
 中に火が通ったら取り出して皮や骨を丁寧に取り除き、キッチンペーパーに包んで身を大雑把にもみほぐします。
 ※いくらは市販の物でもOKですが、実はこの時当管理人は生いくらの醤油漬けを拵えていた為、それを使う事にしました。ちなみに、当管理人は煮切っていない日本酒や合わせ出汁を使用し、醤油の味が少し勝った濃いめの味付けの物が好きですので、そんな感じに漬けています(^^)。
新親子丼1
新親子丼2
新親子丼6
 次は、ご飯作り。
 炊飯器で普通に炊いたご飯へ、先程のほぐし塩鮭、おろししょうが、刻んだ三つ葉を加え、しゃもじでさっくり切るようにして混ぜ合わせます。
 ※その際、三つ葉を最初から一緒に入れて混ぜるとどうしても水っぽくなりますので、塩鮭とおろししょうがを投入して少し熱が逃げた時に合わせる事をお勧めします。
新親子丼3
新親子丼4
新親子丼5
 具がご飯全域へ行き渡ったら丼へふんわりよそい、仕上げに上からもみ海苔といくらの醤油漬けを好きなだけ散らせば“新親子丼”の完成です!
新親子丼7
 塩鮭のピンク、三つ葉の緑、海苔の黒、いくらの深紅が白いご飯に映えて何とも美しく、見るだけで「秋だな~」と感じます。
 鮭を使った割には、三つ葉の鮮やかな香りのおかげで生臭みはほとんどなく、ほっとしました。
 美味しい物同士を「これでもか!」と詰め込んだご飯ですので、試食する前からどんな味がするのか、楽しみで仕方がありません;。
新親子丼8
 それでは、出来立ての内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
新親子丼9


 さて、味の感想ですが…鮭といくらのハーモニーが秀逸で旨し!丼というよりは混ぜご飯っぽいですが、そんな些細な問題など吹っ飛んでしまうくらい美味です!
 一口食べた時にまず感じたのは、「極度にさっぱり仕上げたはらこ飯や鮭おこわっぽい味」
 はらこ飯みたいにお米や調味料と一緒に炊き込んでいない為、どちらかというと淡泊な味わいに留まっているのですが、白ご飯のふっくらシンプルな味わいのおかげで塩鮭の後引く甘塩っぱさやじんわりと効いてくるあっさりした脂分がよりくっきりと際立っており、これはこれでよかったです。
 最初は「茹でたら旨さがお湯の中に逃げてパサパサになっちゃいそう…」と心配でしたが、実際にやってみると身はしっとり柔らかジューシーで、おまけに鮭にありがちな臭みまで綺麗に消えていた為、混ぜご飯にする時はむしろ茹でた方がいいと確信しました。
 正直、混ぜご飯のみだったら地味過ぎて印象に残らなかったと思いますが、所々に散らばっているいくらをプチプチッと噛み当てた途端、上等な卵黄の醤油付けに似た濃厚ないくらの旨味エキスがトロ~っとご飯に絡んでいい味付けをするのがたまらなく、贅沢な一品へと早変わりしていて満足です。
 三つ葉のフレッシュかつ爽やかな香気、海苔の強い磯の香り、しょうがのキリッと爽やかな風味が全体に馴染んで混ぜご飯全体を引き締めるのに役立っており、特に三つ葉はシャキュッとした瑞々しくて涼しげな食感が後口をすっきりさせていてナイスでした。


 寿司酢を加えて鮭ちらし風にしたり、かまどの神様の言う通り炒り卵を散らしても美味しそうです。
 冷めても美味しかったので、お弁当に詰めてみてもいいかもしれません。。

●出典)『たけだみりこの極楽ゴハン』 たけだみりこ/竹書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.10.03 Thu 20:55  |  こんばんは!

こんばんは。
ずっと前にコメントした者です★(違う名前で書いてるかもですが…)
いつも楽しみに見てます!

今回もおいしそう!
夕飯の参考にさせてもらってます♪
更新頑張ってくださいね。

  • #DdiHOXp.
  • まみ
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  • Edit

2013.10.03 Thu 21:50  |  こんばんは

いつも楽しく読ませていただいています。
食べ物マンガが大好きで集めているのですが、敷居が高そうで(材料費とか・・・)あんこさんのように再現しようとまではしていませんでした。
実際どんな味かなー、ほんとうにおいしいのかなーなんて考えてはいたものの・・・。

毎回毎回、再現度の高さとその努力に感心しきりです。
これからもおいしそうな再現料理を楽しみにしています!
私もちょっとずつ試してみようかなあ。

  • #-
  • ちえり
  • URL

2013.10.04 Fri 17:56  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
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