『酒のほそ道』の“日本風麻油鶏”を再現!

 先々月、母が某テレビ番組の料理コーナーで紹介された和風パスタを作ってくれたのですがこれが絶品で、一~二週間に一度は必ず食べている程気に入っています。
 料理名は「出汁が決め手!納豆クリームパスタ」で、豆乳・挽き割り納豆・小松菜・エリンギ・ヒガ○マルのうどんスープなどを使って作るレシピなんですが、濃密でボリューム満点ながらも優しい後味なのが癖になります。
 正直、ヒ○シマルのうどんスープでないとこの味は出ないとテレビで言っていたと聞いた時は「もしかして、宣伝…?」と思ったものですが;、実際に作ると「確かに!」と頷ける味ですので、いろんな方に試して頂きたいパスタです。

 どうも、「出汁が決め手!納豆クリームパスタ」に白ワインかビールを合わせて食べるのが、ここしばらくの金曜夜のささやかな幸せになっている管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて主人公の岩間宗達さんが行きつけの飲み屋さんで食べた“日本風麻油鶏”です!
日本風麻油鶏‏図
 日に日に寒さがつのり、とうとう立冬を迎えたある日の事。
 岩間さんは行きつけ店の一つである酒処・<浜千鳥>へと足を運ぶのですが、そこでママお手製の“日本風麻油鶏”を突き出しとして出されます。
 作り方は結構お手軽で、しょうスライスを入れて熱したごま油で鶏手羽をこんがり焼き、そこへ水・日本酒・塩・こしょうを加えて煮込んだらもう出来上がりです。
 何でも、台湾には冬に備えて栄養を補給する「補冬」という習慣があるそうなのですが、その時に食べる代表料理のひとつがこの“麻油鶏”だとの事。
 本場では骨付き鶏に、台湾産の黒ゴマ油や米焼酎を使って作るようですが、ママは日本で手に入る材料で何とかアレンジしてみたくて試作した結果、この“日本風麻油鶏”のレシピが完成したと語っていました。
 元はといえば家庭料理がルーツで、本場台湾へ行ってもお店ではなかなかお目にかかれないメニューだと作中では説明されていた為、「日本料理で例えるとするなら、お雑煮みたいなものかな?」と思いました(←ところが、調べてみるとこんなお店が…日本ってすごいですね;)。
 ※ラズウェル細木先生が言うには、「飲食店や屋台にあるらしいが、何度台湾に行ってもついぞお目にかかったことがない」のをきっかけに、ネットなどで自分なりに研究して編み出したレシピだそうで、水と日本酒を継ぎ足しながら煮込んでいくほど美味しくなるとアドバイスされていました。
何でも、台湾にて冬が来るたび食べられているスープとの事。家庭料理だそうです
 人生初の薬膳風スープに、岩間さんは当初「ん?」と今一つピンとこない様子でしたが、一口食べ始めると「へーっ、ごま油のいい香り!鶏の出汁としょうがの風味が効いてるよ」「冬に備えるって感じだね」とすぐに気に入り、上機嫌になっていました(^^)。
 しかし、どちらかと言うと主役のスープよりも出汁の素で具でもある鶏手羽の方がより気に入ったらしく、途中から「この手羽先もホロホロして美味しいね~」とそっちの方を夢中になって食べていた為、見かねた常連の女性から「ダメダメ岩間ちゃん、その手羽先はあくまでスープの出汁を取る為の物だから。おかわりはなしだよ!」と注意されてました;。
 おかげで、岩間さんは慌てて「わ、わかってるって。これはスープが主役なんだろっ」と訂正する羽目になっていましたが、同じく常連の飲兵衛・矢田さんは「分かる分かる、女性は総じてスープ好きだけど、男、特に酒飲みは、どーしてもスープより具の方に関心がいっちゃうよな」と笑いながらさりげなくフォローしていました。
 矢田さん曰く、「スープなんて所詮は単なる汁だから、つまみにゃならんし」「世界三大スープ(ふかひれスープ・トムヤムクン・ブイヤベースorボルシチ)なんてのもエラソーに語られてるけど、もし具材が入ってなかったらただの屁みてえなもんだ」というのが持論だそうで、内心極端だな~と感じつつも、「確かにどんなにおいしいスープでも、おつまみにはならないのは事実なんだよな~」と飲兵衛視点で納得してしまいました;(←但し、呑んだ後はラーメンなり味噌汁なりがないとイマイチしまらない気がしますので、不思議なものです)。
 けれども、面白い事に鍋物はどんなに淡泊なスープを使っていても日本酒や焼酎との相性はピカ一ですので、いつかその謎を解いてみたいものです。
岩間さんが具の鶏手羽ばかり夢中になって食べているのを、思わず注意していました;世界三大スープといっても、具がなかったら屁みたいなものと暴言していた矢田さん;
 こうして、何だかんだ矢田さんから庇われた岩間さんですが、そのすぐ後に味音痴の飲んだくれみたいに言われたのにはカチンときたようで、すぐさま「もーやめてよ矢田さん、トムヤムクンもふかひれスープもブイヤベースもボルシチも、様々な具材の醸し出す精妙なスープをまず第一に味わうよ、俺は」「だからこの麻油鶏もスープをとことん堪能した後で、最後に手羽先を食べたんだよ」「よーし、今度家で作ってみようかな」と言い返しており、皆から「ホントか~?」と茶化されていました。
 そして後日、岩間さんは皆に宣言した通り“日本風麻油鶏”を作って晩酌していましが、皆が予想していた通りスープが全くない、まるで鶏の煮つけみたいな“日本風麻油鶏”になっていて、思わずずっこけました;。
 まあ、しょうがと鶏手羽をたっぷり使って作るのでスープがなくとも体にいい事は確実ですし、これはこれで岩間さんらしくていいアレンジ料理かもしれません(^^;)。
やっぱり岩間さんはスープよりも具が好きみたいで、自宅で再現した時もスープはほぼなしでした;
 鶏手羽と漢方薬を使った薬膳スープを飲んだことはありますが、ここまでラフなスープは食べた事がなかった為、再現を決意しました。
 作中には要点のまとまった分かりやすいレシピがある事ですし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、焼き作業。フライパンにごま油としょうがのスライスを入れて中火で熱し、しょうがの香りが立ってきたら鶏の手羽先を並べて焼きます(←最初は皮を下にします)。
 皮目にこんがりとした焼き目がついたらひっくり返し、片面にも焦げ目がつくまで焼きます。
日本風麻油鶏‏1
日本風麻油鶏‏2
日本風麻油鶏‏3
 両面に焼き目がついたら、次は煮込み作業。
 先程のフライパンへ日本酒とお水を注いでそのままじっくり煮、途中何度か水分が蒸発してきたら、その都度日本酒とお水を足して煮込みます。
 やがて、鶏の出汁のいい風味が薫るようになり、スープ全体が黄金色へとほんのり色づいてきたら、塩とこしょうで味付けします。
日本風麻油鶏‏4
日本風麻油鶏‏5
日本風麻油鶏‏6
 味見をしてちょうどいい塩加減になっていたら火を止め、鶏の手羽先やしょうがのスライスと共にスープを底の深い器へ移せば“日本風麻油鶏”の完成です!
日本風麻油鶏‏7
 じっくり煮込んだせいか少し白濁としていますが、思ったよりも透明度が保たれていて少し驚きました。
 香りは鶏がらスープそのもので芳しく、如何にも体に優しそうな感じだったので、確かにこれは今からの季節にぴったりそうな逸品だと思います。
 ここまで簡単なスープを作るのは久々だったので、一体どんな味がするのかドキドキします。
日本風麻油鶏‏8
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いただきまーす!!
日本風麻油鶏‏9


 さて、味はと言いますと…これ以上ないくらい鶏の出汁が濃くて美味し!一口飲むごとに滋養が体に染み渡り、体がポカポカに暖まってきます!
日本風麻油鶏‏10
 塩とこしょうのみのシンプルな味付けなんですが、日本酒をたっぷり贅沢に使っている為お米由来の優しい甘味がほのかに効いていて、おかげで砂糖では出せない自然な甘じょっぱさが舌へじんわり浸透していきます。
 材料が少ないのでもっとサラサラしたスープを予想していたんですが、実際は鶏皮からにじみ出た鶏油と、骨から溶け出た濃密なエキスのせいかなかなかとろみの強いスープで、口当たりが官能的なまでにトロンとしているのが印象的でした(←飲み終わると、口の周りがヌルヌルテカテカします;)。
 鶏油パワーが行き過ぎてややぼんやりした味わいのスープになるのを、しょうがのすっきりした香りや、わずかな辛味を帯びたキレのある風味によって防がれているのが見事で、シンプルながらも癖になる一品でした。
 見た目はさっぱり風ですが、鶏だけでなくごま油の香ばしい旨味がいいアクセントになっている為、あっさりしているようで実は力強いスープです。
 具の鶏手羽もホロホロした柔らかい弾力とジューシーさが美味で、「鶏の即席白湯スープ」と例えたくなる趣のこのスープにぴったりの相性でした。


 個人的に、これは大根やにんじんといった根菜類を入れて煮てもいけるんじゃないかな?と思いました。
 呑んだ後のシメとして雑炊風に仕立てても美味しそうなので、色々と応用が利きそうなメニューです。

●出典)『酒のほそ道』 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.04.13 Sun 22:42  |  

母が台湾人なのでよく食べます
台湾の酒や胡麻油を使ったものよりもこっとの材料でつくったほうが私は好みです
ちなみに塩も胡椒も入れません

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
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