『酒のほそ道』の“鮭と明太子の他人丼”を再現!

 その昔、ア○ゾンで色んなカレーを検索した事があったんですが、その中に何と「博多明太子カレー」という変わり種があるのを見て仰天した記憶があります;。
 確実にカレーの個性の方が強烈そうなので、明太子を入れる意味は果たしてあるのだろうか…と当時は疑問に思ったものでしたが、最近詳しく調べた所、ホワイトルーでどちらかといえば淡泊なルーに明太子が混ざっているとの事で、妙に気になっています。

 どうも、某カレー店で出されている明太チーズナンが好物の管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『酒のほそ道』にて岩間宗達さんが夜中に衝動買いした鮭弁当で作った“鮭と明太子の他人丼”です!
鮭と明太子の他人丼‏図
 ある秋の夜、宗達さんは同じ社内の飲み仲間達と一緒に居酒屋で軽~く飲むことになりますが、メニューを見る段になり、徐々に秋の味覚・鮭について話が盛り上がっていきます。
 この時期になるとサンマやサバが旬を迎える事で知られていますが、その中でも鮭は「秋味」として呼ばれているほど秋に縁深い魚で、かすみさんが「たしか鮭って、日本人が好きな魚の2位か3位じゃなかったかしら。1位がマグロで」と言った事から、各々が好きな鮭料理を語りだします。
 宗達さんはビールのつまみとして合うという理由から“チャンチャン焼き”、かすみさんは白ワインにぴったりという理由で“サーモンのムニエル”、海老沢さんは脂を堪能したいが為に“生の握り”、桜木さんは舌の上でとろける食感が格別だと“ルイベ”をそれぞれ推しており、内心「鮭って色んな調理法があるんだな~」と感心したのを覚えています個人的に、普通に焼いただけでは固くなりやすい身をホロリと柔らかくジューシーに仕上げられる“バターポン酢味のホイル焼き”が一押しです)。
 宗達さんがおっしゃるには、最後のシメに甘塩の鮭とイクラの醤油漬けをたっぷり乗せた“鮭とイクラの親子丼”を食べれたらいう事なしとの事でしたが、こんなに豪勢なごはん物を食べたらシメになるどころかかえってお酒が進んでしまいそうですので、それはどうかと苦笑しました;。
鮭は別名「秋味」とよばれるくらい秋に旬を迎える魚で、宗達さんも一押しの食材
 おかげですっかり鮭で一杯やりたくなった宗達さん一同は、何か鮭を使った料理はないかとお品書きを探すのですが、意外な事に一個も鮭料理が見当たらず、あるとすれば鮭おにぎりくらいだと分かり、驚くと同時にがっかりします。
 当管理人も初見時は「いくら何でも、一つくらいはありそうな気が…」と不思議に思った為、チェーン系居酒屋から個人経営の居酒屋までざっとメニューを調べてみたんですが、作中で言われている通り鮭がメインの料理はどこもほとんど置いておらず、あるとしてもおにぎり等のご飯メニューの具か、もしくは刺身の盛り合わせにちょこんと加わっているくらいで、あまりに不遇っぷりに少し気の毒になってしまいました;
 逆に人気があった魚介類はマグロ・イカ・海老などで、こちらは刺身でも焼き物でも揚げ物でも必ず何品か入っており、どこの居酒屋でも人気なんだな~と見ていて面白かったです。
 思うに、鮭はお酒というよりご飯との相性の方が圧倒的にいい魚ですので、お酒が主役である居酒屋ではどうしても脇役にならざるを得ないのではないかな?と推測しました(←現に、好きな寿司ネタランキングでは全体部門で一位というデータが出ています)。
意外にも、鮭は居酒屋のメニューにそこまでないようで、宗達さん達はがっかりしていました 
 結局、その場ではサンマやサバのメニューを注文する事でお茶を濁していましたが、しばらく経ってどうしても鮭が食べたくなった宗達さんは会社帰りにコンビニで鮭弁当を買い、他のおかずで晩酌した後にあるシメの一品を作ります。
 それが、この“鮭と明太子の他人丼”です!
 作り方はものすごく簡単で、お弁当から取り出した白ご飯を丼へ移して上にほぐした明太子をぬり、さらに塩鮭を乗せたらもう出来上がりです(もちろん、お弁当の鮭を使わず自分で買って焼いた塩鮭を使ってもOKです;)。
 宗達さん曰く、「明太子でも十分うまいぞー」「鶏肉+卵の親子丼に対して豚や牛+卵を他人丼と呼ぶけれど、鮭の場合鮭+イクラが親子なら、鮭+明太子は他人丼てわけ」だそうで、イクラが手に届かない時はいい代用品になると喜んでいました。
 作者のラズウェル細木先生自身も、「鮭と明太子をまぶしたご飯がいいつまみになるのだ」「クセになって、3回ぐらい食ってしまった」と小文で語られており、読んでいると食欲がそそられたものです(´Д`*)。

 食後、宗達さんもラズウェル細木先生みたいに「こいつはイクラより安上がりでケッコーくせになるかも…」と満足げにしていましたが、偶然旅番組で鮭とイクラの親子丼がアップで映されたのを見るとあっさり前言撤回し、速攻24時間営業のスーパーへ駆け出して鮭とイクラを買い出しに走り出していました;。
 宗達さんの趣旨替え癖はいつもの事ですが、今回はわずか数秒での鞍替えだったので、思わずずっこけたのを覚えています;。
塩鮭入りのお弁当を買って他の具はおつまみにし、塩鮭とご飯で丼にしていました宗達さんはこの組み合わせを海の他人丼と呼んで一杯やっていました;
 かなり簡単な割にはとても美味しそうだったので、再現することにしました。
 鮭と明太子は本当に合うのか確認する為、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の準備。塩鮭は魚焼きグリルで両面をこんがり焼き上げて大きな骨を外し、明太子は薄皮を丁寧に取り除いて丼に持った炊き立て白ご飯へやや多めに塗り付けます。
 ※ご飯をよそってすぐに明太子を塗ると熱が通り過ぎますので、湯気がわずかにおさまった時に塗る事をお勧めします。なお、人肌に冷ましたご飯や、放置して冷えたご飯を使っても可です。
鮭と明太子の他人丼‏2
鮭と明太子の他人丼‏1
鮭と明太子の他人丼‏3
 この明太子を塗ったご飯の上へ、先程焼いた塩鮭をど真ん中に乗せて飾り付ければ“鮭と明太子の他人丼”の完成です!
鮭と明太子の他人丼‏4
 鮭と明太子はどっちも同じような色ですので、色味に乏しい丼になるのではないかと思ったのですが、鮭の鮮やかな夕暮れ色と、明太子の淡い桜色が優しい色合いを生み出しており、青味がなくてもそこまで気になりませんでした。
 鮭といくらはともかく、鮭と明太子という組み合わせはあまり聞かないので、一体どういう味になるのか非常に楽しみです。
鮭と明太子の他人丼‏5
 それでは、出来立ての内にいざ実食!
 いっただっきまーすっ!
鮭と明太子の他人丼‏6


 さて、味の感想はと言いますと…意外としっくりくる組み合わせで美味し!色んな塩味が入り交じって調和しています!
 脂がたっぷり乗っていてしっとりジューシーに焼き上がった塩鮭に、ねっとりとろけるような舌触りの明太子が絡んで噛むごとにプチプチと弾けていくのがたまらなく炊きたてご飯とぴったりで、思わずうっとりします。
 塩鮭の後を引くストレートに旨辛い塩分と、明太子の熟成されたコクのある塩気がふっくり炊けた新米の自然な甘味を最大限まで引き出しており、まさに秋ならではの贅沢ご飯だと感じました。
 鮭といくらを使った正真正銘の豪華な親子丼は文句なしに相性抜群ですが、この明太子を合体させた他人丼も派手さはなけれどもしみじみ味わい深く、数の子を噛む時のように辛抱強くいつまでも噛み続けていたい魅力があります。
 面白い事に、熱々のご飯に明太子を乗せて少し経たせるとそこまで熱は通らないものの、粒々感は少し控え目になって口当たりがなめらかに変化する感じで、ひと味違った味わいになるのが塩鮭とよく合っていてナイスでした。
 ビールや日本酒に殊更合うので、おつまみにもなるのが嬉しいです。
 明太子と鮭のおにぎりを温かいまま食べるとこんな感じなんだな~というイメージで、かなりシンプルですが飽きのこない王道的な一品です。


 最初は「鮭と明太子って合うんだろうか…」と訝しんでいましたが、食べてみるとそこまで違和感がなくてほっとしました。
 味が濃いせいか冷めても美味しいので、ちびりちびりとつまみつつ呑みたい方にもおすすめです。

●出典)『酒のほそ道』 ラズウェル細木/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2016.04.30 Sat 00:01  |  

塩鮭ってスーパーでパックで買うしかないですけど、けっこうあたりはずれがありますよね。パサパサだっがきつかったり。私ね、とりあえずこさじ一杯ていどの酒をふりかけてしぱらくおいてからやくようにしてます。しっとり感があるがるし、塩気も抑えられます。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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