『クッキングパパ』の“秋のぶっかけ素麺”を再現!

 個人的に、素麺アレンジレシピの中で一押しなのはグリーンカレー素麺です(←最初からどっぷりつけるのではなく、一口サイズに小さくまとめた素麺をつけ麺風に浸けて食べるのがおすすめ)。
 一見ゲテモノ風の組み合わせに見えますが、グリーンカレー特有のストレートな辛さとスパイシーな風味に素麺が殊の外よく合い、ツルツルいけます。
 これだと夏に余った素麺でも、秋から冬にかけて美味しく消費し切る事が出来るますので、重宝しています。

 どうも、試しに欧風カレーと素麺を合わせてみるとそれはイマイチで苦笑いした管理人・あんこです;。 


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて吉岡さんが腰を痛めたカツ代さんの為に作った“秋のぶっかけ素麺”です!
秋のぶっかけ素麺図
 連載当初は衝撃的だった吉岡さんとカツ代さんの再婚も、何年も経過した現在ではほとんど違和感がなくなって自然になっている為、時の流れは速い物だとしみじみ実感します(再婚当時はまだ小学四~五年くらいだったまこと君はもう大学生に成長し、その頃は存在すらしていなかったみゆきちゃんも小学六年にまで成長しているのですから、それも当然かもしれません;)。
 最初は「再婚したのは、こいつがあんまりしつこかけんたい!」と照れ隠しにツンツンしていたカツ代さんでしたが、この頃になると寝込んだ吉岡さんに対して「早う治りぃね」と素直に言えるほどいいご夫婦関係になっており、読んでいて微笑ましい気持ちになります(←まあ、「でないと、安心してパチンコ行けんめえが」というセリフが後に続きますが;)。
 もっとも、吉岡さんは初登場時から現在までよく言えば穏やか、悪く言えばマイペースな性格はそのままで、お二人が結婚するきっかけとなった本の散らかし癖は一向に改善されておらず、「少しは片付けんしゃい!」「もう全部捨てっしまうけんー」とカツ代さんが雷を落とす事もしばしば。
 普段はカツ代さんよりもずっとしっかりしている吉岡さんも、その時ばかりは「わーっ、待って待ってみんな大事な本なんですー!」「片付けますよ、片付けますから~」と、まるでおもちゃを散らかしてお母さんに叱られている少年みたいで、思わずかわいいな~と苦笑しました;。
 一見まるで正反対ですので、お互いストレスが溜まらないんだろうか…と幼い頃は不思議だったものですが、吉岡さんは「でもね、本当に助かってるんですよ。僕一人だと全然整理できなくて」とカツ代さんに感謝していたり(←時々「おふくろは口うるさいですからね~」とちょっとした愚痴に付き合ってくれる息子・荒岩一味係長や、「自慢じゃないけど、私も片づけがへたっぴで;。もしあたしがお義父さんと結婚していたら、家は滅茶苦茶になっていたでしょうネ」とお茶らけてくれるお嫁の虹子さん、ちょくちょく遊びに来てくれる孫のまこと君達がいるのも、生活に張りが出ていて感謝しているご様子)、カツ代さんも意外と寂しがり屋なのが吉岡さんと一緒になれて内心感謝している描写があったりと、何だかんだで帳尻があってうまくいっている感じなのが今では分かる感じで、こういうのが夫婦の醍醐味なのかな~と考えさせられます。
大切な本なのに、ずーっと散らかしたままなので遂にカツ代さんが激怒していました;
 今回ご紹介するお二人のエピソードは、日暮れがめっきり早くなったある秋の日のお話。
 カツ代さんがパチンコへ出かけている間に本の整理を終わらせることができた吉岡さんは、カツ代さんの帰りが珍しく遅いのを心配するのですが、悪い予感は的中し、近所に住むおタキさんが「たいへんバーイ!カツ代さんが、カツ代さんがー」と血相を変えて駆け込んできます(←おタキさんの初登場話は、こちらです)。
 そのただならぬ様子に慌てた吉岡さんは、急いでカツ代さんの行きつけのパチンコ店へと走るのですが、いざ着くとそこにいたのは、大量の玉が入った箱に囲まれつつも腰を痛めて動けなくなった、困ったカツ代さんの姿;。
 何でも、途中で腰が痛くなったのに気付いたようなのですが、尋常ではない玉の出具合に興奮したカツ代さんは、その後も気合で座り続けてパチンコを続行したとの事で、おかげで最終的には一歩も動けなくなるくらい悪化してやむなく助けを呼んだと話していました。
 本当に人騒がせな話ですが、緊急度の高い病気で倒れたのではなくぎっくり腰で済んでほっとしたのも事実で、吉岡さんもそう思ったのか一言も責めずに「大丈夫ですか~?」と励ましながら自分の何倍もの体格のカツ代さんを支えながら家路をたどっていました;。

 そんなこんなでやっと家に到着し、吉岡さんは「いつもの腰痛やけん」と病院に行かず自宅で安心して眠るカツ代さんを見て一安心するのですが、目が覚めた時にすぐ何か食べられるようにと、早速軽い夕食を準備します。
 その際、吉岡さんが作ったのが“秋のぶっかけ素麺”です!
 作り方は簡単で、いりこ出汁、醤油、みりん、日本酒を調合した合わせつゆ・茹でた素麺・大根おろし・刻みネギ・鰹節・炒りごま・刻み海苔・練りわさびを丼容器に入れたらもう出来上がりです。
 鰹節や昆布でとった出汁で作ってもいいそうですが、今回は吉岡さんのこだわりでいりこ出汁を使ったみたいでした。
 例えるとするならぶっかけうどんの素麺バージョンというイメージですが、いりこ出汁を注いで熱々の内に食べるとまた違った美味しさになるのだとか。
 カツ代さんは目が覚めた後、久々に大勝ちしてご機嫌だったせいもあってか、“秋のぶっかけ素麺”を一口食べるなり「う~ん、おいしかぶぁい!!」とさらに上機嫌になっており、こちらまで嬉しい気持ちになりました(←ここまで百点満点の笑顔を浮かべるカツ代さんの姿は久々な気がしますので、尚更です;)。
今度は自分の方がパチンコに熱中するあまり腰を痛めてしまい、立てなくなってしまってました;腰の痛みもひき、大勝したことも思い出したせいもあって上機嫌なカツ代さん
 その後、吉岡さんはカツ代さんから「部屋もだいぶ片付けたんやね。うん、えらいえらい」と褒められ、幸せな気持ちで就寝するのですが、翌朝、昨日のカツ代さん騒動&本の片づけによって腰へ大幅に負担をかけたのが原因で、激しい腰痛に襲われていました;。
 しかし、機嫌がいいのと吉岡さんへの感謝の気持ちが持続していたカツ代さんは、珍しく「今日はもう、一日ゆっくり本でも読んどきんしゃい」と寝転がっての読書を快く許しており、吉岡さんを喜ばせていました(^^*)。
 何という事もない、ごく普通のお話かもしれませんが、老後もこんな風に夫婦で仲良く支え合っていけたら幸せだろうな~と羨ましく感じた日常の一コマでした。
パチンコも買って、気遣ってもらえてと上機嫌なカツ代さんは、珍しくだらだらタイムを認めていました;
 素麺を温かくして食べるといえばにゅうめんしか思いつかなかったので、初めて読んだ時から「どんな味だろう」と気になっていた為再現する事にしました。
 詳細なレシピが作中に載っていることですし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、合わせつゆ作り。頭と内臓を取ったいりこと水を鍋に入れて一晩浸け、翌日そのまま火にかけて出汁を取ります。
 沸騰直前になったら火を弱めてしばらく煮続け、最後にいりこを取り出して布で丁寧に漉します。
 これで、つゆに合わせるいりこ出汁は準備完了です。
秋のぶっかけ素麺1
秋のぶっかけ素麺2
秋のぶっかけ素麺3
 その間、日本酒とみりんを入れた別の鍋を火にかけてアルコール分を飛ばし、途中で醤油を加えて煮立たせ、つゆの素を作ります。
 このつゆの素と、先程のいりこ出汁を好きな割合で合わせてよく混ぜたら、合わせつゆの出来上がりです。
秋のぶっかけ素麺4
秋のぶっかけ素麺5
 次は、素麺の用意。
 沸騰した大量のお湯で素麺を茹でてザルにあけ、流水でよくすすぎながら揉み洗いし、氷水でキュッとしめておきます。
 この素麺を、食べる直前に再度熱湯でさっと湯通し、ザルで水気を切ってから丼容器に移し、そこへ大根おろし、刻みネギ、鰹節、炒りごま、刻み海苔、練りわさびを乗せます。
秋のぶっかけ素麺6
秋のぶっかけ素麺7
 具を全てトッピングし終えた後、温め直した合わせつゆを上からたっぷり注げば“秋のぶっかけ素麺”の完成です!
秋のぶっかけ素麺8
 鰹節といりこ出汁の濃密な香りが周囲に強く漂う為、見た目のさっぱりしてそうなイメージに反し、結構味が濃ゆそうな印象を受けます。
 湯気が立っていますので、理屈では温かそうだと思うのですが、パッと見は素麺つゆみたいに見えなくもない茶色いおつゆの中で涼しげに揺らいでいる素麺を見ると妙に冷たそうに見え、不思議な気持ちになりました;。
 温かいぶっかけうどんはともかく、温かいぶっかけ素麺は今までに食べた事がありませんので、一体どういう味がするのか興味津々です。
秋のぶっかけ素麺9
 それでは、温かい内にざっと混ぜていざ実食!
 いただきま~す。
秋のぶっかけ素麺10


 さて、味はと言いますと…体がほんのり暖まって旨し!これは十分ありなアレンジです!
 普段食べている鰹節や昆布の合わせ出汁を使った麺つゆは、キリッと爽やかな風味で冷たい素麺をよりさっぱり頂けるので如何にも夏向けという感じでしたが、いりこ出汁は合わせ出汁よりもしっかりしたコクと深い旨味エキスが温かい素麺にぴったりで、秋向けの組み合わせだと思いました。
 辛味よりも甘味が強い所は昆布出汁と同じなんですが、昆布は万人受けするゆったりとおおらかに包み込むような甘さなのに対し、いりこは多少癖が目立つもののどっしりと構えて舌を圧倒する豊潤な甘さで、味の濃い物を求めるようになるこれからの季節にうってつけです。
 温かい素麺と言うとにゅうめんが頭に浮かびますが、これは氷水で冷やした後にさっと湯通しするに留めたせいか、冷やし素麺のようなピチピチ感のある歯応えと、にゅうめんみたいな優しい口当たりが両立した不思議な食感になっており、病み付きになりました。
 大根おろしの甘苦い水分、鰹節からにじみから出たキレのある出汁、ネギのシャキシャキ感、いりごまの香ばしさ、わさびのピリッとくる辛さ、海苔の磯風味が、甘辛いおつゆをさらに奥行きのある美味しさに変身させているのがよかったです。
 また、大根おろしが溶け込んだおかげでみぞれ汁風になり、素麺におつゆがよく絡んでいるのがナイスでした。


 これまで、素麺といえば冷たく冷やすかにゅうめんかのどちらかしか思い浮かばなかったのですが、こういう食べ方もあったんだな~と目から鱗が落ちた再現でした。
 食欲がない時の軽食や、夜食として最適な一品です。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2013.12.03 Tue 22:43  |  


老齢夫婦の鑑みたいですよね吉岡夫妻

そういえば、吉岡さんが初めてカツ代さんに作ったのも、ぶっかけ系でしたね

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
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