『華中華』の“お正月の数の子チャーハン”を再現!

 新春、明けましておめでとうございます!
 2014年も、当ブログ共々宜しくお願い申し上げます。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがあるご一家の為に元旦の日に作った“お正月の数の子チャーハン”です!
お正月の数の子チャーハン図
 前回からあっという間に数週間経って十二月三十一日を迎え、元旦を目前に控えた夜の事。
 満点大飯店は例年通り元旦はお休みして、一月二日から営業開始になる事を伝えた島野料理長は、一旦はそのまま解散しようとするのですが、去年から新しく始まった行事・マダム奈可子さんと計太郎さんが自宅で主催するお年始会についてちらりと触れ、「さー、みんな着替えて!年越し初詣して、みんなでマダムのお宅へ行くわよ!」とみんなへ呼びかけます。
 実を言いますと、ハナちゃんは康彦さんと二人で鶴岡八幡宮へ初詣しようという約束をしており、今年ばかりはお年始会をご遠慮したかったみたいで、他の人が「あの、それは全員参加ですか?」と質問して「強制じゃないわ、あくまで自主参加よ。あたし、それほどイヤミな人間じゃないからね、ホホホ」と島野料理長が返答していたのを聞いてほっとしていたのですが、ハナちゃんやチビ太さん・ノッポさん・ぶーちゃんの四人は特別だったみたいで、「当然、あんた達は行くわよね!初詣とマダムのお年始会!」と笑顔で無言の強制をされており、やむなく「は、はい!」と答えちゃっていました;。
 もちろん、強引に断ろうとすれば出来たと思うのですが、そうした場合に後々起こるであろう人間関係のギクシャク感&親密度低下を想像すると元通りに戻すには結構骨だという事が容易に想像がつきますので、ハナちゃんが断り切れなかったのも無理ないな~と、つい共感交じりの苦笑をしたものです(´∀`;)。
 しかし、実際に参加してみると「従業員の皆さんがあっての満点大飯店」という和やかなムードに包まれたマダム奈可子さん宅は過ごしやすく、ハナちゃん達はすっかり打ち解けムードで阿波踊りを踊ったり、お酒を飲み合ったり、その上何とお年玉までもらったりするなどして、お年始会を満喫していました。
 とはいえ、計太郎さん一人はお年始会が始まる直前、「本当は、箱根でのんびりと温泉に入っての新年がよかったなぁ…」とため息交じりだったんですが、根は寂しがり屋で内心皆と仲良くしたいと考えていたらしく、いざハナちゃん達が来ると誰よりも喜び、率先して阿波踊りを舞ったりして羽目を外していました。
 そういう面を普段から素直に晒していたら、もっとみんなから慕われるようになるのでは…と思うのですが、性格的にも、オーナーとしての面子的にもそうはいかないらしく、相変わらず難しい人間模様だな~としんみりさせられます(´・ω・`)。
去年に引き続き、マダム奈可子さんのお宅で新年会が開かれて盛り上がっていました
 こうして、予想以上に盛り上がったお年始会は早朝まで続き、結局ハナちゃんが上海亭で待つ康彦さんと会えたのはすっかり表が明るくなった頃;。
 当初、康彦さんは「初詣は今度にして、少しは寝たらどう?」とハナちゃんの体を案じてくれていましたが、ハナちゃんは遠慮して大丈夫と言った為、心配したおじいさんから「それなら、早く行った方がいい。鶴岡八幡宮は死ぬほど混んでいるからね」とアドバイスされたお二人は、落ち着く間もなくすぐにまたお店の外へと歩き出していました。
 すると、偶然にも上海亭の前で残念そうな顔をしている小さい男の子とそのご両親の姿を見つけます(ちなみに、上海亭も満点大飯店と同じく一月二日からが営業始めです)。
 会話の内容から察するに、どうやらお父さんの方は横浜の方へ出稼ぎに来ている上海亭の常連さんで、今日は久々に家族と再会していたようなのですが、男の子・健太君はお父さんからいつも「ここのチャーハンは安くておいしいよ」というメールをもらっていて上海亭に並々ならぬ関心を抱いていたらしく、出来れば元旦に食べたいと思ってダメ元で家族三人で足を運んでいたとの事。
 けれども、来てみるとやっぱりお休みで、お父さんとお母さんを気遣った健太君は「大丈夫、春休みまで我慢するよ」とけなげにも平気なふりをしようとしており、その姿を見たハナちゃんは、思わず「チャーハン…お作りします!」「…私、この店でチャーハンを作っています。だから、どうぞお入りください」と声をかけ、初詣の予定を急遽変更して上海亭へ逆戻りしていました( ←この時、康彦さんが「ごめんね…」と謝るハナちゃんに笑顔でVサインを送り、「それでこそ僕の奥さん」と言いたげな笑顔をしているのに、こちらまでほっとしました;。ちょっと前までは新婚さんみたいだったのが、今やぴったり息の合ったおしどり夫婦といった感じで、微笑ましいです)。
本当はお正月はお休みでしたが、せっかく久々に一家そろったご家族の為にとお店へ招いていました
 その際、ハナちゃんがおじいさんとおばあさんから渡された数の子を使って作った三百円チャーハン(←本来なら、原価からいってもっと高いそうですが、今回は頂き物の数の子を使用&三人前限定という事でこの価格が実現できていました)が、この“お正月の数の子チャーハン”です!
 作り方は簡単な方で、塩抜きをした後薄皮を取って五ミリくらいに切った数の子を日本酒と醤油で味付けし、それを基本チャーハンを仕上げる時に入れてさっと混ぜ合わせ、最後に花鰹を散らしたら出来上がりです。
 正直、初めて読んだ時は「数の子とチャーハンって…ちょっと無理やり感が目立つレシピでは;」と怪訝顔になりましたが、基本チャーハンはこしょう抜きで数の子に合うようにしたり、炒める時間をごく短時間に抑えて食感を守ったりと色んな工夫が作中でなされていた上、ネットで調べてみると意外にもあちこちで数の子チャーハンが作られているのを目の当たりにした為(一般家庭用のレシピは勿論、何とスーパーのHPにもレシピが載っていました)、「実はありな組み合わせなのかも…」と徐々に考え直して興味を抱くようになりました。
 あと、ただでさえ塩辛い数の子にわざわざ醤油をかけるのにも、醤油の持つ「塩味を和らげる効果(香味成分や乳酸などが塩分を抑えるのだとか)」「緩衝能(急激な味の変化を和らげ、素材と素材を調和させる)」「生臭みを消す力」という三つの力で数の子をより美味しくさせるためだそうで、一見単純なようでよく考えられたチャーハンだと思います(醤油の効能についての詳しい説明は、こちらにあります)。
お醤油には塩分だけではなく、乳酸菌などの成分が入っている為、かえってマイルドになるのだとか
 その後、ハナちゃんは“お正月の数の子チャーハン”を健太君ご一家にご馳走したハナちゃんは「私がここのチャーハンを作っているってことは、内緒にしてくださいね」と約束してもらうのですが、その数分後、思いがけない運命のいたずらがハナちゃんに襲い掛かります。
 固く約束したものの、健太君はハナちゃんの作ったチャーハンのあまりの美味しさに興奮冷めやらず、一度だけお店の前で「華子おねえちゃんの作ったチャーハン、おいしかったね!」とついお父さんに話しかけたのですが、何とそのセリフを偶然横を通っていた銀河楼飯店の店長代理・有田さんに、はっきりと聞かれてしまいます。
 普段はトンチンカンな事をしては周囲から呆れられている有田さんですが、不運な事にこの時だけは「上海亭のチャーハンは華子が作っている…!?華子って、あの満点大飯店の島野の下で働いている中村華子なのか?」と鋭い勘を発揮してしまい、「もし、そうだとしたら…面白い事が出来そうだ。こいつは年の始めからツイてるぜ!」と悪だくみをするという、最悪の展開を迎えてしまいます…。

 それにしても、考えさせられます。
 もし、ハナちゃんがお年始会に参加せず早い時間から鶴岡八幡宮へ行っていたら。
 もし、康彦さんへ素直に眠りますとお言葉に甘えていたら。
 もし、健太君親子に心の中でそっと手を合わせて、そのまま初詣に出かけていたら。
 ハナちゃんの秘密は漏れることなく、平穏無事に新年を迎えられていたと、当管理人は考えます。
 それを思うと、ハナちゃんの善意や優しさが全て逆効果になってしまったという事実がとても悲しく、やりきれない気持ちになるのですが(←約一名を除き、悪い人は誰もいなかったのも暗い気分を増長させます)、それと同時に、ハナちゃんがハナちゃんである以上、この事態は避けようがなかったという事実もまた、実感しています。
 何故ならハナちゃんの性格上、師匠である島野さんやマダム奈可子さんに対して我を通して不義理をする事も、普段何かと協力してくれる康彦さんに夫婦水入らずの時間を我慢させるような事も、自分のチャーハンを必要としてくれるお客さんを無視してお出かけする事も、絶対にできなかったと確信しているからです。
 その昔、マザーテレサは「性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから」という非常に深い名言を残していますが、恐らくハナちゃんは、仮にその言葉を知っていたとしても自分の納得する道を進み続け、あえて難しい運命の方を選んでいたと思います。

 避けられないのならば、自分の運命を自分の性格なりにどう守り抜き、変わる事の出来なかった代償を支払っていくのか。
 この話以降、ハナちゃんの真価が問われる展開が続きますので、次回以降、詳しくご紹介したいと思います。
何と、あのパクリ店長見習い・有田さんに、ハナちゃんの秘密がバレかけてしまいます…!
 ちょうど、お正月用に数の子をたっぷり買い込んでいましたので再現を決意しました。
 作中には詳しいレシピが乗っていますので、その通りになるよう早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、数の子の下準備。あらかじめ薄い塩水に数の子を一晩浸けて塩抜きをし、薄皮を剥いて五ミリの厚さになるよう切り分けます。
 切り終えた数の子をボウルに入れ、醤油と日本酒をふりかけてさっと混ぜ、全体に味をなじませたら数の子は用意OKです。
 ※醤油は入れ過ぎるとさすがに塩辛くなりますので、ギリギリのさじ加減で入れるよう注意します。
お正月の数の子チャーハン1
お正月の数の子チャーハン2
お正月の数の子チャーハン3
 次は、チャーハン作り。
 最初に、中華鍋(又はフライパン)でハナちゃん流基本チャーハンをレシピ通り作るのですが、今回はこしょうを一切使わず、塩を控え目にするよう気を付けながら作ります。
 このこしょう抜きの基本チャーハンを仕上げる直前、まず数の子にかかっていた調味液だけを回しかけて風味付けし、最後に数の子を投入してざっと混ぜ、すぐに火からおろします。
 ※火を通し過ぎますと、味も食感もガクンと落ちますので、要注意です!
お正月の数の子チャーハン4
お正月の数の子チャーハン5
お正月の数の子チャーハン6
 数の子がチャーハン全域へ行き渡ったら丸く成形してお皿に盛り付け、仕上げに花鰹をたっぷり飾り付ければ“お正月の数の子チャーハン”の完成です!
お正月の数の子チャーハン7
 生の時と同様に黄金色に輝く数の子と、ひらひら舞い踊る花鰹が見るからに縁起がよさそうで、ウキウキします。
 見た所、作中の注意書き通りすぐに火を消したおかげで品質劣化している様子はほぼなく、一安心しました。
 数の子とチャーハンという、なかなかに博打度が高い組み合わせを新年一番の再現で実行するのは結構勇気がいりましたが(←もし「………」な出来でしたら、何となく縁起が悪そうな気がしますので;)、実際にどんな味か食べて確かめたいと思います!
お正月の数の子チャーハン8
 それでは、出来立ての内にいざ実食!
 いただきまーす!
お正月の数の子チャーハン9


 さて、味の感想ですが…これ以上ないくらい「和」な味で美味し!ゲテ物どころか、定番化大アリな一品です!
 油っぽいチャーハンに数の子が果たして合うのだろうかと半信半疑だったんですが、こしょう抜きで辛味なしの穏やかな後口、日本酒によってふんわり香り高い風味に仕上がった和風チャーハンは予想以上にあっさりしており(←炊き込みご飯風といっても差し支えないです)、数の子の旨辛い塩味のエキスが弾けるたびにご飯粒へ絡んでぴったり調和しているのがたまりません。
 魚卵の深みのある脂分と、炒り卵の油を吸って膨らみが増したコクが混然となり、意外とよく合っていました。
 作中でハナちゃんが言っていた通り、醤油を少しかけた方が不思議と数の子独特の強いしょっぱさがマイルドになり、それどころか醤油特有の香ばしい旨味によって奥行きが生まれているのがナイスです。
 面白い事に、ちょっぴり熱が通る事によって数の子はさらに小気味良いプチプチ感やボリボリと砕ける噛み応えがアップした上、完全に生の時よりも若干口の中でばらけやすくなって食べやすくなっており、ご飯とのなじみが数段よくなっているのが特徴的でした(←すぐに火を止めたのが功を奏し、全くボソボソしていません)。
 花鰹をまとわせて食べると、濃い出汁成分がチャーハン全体を複雑な味わいに変化させてまた違った感じになりますし、何よりお酒にも相性抜群ですので、大満足でした。


 奇をてらった出落ち料理では全くなく、インパクトだけではなく美味しさも抜群なチャーハンでした。
 新春早々、幸先がいいな~と大満足した再現でした。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
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 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
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