『華中華』の“ぶつ切りロースハムのチャーハン”を再現!

 最近、近所にあるスーパーの生鮮コーナーの担当者がかわったのか、ポップや価格のシールに書かれる宣伝文句がえらく個性的なものへと移り変わりつつあります。
 「もう限界」「赤字覚悟」「今夜はこれで鍋に決定!」というスタンダードな物から、「お父さんお疲れちゃん!」「奥さん、これ安かよ!」「久々に仕入れてみたよ!」という語り掛け系までジャンルが幅広く、おかげでほぼ毎日このハイセンスな宣伝文句を見たいがゆえにスーパーへ通っている今日この頃です。

 どうも、ごく普通の田舎町だというのに生きた白魚やカニ、マグロの頭まで仕入れて店頭に置く担当者さんの豪気さに目が離せない管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが安く仕入れられたロースハムを使って作った三百円チャーハン・“ぶつ切りロースハムのチャーハン”です!
ぶつ切りロースハム・チャーハン図
 前回の出来事から数日後、有田さんにハナちゃんの秘密がばれるのは時間の問題だと悟った楊貴妃さんは、自分と同じくハナちゃんを影ながら見守っている大叔父・竹三郎さんの元へ駆けつけ、今後どうするべきか相談します(←この時竹三郎さんは観覧船に乗っており、船員の一人から楊貴妃さんは目撃されていたのですが、「横浜港の船には大昔の綺麗な中国衣裳を着た幽霊が時たまあらわれる。その姿を見た物は呪い殺されるから気を付けろ」という噂がまことしやかに囁かれていたおかげで、大騒ぎされずに済んでいました;。普段コミカルなシーンばかりなので忘れがちなのですが、こういう時にやっぱり伝説級のすごい力を持った幽霊なんだな~と実感します)。
 しかし、話の一部始終を聞いても竹三郎さんは静かにほほ笑むばかりで、一向に喋り出さなかったものですから楊貴妃さんは「有田って奴は何をしでかすか分からないんだよ。下手すると告げ口されて、ハナちゃんは満点をクビになっちゃうよ!それでいいのかい?」と苛立ちを露わにするのですが、それに対して竹三郎さんは静かに「放っておいた方がいい」として自分の意向を述べ始めます。
 竹三郎さんが言うには、人は危機に直面した時に本当の実力が試される物、乗り越えられたらさらに実力は増し、仮に乗り越えられなかったとしてもその後地力がついて著しく成長していく為、無闇に手助けしたら逆にハナちゃんの可能性を狭めてしまう可能性があるとの事で、どうしようもない最終段階で手助けするならまだしも、今はまだ何もするべきではないと結論付けたそうでした(←竹三郎さん曰く、ハナちゃんが今直面している危機は「転んでひざをすりむいた程度」、「一国を滅亡に導いた悪女という汚名を着せられた楊貴妃さんに比べたら、蚊に刺された程度」みたいで、波乱万丈な人生を送ってきた方々はスケールが違うな~と妙な説得力を感じた物です;)。
 初見時は当管理人も楊貴妃さんと同じく、「早く助けてほしい!」と考える派だったんですが、竹三郎さんのいう事は至極ごもっともで、正直ハナちゃんの為になる事をしたいというよりはハナちゃんが辛い展開を迎える姿を見たくない、苦しそうな顔を見る自分に耐えられないからさっさと何とかしてほしいというあくまで自分本位な、我が子の自立を無意識のまま阻害する過保護親に似た感情を抱いていたんだな~という事に気づかされ、反省しました;。
 その為、楊貴妃さんも最終的には「いざという時は私だと気づかれないよう助けましょう」という竹三郎さんの言葉を受けて渋々ながらも了承しますが、「なんたってアタシたちは、ハナちゃんが世界一大好きなんだから」という愛情に満ちた一言を呟いており、今やすっかり母親寄りの感情に目覚めているんだな~と微笑ましく感じました。
本当はすぐにでも助け出したいところを、ハナちゃんを成長させるためにギリギリまで手を出さないことに
 一方、自分の知らない所でそんな会話が行われていることなど知る由もないハナちゃんは、今日も元気に上海亭へ出勤し、チャーハン作りに取り掛かります。
 実は、ハナちゃんは島野料理長から「お肉屋さんが暮れに仕入れたハムを売れ残らせたって言ってたから、もうすぐ大安売りされるはず」という情報を入手していたおかげでハムを大量に安く購入する事が出来ており、普段だったら価格的に厳しいはずの新しいハムチャーハンを考え出すのに成功していました(←奥さんになってからというもの、急に情報収集や節約術が旨くなったような気がします;)。
 その際、ハナちゃんが「たとえ三百円のチャーハンでも、赤字を出さずに、出来るだけ贅沢感のある物にしたいです」「お客さんに元気になってもらうと、私も元気が出ます」という想いを込めて作ったのが、この“ぶつ切りロースハムのチャーハン”です!
 作り方は結構簡単で、ぶつ切りにしたロースハム・玉ネギ・マヨネーズ・ブラックペッパー・塩・溶き卵・ご飯・刻みネギを順々に熱した中華鍋で炒め合わせたら出来上がりです。
 ポイントは、お得感と贅沢感を演出する為にロースハムを1.5センチ幅の分厚い角切りにする事、ハムと相性のいいマヨネーズを加えて味の決め手にする事の二つだそうで、特にハムはこれ以上大きくすると食べにくく、小さくすると特別感が少ないので、なるべくこの大きさを守った方がいいと書かれていました。
 ハムとマヨネーズが如何に合うのかは、すでにサンドイッチで定番の組み合わせになっている事からも明らかですので、初見時は「いつか試してみたい…」と猛烈に食欲を掻き立てられたのを覚えています;。
ハナちゃんは肉屋さんが正月用に仕入れたハムを余らせ、値引くことを予測していましたロースハムを使ったチャーハンの隠し味は、入れ過ぎない程度の量のマヨネーズ
 ハナちゃんの狙い通り、この“ぶつ切りロースハムのチャーハン”は雪混じりの雨が降る中でも皆並んで待つほど大好評を博し、その日も満足そうに満点大飯店へ戻ろうとするのですが、いきなり目の前に有田さんが立ちふさがって呼び止められます。
 それまでは適当にあしらっていれば回避できていた為、、ハナちゃんはいつも通り謝りながら先へ進もうとするのですが、「満点にいられなくなってもいいのか?」「俺は知ってるんだぜ…お前が毎日、上海亭で何をやってるのか、をな」と脅されて心臓が凍り付き、そのまま言われるがままに近くの公園へ連行されます(←この日、恐ろしい事に有田さんはハナちゃんがチャーハンを作る現場をドアの隙間から覗き見し、秘密が本当である事をきっちり確認してから脅しにきていました。その情熱を商品開発にむけたら真っ当に評価されるのにと小一時間問い詰めたry)。

 その後、火曜サスペンス劇場によく登場する開始十分で殺されるゆすり屋のように有田さんが最初に要求したのは、「バラされたくなければ、お前がこれまで考え出したチャーハンのレシピを全部俺に渡せ」というものだったのですが、どこまでもお人よしなハナちゃんは「もしかして、私の考えたレシピを使って頂けるんですか!」「私、自分のチャーハンをもっと多くの方に召し上がって頂きたかったんです。銀河楼さんのメニューにしてもらえるなんて…急いでレシピを書きます!」と斜め上の反応を見せ、図らずも器の違いを有田さんに見せつけるのですが、それが却ってプライドだけは高い有田さんの神経を逆撫でしてしまい、もっととんでもない要求をされてしまいます(←前回指摘した通り、ここでもハナちゃんの善良な性格がさらに苦境を招いているのがまた何とも…)。
 それは、「明日からはお前が新しく考えたチャーハンのレシピは、まず銀河楼のメニューにする。上海亭はその一週間後だ」「俺の専売特許だったパクリ屋の称号を、上海亭に進呈してやる」という、卑劣極まりない物。
 さすがにこれにはハナちゃんも到底受け入れられずに抵抗するのですが、有田さんがそれを聞き入れるわけもなく、「どうしても嫌というなら…満点大飯店にお前の裏切り行為…休憩時間に上海亭でチャーハンを作っている事をバラす」「そうなったら、お前は即刻クビだ!」と一方的に言い放ち、さっさと銀河楼へと戻っていきます。
 ハナちゃんは雪が降りやまぬ中呆然と崩れ落ちるのですが、その様子は今までに一度も見せた事がないくらい打ちひしがれていた為、本誌で初めてこのシーンを見た時は本当にどうなる事かとこちらまで暗い気持ちになったものです…。
 けれども、その様子を痛ましそうに見ながら楊貴妃さんが「…ハナちゃん、負けるんじゃないよ。必ず…打破できる手はあるはずなんだから。それを死ぬ気で考えるのさ…ハナちゃん!」と呼びかけるシーンが、暗闇の中にともる小さな灯のように思え、少しだけ希望を持ったのを覚えています。
 果たしてハナちゃんは、一体どんな道を選択するのか…次回、その先をご紹介しようと思います。
有田店長代理から恐喝を受けたハナちゃんは、一体どうするべきか、なやみになやみます…
 ハナちゃんのアドバイス通り時期が落ち着いてからスーパーへ行くと、ボンレスハムが一時期よりも明らかにお安く売られていた為、これ幸いと再現する事にしました。
 作中に載っている詳細なレシピ通り、早速作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、炒め作業。油を引いて熱したフライパン(又は中華鍋)へ、大きめのみじん切りにした玉ネギと、幅1.5センチ以上の厚めの角切りにしたハムを投入して炒め、少ししんなりしてきたら粗挽きブラックペッパーを振って混ぜ合わせます。
 全体にブラックペッパーがまぶされてきたらマヨネーズを絞り入れ、ざっと炒め合わせます。
 ※マヨネーズは少なすぎても効果が実感できず、かと言って多すぎても脂っこい出来になりますので、注意が必要です。
ぶつ切りロースハムのチャーハン1
ぶつ切りロースハムのチャーハン2
ぶつ切りロースハムのチャーハン3
 マヨネーズが溶けかけてきたら、溶き卵→ご飯の順に食材を一気に加えてスピーディーに炒め、塩で調味しつつ混ぜていきます(←お玉や木べらの側面で押しつぶすようにして卵とご飯をなじませつつ炒めると、パラッと仕上がりやすいです)。
 次第にご飯がばらけ、具がチャーハン全域へ行き渡ったら刻みネギを入れ、さらに混ぜ合わせます。
ぶつ切りロースハムのチャーハン4
ぶつ切りロースハムのチャーハン5
ぶつ切りロースハムのチャーハン6
 刻みネギが混ざってきたら火からおろし、お皿へ丸く成形して盛り付ければ“ぶつ切りロースハムのチャーハン”の完成です!
ぶつ切りロースハムのチャーハン7
 ぶつ切りにされた大ぶりのハムがあちこちからゴロンと顔をのぞかせているのが豪快で、これは男性が喜ぶだろうな~という印象を受けました。
 マヨネーズの匂いはほぼなく、どちらかというとハムのそそる焼けた肉の香りの方が強い感じで、見るからに食欲をそそります。
 ハム・玉ネギ・マヨネーズは合う事間違いなしな組み合わせですので、どういう味がするのか楽しみです!
ぶつ切りロースハムのチャーハン8
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いっただっきま~っす!
ぶつ切りロースハムのチャーハン9


 さて、味はと言いますと…ぶつ切りハムがゴロゴロ入ってて、迫力のある美味さに満足!単純な材料しか使っていないのに、とても贅沢な味です!
 ブラックペッパーによってピリッとした刺激がプラスされ、大きくカットしてザクッとしたボリューム満足の噛み応えになったハムは、「スパイシーサイコロハムステーキ」と例えたくなるような味わいで、噛めば噛む程豚の旨味が溢れ出します。
 豚肉特有のがっつりしたコクと甘やかな脂分が塩漬けされた事でギュッと凝縮されたハムと、炒めていく内に自然な甘味が増した玉ネギが組み合わさって生まれた癖になる甘じょっぱさがチャーハンにぴったりで、バクバクいけました。
 ご飯一粒一粒がハムからにじみ出た肉汁を吸い込み、噛めば噛む程深みが増していくのがたまりません。
 マヨネーズの酸味は全く残っておらず、醤油も使っていない為ベースは単純な塩こしょう味なんですが、味付けがシンプルな分具の旨味がひき立っている感じがしました。
 卵は基本チャーハンの物と違い、ふっくらというよりは細かいスクランブルエッグ状になっていますが、その分ご飯との絡みがよく、食べやすかったです。
 また、マヨネーズの油分で全体が覆われたおかげでしっとりした柔らかさとパラッと軽くほどける口当たりが両立しているのがナイスでした。


 ハムがない場合はベーコンのぶつ切りを使ってもいいですが、ハムの方が塩気のバランスがちょうどいいので、こちらの方がおすすめです。
 ビールのおつまみとしても最適なチャーハンですので、飲兵衛向きだと思いました。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.01.28 Tue 07:15  |  

わたしも、そのスーパーに行って見たいと思いました^^
毎回、美味しそうな料理と文章を楽しみにしています

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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