『くーねるまるた』の“まぶし鰻風油あげご飯”を再現!

 相方さんが小学生だった頃の友達の一人に、ドラクエ仲間がいたそうなのですが、何故かその少年は勇者に「ゆうしゃ」、賢者に「あそび」、魔法使いに「まほう」と名付けするなどなかなか変わったネーミングセンスの持ち主だったそうで、当時でも周囲は変人扱いをしていたとの事;。
 おまけに、FF6では十人近くいるキャラを「男1」「男2」とわざわざ名前を変えてプレイしていたみたいで、ここまで徹底していたら逆にすごいと感じたみたいです。
 そのくせ、何故か女キャラは「かわいいから」という理由で「かえで」「さくら」と普通にいい名前をつけていたそうで、最後の最後まで名付けの基準が分からなかったと話していました;。

 どうも、ゲームで名前を決める場面になると何時間かけても決めきれず、結局そのまま電源を落としたことがある優柔不断な管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『くーねるまるた』にてマルタさんが鰻を食べた気分に浸ろうとして作った“まぶし鰻風油あげご飯”です!
まぶし鰻風油あげご飯図
 ある日、マルタさんは近所の図書館で開かれていた絵本の読み聞かせ会へ参加するのですが、そこで児童書・『ごんぎつね』のお話を聞き終えるや否や、人目もはばからずに大号泣してしまいます。
 『ごんぎつね』は長い間小学校の教科書に採用されただけあり、日本ではかなり知名度が高い作品ではありますが、ポルトガル出身のマルタさんは当然ながら全く知らなかったようで、それだけに衝撃的なラストに対してショックを隠せなかったみたいでした;。
 当管理人自身、その昔『ごんぎつね』を国語の授業で習った時は、知らず知らずの内に取り返しのつかない行動を取ったがゆえに引き起こされた悲劇の残酷さ、正面から言葉を交わせないが為に続くすれ違いの切なさをほぼ初めて思い知らされた機会でしたので、それから数日間は何となく落ち込んだのを覚えています;。
 特に最後の、孤独な魂と魂がほんの一瞬だけ触れ合ったかと思うと一方はすぐに消え、もう一方はなすすべもなく立ち尽くすのみという儚い邂逅のシーンは、子ども心にすごく印象的で、未だにこういった展開が出てくる作品に弱いのは間違いなく『ごんぎつね』の影響だろうな~と今更ながら苦笑しています
 なお、ごんのとった行動は未だに賛否両論あって一概にどれが正しいとは言えない状態なのですが、無意識の内に感じていた寂しさをイタズラしてかまわれる事によって満たしていたごんの姿は、個人的に小憎らしいきつねというよりは善悪の区別がつかず、ストレートに自分の感情を表している幼子というイメージの方がしっくりくる感じで、あまり責める気になれないというのが正直な気持ちです(←作中のマルタさんも、いたずら小僧っぽいかわいいごんをイメージして「ごんちゃん…私のところに鰻届けてくれないかなぁ…」と想像していた為、共感しました)。
ごんぎつねのお話を聞いたマルタさんは、鰻を食べたくてしょうがなくなります;
 その後、マルタさんは『ごんぎつね』の余韻に浸りつつしんみりしながら帰途につくのですが、泣き疲れたのが原因でお腹が空いてしまい、ごんの影響もあってか鰻屋へと足が吸い寄せられていました;(←悲しい時でもお腹がすくのは健康な証拠ですので、ずっこけつつも喜ばしい限り!)。
 しかし、万年金欠状態のマルタさんに鰻は高嶺の花で、表にあった値段つきの看板を見るやすぐに「……まあ、手が届かないのは分かっていたけどね…」とすぐに諦めちゃいます。
 けれども、ごんが鰻をくわえて持ってくるシーンを想像した途端、「鰻ときつね…ん?ひょっとしてアレさえあれば…」と突如いいアイディアが浮かんだマルタさんは、鰻がなくても鰻を食べた気分に浸れる料理を作ろうと急いで帰宅します。
 こうして、マルタさんが精一杯本物の鰻の味に近づけるよう努力して作ったのが、この“まぶし鰻風油あげご飯”です!
 作り方はものすごく簡単で、お湯で油抜きした油揚げを鰻のタレにつけては焼き、つけては焼きを繰り返した物を細かく刻み、白ご飯へ混ぜ込んだらもう出来上がりです。
 マルタさん曰く、きつね=お稲荷=油揚げが好物であることから鰻の代用品として油揚げを、また、『ごんぎつね』の作者・新美南吉さんの出身地が愛知県である事から愛知名物“ひつまぶし”風にすることを思い付いたのだとか。
 どう考えても油揚げと鰻の食感は違いすぎるのではないかな~と、初見時はマルタさんが少し不憫になったものでしたが;、マルタさんは十分幸せだったみたいで「にゃ~!」と何とも言えないかわいい笑顔を浮かべていた為、これはこれでありなのかな?とちょっと気になっていた料理です。
本物のうなぎは値段が高すぎて断念しますが、代わりにウナギのタレを購入します
 ちなみに翌日、マルタさんは余程ご飯の出来に気を良くしたのか家の中で食べるだけでは飽き足らず、何とおにぎりにした“まぶし鰻風油あげご飯”を持参して鰻屋の前まで足を運び、店先から漂ういい煙をおかずにしながらおにぎりを食べるというエキセントリック過ぎる大胆な行動に出ています;。
 飲食店から出てくる煙をご飯にして食べる、ある意味究極の節約外食・「ダクト飯」の術を会得しているのは、世界広しといえどオードリーの春日さんくらいだと思っていましたが、まさか女性で美人でポルトガル人のマルタさんがそれを実行する強者だとは夢にも思っていなかった為、結構衝撃的だったのを覚えています;。
 ただ、マルタさんの持つ天然な空気やかわいらしさのせいか、絵面で見てもそこまで悲壮感はなく返って微笑ましい光景のように感じられたので、改めて「かわいいは正義」なのだな~と納得させられました(^^;)。
何と、鰻を焼く煙をかぎつつ、まぶし鰻風油揚げご飯をほおばるという冒険行為に出ていました;
 近所のお店でいい鰻のタレを購入する事が出来た為、再現してみる事にしました。
 作中には分かりやすい調理工程が載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、油揚げの下処理。油揚げ(←お豆腐屋さんで売られている物と遜色のない、お高めな油揚げをお勧めします)をお湯を沸かした小鍋に入れて油抜きをし、しっかり水分を絞ってからキッチンペーパーで水滴を拭き取っておきます。
 ※絞る時、中の空洞から油と水分が「ビチビチビチ!」とすごい音を立てて出てきますので、ご注意!
まぶし鰻風油あげご飯1
まぶし鰻風油あげご飯2
まぶし鰻風油あげご飯3
 この油揚げを、鰻の蒲焼きのタレ(←なるべく鰻屋さんで年季の入った本物を買うか、もしくは原材料に「うなぎエキス」と書かれている物を推奨します)が入っているボウルへ浸して両面にまんべんなくつけ、網で焼く→タレに浸す→網で焼く→タレに浸すを何度も繰り返しながらじっくり焼きます。
 なお、網がない場合は魚焼きグリル使用でもOKです(タレをつけて焼くと焦げやすくなりますので、何度も様子を見ながら焼いた方がいいです)。
まぶし鰻風油あげご飯4
まぶし鰻風油あげご飯5
まぶし鰻風油あげご飯6
 油揚げにタレが染みてこんがり焼きあがったら、ひつまぶしに入っている鰻風に小さく細目に刻み、炊き立ての白ご飯へ投入してさっくりと混ぜ合わせます。
 余談ですが、切る前はそうでもなかったものの、実際に切って油揚げの断面をみますと確かに鰻の切り身に大変よく似ており、びっくりしました;。
まぶし鰻風油あげご飯7
まぶし鰻風油あげご飯8
まぶし鰻風油あげご飯9
 刻んだ油揚げがご飯全体へ行き渡り、ご飯もほんのり色づいてきたらお茶碗に盛り付け、お箸と一緒に食卓へ運べば“まぶし鰻風油あげご飯”の完成です!
まぶし鰻風油あげご飯10
 ご飯に混ざって少し色が落ちた物の、焦げたタレの香りといい、こんがり焼けた表面といい、中の色合いといい、ぱっと見なら鰻に見えなくもないです(←もちろん、じっと見たらすぐにばれますが;)。
 当初は「薬味がなくて大丈夫かな?」と少し心配でしたが、かえって薬味がない方がタレとご飯の旨さをシンプルに味わえていいかもしれない…と、出来上がったご飯を見て納得しました。
 正直、目をつぶって食べたも鰻の味はしないのでは?と半信半疑ですが;、マルタさんを信じて実際に食べてみようと思います!
まぶし鰻風油あげご飯11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーっす!
まぶし鰻風油あげご飯12


 さて、味はと言いますと…残念ながら鰻そっくりではなかったものの;、十分うまし!タレだけでもちゃんと「鰻らしさ」が出ています。
 表面はサクサクカリッと香ばしい食感に焼き上がり、中はふんわりジュワッと甘辛いタレがよく染みた蒲焼き風の油揚げが、炊きたてツヤツヤのふっくら白飯とばっちりの相性で食が進みます。
 ご飯の所々がタレ色に染まっている為一見くどそうな味付けに見えますが、一口噛み締めるとタレの味はうっすらする程度で、逆に米特有のどこまでも滋味深い甘さが舌の上を広がり、油揚げからにじみ出るうなぎの奥深いエキスをしっかり包み込んでいるように感じました。
 油揚げは念入りに油抜きをしたせいか、いなり寿司のお揚げの何倍もこってり濃厚な味わいの割にはあっさりした後口で、抜けた油の分だけタレをたっぷり吸い込んでいるのが不思議なジューシー感を演出していて、面白い口当たりになっています(←おでんに入ってるがんもどきみたいに、噛んだ分だけ中の空洞からタレがにじみ出て来ました)。
 鰻の骨から取った出汁入りタレが焦げる事によって生まれた、本物の鰻の蒲焼きに近い風味がただの油揚げを何ランクも上にレベルアップさせているのが感動物で、例えるとするなら「なんちゃって精進ひつまぶし」じゃないかな~と思いました。


 鰻のタレを使うだけで鰻の味が楽しめる事は以前から知っていましたが、このご飯には一本取られました。
 さすがにうなぎ屋さんの前で堂々と煙を吸いながらおにぎりを食べるわけにはいきませんでしたが;、吸わずにそのまま頬張ってもいけますのでおすすめです。
まぶし鰻風油あげご飯13

●出典)『くーねるまるた』 高尾じんぐ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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