『はらぺこ男子飯』の“パリパリポテトから揚げ”を再現!

 先日、久々に『らんま1/2』を読み返していたのですが、ふと夫が好きな女キャラは誰なんだろう?と気になって聞いてみたところ、小太刀が好き」と言われびっくりしました(他は右京だそうです)。
 男性から圧倒的人気を誇るのはシャンプーなので意外だったのですが、夫いわく「小太刀かわいいじゃん、兄貴はあれだけど」だそうで、人の異性への好みは奥深いな~としみじみしました。

 どうも、そうは言いつつも幼い頃に響良牙を見て「残念な三枚目好き」(※愛情表現です)に目覚めたんだから人の事は言えないな~と思った当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『はらぺこ男子飯』にて主人公・米田橙子さんが給料日前でろくに食べていなかった男子大学生たちにふるまった“パリパリポテトから揚げ”です!
『はらぺこ男子飯』パリパリポテトから揚げ図
 『はらぺこ男子飯』とは、実家が所有している学生向けシェアハウスオーナーの女子大生の娘・米田橙子さんが、腰を壊した実母(=寮母)に代わり、常にお腹をすかせている個性豊かな男子大学生たちに一食2000キロカロリー前後の夕飯作りに奮闘する日々を描いた、ハイカロリー系青春料理漫画です。

 こうご紹介すると、巷で鉄板化している逆ハーレム設定の乙女ゲー系恋愛料理漫画だと思われそうですが、全然そういうことはありません(←物足りない方もいらっしゃるかもしれませんが、当管理人は非常に助かってます…甘々展開が苦手ですので;)。
 たま~にほんのりそんな空気が流れないこともないのですが、基本的には真面目で頑張り屋な臨時寮母さんと、その寮母さんを各々違った形ではありつつも「いつもおいしいご飯ありがとう!」と感謝して慕っているかわいい学生さんたちという感じで、恋愛というよりは家族愛に近いのが呼んでいてほんわかします。
 普通の漫画だったらこのままハーレムフラグ立ちまくりなんだろうな~という場面でも、橙子さんの天然さと周囲の突っ込みと食欲でバキバキにへし折られていく様子は一種の爽快感すらありますので、一見の価値ありです(←但し、大家族のお母さんルートのフラグは滅茶苦茶立っています;)。
 
 なお、作者の芳川由実先生が巻末で語られたところによりますと、「残念男子が好きなのでラブ展開に進みませんが」とのことで、初めて読んだ時は「私もまさにそれなんです!そういうムードにならない『動物のお医者さん』的まったりムードが好みなんです!」と食い気味かつ勝手に共感する危ない人になったのを覚えています(…ただ、その後の文章に「前向きに検討します」とも続いていて、どんな風に変化していくのか、ある意味どきどきはらはらしていますorz)。
常におなかペコペコな男子大学生五人に、ご飯をつくることに!日々、大量の食材と時間との戦いが繰り広げられることに…
 ちなみに、作中に出てくる大学生の男の子は全部で五人で、面白いことに全員「料理のさしすせそ」にちなんだ名前を持っています(詳しいプロフィールはこちら)。
 さの砂糖は、内も外も女子っぽくてオシャレとインスタが大好きな佐藤温斗君(19)。
 調味料的に優しげなイメージを持ってましたが、見た目のゆるふわなかわいさとは裏腹に結構辛口なツンデレっ子で、ボケ担当が多い五人組の中では貴重なツッコミ役として活躍しています。

 しの塩は、無口で無表情なせいか一番とっつきにくそうに見えるクールな塩田岩男君(20)。
 塩というイメージそのままの飾りっ気なしな寡黙キャラで、食の好みも「炭水化物のばけもの(by佐藤君)」と称されるほどTHE・漢って感じですが、困っている橙子さんを真っ先にさり気なく助ける優しさもしっかり持ってます。

 すの酢は、真面目系眼鏡男子好きにはたまらないものがありそうな鈴木玄一郎君(20)。
 性格も見た目通り堅くていい加減なことが許せない優等生タイプですが、いつも肝心なところで抜けたことをしてしまう真性のボケタイプで、器用そうに見えて実はとんでもなく不器用なのが放っておけないキャラです。

 せの醤油は、これぞTHE・思春期男子な暴走を隠し切れず苦労している正野友介君(19)。
 とにかく女の子が好き、モテたい、彼女欲しいというある意味清々しい程青春しているお調子者な彼ですが、その包み隠さずまっすぐ突き進む様子は見ていてほほえましく、時折落とす衝撃発言からは目が離せません
(←初対面の橙子さんに「生の鶏肉も好きだけど、生の女の子はもっと好きだから…」と言ったシーンは、一を聞いて十を知るといった感じでした;)。
 その味噌は、ノリの軽さと女の子慣れしたスマートな振る舞いで五人の中で唯一モテている美薗麦君(20)。
 調味料の味噌のようにどんな場所、どんな人でも仲良くなじむ器用さを持っている上コミュ力抜群で、女の子に優しい事から常に取り巻きがいますがどこかマイペースで、一番掴み所がないキャラは彼かもしれません。


 こうして並べてみると、一応イケメンなのもあってそれなりにモテそうに見えるのですが…いかんせん面倒臭そうな残念イケメンなのが伝わるのか、一切モテません。
 大昔、「顔ではなく中身が大事」という言葉を幼な心に「嘘だ!」と思ったものでしたが、ある意味それは正しかったんだな~と今更ながら思います(←と、内も外も残念なアラサー女が言ってみます;)
初対面からぶっとばして引かれていた、惚れっぽい正野君初見時はてっきり僕っ子かと思っていました、女子系の佐藤くん
 あと、実はこちらの作品、あの有名なオレンジページがメニューの原案・監修をしている珍しい漫画で、作中に登場する料理は分量・手順・コツに至るまでとても詳しく明記された親切設計なのが特徴。
 料理雑誌は世の中に数多いですが、中でもオレンジページは主婦向けの堅実で完成度が高いレシピや魅力的な応用技、そしてオーソドックスながらも遊び心や新たな発見がある料理の特集が多く、個人的に好きでしたので、大いに好感度がアップしたものです(←子どもの頃、母と一緒によく読んでいました^^)。
 そのせいか、作中に出てくる料理は家庭の匂いを残しつつもちゃんと裏づけのあるアレンジをきかせた抜群の安定感で、どんな超特大破天荒料理(豚の角煮を丸ごと一本乗せた丼とか、食パン一斤使ったパングラタンとか、ハンバーグに見えない巨大ハンバーグとか…)のお話でも、安心して読むことができます。

 それにしても、かわいいけれど地味で、毒舌佐藤君から「初期アバターみたい」と評されるほど大人しそうな外見の橙子さんが、ぱっと見は教科書通りのようで実際ははるか上空を行くアグレッシブな料理を作り、男子達をどよめかす様は痛快そのもの。
 こう見えて意外に攻める女子なのかな~と、未だ見えてこない橙子さんの裏の顔を色々想像してしまいます…。
見た目はちょっと地味目ですが、作る料理は大胆かつ破天荒!

 今回取り上げるのは、第一話目で橙子さんが初の五人分調理に悪戦苦闘しながらも何とか作り上げていた“パリパリポテトから揚げ”!
 作り方はそこそこ手間がかかり、酒・塩・醤油で味付けした鶏もも肉に小麦粉と水溶き小麦粉をまぶし、千切りにしたじゃがいもでまわりをくるんで二度揚げし、最後に二種の手作りディップを添えたら出来上がりです。
 ポイントは三つで、鶏肉は厚い所を包丁で切り開いて厚さを均一にしてから一口サイズに切ること、鶏肉に下味をつける時はしっかり揉みしだくこと、揚げ油へ鶏肉を入れる時はヘラでそっと滑らせるようにして落とすことで、いつもの揉んで揚げるだけの唐揚げと違い小技が光るレシピだと思いました。

 から揚げにかけるディップもまたおいしそうで、カレー粉を隠し味に入れたカレータルタル、タバスコで刺激的な味に仕上げたスパイシーケチャップが食欲をそそる感じで、から揚げはいつもそのまま直食いしていた当管理人は「こういう気遣いって女性らしいな、見習わないとな~」と反省しました;。
 正野君が言うには、「このディップたとえるならば」「おっとり後輩女子とセクシー先輩女子に言い寄られていた時の感覚に似ている…!!」「選べるわけねーじゃん」だそうで、「お前その経験ないだろうが…」というみんなのツッコミに同調しつつも、何となくわかるような…と心の中でうなづいたものです。
タルタルは裏切りません…何に掛けてもおいしい万能ソースですスパイシーケチャップとカレータルタルをこのように表現;
 近所のスーパーでじゃがいもが大安売りされていたのを見た時、真っ先にこのレシピを思い出して再現してみることにしました。
 単行本に詳細なレシピが載っていることですし、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、肉の下準備。
 鶏もも肉は筋切りをしつつ身を均一な厚みになるよう切り開き、食べやすい大きさに切り分け、ボウルへ入れます。
 そこへ、塩、醤油、お酒を加えてがっつり揉みこみながら混ぜ、調味料が鶏肉になじんだらそのまま放置して室温に戻します(優しく揉んだら味の染みこみが悪いので、遠慮なくグニグニして下さい)。 
パリパリポテトから揚げ1
パリパリポテトから揚げ2
 次は、じゃがいもの下ごしらえ。
 流水で泥を落としたじゃがいもの皮をむいたら、スライサーなどを使って極細の千切り状になるようスライスしていきます(スライサーは構造上、ぎりぎりまですったら血を見る器具ですので要注意!!これくらいかな?で終わらせ、後は素揚げして分厚いポテトフライにして頂くことを推奨します)。
パリパリポテトから揚げ3
パリパリポテトから揚げ4
 今度は、包み作業。
 先ほどの鶏肉に小麦粉をごく薄くまぶし、さらに濃い目の水溶き小麦粉をまんべんなくつけ、千切りじゃがいもで全面をコーティングするようにしてしっかりくるみます。
パリパリポテトから揚げ5
パリパリポテトから揚げ6
 ここまできたら、いよいよ揚げ作業!
 160度に熱した揚げ油へ、ヘラか木ベラを使いながら鶏肉を滑らせるようにしてそっと投入し、たまにひっくり返しながら約五分くらい揚げて引き上げます。
 全部揚げ終えたら、揚げ油をさらに高温にして揚げた鶏肉を戻しいれ、一分かけて二度揚げします。
パリパリポテトから揚げ7
パリパリポテトから揚げ8
 その間、二種のソースの用意。
 一方のボウルへ粗く刻んだゆで卵、微塵切りにした玉ねぎ、カレー粉、マヨネーズ、レモン汁、塩、こしょうを入れてよく混ぜたらカレータルタルの出来上がり。
 そして、もう一方のボウルへトマトケチャップ、タバスコ、粗引き黒こしょうを入れてぐるぐる混ぜ合わせたらスパイシーケチャップの出来上がりです。
パリパリポテトから揚げ13
パリパリポテトから揚げ14
 鶏肉を全部揚げてキッチンペーパー等で余分な油をきり終えたらお皿へ高く積み重ねるようにして盛り付け、最後に二種のソースと一緒にテーブルへ運べば“パリパリポテトから揚げ”の完成です!
パリパリポテトから揚げ9
 写真から見るとそこまで大量に見えないかもしれませんが、間近で見るとなかなか迫力があります…。
 出来上がった時、ちょうど夫がただいまーと帰宅したばかりだったのですが、一目見て「すごい!何これ?!」と興奮していました。
 これにご飯や汁物、サラダ、副菜を一品つけて並べると、三十代前半夫婦の食卓と言うよりは育ち盛り&食べ盛りの十代兄妹の食卓みたいでした;。
パリパリポテトから揚げ10
 ちなみに、真横から見た図がこちらです↓(こちらの方が高さが分かりやすいですね)。
 今回作ったのは作中レシピの倍量である20個だったのですが、それでこのボリュームなのなら、原作通り30個作っていたらどうなっていたのか…胃袋的に想像したくありません(笑)。
パリパリポテトから揚げ11
 それでは、ソースをそれぞれのから揚げにかけていざ実食!
 いっただっきまーす!
パリパリポテトから揚げ12


 さて、味の感想は…今までに食べたことがない斬新な美味さの唐揚げ!スナック風に見えて結構厳重な衣で守られているせいか、とてもジューシーです!
 まるで揚げ春雨やフレンチのカダイフ包み揚げに似た、口の中でザクザクカリカリバリバリッと儚いようで豪快に砕け散っていく極細ポテトの食感が、柔らかで肉汁たっぷりな鶏肉の口当たりといい対比になっており、非常に凝った仕上がりになってます。
 一口目ではあまり存在を主張しませんが、二口三口と食べ進むうちにポテトのホクホク感と甘味が徐々に溢れていく感じで、フライドポテトと唐揚げを一度に食べている気分になりました。
 肉自体にはあっさり醤油味がついているのみでしたので物足りなくないか不安でしたが、鶏肉の深いエキスも内側で吸い込みつつ、外側では揚げ料理特有の芳しい香ばしさもついた最強のポテト衣自体が旨味の塊みたいなものなので、そのまま食べるだけでも全然美味しかったです。
 むしろ、下味が強めでない分鶏もも肉のコクがよりストレートに伝わるイメージで、こういう素朴な味付けもありなんだなーと目から鱗でした。
 ガッツリ系肉料理的なパンチの強さもありつつ、計算された繊細なお菓子みたいな印象も受け、面白い一品だと思います。
 カレータルタルはカレーの風味がほんのり効いた上品な酸味のレモンマヨがチキン南蛮風に、ケチャップはサルサソースを思わせるスパイシーでビリッとくる辛甘い味わいがちょっと大人なナゲットソース風にさせる感じで、相互に食べると飽きません。


 一見かわいい系ですが、じゃがいもを使用しているだけあってボリューム感満点で、数個だけでもそこそこお腹にたまるので「やるな~!」と感心しました。
 案の定、当日には全部食べ切れませんでしたが、翌日トースターを使って温めなおしたらちゃんとおいしさは復活していましたし、お弁当にも良いかもしれません。
 ソースの方も他の唐揚げと相性がよさげでしたし、有意義な再現でした。

P.S.
 キンメさん、銀猫さん、Sullaさん、kawajunさん、おもちさん、鯛さん、こなゆきさん、無記名さん、なぎささん、ゆずぽんずさん、無記名さん、山の幸さん、雪猫さん、rikkoさん、椅子さん、あめふらしさん、もちさん、ほーりーさん、恭さん。
 前回はコメントを下さり、誠にありがとうございました。


●出典)『はらぺこ男子飯』1巻 芳川由実/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『夜廻り猫』の“貧むす”を再現!

 お久しぶりです、あんこです。
 大変ご無沙汰してしまったので肩身が狭いのですが、今月末からまったり更新を再開できそうですので、こっそり戻ってまいりました(^^;)。
 本当はもっと早く戻りたかったのですが、スマホの液晶を転んで割ってしまい全データ消失の危機→マウスを接続して何とかデータをPCに移したかと思ったら、今度はそのPCが壊れて夫共々データ消失の危機→データを外付けHDDに移すことに成功して人心地ついていたら、職場から退職時期の異議申し立て&ドロドロ人間模様に消耗して一休み→諸々がやっと一段落ついた矢先、今度は私のうっかりミスで猫が脱走→料理どころではなく食事も喉を通らず、毎夜猫を探しにほぼほぼ不審者状態で近辺を徘徊したり、休日はビラ配りや情報収集に費やす→諦めかけていた矢先、奇跡的に脱走していた猫を無事保護してやっと落ち着くという、まるで厄年の厄が一気に降りかかってきたような暗黒期がつい最近まで続いていた為、今日まで遅れてしまいましたorz。
 人生何が起こるかわかりませんので断言できませんが、今の所は再現数1000をとりあえずの目標としてコツコツ続けていく予定ですので、ご縁がありましたらお付き合いいただけますと幸いです!
 ちなみに次回は、波多野鵡鯨さんリクエストの『はらぺこ男子飯』と、友人Yリクエストの『1日外出録ハンチョウ』から一品ずつ再現予定です(しばらく遠ざかっていた『ミスター味っ子』再現も徐々に再開していきます)。

 どうも、猫がパソコン画面のど真ん中に座っている為、こまめに視点を変えながらブログを書いている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『夜廻り猫』にて遠藤さんがある料理が苦手な女性に教えていた“貧むす”です!
『夜廻り猫』貧むすリアル画像
 『夜廻り猫』とは、人の言葉と心が分かるちょっと不思議な猫・遠藤平蔵さんが、夜毎に町を歩いて涙を流す人々の元へ現れ、共に泣いたり笑ったり励ましたりすることで心を癒していく姿を描いた、8コマ猫漫画です。

 遠藤さんは涙の匂いを辿って悲しみを持つ人々の所へ駆けつけるのですが、涙とはいっても実際に泣いていることはむしろ稀で、心の中で静かに流されている涙であることがほとんど。
 その上涙の理由も様々で、単に悲しいだけではなく心の傷にしみるような切ない涙、憂いを帯びた悩みの涙、追い詰められて苦しむ涙、はたまた感極まった嬉し涙まであり実に多種多様で、色んな人生に触れているようなリアルさに満ちており、どれもこれも人事に思えません。
 
 泣こうにもストレートに泣けない、解決しようにもすっぱり解決できない事例が大半を占めているのですが、遠藤さんが話を聞き、正直な感想を言い、そして寄り添うだけで不思議と救われていく感じで、ある人は覚悟を決め、ある人は「これでもいいか」と開き直り、ある人は慰められていくのが読んでいてほっとします。

 こういったら元も子もないかもしれませんが、切羽詰った悩み相談をされた時に必要なのは、解決案のアドバイスも無論大事だとは思うのですが、一番大切なのは話をしっかり聞いて気持ちに添い、「自分は最終的にどうしていきたいのか」という芯の部分を引き出すことなのではと個人的に感じています。
 話を聞いてもらっている内に安心して落ち着くので徐々に現状把握をしやすくなりますし、何より自分一人じゃないと思えることが精神の余裕につながるので、そうする事によって最善の結論をご本人に気づかせる遠藤さんのスタイルは実に理想的だと思いました。
 以前、作者の深谷かほる先生のインタビュー記事「悩み相談された人が、悩んでる本人より考えてるわけがない」「自分の力で解決しないと意味がない」「読んでいる人を寂しくさせない」という一節があったのがすごく心に残っていて、だから『夜廻り猫』は押し付けがましくもなく話がすとんと受け止められるのだと感じたものです。
子猫の重郎ちゃんと一緒に、夜中涙を流す人の元へ現れます
 また、『夜廻り猫』で特徴的なのは、登場する人々の年齢層が幅広く、三十代~六十代の方のお話が結構多いこと(←もちろん若年層の方やご年配の方のお話もありますし、それどころか犬猫動物が主人公のお話もあります)!
 私が今まで見た限りでは、動物漫画は極端に若いか極端にご年配の方が主要登場人物であることが多かったのですが、こちらではちょうどその中間の年齢層が数え切れないくらい出てきて、それぞれの年代ならではの悩みを話すため、三十二歳の当管理人としては内容的に非常に共感しやすいです。
 例えるとするなら「猫漫画界の黄昏流星群」というイメージで、いくつになっても悩みはあるし、逆に言えばどの時点でも自分を変えようと思えばいくらでも変われるんだと実感できて、勇気付けられます。

 作中に登場する他の猫たちも魅力的で、遠藤さんがカラスに襲われているところを救って育てて以来ずっと夜廻りについていく仔猫・重郎ちゃん、重郎ちゃんを何かと気にかける兄貴分の野良猫・ニイ、夜廻り見習いで少し図々しいけどどこか憎めない猫・ワカルなど、書いていたらきりがなくなります。
 中でも、当管理人が最も好きなのは遠藤さんと旧知の仲であるサバ白柄の猫・宙さんと、その飼い主である先生のコンビで、お二人ののんびりしたユーモアあふれるやり取りが好きで今後も目が話せません(←昭和の文豪と書生チックな雰囲気なのが好みです^^)!
年齢層が高いゲストが頻繁に登場するので、すごく共感しやすいです先生と宙さんと、庭の野良猫(?)一家がすきです
 今回ご紹介するのは、第百八十一話で登場した“貧むす”!
 作り方はものすごく簡単で、炊き立てご飯に刻んだ三つ葉・めんつゆ・揚げ玉を混ぜ込み、ラップでくるんで海苔やしそを巻いたらもう出来上がりです。
 ポイントは二つで、一つ目はご飯が炊き立て熱々のうちにつくること、二つ目は揚げ玉にめんつゆをしみこませてからご飯を混ぜ込むことで、ちょっとした一手間ですが、シンプルな分これで味がだいぶ変わるみたいでした。

 彼氏と同棲中なものの、料理が出来ないのを理由にお弁当で晩御飯をすませていたある女性が、彼氏から「うちの台所はキレイだな…つかわないもんな」言われて心の中で涙を流していたのを発見した遠藤さんが教えてくれたレシピで、これくらいだったらとすぐに作っていました。
 遠藤さんいわく、「人間は温かい料理を作ってもらうと元気が出るそうだ」だそうで、確かに仕事でクタクタになった肌寒い夜、こんな手軽につまめてほかほかのおにぎりを出されたらありがたいだろうな~とほっこりしました。
 どういう訳か、『夜廻り猫』に出てくる猫たちはそそるご飯を作るのが得意な猫たちが多く、あちこちに飯テロな料理がちりばめられている罪な作品ですので、夜中の読書には注意が必要です;。
『夜廻り猫』“貧むす”図
 前々から試してみたかった料理なのと、再現料理記事を書くのが久々な自分でもこちらなら何とか書けるのでは?という思いが重なり、再現してみることにしました。
 作中には詳しいレシピが載っていますので、早速そのとおりに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。三つ葉は流水で洗った後に水気をよくきって刻み、揚げ玉はめんつゆを加えてよくなじませておきます(←とても簡単な料理な分、素材の良し悪しがはっきりでますので、いいものを使われることをおすすめします。特に揚げ玉は、天ぷら屋さんで入手した方が絶対にいいです)。
貧むす1
貧むす2
 次は、混ぜ込み作業。
 揚げ玉にめんつゆが染みたら、そこへ炊き立ての白ご飯、刻んだ三つ葉を投入してしゃもじでさっくり混ぜ合わせ、ラップで三角形のおにぎりの形になるよう握ります。
貧むす3
貧むす4
 全て握り終えたら一部のおにぎりにしそや海苔を巻きつけ、そのままお皿へ盛り付ければ“貧むす”の完成です!
貧むす5
 お出汁や三つ葉のいい香りが温かな湯気と一緒に立ち上ってくるのが何とも食欲をそそり、空腹時にはたまらない仕上がりになっています。
 見た目はあっさりしていそうですが、揚げ玉パワーでツヤッツヤになっているご飯を見るとこってりしてそうにも見え、いったいどんな味かわくわくします。
貧むす6
 それでは、冷めないうちにささっといざ実食!
 いっただっきまーす!
貧むす7


 さて、味の感想ですが…たったあれだけの工程なのに、何故?!と唸る旨さ。もう少しアレンジしたらお店に出せそうな完成度です。
 カツオの風味がきりりときいた天つゆ風の甘辛い出汁味のほかほかご飯をかみ締めると、しゃっきりした小気味よい食感の三つ葉と、サクサク感としっとりふんわりした口当たりが絶妙に入り混じった揚げ玉がほろりと口の中でほどけ、本当に具のない天丼を食べているような気分になります。
 最初は天むすと似ているのかな?と予想していたのですが、揚げ玉からにじみ出る何ともいえないコクと香ばしさがご飯全体に染みて一体感が高まっているところは天むすとはまた一風違った感じで、天むすを「上品で女性的」とするならこちらは「がっつり男飯!」という印象を受けました。
 海苔を巻いた方は天丼っぽさがぐっと増す上、磯の風味が加わってさらに味わい深くなるのに対し、しそを巻いた方は生のしそ特有の強烈な和のアロマが後口を極力さっぱりさせるのがよかったです(←レタス巻きの原理で、油を丸ごと包み込んでこってり感をちょうどよく緩和させるのがナイスです)
 あと、油分がまんべんなくいきわたっているせいか、時間がたってもご飯粒がもっちりふっくらしたままで冷めても硬くならずおいしいままなのが特徴的でした。
 たっぷり揚げ玉が入っているのに後引く味わいしている重要な立役者はやはり三つ葉で、要所で清々しい香気と、ザクザクシャキシャキキュッとしたアクセントを加えているおかげで結構な量でもパクパクいけちゃいます。


 冷めると揚げ玉がしなってしまうので食感の楽しみが減ってしまうのが難点ですが、出来立てをパクッといくのならこれ程簡単で美味な混ぜご飯おにぎりはそうないと思います。
 思い出したらまた食べたくなる、そんな料理でした(←但し、食べすぎには要注意です!当管理人のように調子に乗って何個も連続して食べると、後々胃もたれしてしまいますので…orz)。


 P.S.
 きくじろさん、kawajunさん(何度もコメントくださり、感謝です!)、ROMさん、ママさん、あんこさん大好きさん、キンメさん、おもちまるさん、銀猫さん、波多野鵡鯨さん、ささみさん、無記名さん、まなかさん、BUBUさん、鯛さん、かるまさん、無記名さん、西村順二さん、もちさん、きら。さん、Sullaさん、らむねさん、小野さん、たきあさん、アイコさん、無記名さん、あめふらしさん、椅子さん、小枝さん、杏さん、磯さん、無記名さん、無記名さん、ななさん、まろーねさん、三世さん、ゑのさん、エイカさん、さこさん、そらまめさん、無記名さん、マニさん、恭さん、雪猫さん、あぷりさん、無記名さん、くいいじももんさん、マロニーさん、十子さん、けんたっきーさん、無記名さん、ほりさん、無記名さん、ゆゆさん、無記名さん、kackyさん。
 いつ再開するか不透明だった当ブログに、励ましのお言葉やご感想を下さり、誠にありがとうございます。
 今後も状況が変わらない限り、細々と続けていくつもりですので、何卒よろしくお願いいたします(←リクエスト頂きましたうちの猫たちの写真や日常のブログは、タイミングがあったらその内アップしようと思います^^)。


●出典)『夜廻り猫』1巻 深谷かほる/講談社
     『夜廻り猫』2巻 深谷かほる/講談社
     『夜廻り猫』3巻 深谷かほる/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

ひとまず、近況報告致します。

 皆様、お久しぶりです。
 当ブログの管理人・あんこです。
 この度は何の前触れもなく長くご無沙汰してしまい、申し訳ございませんでしたm(_ _)m。
 もう見ていらっしゃる方はいないと思いますが、区切りの為にも近況報告をさせて頂きます。

 ブログをお休みした約一年の間、本当に色々なことがありました。
 結婚してすぐ、「主婦業がこんなに大変だったとは…!」と如何に自分が結婚向きの人間でないか思い知ったり(←あ、ちなみに結婚したのはこれまでの相方さんで同一人物です。別の方が見つかるようなモテモテ人生とは無縁です;)。
 仕事は仕事で泥沼が続き、「夫(元・相方さん)も勧めてるし、そろそろパートか専業主婦になってのんびりブログ更新を再開しようかな~」とたわけた事を考えていた最中、職場がちょっとした騒動になって辞めるに辞められなくなったり(←このタイミングだと新しい上司が気の毒すぎるので、もう少し落ち着く来年くらいまではドタバタ生活確定orz)。
 あと、お互いの家族とちょっとごたついたり、新しい猫の家族がもう一匹増えたりと、目が回るような忙しさでした…。

 けれども、以前のようなハイペースとはいきませんが、来年に向けて少しずつ復帰の目処がたってきましたので、取り急ぎ書き込むことにしました。
 それまでは、自分ルールで勝手に再現を制限していた作品が結構あったのですが、これからはあまり気にせずフリーダムに再現記事をアップする予定ですので、お暇つぶしにでも見ていただけますと幸いです。

 結婚祝いのコメントを下さった山の幸さん、灰音さん、わかおらさん、やまももぞうさん、銀猫さん、恭さん、SYOさん、西村順二さん、はなびしさん、やま味噌さん、flofloさん、かなさん。
 更新が間遠になった後もコメントを下さったキンメさん、kawajunさん、波多野鵡鯨さん、無記名さん、ユウサクさん、るいこさん、りあるにさん、こぐまさん、まるのすけさん、小久保ビデオさん。
 そして、見に来てくださった皆様。
 こんないい加減なブログにお付き合いくださり、誠に有難うございました。
 ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします。


 追記:正直、今年更新しますとはまだ断言しがたいのですが、もし時間ができたら、また気まぐれに再現しに来ようと思います(^^)。
 追記その2:コメント拍手を下さった方、時間があるときにちょこちょこチェックしていました!ありがとうございます。

 

『まかない君』の“ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー”を再現!

 こんばんは、お久しぶりです。
 
 この度は何の前触れもなく約四か月もお休みしてしまい、誠に申し訳ございませんでしたm(_ _;)m。
 個人的には更新したくてたまらなかったのですが、ここ数か月で職場の人手が不足して勤務&残業量が一気に増えたり、相方さんが死にかけていた赤ちゃん猫を拾って新しい家族が増えたり、不思議と人付き合いが多くなって食事会や飲み会が増えたり、年内に結婚する事が決まって色々と忙しくなったりと、なかなか時間が取れずにここまで来てしまいました。
 おそらく今年一杯はバタバタする為、またしばらく間が空くと思いますが、時間が取れたら簡単なブログ更新を何度かし、そして落ち着いたら徐々に更新ペースを元に戻していきたいな~と考えています。
 もし、その時にまたご縁がありましたら、よろしくお願いします。

 どうも、四か月を大して長く感じなくなったのに年齢を感じてしまった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君がささっとお昼をすませようとして作った“ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー”です!
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー図
 とある春の日のお昼、凜さんも佳乃さんも午前中に出かけ、久々に弥生ちゃんと二人きりでお留守番をしていた浩平君は、簡単な物でお昼を済ませる事にします。
 普段は凜さんから「そんなに気を使わなくていいんだよ」と言われるくらいしっかりした献立作りに励む浩平君ですが、同年代同士になると少し気がゆるむのは他の子達と同じなのだな~と、親近感を抱いたものです(仕事の場でも、上司の監視がある時とない時とでは、どうしても手の入れ方が違ってくるのと似ていますね!←絶対違う)。

 とはいえ、カップラーメンで済ませるのは味気ないと思ったのか、浩平君は「もうちょっと手の込んだものにするよ」と言って台所に立ちます。
 この時、弥生ちゃんは冗談で「じゃ ビーフストロガノフとか?」というロックな発言をし、初見時は思わず吹き出しました;。
 相当手抜きをしない限り、一般人ならば「かなり手の込んだもの」に分類される料理だと個人的に思うものの、正直マメな浩平君ならそんなに苦と思わないかも…と一瞬思いかけましたが、浩平君でもこれはきつかったらしく、苦笑いして断っていました。
 さすがに、ペコペコなお腹を抱えながら玉ねぎを飴色になるまで炒めたり、何十分も煮込んだり、さらに同時進行でお肉をフランベしたりバターライスを作るのは、精神的にも肉体的にもハードすぎます。
お昼にビーフストロガノフは重いですね…胃袋的にも時間的にも
 こうして、浩平君が弥生ちゃんに見守られつつあるもので手早く作り上げたのが、この“ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー”です!
 作り方は本当にお手軽で、沸騰させたお湯へスパゲッティとブロッコリーを入れて茹で、火が通ったら湯切りしてオリーブ油・バター・わさびを加えてなじませ、最後にちりめんじゃことのりたまを足してよく混ぜたら出来上がりです。
 ポイントは、スパゲッティが熱い内にわさびを入れてさっと混ぜることと、辛味が成分が飛ぶまで手を抜かず混ぜ続けることの二つで、どうやらこれをしないと中途半端に仕上がるみたいでした(←辛いのもそれはそれで美味しそうですが、試す勇気はないです;)。

 わさびに熱が通ると辛くなくなるのはこちらの再現で知っていましたが、他の濃い調味料と合わさず、シンプルにオイルやふりかけとだけ和えて味付けする方式は初めてでしたので、大胆だな~とびっくりしたのを覚えています。
 さらに、ネット上でものりたまパスタのレシピはいっぱいアップされていたものの、わさびやブロッコリーを組み合わせているのは他に類を見ず、こういうシンプルなレシピで被らないのは逆にすごいと作者さんを尊敬しました(←なお、同じベクトルで尊敬したのはこちらのレシピだけです)。
予想を超えるわさびの量に、思わず声をあげる弥生ちゃん
 その後、弥生ちゃんはわさびの辛い湯気(←わさびを混ぜる作業の際、辛味が十分飛んでいない内に湯気を嗅ぐとものすごくきついのです…。うまくいえませんが、わさびの辛味がトゲとなって直接肌や粘膜を突き刺しまくる感じです;)をもろに浴びたせいで、「浩平 お先にどうぞ」と毒味を要求するまで怯えてしまうのですが、いざ食べてみるとケロッとして「あんなにわさび入れたのに、逆に甘いくらい!」喜んで食べていました。
 浩平君曰く、「ご飯に合うものはたいがいスパゲッティに合うんじゃないかな」だそうで、内心日本人の米離れがすすむのも、頷ける…」(←優秀な主食が増えすぎたという意味で)と思いました。
ご飯に合うものは、大概スパゲティにも合う…至言ですね
 ちょうどブロッコリーとのりたまが家にあったのを見つけ、すぐにこのレシピを思い出し再現する事にしました。
 作中には詳しいレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。塩を入れて沸騰させたお湯へ、スパゲッティと小房に切り分けたブロッコリーを投入し、程よい加減に茹でます。
 茹で上がったらザルにあけて湯切りした後再度お鍋へ戻し、オリーブ油、バター、わさびを加え、よーくかき混ぜます。
 この時、湯気にわさびの辛味成分が含まれてかなり刺激が強めになっていますので、ボウルに顔を近づけ過ぎないようお気を付けください。
 ※ブロッコリーを茹ですぎたり、あんまり混ぜすぎるとブロッコリーの形が崩れてしまうので、そちらも要注意です!ちなみに、当管理人は見事に崩してしまいましたorz。
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー1
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー2
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー3
 やがて、それぞれの油分がスパゲッティに絡んでわさびの辛味が飛んだら、ちりめんじゃことのりたまをふりかけ、ざっと混ぜ合わせます。
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー4
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー5
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー6
 具と調味料が全体に合わさったのを確認したらお皿へ移し、急いでテーブルへ運べば“ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー”の完成です!
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー7
 湯を通して緑色がさらに鮮やかになったブロッコリーに、黄色いのりたまの色の取り合わせが綺麗で、ぱっと見菜の花に似ているような気がしました。
 香りはのりとごまが思ったよりも強いですが、バターの芳しい香りも強く、一体どういう味わいなのかワクワクしてきます。
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー8
 それでは、熱々スパゲッティーがのびない内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
ブロッコリーとじゃことのりたまのスパゲッティー9


 さて、感想はといいますと…ブロッコリーとのりたまの相性のよさに驚き!見た目も味も菜の花畑を連想する穏やかな美味しさです!
 辛味が完全に飛んで野趣溢れる甘味になったわさびと、バターとオリーブ油のまろやかなコクがブロッコリーを和洋折衷温野菜サラダに変化させ、単なる具としてではなくソースとしてパスタと一体化させるのに成功しています。
 ブロッコリーの瑞々しい爽やかな風味が染み込んだパスタは噛むごとに味わい深く、全体的に香り高く上品な仕上がりだと感じました。
 塩気自体はそこまで強くないですが、わさびと卵の素朴な甘さが相対的に引き立てている為そこまで薄味ではありません。
 一見シンプルなオイル系パスタにみえますが、のりたまに含まれる和風の魚介系エキスと、じゃこの潮の香りが複雑な旨味を産み出しており、例えるとするなら「出汁が効いているのに汁気が少ない、ブロッコリーと卵の和パスタ」だと思いました。
 プチプチ弾ける白ごまの香ばしさと、海苔の磯風味がいいアクセントになってます。
 また、ふりかけパスタの弱点はどうしても粉っぽくなるところなのですが、茹で汁を吸ったのりたまの卵はふんわりして炒り卵風になり(←もしくは、しっとりした茹で卵の黄身風?)、出汁粉も細かいせいかざらざら感はなくしっとりなじんでツルッとしていた為、感心しました。


 「のりたまと言えばご飯!」という固定概念が、ガラガラと崩れた非常に面白い再現でした。
 今度は、ネットにもアップされている色んなアレンジレシピも再現してみたいな~と感じました。

 P.S.
 極端に更新が減った2016年ですが、それにも関わらずコメントを下さったkawajunさん、波多野鵡鯨さん、まーくさん、キンメさん、恭さん、くんこさん、あめーばさん、わかおさん、さぼてんさん、まささん、いそのさん、電子の海から名無し様さん、銀猫さん、クーレンさん、国語すきさん、かなさん、和丸水産さん、「ま」人むくぽんさん、きいろいくまさん、はなびしさん、名無しさん、無記名の皆さま、そして拍手コメントを下さった皆様に、改めてお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。

●出典)『まかない君』 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

『紺田照の合法レシピ』の“なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ”を再現!

 先日、熊本地震の影響でお水を大量に買っていくお客さんが増えたと某ショップ勤務の知人から聞き、一瞬「買占め…?」と暗い気持ちになったのですが、知人の店ではほとんどが熊本の方々へ車で直接届ける為にどうしても買いたいと話すお客さんばかりだったそうで、少しほっとしました(←届け先は家族や親戚だけでなく、部下、友達、学生時代の後輩など多岐に渡ったそうです)。
 一日でも早く地震の影響がおさまり復旧する事を祈りつつ、私が今できる事は何か、再度考えながら職場と家の往復をしている今日この頃です。

 どうも、缶詰では「日本近海どり さんまとハバネロ」が好きな当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にて主人公・紺田照君が激怒した上司を落ち着かせる為に作った“なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ”です!
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ図
 漫画『紺田照の合法レシピ』とは、若干18歳という若さにして暴力団「霜降肉組」で新人極道生活を送っている高校生・紺田照君が、生きるか死ぬかのスリリングな日常の中、趣味の料理に没頭する日々を描いたギャグ系任侠料理漫画です。

 性格は寡黙にして冷静で表情に乏しく、まだ十代だというのに幹部組員並の度胸と強さを持っている為、周囲から恐れられている紺田君ですが(『寄生獣』の後藤さんにビジュアルがちょっと似ているのがまた怖さを倍増させてます;)、実際はとても礼儀正しく庶民的な性格で、自分に唯一気軽に話しかけてくれる同級生・春真希ちゃんの為に手料理を持って引退試合に駆けつける心優しさを持ち合わせているので好感が持てます。
 主人公が暴力団に所属してますので物騒なシーンも多々あるのですが、紺田君自身がこんな性格な上、薬の販売はしない・一般人には手を出さない・密漁品取引は許さないなど、もはやファンタジーと言っていいくらい古風でクリーンな組に属している為、殺伐としつつもどことなくシュールギャグっぽい世界観が形成されており、そのせいか読後感は不思議なほのぼの感が残るのが印象的な作品です。

 普通だったらどう切り抜けるかで頭が一杯になりそうなデンジャラスな日常の中、何にでも料理に結び付けて新しいアイディアを思い浮かべる紺田君の想像力のたくましさが個人的にツボで、「もしかして、斬新な料理のネタを得る為に組に入ったんじゃ…」と時々錯覚しそうになります(←但し、割れたビール瓶を見てタジン鍋を連想するなど、やや強引すぎる場合もありますが;)。
※くどいようですが、彼は18歳で現役の高校生です。未成年です。←仕事中家に帰った後は、昼間の出来事をヒントにしながら優雅に夕食つくり。←帰宅後
 あと、今作で最も魅力的なのが、『ミスター味っ子』と『中華一番!』をミックスして任侠要素を色濃く反映させたような、独特な料理表現の数々!
 シソを「合法ハーブ」、片栗粉を「魔法の白い粉」、調理を「カチコミ」などと不穏な横文字で彩ったり、炊き立てご飯の湯気を「ずっと吸引していたい」、低カロリー料理を作る際に「余分なカロリーを殺ってやる」といちいち危ない言い方をしたりするのはデフォルト。
 それどころか、美味しさを伝える時も「カレーの香りと辛味が凶暴。完全に武闘派だ!!」「ご飯組も加わり、口の中の抗争がより一層激しくなった!!もはやこれは戦争だ!!」「あの表情…極上の合成麻薬に違いない」というキワドイ言葉のチョイスばかりで、読んでいるこちらがハラハラします;。
 しかし、最初は困惑していたこれらの危ない言葉遊びも、一話二話と読み進めていくにつれ段々癖になり、最終的には「もっと過激なブツを…」とジャンキーになってハマること必至です(←※漫画のことです)。

 なお、表現はおどろおどろしいものの出てくる料理は家庭的かつ身近なレシピばかりで、繊細な下処理、彩りや栄養バランスへのこだわり、果てにはおいしそうに出来た日は画像撮影後クック○ッドに投稿するなど女子力がすごく、そのギャップが非常に面白いです(←ちなみに、公式キッチンは実在します)。
料理の感想がいちいち紛らわしい表現ばかりで、毎回感心笑っています
 今回ご紹介するのは、第四話「狼の晩餐」で登場した“なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ”!
 作り方はとても簡単で、オリーブ油を塗って三枚重ねた春巻きの皮の上にきゅうり抜きのポテトサラダ・イカの塩辛・ピザ用チーズを乗せてオーブントースターで焼き、最後にレモン汁をかけたらもう出来上がりです。
 ポイントは、焼く前も後も形が崩れやすいので必ずアルミホイルの上で作ることと、オリーブ油を塗る時は春巻きの皮が焦げないよう焼き過ぎに注意することの二点で、包丁もフライパンもなしであっという間に作れる手軽さが嬉しいです。

 アンチョビがなかった為イカの塩辛を代わりに使ったとの事で、当初は「本当に代わりになるのかな?」と半信半疑でしたが、紺田君曰く「北海道ではじゃがいもと一緒に食べる事も多いんで」と相性の良さを見込んで使ったそうで、目から鱗でした。
 餃子の皮でピザ風はよく見かけますが、春巻きの皮は何故かあまり見かけませんので、どういう味になるのか気になってしょうがなかったのを覚えています。
塩辛とジャガイモの組み合わせが鉄板であることは、北海道で立証されています。
 おいしいイカの塩辛が手に入ったので再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下準備。アルミホイルの上で春巻きの皮に一枚ずつオリーブ油を塗って三枚重ね、その上へきゅうりが入っていないタイプのポテトサラダを広げます。
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ1
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ2
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ3
 そこへさらにイカの塩辛(透明な塩辛より、ワタを使った塩辛が断然お勧めです!)とピザ用チーズを散らし、オーブントースターでこんがりするまで焼きます。
 ※春巻きの皮は結構すぐに焦げてしまいやすいので、こまめに焼き具合をチェックする事を推奨します。
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ4
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ5
 全体的にいい感じに焼けてきたらすぐに取り出してレモン汁を振りかけ、食べやすいサイズに切り分ければ“なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ”の完成です!
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ6
 本当にアンチョビを使ったかのような深い香りがチーズと混然となって漂い、ものすごく食欲をそそります。
 イカの塩辛を調味料代わりに使うことは何度か試しましたが、ピザにするのは初めてですので、一体どんな味がするのかとても楽しみです!
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ7
 それでは、焼きたて熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
なんちゃってアンチョビとポテトのパリパリピザ8


 さて、味の感想ですが…ちゃんとピザっぽくなってて驚くと同時に感動!おやつっぽい見た目ですが、意外と食べ応えがあってボリューム満点です。
ほんの数秒前は激怒していたのに、一口食べただけで少年の目に戻りました;
 一口食べて連想したのは某ピザチェーン店でおなじみのアイダホピザで、マヨとチーズとじゃがいものゴールデンコンビっぷりを実感させる、間違いのない旨さでした(←すごく濃厚なポテトグラタン風ともいうべき味で、お酒にぴったりです)。
 狼須さんの言う通り外側は冬の落ち葉を連想させる軽い食感の皮で、薄く儚くパリッと砕けるのがすごくクリスピーかつ香ばしくていいのですが、底の方はほんのりムチッとしつつもほとんど口に残らない独特な極薄生地に仕上がっており、一度で二度おいしい印象を受けました。
 火が通ったイカの塩辛は、生の時の臭みが完全に消えて本当にアンチョビっぽい熟成されたコク深い塩気に生まれ変わっており、まろやかなポテサラにビシッと一本真の通った味付けをして後引く味わいになってます(←例えるとするなら明太子クリームパスタっぽい感じで、しょっぱい食材とクリーミーな食材が相反しつつも互いが互いを引き立てあうイメージ)。
 ポテサラのねっとりホクホクした舌触りの中、イカの塩辛のプリプリ感やにんじんのサクサク感が程よくアクセントを与えているのが味のマンネリを防いでいます。
 レモン汁の爽やかな酸味がじゃがいも料理にありがちな野暮ったさを鮮やかに打ち消して垢抜けさせ、後味をさっぱりさせて全体にメリハリをつけているのがナイスでした。


 紺田照君の言う通り、変化球でブラックペッパーをふって食べてみてもいけました。
 簡単に作れるのに期待以上の味に仕上がる為、時間がない時には大変ありがたいレシピだな~と思います(←あまりに簡単&おいしく作れるので、既に三~四回くらい作りました)。

●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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